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ギル・シャハムが奏でるバッハ無伴奏

gil_shaham今朝のBSクラシック倶楽部です。ギル・シャハム”Gil Shaham”は1971年アメリカ生まれのユダヤ系ヴァイオリニスト。ありゃま、意外と若い人だった。なんとなく、名前の響きと昔のジャケの印象からそんなに若い人だって思ってませんでした、てへ♪

昨年2011年11月に収録されたもので、通常のコンサートホールでは無く、東京竹島桟橋のツキ シュール ラ メールに設置された特設会場でレコーディング撮影されました。シャハムって意外にもバッハの無伴奏バイオリン・ソナタとパルティータのCDを未だリリースしてないんですね。その意味でも貴重な放送内容でした。演奏されたのは無伴奏ヴァイオリン・パルティータの第2番と第3番、無伴奏バイオリン・ソナタ第2番からアレグロです。

管理人は今までギル・シャハムにあまり興味を持ったことはありませんでした。有名ですのでラジオで聞きかじっていたりはあったと思いますが印象が薄かったのかな・・・自宅のCD棚のドイッチェ・グラモフォンコーナーを漁っても見当たらないし・・・あと、若い頃は彼ちょっと太ってたよね?今はスリムで以前よりむしろ若く見えます。という事で、今回は映像付きでじっくり彼の演奏スタイルを聴く機会だった訳ですが、これは・・・なかなか素晴らしいかもです。収録音質もクリア且つ立体的で素晴らしく、そのままBDかSACDにしてビットレートが高いバージョンを発売して欲しいくらいの内容。昨今のNHK放送クオリティの平均を大きく上回る収録ですし、BSプレミアムは最近妙にビットレート低い気がするので特に!これ、昨年12月に初回放送があったみたいですが、その時の方が放送ビットレート高かったと思います。

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ユダヤ系のヴァイオリニストというと、古くはハイフェッツ、オイストラフ・・・アイザック・スターンとかギドン・クレーメルとか、まあその他諸々一流どころがうじゃうじゃ、ですので、自己主張の芯が強いユダヤ臭い弾き方するんだろうな~という名前的先入観があったりする訳ですが、全然そんな感じじゃありませんでした。とってもソフィスティケイトされていて品位ある洗練された演奏。これはすごい好きなタイプのバッハ。ある意味、現代的な今風のクラシックと言って良いと思います。シャハムの風貌も若い頃の太めの一目でユダヤ人と判るような濃い雰囲気では無く、どこまでも朗らかなアメリカの牧師さんみたいな優しい印象の人でした。

以下、各パルティータの合間に挟まれたギル・シャハムのインタビューを要約。

ーー会場が演奏に与える影響は?

ここは本当に美しい場所で、ここにいると外の景色が見えますし、美しいセットにインスパイアされます。僕が思うに、会場は私達が音楽をどう感じるか、何を考えるか?音楽を演奏するかに影響すると思います。だから、ここで演奏できる事が本当に嬉しいです。音楽というのは、なんというかほんとうに、ある一時の体験を作ることですから、同じコンサート会場だとしても、日がかわり聴衆が違えば演奏は変わります。もう完全にフィーリングが違います。聴衆が同じだったとしてもそうですね。会場も音楽の一部なのです。なんて言うのか良くわかりませんけれど、みなさんの波動や雰囲気、演奏家、聴衆、色々な要素が惹き合って、その時々の瞬間的な音楽が作られるんだと思います。

ーーバッハの無伴奏について

バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータは、ヴァイオリン音楽の頂点です。バイオリニストが勉強したり演奏したりする上で、これ以上の曲を私は想像できません。もちろんパルティータは当時の世俗的な舞曲を集めたものですが、しかし、バッハの全ての音楽にはいつも彼の深い信仰と精神性が非常に強い信念を持って曲に反映されています。それは本当に深い感動で、リスナーの前でこの曲を演奏することは、信じられないほど音楽に近づける事です。
パルティータを演奏する時はまた、当時の聴衆について考えたりもします。たぶんととても高い教養と知識を持った聴衆だったと思います。例えばシャコンヌはどんなダンスでどのように踊るのか、ブーレーやサラバンドについても同様に。これもまた信じられないくらい素晴らしい一時です。


私がバッハの練習をする時、例えば1時間のつもりで練習を始めたとすると、あっというまに時間が過ぎてしまって、更に2時間、3時間と弾き続けていたくなります。いつもまるで催眠術にでもかけられたみたいになって、もっと弾き続けたくなってしまいます。まさしく、これはバイオリニストにとって最高の作品なんです。

ーーあなたにとって無伴奏の作品とは?

ほんとのところ、1人で演奏するのはあんまり普通のことではありません。だって孤独ですし。 普段ステージで演奏する時は仲間達かオーケストラと一緒ですよね。といいつつも、実は1人で演奏する雰囲気も好きだったりします。例えるなら、両親が出かけていない家を子供達だけで独占できるみたいな、何でも好きなことが出来るし、好きなA音の高さで調弦できるし…(訳注:室内楽やオーケストラなどでは例えばA=442Hzなど皆で合わせる必要があります)・・楽しいですよね!

とはいっても、何処にも隠れる場所は無いし、演奏中に休むことが出来ません。ソナタや協奏曲、室内楽ではバイオリニストが一息付ける部分がいつもあります。しかし無伴奏では両手が忙しすぎてどこかが痒くなったとしてもどうにもできない、描くことが出来ない、たとえ足が痒くなってもね!。・・・それが一番の違いかな?

とまぁ、こんな感じです。放送丸写しするとアレっぽいので自己訳です。誤訳してたらご容赦くださいませ。ていうか、室内楽でもコンチェルトでも本番中に痒くなったからて搔く演奏家なんて見たことないですけどね~…( ³△³ ).。o

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自分はギル・シャハムのCDを驚いたことにどうやら持ってませんでしたので、まず最初に手に入れるとしたらピアニストでギルの妹のオルリ・シャハム(Orli Shaham)が伴奏しているCDにちょっと興味あるかな~なんて。バッハのヴァイオリン・コンチェルト集とかあったら良かったのですが・・・無い?ですよね。この先リリースされるのを待つことにしましょうか。注:今回紹介した無伴奏パルティータ集は後日購入しました。

- ギル・シャハムが奏でるバッハ無伴奏 -        
「無伴奏バイオリン・パルティータ 第3番 BWV1006」
「無伴奏バイオリン・ソナタ 第2番 BWV1003から
“アレグロ”」
「無伴奏バイオリン・パルティータ 第2番 BWV1004」
バッハ作曲

(バイオリン)ギル・シャハム
~東京・ツキ シュール ラメールで収録~

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