日本オーディオ協会の“ハイレゾ”定義に逆噴射してみる♪(後編)

前編|後編

お待ちかね後半です。こちらがむしろ今回言いたいことの本編だったりなかったり。。。

Index

(4)スピーカー・ヘッドホン高域再生性能:40kHz以上が再生可能であること

スピーカーについても高域再生能力についてしか定義されてないのですね。うがった見方をすれば、蚊の鳴くようなレベルでも良いのかしら?wどうせお子様か犬猫か測定器にしか聞こえてないのですし~(爆)

\最大12%ポイントアップ!/
Amazon

巷には星の数ほどスピーカーがありますが、ペア数万円以上する、ピュアオーディオクラスのHi-Fiスピーカーや、高性能モニタースピーカーでは、公称スペック表記にかかわらず、事実上ハイレゾに対応出来ているスピーカーも多いのでは?・・・などと爆弾発言してみたり♪

ソニー(SONY)
¥19,900 (2024/11/26 15:43時点 | Amazon調べ)

カタログデータ上は、例えば周波数特性35~20000Hz/±3dBとか、50~30000Hz/-6dBなどとまことしやかに書かれていますけれども、これ、そもそもハイレゾが普及する以前の製品だったりしますし、カタログスペックの表記争いをしない海外メーカーなどでは、高周波特性を元々それ以上測定してない、保証していないから、便宜上必要とされている~20kHzとか~25kHz程度を測定して、保証値としてスペック表記しておくみたいな感じですので、あんまし鵜呑みにしないように。

一般的なピュアオーディオ級スピーカーのツイーターユニットでは、ローパスフィルタってかハイカットフィルタでわざわざ超高域を切っている訳ではありませんから、大概30kHzも40kHzもそれ以上も一応”それなりに”出ている筈なのですけれども、高域再生能力は周波数が上がるに伴いなだらかに減衰するものですし、ツイーターユニットの性能次第に加えて、可聴帯域の音作りによってもその減衰の度合いも異なります。ツイーターによっては高級品でも元々超高域再生が不得意だったりするケースもあるでしょうし、実際の所、それぞれのスピーカーで採用しているユニットやメーカーの音作りの匙加減、フィロソフィ次第といったところです。

ソニー(SONY)
¥22,800 (2024/11/26 15:43時点 | Amazon調べ)
\最大12%ポイントアップ!/
Amazon

ど~しても気にされるような御仁は、新旧問わずカタログスペック40000Hz以上を表記している機種からお選びになると良いと思いますが・・・でもさぁ、例えば30-50000Hz(但しマイナス○○dBかはひ・み・つ♪)って、要するにカッコ内を脳内補完せよ的な話じゃなイカ?(゚皿゚メ)

\最大12%ポイントアップ!/
Amazon

※ソニーのハイレゾ対応スピーカーSRS-X9。デジタルアンプ内蔵で何これポータブル?かと思いきや、幅46cmのラジカセサイズで結構大きなスピーカーでした。7ユニット+2パッシブユニットの変則スタイルでパッシブラジエーター/ミッドウーハー/スーパートゥイーターと前面左右にぎっきり配置。上面には更に2つスーパーツイーター搭載するデュアルスーパーツイーターは初めて見ました。

SRS-X9、これは云ってみれば超豪華なPCオーディオ用一体型スピーカーという位置づけですね。

個人的な意見としては、日本オーディオ協会のハイレゾ定義とは異なり、可聴帯域の音質の重要性に比べればスピーカーの高周波再生能力はどちらかというと些末な要素であり、スピーカーを選ぶ上で本質的にあまり気にする必要ない類の話と思っています。

スーバートゥイーターの効果

ですが敢えて超高域を強調したサウンドの爽やかさを体験したければ、皆さんがお気に入りの、本当に音の良いスピーカーに、出来の良いスーパーツイーターを追加されると、もしかすると幸せになれるかも知れません。メインスピーカーの音色との相性問題があるとは云え、カタログスペックを盛らない海外製の高級スピーカーでも、或いは既に皆さんお手持ちのスピーカーで仮に20kHz以上の減衰が大きなスピーカーだったとしても、後からスーパートゥイーターを追加しさえすれば、まごう事なき「ハイレゾ対応スピーカー」にメタモルフォーゼしちゃいますからねっ!…( ੭ ・ᴗ・ )੭♡

※知る人ぞ知る激安スーパートゥイーターTAKETバットピュア。それなりの効果は感じられるのですけれど、正直、音色があんまし好みじゃありませんでした~orz 引き出しに眠ってますけれども、ハイレゾPCオーディオ用に再利用するのも有りかも知れませんので、気が向いたらレビューするかも!?

TaKe T
¥4,145 (2024/12/02 09:31時点 | Amazon調べ)
\最大12%ポイントアップ!/
Amazon

ハイレゾ対応?ヘッドホン イヤホンの実情

上記のことはヘッドホンとイヤホンにも当てはまりますが、ヘッドホンやイヤホンの場合、実質的な再生能力は10000Hz台+α程度迄で、それ以上の高域は一気に感度が落ちてしまい、そもそもカタログ表記の高域再生能力すら、ぁ ゃι ぃ製品が割とゴロゴロしていたりします。それでも可聴帯域内の音質に定評があるそれなりにハイクオリティなヘッドホンやイヤホンを通せば、SACDやハイレゾの音質の違いは如実に伝わりますので、その点から考えても、必ずしも20kHzを超える超高域の再生能力がハイレゾの本質という訳では無いのでは?と感じるのですけれど、皆さんは如何思われますでしょうか?

ヘッドホンで敢えて超高域再生に拘る場合は、再生周波数帯域7-41000Hzの広帯域とエレクトロスタティック型(静電型)ユニットによる聴感上の歪み感の少なさも含めて、個人的にはSTAX(スタックス)のイヤースピーカーをお薦めしたいです。ハイレゾブームになる前に手放してしまった事を、今となってはかなり後悔していたり・・・(苦笑)。近年のブームでは色々なヘッドホンが星の数ほどありますけれども、スタックスは日本製の中でも他の追随を許さない別格の品位。海外製の最上位クラスと並べても外せない逸品です。

今後、ハイレゾ対応を謳うスピーカーヘッドホンにイヤホンアンプや、ひいてはケーブルアクセサリに至るまで、主に国内メーカーから色々と出てくることになるのでしょうけれども、元々楽音帯域は倍音含めてたかだか数千Hzの世界であり、人間(成人)が感じ取れる有意な超高域、高次倍音は所詮一万数千Hz~2万Hz迄です。加えて、アコースティックなクラシック音楽やジャズほどハイレゾの聴感上の恩恵が得られるという割に、実は電気的に作られたポップス音源よりもずっと、含まれる周波数帯域が低かったりします。

そもそも録音時に使われている高性能マイクや録音機材にしても、大概は20kHzを超える超高域をまともに記録出来ていないという現実を無視してないかな~?と。アナログテープやLP盤等アナログ資産の96kHz超高域云々でハイレゾリマスターなんちゃらも、実質は何も無いか、殆どノイズしか記録されてないでしょう。

DSDハイレゾ規格SACDのアドバンテージ

あ、でも別にハイレゾを否定しているわけではありませんので勘違いしないで下さいね!管理人はむしろハイレゾ推進派、大推奨なのです。家のONKYO C-S5VLでSACDを聴いていると、手持ちのCDが全部SACDクオリティだったらどんなに良いかと、常々しみじみ感じていますから。再生されるステージの空気感や広がりの自然さ、音の歪みっぽさがCDとSACDではかなり違うんです。ピアニッシモのディテールの解像感、音の消え際ほどCD規格と差が如実に現れます。

ハイブリッドSACDの同一音源で直接比較すると、CDでは隅取りされた歪曲収差の強いメガネレンズで観る世界。感覚的にスピーカーの前後左右上下のステージが、透明な箱庭の中で鳴っている様に視覚的に聞こえるのですが、SACDでは空間の外側へ音が束縛されずに音のグラデーションがスーッと薄く消え行く感じです。繊細で細かいことを気にするタイプの皆さんでしたらSACDやハイレゾの恩恵にきっとあやかれるはず…( ੭ ・ᴗ・ )੭♡

あと、前にも書きましたけれど、可聴帯域が広い子供の時分に、ハイレゾやDSD/SACDの音を聴けるのは感受性の深さと云いますか、情操教育面でかなりメリットがあると思いますので、子供さんがいるご家庭には特にSACDプレーヤーやハイレゾ対応のネットワークオーディオプレーヤーをお薦めしたいです。こういった目に見えないアドバンテージが後々になって利いてくるのでしてよd(^_-)。ああ、でも、幼い子供にヘッドホンやイヤホンを与えるのは絶対に避けて欲しい。必然的に本人すら気付かない間に耳を傷めてしまう事に為りかねません。テレビゲームは一日1時間!ではありませんが、イヤホンやヘッドホンはほんと大袈裟で無く10分まで。

デジタルハイレゾリューションオーディオ

ハイレゾ対応オーディオ機器の本質と今後の課題

ハイレゾリューションオーディオの恩恵は超高域の再生能力だとついつい思われがちですが、これはメリットの中でも二次的なメリットの部分であり、人間が体感出来る本質部分は、量子化ビット数の多さから来る、可聴帯域の音のきめ細かさ、ダイナミックレンジの広さ(細やかさ)、ディテール領域での絶対情報量の多さの方だったりします。ハイレゾの話題って、売る側も買う側も、定義も含めて可聴帯域外のスペックに固執しすぎて、なんかその辺りを敢えてミスリードさせようとしてないかな~なんてね♪

ですから、スピーカーやヘッドホンについて、今後日本オーディオ協会のハイレゾ認定を受けられる製品というのは、その高域再生能力について「保証する」という意味合いが強いと思います。40kHz以上を概ねフラットに出せるスピーカーやヘッドホン、イヤホン製品となると流石に殆ど存在しないのではと思いますが、定義にはそこまで明記されてませんので、まぁ楽音ではありえない波形と音量の信号を突っ込んだ上で、微かにでも測定できれば良いのかも知れません(滝汗)

あと、マーケティング的意図から、高周波スペックを満たす事を最優先に開発されたような製品は、得てして可聴帯域の音質、品位については二の次になりますから、そこら辺は注意が必要になると思っています。この業界、大昔からカタログスペックと実用品位には甚だしい乖離がありますので。デザインやコスト重視で設計された安価なAVマルチサラウンド用のスピーカーが、いくらカタログスペック上の対応周波数帯域が広かったとしても、ピュアオーディオ用の良く出来たスピーカー、スタジオモニタースピーカーのような情報量や、リアリティと品位伴って鳴ってくれる訳ではありませんから。

それでも敢えてハイレゾを明確に定義し、新時代に向けてハードの基準を上げてやることで、従来、可聴帯域内ですら盛大にロールオフしていて再生能力が怪しかった一部のスピーカー/ヘッドホン/イヤホン製品について、少なからず性能が底上げされる切っ掛けにはなるのかもしれません。それ以上に、音楽の深みと魂を間引きするがの如き薄っぺらい圧縮音源へのアンチテーゼという意味も込めて、何だかんだ言っても、個人的にハイレゾオーディオの普及には大賛成だったりするのでありんした♪

前編|後編

  • URLをコピーしました!

コメントする

CAPTCHA

Index