昨日、建築系のデザイナーをされている方からコメントを頂きました。デンマークのトールボーイスピーカーDALI ROYAL TOWERを使われている方で、インテリアデザインの際に、オーディオ機器のコーディネート(音のデザイン)までされる方のようです。こちらのブログを拝見して、改めてうちのブログについて感じたことを書いてみたいと思います。

昨年BSで見たフランスの番組での話です。あちらでは生活空間の中で発生するサウンドのデザインに対し、まるで調香師が香りを吟味するかのように敏感な要求があるのだそうです。

食品メーカーではシリアルを噛み砕くときの「サクッ」という音質の分析から、色々な形状の瓶を空ける時の「ポン!」という音、香水瓶の香りのみならず蓋を開ける時の音、子供のオモチャの素材音の研究、それから地下鉄の設計では、建築物としてのデザインのみならず、ホームや各通路それぞれに於ける音の響き方、聞こえ方の複雑なコントロールや、それぞれの通路の響きに敢えて違いを付けることでのトータルでの空間演出までデザインされるそうです。

自動車メーカーでは、単純に無音化・静音化をする事は簡単だが、エンジンの響きや室外音の聞こえ方について、快適さを保ちながらもどうドライバーに安全且つホットに聞こえさせるかの研究や、果ては視覚障害者の皆さんがより快適で安全で文化的な都市生活を送れるよう、券売機や信号機のサウンドシグナルをデザインする研究など、なんというか、とにかく何処も彼処もザワザワと不愉快な騒音まみれの現代日本文化と違い、ここまで「音」の品質にこだわるのかと大変驚くと共に勉強になりました。

うちのサイトの(私個人の)方針として、オーディオ機器は音楽のために、そして音楽は聴き手のためにあるという基本的なポリシーがあり、オーディオ趣味を追求する中で、リスナー>音楽>オーディオという関係が本末転倒しないことが大切だと考えています。

オーディオ機器は、レコードに演奏家、作曲家が演奏に込めた表現、色彩、生命観、精神性を出来るだけスポイルせず伝える能力があることがまず大切です。これは、機器が置かれる部屋の住人・家族にとって、良質な再生音楽を提供出来るという意味でもあります。
そして、この音楽の再現能力とは別に、ライフスペースに於ける家具として、インダストリアルデザインとしても、使い手にとって快適であって欲しいと考えます。

オーディオ機器の本質がエンジニアの技術的なアイデンティティを実現する事が主たる目的となる場合、家具、道具としての見た目や使い勝手が機器の存在のために犠牲になったり、悲しいかな音楽までもが犠牲になる、まるでオーディオ機器のために音楽が存在しているかのような、音楽はおまけでありテストトーンの一つに過ぎないかの如く聞こえる、音楽不在の血の通わない音がするシステムも残念ながら珍しくありません。

また、技術的なアプローチとは反対に「音楽」を第一義に考えている様に見受けられる場合でも、音楽そのものを神格化し、まるで音楽のために聴き手が奴隷となり、その前にひれ伏すかような価値観、「音楽」のためにはルックスや住環境、ライフスタイルが犠牲にされても当然!といった極論も、ハイエンドの一部にはありがちじゃないかと思います。

私は、音楽もオーディオ機器も全てはリスナーのため、人々のために生まれたものだと考えています。オーディオ機器はあくまでリスナーと演奏者の「橋渡し役」であるべきです。音楽はオーディオ機器のプライドを満たす為にあるわけではありませんし、また多くのリスナーは人として音楽の為にのみ生きているわけでもありません。当然オーディオ機器と物欲に押しつぶされる為に生きている訳でもありません。(優れた音楽家は「音楽」や或いは「宗教的価値観」の為に人生を犠牲にしいるかのように見える場合もありますが、その根本には結局聴き手の人々がいなければ何もかも成立しなくなってしまいます。)

これらをオーディオ機器の存在意義、道具としてのデザインに当てはめた場合、私は色々な機器を聴いていく間に、真に美しく真っ当な音楽再生は、美しい筐体やアーキテクチャーにこそ宿るのでは無いかとさえ感じられる様になりました。それらは一見別々なフィールドのようでいて、出来上がった一つの製品が、音楽・美術・技術に共通の美的感性と価値観に裏付けされていなければ、自己満足を超えた普遍的で美しく心地良い音質は本質的に実現される物ではないと。

オーディオ機器に依存する再生音楽は、現実には金銭面など多くの妥協点から成り立っているとはいえ、この音楽・技術・美術の相互のバランス感覚を最低限失っていない事が大切ではないでしょうか?

”AUDIO STYLE 箱庭的輸入ピュアオーディオシステムの薦め”では、出来る限り美的センスと価値観に一本筋の通ったオーディオブランドを紹介することで、サイトがオーディオ機器選びの道しるべとなり、音楽ファンとしてのリスナーの皆様がおかしな遠回りをせず、より良い音楽ライフを送る為の手助に少しでもなることが出来たらと願っております。

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