CPUグリス AINEX JP-DX1 ナノダイヤモンドグリスの冷却性能に驚愕

昨年ブログ製作用のミニPCを近代化大改修した際に公開し忘れていたのですけれど、その時のCPU換装で使ったCPUグリスが、AINEX(販売代理店)のダイヤモンドグリスJP-DX1です。台湾とロシアのナノテクノロジーにより開発された、ナノサイズの人口ダイヤモンド含有、非導電性シリコングリスとの触れ込み。製造メーカーは台湾のJunPus。この手の商品はパッケージからして怪しげなものが巷に色々とありますが、ここはPHILIPS・3M、SAMSUNG等とも取引のある、ちゃんとした産業用サーマルコンパウンドの製造メーカー。特徴として高い化学的安定性、非腐食性、抗酸化性、非毒性、不揮発性、不燃性、非皮膚刺激性が謳われています。

AINEX JP-DX1 CPUグリス レビュー
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CPUグリスは冷却能力と耐久安定性のバランスで選びました

CPUグリスは冷却能力と耐久安定性のバランスが難しく、

・塗布直後は良く冷えるが、短期間で乾いてしまい長期使用には向かないタイプ
・熱伝導率は程々でも、劣化が遅く数年間安定して使えるタイプ

この2つの要素のバランスで製品選択が変わります。JP-DX1の熱伝導率は16W/m・Kで現行製品中ではトップクラス各所のグリス比較テストや口コミでも総じて高評価。冷却性能特化タイプと肩を並べる性能がありながら、長期安定性についてはパッケージにも「固化しにくい」と書かれていて、2014年発売から既に7年目でその種のクレームを殆ど見かけませんので問題無さそう。

他に性能特化のOCユーザー向けでは、ドイツ製の「Thermal Grizzly Kryonaut」通称熊グリスと日本製の「シミオシ OC Master SMZ-01R 」通称「猫グリス」が双璧。但し両者共に、頻繁にCPUグリスの塗り替えをするマニア向けの冷却性能特化型ですので、今回はパスしました。汎用PCでも使い易い一般向けとなるグリスでは、スイス製のArctic Coolong MX4が高評価ですが、冷却能力のテスト結果についてはJP-DX1ほど良好ではなく、塗りやすさと長期安定性に振ったバランス型です。「MX4」にするか「JP-DX1」にするか正直少し悩みましたが、そろそろMX4の後継としてMX5が出てくる事もありタイミング的にパスしました。後日注:結局ARCTIC MX-5の評判があまり良くなくて、むしろMX4を再評価する声も。。。尚、「JP-DX1」については、2022年末に後継モデルのJP-DX2が発売される予定です。

熱伝導率が半分のシルバーグリスより遙かに冷えます

今回は元々手元にあった12年前にレビューしたシルバーグリスSG-77001とAINEX JP-DX1 ナノダイヤモンドグリスの比較です。シルバーグリスは純度85%の超微粒子純銀25%含有で熱伝導率8.2W/m.k。当時、デスクトップマシンのHP d330Let’s note T2で使いましたが、その後12年間も工具箱に入れたままで放置。劣化が心配したが、インジェクターの中で特に乾いて硬化したり分離したりも無く、感触的には当時と変化無し。ただ良く冷えるCPUグリスかと問われると、Let’s noteでは元々塗布されていた純正グリスに比べると冷えなくなってしまい、性能的には少々?ではありました。

今回、3種類のCPUを取っ替え引っ替え軽8回ほど載せ替えましたが、前半はシルバーグリスSG-77001の残りを使用。途中で無くなってしまいJP-DX1を購入したのですが、SG-77001に比べると冗談抜きに平均で5℃くらい温度が下がりました。

熱伝導率 シルバーグリス 8.2W / m.k 16W / m.k ナノダイヤモンドグリス JP-DX1

この差が如実に現れました。購入後4年間グリスの塗り替えをしていないASUS VivoMini VC65は、軽負荷時のCPU温度が55℃前後(アイドリング45℃)。経時劣化して硬くこびり付いた塗りすぎ純正CPUグリスをシルバーグリスSG-77001に塗り替えたところ、一気に45℃強(アイドリング40℃)・・・5~10℃も下がっています。これだけでも十分驚いたでのすが、更にJP-DX1に塗り替えたところ軽作業中のアベレージが40℃台前半となり、アイドリング中は35℃にまで下がるようになりました。※Core i5-6400Tで比較

ゲーミングマシンに限らず、廃熱が弱いミニPCで真価を発揮

CPUグリスの比較テストをされている多くの皆さんは最新の高性能グリス同士、しかも塗り立てで比較されていますので、その場合はどうしても±2℃の温度差で計測誤差の範疇と言われてしまいがちです。けれども、経年で固化や劣化したグリス、或いは元々低性能なグリスと比較した場合には、やはり最新の高性能グリスは明らかによく冷えると思います。

JunPlus AINEX JP-DX1 JP-DX2 ナノダイヤモンドCPUグリス

また、元々高性能CPUクーラーを載せたゲーミングマシン等では素の冷却性能が高すぎて違いが出にくいのもありそう。逆にミニPCやNUC、コンパクトPCはCPUクーラー/ファン共に限界まで小型化していて冷却性能が脆弱。平均CPU温度も高く、少しの違いで温度が上下しやすい構造になっています。高性能グリスなんて非ゲーミング汎用PCには無用の長物と思いきや、むしろ廃熱設計がギリギリの小型PCほど、高性能グリスを使うべき環境にあるのだと認識を新たにしました。

但し少し気になった点もあります。古いシルバーグリスは割と塗りやすく、CPU温度も塗り立て直後と数日後とで余り変わらない印象でしたが、JP-DX1はネバっとして少々伸び辛く、綺麗に塗布するには少しコツが入ります。そして塗布直後はあれ?というくらい表示温度が高め。軽負荷時50℃前後で、CPUテストで負荷を掛けると80℃を超えたり。これはさすがに薄塗りしすぎたのかと怪訝に思い、面倒ですがCPUを再び取り外して少し多めに塗り直しをしてみたものの特に変わらず。ところが翌日、十数時間経過後にふと気が付くとガクッCPU温度が下がっていました。僕の塗り方が下手なのもありそうですが、馴染むのに多少時間が掛かるタイプのCPUグリスかも知れません。

~まとめ~ JP-DX1 ナノダイヤモンドグリス 塗布後1年半経過

この記事を書いてから後、特に温度的にも問題無く1年半が経過しました。温度のモニタリングは続けていましたが、流石に初期のアイドリング中35℃迄は下がらなくなりましたが、これはASUS VivoMini VC65-G108Zが構造的に内部に埃が溜まりやすく、その影響で最低温度が徐々に上がってしまう影響が大きい為で、他のグリスでも基本的に同じです。

JAINEX Junpus JP-DX1 ナノダイヤモンドCPUグリス
この時は取ったり外したりテスト中でしたので少し塗り過ぎです

CPUについては、上記レビュー時のCore i5-6400Tではなく、瞬間発熱が遙かに大きく温度モニタリング中の上下動がピーキーなCore-i7 6700Tで運用していましたが、温度が下がる方へのレスポンスが良く、むしろ良く冷却していると感じました。以前のASUS純正組み立て状態に比べれば劇的にアイドリング温度が下がっています。今回、別件で1年半後に剥がしてみたのですが、酷い固着も無く、軽くドライヤーで温めただけで綺麗にCPUクーラーからCPUを剥がすことが出来ました。メーカー推奨の使用前保管期間は最長3年。推奨使用時間はCPU上で4年間ですが、少なくとも1年半程度では、特に塗り直しをしなくてもJP-DX1が持つ冷却性能には問題無いと云う結論です。

+For
 冷却性能と耐久性のバランスが良い
 やや硬めですが作業性良好。固すぎも柔らかすぎもしないグリスです
 目立った欠点無く、不満無し
 偽物は出回っていないと思います

-Against
 ドイツ製、スイス製などの強力なイメージライバルの存在

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