万年バジェットHi-Fiでローエンダー志向の僕などがLINNについて語るのは少々烏滸がましい気がしないでもありませんが、そこはブログの"箱庭的"趣旨として大目に見ていただけると幸いですm(__)m スコットランドのグラスゴーに拠点を置くLINNは、アイバー・ティーフェンブルンが主宰する、文字通り英国を、いや世界を代表するハイエンドブランドの一つです。現在、英国王室御用達の称号(チャールズ皇太子)を持つ唯一のHi-Fiコンポーネントメーカーでもあり、ピュアオーディオを余りご存じなくても、一流のライフスタイルを志している人々には良く知られているブランドの一つではないでしょうか。
LINN SACD
その高価なラインナップとステイタスシンボルとしての価値故に、音質よりもブランドイメージが先行しているきらいが無きにしも非ずですけれど、価格やブランドという色眼鏡を無しに評価した場合でも、LINNの音質は決して一部囁かれるような怪しいものではなく、ピュアオーディオとして視ても極めて真っ当な品質であり、精度が高く、そして音楽的にも充実しています。

LINNはハイエンドオーディオと云っても決して大型の戦車の如き製品は作りません。伝統的な英国ブランド製品らしくスマートでコンパクト。筐体は一般的なフルサイズオーディオコンポーネント(約43)よりも小さなLP盤程度のサイズ(32:執筆当時/現行製品は35)ですし、重量も150万を超えるUNIDISK 1.1ユニバーサルプレーヤーでさえ5圓鮴擇觀變未気如⊃牝阿紡个圭杜未畔量で押さえ込むのでは無く、コンパクトに軽くシンプルに作り込む方が、音響機器としては真に音質に貢献すると云う事を作り手が良く理解しているのでしょう。そうした合理的コンセプトが主流の英国オーディオメーカーの中にあっても一際、部品の質と精度に対しては日本のメーカー以上に吟味しつつ、最先端技術を盛り込んで入念に作り込まれている・・・LINNにはそんな誠実なイメージがあります。

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そんなLINNの製品が生み出すサウンドはハイエンドオーディオの名に恥じないとても精度が高いものです。イギリスを中心としたこういったタイプの欧州製コンパクトオーディオの多くは、感性に依存した曖昧さや粗雑さがサウンドの端々に見え隠れする製品も散見されるのですが、LINNに関してはそのような心配は全く要りません。確かに90年代の旧来のLINNの音色は、あくまで英国伝統的な、少々枯れた渋さを伴う人肌の温もりのあるヨーロッパトーンでしたし、音場をスピーカーの外側にまで広げて誇張した現代的なはったりサウンドでもありませんし、輝きを持たせて輪郭強調したような偽物のハイスピードサウンドでもありません。

けれども、よくよく聴き込むと音の骨格と立ち上がりがシャープで、節度の効いた抑揚とその中に波打つ音楽的なリズム、そして、高級機になるにつれて非常に洗練され、喩えるなら英国の寺院の静粛を想わせる澄んだ余韻を伴う格調高い空気感が、LINNと他のハイエンドブランドとの根本的な格の違いをつぶさに物語っているように感じます。その世界最先端の技術とイギリスの伝統が融合した質感の高さは、シビアなオーディオファイルが重箱の隅をつつく様に聴き込んでもまだ十分に耐えうるトップクラスの音質を備えていると云えるでしょう。

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LINNも近年になってピュアオーディオからラインナップのAV(オーディオビジュアル)化が進み、音質傾向も旧来の少々辛口なキレを伴ったトラディッショナルなイメージから、NINKA(ニンカ)・KATAN(ケイタン)・KOMURI(コムリへ続く一連の新作SPからは、現代的な傾向のHi-Fiサウンドに随分と様変わりした様に感じます。ある種モニター的で「ディナウディオ」等の新世代スピーカーにも近い傾向を感じさせる情報量の多さとアキュレートさは、それ以前のKEILIDH(ケイリー)・TUKAN(トゥーカン)といった、とりわけ弦楽器をリアルに聴かせるクラシカルな音色を好んでいた僕からすると、方向性の変化に若干戸惑う部分が無きにしも非ずだったりします。とは云えLINN自体の根底に流れる質の高さと音楽的な表現力に変わりは無く、今後も本質的に変わることなく多くのエンスージストに支えられて着実に進化を続ける事に疑いの余地はありません。

LINNにはそのフィロソフィとエッセンスを伝える普及機としてプリメインアンプ/CD/FMチューナーの一つの筐体に纏めたCLASSIK-T/CLASSIK MUSICと呼ぶ一体型コンポーネントがあります(※執筆当時:現在はディスコンです)。LINN CLASSIK MUSICシリーズはさながらLPジャケットサイズの小さな筐体ながら、LINNの名に恥じないピュアオーディオレベルの洗練された音質を聴かせる製品で、既存の一体型ミニコンポヤラジカセの音質には飽き足らないけれど、重厚長大オーディオ機器マニア的な概念・・・音楽にとっては本来不必要であろう機器のセパレート化や複雑な配線の多用など、複雑で野暮な趣味にはかかわらずに、シンプルなシステムで純粋に音楽を愉しみたい・・・そういったライフスタイルを重んじる一般音楽ファン的ユーザーに向けて作られた、数少ないハイエンドオーディオ製品と云えるでしょう。
linn_classik_music
一人の音楽愛好家としては、巷に溢れかえる国産ミニコンポの低品位な音質ではなく、シンプル&ストレートを基準に作られたピュアオーディオ品質の一体型である、LINN CLASSIKの様な製品こそが本来「音楽再生機」市場の主流であって欲しいのですけれども、この種の「音楽ありき」の製品がなかなか専業オーディオメーカーの手で作られないのはとても残念なことではないかと思います。


ハイエンドオーディオのLINNサウンドには憧れがあるけれども、予算的に残念ながら手が届かない・・・けれどもLINNサウンドの一端には触れてみたい・・・そんな皆さんには、例えば、システムの何処かに一組LINNのスピーカーケーブルRCAケーブルを導入する手があります。アイバー・ティーフェンブルンは昨今のHi-Fiマーケットに於けるケーブルの過熱ぶりについて一歩退いたところから見つめているのか、LINNの専用スピーカーケーブルやRCA/SPケーブルは90年代から一貫していてモデルチェンジも無く、現在のオーディオケーブル市場のインフレぶりからすれば相対的にみてそれほど高価ではありません。それでいて、LINNケーブルはオーソドックスな質感の中にもLINNのテイストを感じさせ、LINNの高額なハイエンド製品の性能を引き出すことの出来る十分な品位を備えています。LINNのオーディオコンポーネント製品にも付属する標準的なRCAケーブルにBLACK INTERCONNECT CABLE、上級アップグレードモデルとしてSILVER INTERCONNECT CABLEがあります。※名前はシルバーですが銀線や銀コート線ではありません。

高音質レーベル LINN RECORDS


LINNは世界屈指のハイエンドオーディオメーカーであると同時に、オリジナルのレコードレーベルLINN RECORDSを抱えていて、クラシック音楽やジャズを中心に積極的にSACDタイトルをリリースし続けています。LINNの機材によって収録作成されたLINN RECORDSのCD/SACDソフトは、オーディオファイルの間では超高音質盤として良く知られており、音楽ファン的には英国発の高音質系マイナーレーベルで、抱えているアーティストも大半があまり有名な演奏家ではありませんが、LINN RECORDSのサウンドに触れるだけでも、LINN製品の音質的な特徴、フィロソフィの一端に触れることが出来ます。管理人もご多分に漏れず高額なLINN製品には中々手が届かないのですけれども、録音の良さもあって、LINN RECORDSレーベルのSACDについては細々とコレクションを続けていたりします。

※冒頭の画像で並べたLINN RECORDSのSACDから、ポルトガルのピアニスト、アルトゥール・ピサロ(ピツァーロ)が演奏するグラナードスのゴイェスカス及びアルベニスのイベリアの、2枚組SACDのレビューを載せています。
6/24〜29 今週聴いたCDとSACD備忘録

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o-green高音質SACD購入レビュー


季刊オーディオアクセサリ誌のバックナンバー110号には、LINNレコードのSACDサンプル盤が付録されています。曲目はジャズからクラシックまで広くカバーし、しかもこれがかなりの高音質。現代LINNの暖かみを感じさせるシャープなハイスピードサウンドに、ややドライタッチながらもの素晴らしい情報量と楽器のソノリティ、そして高度な音楽性を楽しめる聴いていてとても楽しい一枚です。SACDといってもCDとSACDのハイブリット盤ですので既存のCDプレーヤでも再生が出来ますし、このサンプル一枚で現代LINNサウンドの傾向を掴むことも可能です。
《Last modified 2009/03, 2019/4/16》

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