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オーディオ機器が潜在的に抱える相性問題について

箱庭的ピュアオーディオの薦め AUDIO STYLEでは、より一般的な音楽ファンの方々やオーディオ入門者さんに向け、オーディオ機器をなるべく同じブランドで揃えるスタイルを長年にわたり推奨してきました。※初出2005年のコラムを全面リライトしました。

MARANTZ MODEL 30 / SACD 30n
MARANTZ MODEL 30 / SACD 30n

音の入り口から出口まで一つのメーカーで揃えると云うと、これはあくまで一体型ミニコンポやハイコンポ等の、レベルの低いお手軽な世界。ピュアオーディオの単品コンポーネントでは、ユーザーが自由に組み合わせをセレクト出来るところに趣味性の醍醐味がある・・・この様に反論されるオーディオマニアも少なくないと思います。実際、メーカーもオーディオ関連のメディアも販売店もそういった方向性で長年ビジネスをしてきましたし、趣味の在り方としての王道であり、確かに否定できない側面ではあります。

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同一メーカー、同一設計での組み合わせが最も失敗が少ない

けれどもオーディオ製品を愛でる機材趣味」が主目的ではなく、音楽愛好家が「音楽を楽しむ~ライフスタイルを豊かにする」ことを目的にオーディオ機器選びをする事を考えてみて下さい。先ず、家具・・・ある種のデザイン家電として、目に入る機器同士の生活空間に於ける美的調和、同一リモコンによる操作のシンプルさ等の利便性が求められる場合、単品ごちゃ混ぜスタイルではなかなかにハードルが高まります。

そして肝心の音質面でも、音楽を楽しめる充実した品位を、オーディオマニア的な試行錯誤や高度なセッティング抜きに実現しようとした場合、単一ブランドで揃える方が結果的に成功する確率が高い・・・これはマーケティングの都合からオーディオ業界では黙殺されがちですけれど、紛れもない事実ではないでしょうか。

CREEK CLASSIC CD Sequel2 4240

少なくとも、アンプとCDプレーヤー&ストリーマーを組み合わせる際に、同一メーカー×同一グレードの機器を組み合わせるであれば、簡単に、少なくとも設計者が意図した条件をほぼ100%何の苦労もなく実現することが出来る訳です。オーディオマニア的な評価を絡めた視点では、これでは趣味的にちっとも面白くないとか、他社製品との組み合わせに比べ割高になるなど、ついコスパや誌面、巷のレビュー評価などを勘案してしまい、結果的に別々のメーカーでオーディオシステムを組みたくなる。。。管理人自身もこれまでそうして来たことが少なくなく、気持ちは良く理解出来ます。

同じオーディオメーカーであっても、発売時期が離れていたり価格グレードが異なる場合、特に日本の大手メーカーでは設計者、設計チームが異なることがあります。この場合、同一メーカーで揃えているにもかかわらず、音がチグハグになるケースも普通にありますので、厳密な相性は、同一設計時期且つ同一グレード、出来れば開発者の顔と名前が表に出ている製品がベストだと思います。

対して海外メーカー(欧米)では、ブランドの顔となる設計者(多くはメーカー主催者)が長年にわたり全面的に携わるのが一般的ですし、設計者が世代交代した場合はそれ自体が大きなニュースになりますので、設計者の確固たるポリシーの元に機器同士の相性や音質傾向のブレが少ないのがメリットです。

単品を自由に組み合わせるピュアオーディオの潜在的ジレンマ

単品オーディオの世界は、優れた機種同士を組み合わせたとしても、結果的にそれで10万+10万=20万クラスの音という風に、必ずしも単純な足し算で良い音になる訳ではありません。システムトータルで出てくる音質の良し悪しは、経験上、価格帯や製品個々の評価よりも、むしろ組み合わせの「相性」の方が本質的により大きなウェイトを占めます。この相性の部分が実は単品コンポに選びに於ける一番の難しさであり、表向きにはにはなかなか語られにくい部分。

敢えて設計の異なる同士を組み合わせることで、確かにある種の趣味性を満足させることは出来るでしょう。その反面、自ら望んだ組み合わせから、必ずしも各々の機器の設計者が目指した高音質が十分に得られるとは限らない・・・といった状況にも高確率で直面する事になります。

単品コンポーネント同士を組み合わせるオーディオマニアが陥りやすい問題としてありがちなのが、相性の存在を自覚せず、音質的に実は相性が良くない製品同士を無頓着に組み合わせてしまうパターン。その結果、せっかく揃えた機材が互いに足を引っ張りあっている状況に気付かず、思ったような音質が得られないまま延々と悩まされる羽目に。。。※ここでいつまでも組み合わせに於ける相性問題の存在に気付かないと、単体での評価を過信する余り、的外れな買い換えを繰り返す羽目になります。結果的にメーカー純正組み合わせの音質を超えることさえ敵わず、入れ替えと試行錯誤のドツボに嵌り、躓いてしまうケースが実は少なくないように感じます。

加えて、機器外観のデザインやサイズがバラバラになってしまい、リビングルームと調和せず、見た目からして家族にも大不評、更に理解が得られにくくなるといった残念な事態にも成りかねません。洋服なら、酷いセンスのコーディネートで町を歩いていれば悪い意味で注目されますが、オーディオの場合、比べたり諫言をしてくれる第三者の目(耳)がいないある種の孤独な趣味だけに、たとえ自身のセンスが狂っていても誰も教えてくれない怖さがあります。

まぁ、オーディオ趣味のためにライフスタイルを犠牲にするのは当然です!買い換えで散財しまくりは基本です!みたいな感じで、ケーブルにぐるぐる巻かれて寝ているようなオーディオマニアも管理人の回りには少なからずいますので(←自虐)、あくまで、これは僕の個人的な価値観であり、好みであり、普遍的ではないかも知れない美学という点は断っておきます。

機器単体の音質以上に、組み合わせの「相性」が本質的に重要です

スピーカーの周波数特性の偏りやアンプのドライブ力の不足or過剰、ダンピングファクター、ケーブル等も含めた機器同士のインピーダンスマッチングなど技術的な課題もあります。加えてオーディオ機器が音作りの面で最終的に耳と感性に頼り、感覚的に作られている部分が大きい以上、例えばそれぞれのメーカーの音決めをした設計者のイメージする理想のサウンドが音楽的に相容れないタイプだったりすると、それが音に違和感となって現れてしまいます。

結果的に、店頭で短時間聴い程度では問題が無さそうな組み合わせでも、長時間聴き続けていると例え様もない違和感を感じたり、耳が疲れて全く楽しめない音になってしまうケース等もしばしばあり得る訳です。本格的に相性の悪い組み合わせになると、1+1=0.5みたいな感じで互いが喧嘩したり音を殺し合い、澱んだり刺さったりして、とてもまともにに聴き続ける事が出来ない耳障りで癇に障る醜悪な出音になる…そんな大惨事すらも往々にして起こり得ます。

その逆に単品コンポの組み合わせに上手く成功した場合、優れた相性の相乗効果から、1+1=3にも4にもなる、価格を超えた素晴らしい音質と音楽性に出会える場合もあります。そんな組み合わせを見つけ出すことが、管理人のようなオーディオマニアにとっての一つの楽しみであり、オーディオ道に於ける勝利の瞬間でもあります…( ੭ ・ᴗ・ )੭♡

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オーディオはトータルコーディネートの良し悪しで決まる

そして、この素晴らしい相性を見つけ出す為には、オーディオ店で試聴の機会を多く持てたりする業界人は別にして、一般ユーザーにとっては、試聴の際には時間と手間と良くも悪くも図々しさ…が時に必要とされ、偶然の成功や発見を別にすれば、余程の執念が無ければそう簡単に実現できるものではありません。

時折良い組み合わせが見つかるのと同様、逆の酷い相性というのも得てして存在するもので、しかも平気で酷い組み合わせのまま店頭デモをしている場合もありますから注意が必要です。雑誌で賞を取ったベストバイ製品が、組み合わせになると相性最悪だったりするケースもありますし、単純に売れ筋だからと適当に組み合わせて並べている店、何も知らずに信じて買ってしまう人・・・こういった不幸な繰り返しが長年続いている事が、オーディオ文化、マーケット自体をネガティブなスパイラルで尻窄みにしてしまった要因の一つではないかと。。。

AUDIO ANALOGUE PRIMOシリーズ
Photo credit: DW!zzy on VisualHunt.com

実際のところ、確率的には可もなく不可もない程々の相性が大半を占めるとは思います。しかし、それは、機器それぞれの設計者の意図した100%レベルの音質ではありませんし、個人の許容範囲か否かは別にして、音質のある部分に於いては夫々の持ち味を十分に引き出せず、お互いにスポイルしてしまう部分が必ずといって良いほど存在している筈です。

メーカーには開発リファレンスを積極的に開示して欲しい

にも拘わらず、オーディオメーカーが、「この機種はこのスピーカーをモニターにして設計しました。このスピーカーは、他社のこのアンプとプレーヤーを基準に音作りをしました。」なんて事を、正直に表だって告白している記事などは殆ど見かけることが出来ません。もしそんな事をしたら、そのスピーカーを使っているユーザーには売れても、それ以外のユーザーにはあまり売れなくなってしまうかも知れません。よってマーケティング上の暗黙の了解なのか、これらがオーディオ誌上で明確な特集記事になることも殆どありません。

それでも記事の婉曲表現や、メーカーの試聴室、オーディオショウ等に写っている背景を目ざとく見極めれば、一部製品では、設計開発に使われているであろう他社製品のモニタースピーカーを推測したりは出来ますし、また、スピーカーメーカーの場合、設計に使っている他メーカーのアンプやCDプレーヤーをオフィシャルなデモでそのまま使っていたりしますので、それらは製品の相性を見極める際に重要な答えを暗示している筈です。

ONKYO TX8050

ただ、積極的なアナウンスがされていないとは云え、実際にはどのメーカーでも、お互いに機器の使い手にやって欲しくない組み合わせが少なからず存在するはずです。

そして、不幸にも相性の悪い組み合わせを手にしたオーナーがどうなるか?自分の購入した機器やメーカーに絶対の崇拝と愛着が生まれる純粋な方は、機種選択、組み合わせの問題に対して、あくまで自分の使いこなしの問題だと泣き寝入りしたり、いや、悪い音がする筈はない!という無意識の信念の元に、酷い音を我慢して聴き続けるか、結果的にオーディオ機器で音楽を聴くことに疲れ、いつのまにかオーディオ、更には音楽への興味までをも失ってしまうか・・・…( ³△³ ).。o

また、別のタイプのマニアは、不満を持ったどちらかの機種を貶すか、或いはその両方を貶すかなどして、良い音が聴けない苛立ちから、最悪は市場にその機種へのネガティブ評価をまき散らすことになります。これである特定の組み合わせから来る失敗などの結果が誇張され、理不尽な風聞や否定的な評価がインターネット上で一人歩きし出したりして、それがブランド評価や売り上げにもボディブローのようにダメージを与えるリスクが今の時代は無視できないでしょう。

この様な現状を避けるためには、メーカーも代理店もオーディオ装置が潜在的に抱える「相性問題」に関して、もっと積極的に情報を公開して欲しい。悪い組み合わせを表だって言えないにしても、最低限、開発上の特に相性の良い組み合わせと推奨相手を、メーカー同士も互いにコラボしつつ市場で積極的に宣伝することが望ましいのではと思っています。結果的にユーザーからの評価を通して自社製品の価値を高める事が出来ますし、個々の単品コンポユーザーの再生品位を底上げし、ひいては自社製品の評価、音楽文化、レコード売り上げにも貢献し、オーディオ市場全体の活性化にも繋がるのではないでしょうか?

~まとめ~

話を戻します。とにかく機器の相性問題、組み合わせのリスクを鑑みる場合、それらのリスクは極力回避する方が「音楽再生」にはスマートな近道となるはずです。ですから、少なくとも金銭的に大きなリスクを取れない条件且つ相性が不明な場合、試聴確認が十分に出来ない状況などでは、メーカー純正組み合わせを第一候補としてとりあえずの基準点にする。

CREEK CLASSIC CD EMF Sequel2

また、海外製に多いスピーカー専業メーカーの製品など、どのメーカーのアンプと合うのか良く判らない場合、最初に自分と相性の良いスピーカーを一つに絞り、そのスピーカーと相性の良いアンプが見つかるまでとことん繋げ換えて試聴を繰り返す・・・この執念が必要です。でも、やっぱりこれはオーディオ店の敷居をまたぐしきたり?に慣れていないと実際には難しいですよね。試聴環境面でも、まともに性能を比較が出来る店舗はかなり限られますし、そもそもこの業界には安易に試聴されることを好まない不思議な空気が存在します…( ³△³ ).。o。ですから、とにかく試聴しろ!自分で決めろ!との良くあるアドヴァイスは真実のようでいて冷たい。実際には試聴がホイホイ簡単に出来るなら、態々アタオカのことみちゃんに訊いたりしね~よ!と云う現実がある。

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だからこそ、管理人のような図々しい試聴マニアのサイトに、何かしらの情報を求めてくる人々がいたりもするのです…。 それはそれで僕個人としては楽しいのですが、情報発信の趣旨は、高品位な音楽再生を求める音楽ファンの方々に、オーディオマニア的な躓きや回り道をせず、音楽本位のオーディオシステムを手に入れて、より充実した音楽ライフを実現して欲しいと願ってのこと。ですから、メーカーさんや代理店さんには、出来るだけメディアや販売店を通して、開発したそれぞれの機器を活かせる理想的な組み合わせを、ブランドの垣根を越えて積極的に推奨して欲しいと思うのでした。。。

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コメント一覧 (2件)

  • オーディオショウなどでも、輸入代理店の関係で最悪な組み合わせで鳴らされていることが多々ありますね。
    そのような組み合わせでデモをする輸入代理店はちょっと避けたい気分ですよね。
    (その商品が気に入ってしまえば仕方ありませんが、極力避けたいですね)
    たまたまAVアンプの試聴会でヤマハの方がZ9の音決めはノーチラスで行ったとおっしゃってました。
    デノンのA1は確かノーチラスとインフィニティーだったかと…
    少し前の話ですが…

  • オーディオショウという限られたシチュエーションの場合、
    代理店は自社で取り扱いのある製品を組み合わせて、
    少しでも取り扱い製品をアピールしたいとの考えが、
    音よりも先に来てしまうことがあるんでしょう。
    製品を並べるだけでまともに音出しさえさせない所もありますし(^^;。
    >ヤマハ
    ヤマハのスピーカーで音決めと言わないところが誠実です…。

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