アメリカのオーディオケーブルメーカー(実はオーストラリア発祥です)の中でも、TARA LABS (旧Space&Time)のオーディオケーブルは、Audio QuestCardasが割と男性的な傾向のクリアで明快なサウンドなのに対し、より女性的な色気を備えたしなやかさとナチュラルな暖かみのある音が特徴のブランドになります。
Tara Labs
ピュアオーディオグレードの音質としっかりした品質にもかかわらず、日本国内でも数千円の低価格クラスから多くのモデルが輸入販売されているのがSpace&Timeの魅力で、ピュアオーディオからホームシアター、はたまたビデオデッキの配線に至るまで、魅力的な高音質を低価格で実現できる実力モデルが揃っています。

Tara Labs Space&Timeの製品は高純度な8N導体を使用していると云う先入観からか、このブランドの廉価なケーブル群が、まるでクリアな高解像度系であるかのような雑誌記事をしばしば見かけますが、実際には解像感や透明度を誇張せず、金属的な輝きや輪郭感などは控えめ。音場全体を耳当たりの良い暖かみのある空気で満たすかのような、まったりとしたナチュラルでウォームな音色が特徴だったりします。ある種、ヨーロッパのフィリップストーンにも通じる音楽的なまろやかさではありますが、表現自体はよりおおらかで大きく、アメリカ的な濃厚な色気をも感じさせるグラマーでスウィートなサウンド傾向が魅力です。

TARA LABS社は、8Nグレードの高純度導体と云う触れ込み以外にも銅の産地にこだわりがあり、全てのケーブルでオーストラリア産のバージン銅を使用しています。元々がオーストラリア発祥のメーカーだと言う事が理由でしょうが、もしかすると、導体純度以前に産地による音質差が存在すると考えているのかも知れません。更に導体に特許のアニール処理(焼きなまし)を加えることにより、単純に純度というスペックからイメージされるような明晰な高解像度系のサウンドではなく、素材の持ち味を生かした、おおらかで屈託のないあくまで音楽的且つウォームでナチュラルなサウンドを聴かせてくれる、音楽観賞の為に安心して使えるオーディオケーブルだと言えると思います。

また、主なモデルで単線(若しくは単線に近い構造の)導体を使用しているため、広いレンジ感は感じないものの、密度感のある音像が中域を中心に自然に広がり、音楽的なエネルギーや躍動感の伝達力がぶれずにストレートに伝わってきて、多芯撚り線にありがちな音像と音場の滲み感が無く、音のサーフェスが滑らかでスムーズなのも美点です。まろやかさの中にもピアノの右手方向など若干の明るさが感じられますが、小型スピーカーを明瞭に聴かせるのに程よいレベルの適度な演出で、聴感上はあくまで自然な範囲で収まっています。全体的に音に角が立った歪みっぽさが無く、オーディオシステムの持つ音の歪み感を抑制する傾向がある様に感じます。

Space&Time Prism22 RCAピンケーブル

Tara Labs管理人が長年に渡り愛用している6N導体を使用した現行の2世代前の単線RCAケーブル。定価6300円・・・90年代はこんな品質のケーブルがこのお値段で購入できたのですね。この価格帯では出色の動的音楽性(少々表面的ですけれども)とスケールの大きさが特徴。解像感はそれほど高くありませんが、音像密度が高くしかも暖かく濃くまろやかで、抑揚表現のスケール感が大きく、血の通った濃密なトーンが特徴です。加えて中高域に適度な明るさがあるため、陽性で聴いていてとても音楽が楽しめます。喩えるならスウィートチョコレートみたいな甘くて美味しい音なのです♪ 購入前は雑誌のレビューやプリズムという名称から透明感の高いキラキラとした音を想像していたのですげとも、実際に手にしてみると、まるで正反対と言えるアナログライクでまったりしたサウンドでした。上位モデルのPrism33やPrism55になるとより低域が拡大するとのことですが、Prism22でも充分低域は充実していて、敢えてリプレイスする必要性をあんまり感じさせない音がするのですよね。箱ピュアでは、ほぼ20年近くMARANTZ CDR630の専用ケーブルとして使い続けています。同軸単線構造やナチュラルでクラシカルな音質傾向的に、Monster Cable M350iは良いライバルなのですけれども、Prism22の方がM350iよりも更にもっとまったりと濃厚な音がします。
RCAケーブル

Prism Omni"オムニ"8N スピーカーケーブル

Prism Omni 8N(SA-OF8N)は、1000円/m程度のエントリークラス・スピーカーケーブルとして国内販売店の取扱も多く、この価格帯でも魅力的なアメリカンサウンドが得られる人気モデルです。アニール処理された硬い8N単線を片chあたり7本拠り合わせた構造で、ほぼ単線に近い傾向の音場感が得られ、前述のSpace&Time Prism22と比べて音色が明るく、8Nアニール導体の銅色がそのままストレートに乗ってくるような印象です。ただ導体の細さからなのか?少々音の出方に余裕が不足していて、楽器や音数が多くなると音色が単彩色になってしまい、細部の描き分けが苦しくなります。また、オーケストラや弦楽器ではスベスベと倍音が潰れてしまい全般に苦手な印象です。
tara labs_omuni8n
その代わりにスピード感の部分が割と目立ち、中高域に明るさの伴う艶消しナチュラル系のウォームで甘いトーンと、そこそこのスピード感と程々のクッキリ感をウェルバランスで両立させるのに向いています。Fレンジの広がり方は浅めで、小型スピーカーを使いフルレンジ的なイメージでの統一感のあるトーンを得るのに向いているケーブルであるとも云えます。中型以上のスピーカーの場合、上下のレンジが狭すぎて少々使いにくいです。このケーブルも音楽性がとても高いタイプですので、死んだ音のシステムを蘇らせるメリットがあり、つまらない音のする国産のミニコンポなどに宛がえば、見違えるような表現力を発揮するスピーカーケーブルのひとつです。

TARA LABS Space&Timeのオーディオケーブルは、音楽性の高さやナチュラルな耳当たりの良さを生かし、とにかくアメリカ?・・洋楽のの歌姫のボーカルを艶っぽく聴きたいとか、ドンシャリの耳障りなシステムで暴れ気味な広がりを中域にまとめるなど、解像感優先ではなく、音楽そのものを長時間楽しむのにうってつけのケーブルブランドだと思います。それから、薄い音色の安価な国産AV系スピーカー等から、表現力と密度感のあるしっかりしたピュアオーディオグレードの音を出す目的でも、なかなか使い勝手が良いのではと思います。
《Last modified 2018/09/11》

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