今高画質な小型ハイビジョン液晶テレビは?その1
パーソナル液晶テレビとPCモニターを共有する

まず、6畳間のパーソナルスペースでデスクのスペースとPCモニタを兼用する点を踏まえて最適なサイズとなると、32V型以上ではPCモニタとしての近接使用にはやや大きすぎる事もあり、今回はその一つ下の26V型を候補にしました。小型パーソナルテレビの印象が強い20V/23V型と異なり、26型はテレビ画面としても不満のない大きさでハイビジョンのメリットをより享受でき、XGA(WXGA)の大型PCモニタとしても近接使用でギリギリ違和感のないサイズです。今回は、現在発売されている26V型デジタル放送対応ハイビジョンテレビの画質を見比べた印象を書いてみます。

■Panasonic VIERA TH-26LX75S
Panasonic VIERA TH-26LX75S

まず目に付くのがパナソニックVIERAの液晶上位機種TH-26LX75Sicon。同一性能機種として他に32V型のTH-32LX75Sと、アンダースピーカーモデルのTH-32LX75があります。(注:26V型はサイドスピーカーモデルのみです) いきなりですが、現行モデルで最も性能が良い液晶テレビはビエラのLX75シリーズだと断言しちゃいましょう♪ HIVI(ハイヴィ)のディスプレイ部門やAV REVIEWVGPビジュアルグランプリでトップ受賞しているだけのことはあります。採用している液晶パネルは日立のIPSαパネル。視野角が広く今最も高画質な液晶パネルです。未だ技術的に未成熟な液晶テレビですが、やはり松下はメーカーの開発力が予算も人材も他とは違うのでしょう。特に液晶テレビでの最大の弱点である動画ボケが、秒間120コマの倍速駆動「Wスピード」により従来機種と比べて大きく改善していて、未だプラズマテレビには及ばないのしても、中小型の画面でしたらかなり我慢できるレベルの残像感にまで進歩してきました。また、映像の立体感やコントラストの高さでも他社を一歩リード。液晶テレビでやっと立体感、遠近感の片鱗が感じられる初めてのモデルかも。色乗りの良い派手な画作りも合わせて、店頭での説得力では他を圧倒していると思います。ただ、敢えて難点を挙げるとするとこの画作りかも。プラズマテレビのVIERAもそうですが、映像の芸術的な美しさや写実的な描写力等で、オーディオ・ビジュアルマニア好みの品格のある画質というよりも、一般ユーザーを意識した地デジのニュースやバラエティ番組がクッキリ見える類の画質です。明暗のコントラストが高くシャープネスも強調気味な為、せっかくの動画性能の強さにも拘わらず、輪郭のリンギングや暗部・濃色部分のテクスチャーのザワザワとしたMPEGノイズが逆に気になってしまう結果に。また、売れ筋に当たる下位モデルと比べて価格が非常に高い。現在26型の液晶テレビ新機種は、各モデルとも平均10〜12万円前後の価格ですが、TH-26LX75Sに限っては15万円前後。実売価格で32〜37型が買える状況です。カタログに現れない部分まで念入りに作り込まれた質の高さは感じられますが、それにしても高い。高コスト・高価格を許容し、動画の強さや品質を評価する層にクオリティのアドバンテージを訴えるには、下位モデルとは異なる、差別化された品の良い画作りも必要なのではないかと感じます。音質面ではスピーカーには竹素材を使ったバンブースピーカーを採用。中小型テレビながら2weyのサイドスピーカーでより広がりのある音が得られます。

■Panasonic VIERA TH-26LX70
Panasonic VIERA TH-26LX70

TH-26LX75Sの下位機種に当たる松下ビエラの中核機種。実売価格を他社同サイズと合わせたクラスで、台数的に沢山売れるのはこちらではないかと思われます。同一性能モデルに32型のTH-32LX70、23型TH-23LX70、20型TH-20LX70があります。上位のLX75シリーズと外見の違いは、LX70シリーズがアンダースピーカーモデルのみなこと。また、画質面では倍速駆動が採用されていない点です。こちらも日立のIPSαパネルが採用されていて、基本的な画作りもLX75と共通。スクロールテロップなど映像の破綻が判りやすい、動きの速いシーンでは差が出るようですが、ぱっと見た感じでは上位機種と似すぎていて画質の区別が付かないかも。 そんな感じでLX70を基準にした場合、上位モデルに限りなく近いお買い得モデルであると云えますし、しかし、良く見ると画質面の微妙な描写力の差はあるようで、同じIPSαパネルが採用されているとはいえ、もしかするとバックライトや回路などでコストダウンが図られているのかも知れません。各パラメータでパネルのピーク性能を引き出している印象のTH-26LX75Sと比べると、僅かにディティールが甘く描写が優しい印象が見え隠れします。。。とはいえ、価格程の画質差があるかといわれると、大多数の一般ユーザーには無きに等しい違いというか、他メーカーの画質差と比べれば小さな、同じ画作りの中の品質差ですから、店頭で暫く見比べて良くわからない場合はこちらを選ばれても特に問題は無さそうです。現時点で最高性能の上位機種を手に入れる満足感ならLX75S、価格をより考慮するなら下位モデルで十分かも知れません。

■東芝 REGZA 26C3000
TOSHIBA REGZA 26C3000

IPSパネルを採用した東芝REGZAシリーズの新機種。画像エンジンに新メタブレイン・プロを搭載したレグザの先代モデル(C2000系)は特にマニアの評価が高く、新機種も先代をそのまま踏襲した強調感を押さえた目に優しいしっとりした画作りのようです。IPSパネルのメーカーは公表されていませんが、32型32C3000と26型の26C3000は松下(及び日立)と同じIPSα(IPS-Pro)パネルではないかと思われます。(注:他サイズでは23型のみVA、それ以外はLGのS-IPSパネルと思われます) 26C3000は先代に比べ軽量化され(主にスタンド)、生産設備も中国へ移管などの噂があり、実質グレードダウンではないかと危惧されましたが、製品は全く問題無いというか、PC接続への対応や各種機能、26C2000に引き続きIPSαパネルの採用も含めて結構良い方向へ正常進化していると感じます。スピーカーはオンキヨーとの共同開発によるジェットスリットスピーカー。フルレンジユニットの手前に指向性をコントロールするホーン(デュフューザー)を組み合わせたものです。意外だったのが、各液晶テレビメーカーの中でもレグザが最も落ち着いてまともな画作りをしている点。コントラストや輝度ピーク、輪郭強調を抑え、中間階調を豊かに柔らかくナチュラルな品の良い色で映像マニアにも説得力のある画作りが唯一されているといえます。MPEGノイズの抑え方も巧みで、ハイビジョンのザワザワとした圧縮ノイズが液晶ながら最も目立たないのがREGZAでしょう。私は普段、殆どノイズが皆無に近いパイオニアのピュアビジョンに慣れているせいで、店頭で液晶テレビを観るとあまりのモスキートノイズや映像処理ノイズの多さに直ぐに辟易するのですが、TOSHIBA REGZA 26C3000は液晶の弱点を上手くオブラートに包み、かなり視覚的にマシな処理をしていると感じます。ただ一般ユーザーさんの場合、明るい店頭では他の色が派手でコントラストの高い明るいモデルの方が、見た瞬間に高画質であると錯覚されますので、そういう部分ではやや不利かも知れません。加えて倍速駆動ではなく、格別動画に強い事が謳い文句のモデルではありませんが、観易さにこだわって液晶テレビ特有のノイズによる破綻を抑えた画作りは、長時間の視聴でも"液晶パネルの割に"疲労感が少ないのではないかと推測します。弱点としてはコントラストの浅さ。同じIPSαパネルを使う松下・日立等に比べても黒浮きが目立ち、バックライトの色温度が異となるのか微かに黄緑被りっぽい雰囲気があり、他のIPSα搭載機に比べて奥行き感が足りずやや平面的な描写になっているのは気になる所。ただ実売価格が低く、安くしかもより本格的な高画質を望まれる場合は、現時点でレグザが第一候補になるでしょう。(注:現在はレグザ26C3500へマイナーチェンジしています。)

■SONY BRAVIA KDL-26J3000
SONY BRAVIA KDL-26J3000

ブラビアの誇る通称ソニーパネル採用モデル。国産か?wと思いきやサムソンと共同開発の韓国製パネルS-PVAを採用した液晶テレビ。カタログスペック上はシャープASVや日立IPSパネルと同等の178度の視野角が確保されています。更にバックライトの強烈な明るさとコントラストがブラビアの持ち味。数年前ソニーがプラズマテレビの開発から撤退し、その後の液晶BRAVIAの画質の悲惨さは敢えてスルーせざるを得ないくらいのgdgdでしたがKDL-26J3000に限らず、現行モデルは改善されたという以上に、十分トップレベルに並んでいるといって差し支えないと思います。画面の明るさでは同じく明るいビエラと同等以上。反面、松下と比べると色乗りが控えめでスッキリした印象。色自体は鮮やかで奇麗なのですが、原色系のピュアな発色でコッテリしはしていません。汚い物でも奇麗に見えると呼ばれるのもさもありなん(^^; ピークの白飛び感がやや強いのと、カタログ視野角の割に、国産IPSパネルと異なり実際には斜め上下から観て薄い色が更に薄くなる弱点を感じますが、明るさ重視ながらもコッテリしたクドい色合いを望まない人にはKDL-26J3000の方がビエラよりも好ましく感じられるでしょう。気になる点はブラビアの美点でもある明るさが、家庭内の低い照度では眩しすぎて目が疲れたりしないのか?という疑問。しかし、個別の環境での部屋の明るさや、視力の耐性は個人差も大きく、ソニーブランドを信頼しているユーザーさんなら買って間違いはないモデルではないかと思います。

■VICTOR EXE LT-26LC8
VICTOR EXE LT-26LC8

先代のエグゼ、LT-26LC80は他機種と比べてクッキリ感と透明感があり、個人的には東芝レグザより好みの素晴らしい画質で、今回密かに購入候補の一位に挙げていたのですが、気付いたら製造終了?で店頭からは既に消えている!(涙) 下位後継機のLT-26LC8は事実上のコストダウンモデル(実売価格はあまり変わらない)になってしまい、PC入力が省かれたり、ビクターの誇る肝心の映像回路、新GENESSAまでもが省略。パネルは先々代LC-26LC70のシャープASVがLC80でLG-IPSになり(注:未確認ネット情報)、新機種では視野角の狭いどっかのVA?へ変更になっています。ビクターは大赤字で会社の先行きが不透明など色々と苦しい立場に追い込まれていますが、品質(特に音質)については良い製品が多く個人的には大変好きなブランドです。しかし、今回の液晶テレビについてはそのしわ寄せをもろに喰らってしまった印象。26V型ではお得意の倍速駆動も無く、採用デバイスに技術的なアドバンテージが無くなってしまい、個々の評価点では辛い結果になりそう。とはいえコスト制約されたデバイスの中でも製品のまとめ方はよく頑張っていて、むしろTFT液晶の三菱REAL・LCD-H26MX60、IPSαパネルを使う日立の液晶Woooのコッテリした絵と比べても負けないクオリティを維持していると思いますが、いかんせん26V型現行機で視野角が狭いモデルは既にLT-26LC80だけ。正面からの視聴では良いのですが、少し角度が斜めになると画面が白くなってしまいかなり厳しい。オブリコーンスピーカーの音質は定評がありますので、ピュアオーディオメーカーの製品らしく音質の評価が高いのが救いではあります。

■SHARP AQUOS LC-26D10/LC-26GH1/LC-26GH2
SHARP AQUOS LC-26D10

ソニーのブラビアに並ばれたものの、相変わらず国内で一番売れているのがシャープのアクオス。なんせ営業力が段違いで量販店での展示スペース専有面積も圧倒的。他社が一機種一台の横でアクオスは同一モデルをスピーカーの取り付け位置や色違いで沢山並べているわけですから、それだけでも沢山のモデルがあるように錯覚してしまうという状況。特にデザインが魅力的。LC-26GHシリーズの和をイメージさせる曲面や、AV機器としてのイメージを覆すLC-26D1のカラフルでポップなデザインなど、機械的な存在感ではなくインテリアに溶け込むように配慮されている点は他のメーカーにはないポイント。PC入力にもデジタルDVI-I)とD-SUB15ピン(ミニ)アナログRGB(要変換プラグ)対応です(注:画質面では滲みの問題があるみたい)。亀山工場、国産シャープASVパネルなど亀山モデルという国産ブランドをしっかりと消費者へアピールしているのも効果的です。

肝心のAV機器としてのクオリティですが、美しい日本の液晶というだけあり、色々な意味で日本人に好まれる中庸感がAQUOSの魅力でしょう。ただ、パネルに顔を近づけて重箱の隅をつつくように画質を評価する場合、特にGH1/GH2についてはディティールの解像感が少々潰れ気味で、髪の毛などが油彩画のように混濁していたり、色再現性の面でも階調がイマイチで、空気感も含めて透明感が足りず、全体にもやっとした曖昧な印象が無きにしもあらず。自社の高性能なパネルを使う反面、映像回路面では未だそのパネル性能を生かし切れていないのかも。とはいえ、他社のように液晶の輝度ピークやダイナミックレンジ、コントラストを追求したシビアさが無く、バランスの良い質感は、かえって視力に不安のあるご年配の方にも好まれる、分かり易い画作りなのでしょう。アクオスで同じ26型ならLC-26D10シリーズの方がより垢抜けていて、一般ユーザーには特に不満のない良好な画質になっていると感じますので、今シャープを購入される際にはこちらが良いと思います。現行機では松下等に比べて相対的に動画部分のヨレヨレ感が目立ちますが、これに関しては倍速駆動を取り入れた8月に発売される後継機LC-26GH2/LC-26GH4で大きく改善されることが予想されます。優れた自社開発ASVパネルのお陰で視野角も広く、ポテンシャルはありますので、個人的には新機種に期待したいところです。

■EIZO FORIS.TV SC26XD2/SC26XD1
液晶テレビFORIS.TV SC26XD2icon

EIZOのFORIS.TViconについてはこの記事で詳細にレポートしているので割愛。独特の派手さを抑えた画質と音質は魅力的ですが、今回は設置スペースの都合から候補に入れませんでした。同様に現行機種にPC入力が無い日立Woooについては割愛します。

こんな感じで、現在発売されている各メーカーの26V型液晶テレビの美点と弱点を、かなり毒舌を絡めつつ個人的主観からデンパ評価してみました。現時点での最高性能を望む場合は必然的に松下ビエラのTH-26LX75Sになるのですが、画作りの面では東芝REGZA 26C3000の方が質感が高く好み。HDMIのPC入力対応もポイント。更にビクターのEXE LT-26LC80は店頭に在庫処分品さへ見つからないので泣く泣く諦め(売れ残りで高いけどネット通販には未だある)。そんな感じで最後に26C3000とTH-26LX75Sを残し、映像系の技術に詳しいオタモダチ諸君にどちらを買うべきか緊急大討論会を敢行。最終的にIPSαパネルに加えて回路が優秀な松下を選べと優しい顔で周囲全員から恐喝され、天の邪鬼な私は怒号と罵声の中(ウソ)敢えて東芝レグザ26C3000の注文ボタンをポチッと押してしまいましたが、果たして吉と出るか凶と出るかw (2008/2/28リンク修正)

ピュアオーディオRANKING←それでもやはりクリックする♪
mixiチェック このエントリーをはてなブックマークに追加
ブログネタ
オーディオ に参加中!