【aeco ABP-1111 vs ABP-0202比較レビュー】
構造編メッキ比較編|総評編

今回が3分割したレビューの後編です。aecoの新型ABP-1111系バナナプラグの特徴は、高価なテルル銅をベースに真鍮等の単純な金属素材の組み合わせではなく、2ヶ所にポリアセタール樹脂パーツ(POM)を敢えて組み込む事で、金属共振で発生する付帯音をダンピングし、よりカラーレーションを排除する方向で設計されている点です。
abp-111_aeco
但しプラスチック系素材のパーツには功罪ありaudio-technica AT6301の樹脂カバーに見られるように、使いすぎれば解像度を落とし、音を柔らかく悪く言えば安っぽくしてしまいますし、逆に金属素材だけでは、共振付加に拠る特有の美音傾向は出せるものの、エネルギー感をロスしたり、付帯音で細かな音をマスキングするデメリットも無視できません。
     
そこで新型ABP-1111系では、ロックヘッド〜導通部にテルル銅+ダンパーにポリアセタール樹脂+アウターカバーに黄銅と、3層ハイブリッド構造(+銀メッキ真鍮とニッケルメッキ鉄の異種ネジ2種止め)という、振動制御の面で非常に攻めた設計になっている訳ですけれども、結果的にその効果が如実に現れたサウンド傾向になっています。

音質面でもディテールを付帯音で誤魔化すのではなく、よりテルル銅の導電率を活かしたキレが良くワイドレンジな方向に進化していますし、何より異種素材を適度に組み合わせることで、高い音楽性を獲得している点は見逃せません。この表現力の向上は、本来バナナプラグを使う必要が無いシステムでも、場合によっては敢えて介在させたくなる魅力を備えてると云えます。

o-greenaecoのテルル銅バナナプラグABP-0202Rをレビューしてみる

後部のポリアセタール(POM)製リングパーツを敢えて取り外してみた

再びROTEL RDA-06×audiopro Image12のシステムでABP-1111Rを取り付けてみます。やはり音質的にはロジウムメッキが一段上。エネルギー感のあるカッチリとした音像描写と光沢の乗った明るい音色で、3種類の中では音楽の流れが一番明確化される方向性。銀メッキと金メッキでは背景が黒く沈み込みますが、ロジウムメッキでは無色〜ほんの僅かに白っぽいイメージ。低域方向も解像度が高く、相対的にレンジは広いのですけれども、ロジウムの場合は中域〜高域の張りだしと光沢が目立つぶん、金メッキよりは重心が少し上よりに聴こえます。
バナナプラグPOMポリアセタール樹脂
ここで、被覆が太めのスピーカーケーブルを使用する際に取り外して使うための、後部の黒いポリアセテート樹脂パーツとケーブル止めのネジを撤去してみます。※フロント側はロックヘッドと一体成型なので外せません。ABP-1111系は僅かながら樹脂の質感から来る柔らかさを響きに感じますし、POM樹脂がもしかすると音をダンピングし過ぎているのでは?と試していて気になっていたので、敢えて外してみました。AET EVO-F125(1.25SQ)のケーブル被覆径が3mmと細く、被覆止め用の後部ネジ(鉄製ニッケルメッキ)も使用できませんので同時に撤去。バナナプラグとプラグの接点は、導通部1ヶ所ネジ止めのみになります。

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良くなるのではと内心期待していたのですが、やってみたら???という感じで肩すかしを食らいました(@_@;)。樹脂リングが無い方が繊細感が増して響きが少し増え、音のサーフェスが滑らかになりますが、その代わりにレンジが狭くなって躍動感が削がれたようなアンニュイな雰囲気に。。。POM+後部鉄ネジ有りの方が音にメリハリが付いてレンジも広く、音質的にも音楽性的にも良いみたいです・・・正直これはかなり意外でした。もちろん使うスピーカーやSPケーブルとの相性もあると思いますが、有り無しで音質調整が出来る部分は踏まえた上で、個人的にはなるべく樹脂リングありをデフォルトで使いたいと思います。樹脂リングが使えない外径のスピーカーケーブルの場合でも、アウターカバー後部とケーブル被覆をキッチリと鉄ネジ止めしておく方が振動対策としてはベターかも知れません。

新型ABP-1111で気になった点

これはaecoに限らず、他社製も含めた中空螺旋構造や円筒波型スリット構造のバナナプラグ全般で一様に云えることなのですが、新型ロックヘッドの中空螺旋構造は、旧型ABP-0202のストレートバナナ構造に比べ接点面積を稼げる反面、バネ性の膨らみが形状的に小さく、接点金属厚も薄いために反発剛性が低く、スピーカー端子側のバナナプラグ穴との相性によっては希にコンタクトが甘くなるケースがある点です。
aeco ABP-1111R ABP-0202R
一般的にスピーカー端子穴は4.0mm〜4.1mm程度の径がありますが、例えば一旦4.0mm以下の狭いスピーカー端子に挿して小さくなったバナナプラグを次に4.1mm以上の広めのスピーカー端子に繋げようとすると、中空螺旋構造や円筒波型スリット構造の場合はバネ性が低い為にコンタクトが甘くなってしまうリスクがあるのですね。aecoの場合、抑もの切削精度が高いために逆にコンタクトの相性にはシビアな印象。抜き差しを繰り返した結果、もしコンタクトしないほど緩くなってしまった場合には、自己責任ですが、ベビー綿棒等をロックヘッドの筒の中にねじ込んで、広げてあげると良いかも知れません。

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接点にキツく噛み込むものですので、これはどんなバナナプラグでも抜き差しを繰り返せば傷が入るものなのですが、プラグのダイレクトメッキ品質は高く、テストでの5回や6回の抜き差し程度では、いずれのメッキでも一部他社製品のようにメッキが剥げる気配すらありませんでした。
aecoバナナプラグ ロジウム金

まとめ♪
新型ABP-1111系は総じて旧型よりもダンピングが効いていて、聴感上のレンジが広がり、表現にパリッとしたメリハリが付き、動的音楽性が向上、音質面でも直接音の定位感や解像感などが改善しています。S/Nも良好。テルル銅+真鍮の金属素材による付帯音を更に排除しつつ、旧型より更にワイドレンジでアキュレートな方向性に振っている印象です。バナナプラグとしてかなり攻めた設計をしていて、それが音質に良く現れています。逆に旧型ロジウムメッキABP-0202Rは、硬質感のある音色にマイルドな潤いのある響きや光沢感が乗って美しく、バランスの良さと滑らかさが得られる傾向に。響きが多いぶん美音が際立つものの、新型に比べて響きに微少信号が僅かに埋もれる部分をどう捉えるか?で新旧での評価が変わりそう。ただ、ストレートバナナ形状のロックヘッドは強靱で、どんなシステムでもバランスの良さが生きるため、店頭デモなどの付け外しの頻度が多い過酷環境での使いやすさはあると思います。

ROTEL RDA-06×audiopro Image12 ⇒ 1111R>1111G>0202R>1111S
Miuaudio MKTP-2×QUAD Lite-2 ⇒ 1111S>0202R>1111G>1111R
CREEK Sequel2×EPOS ELS3⇒ 1111R=1111G>1111S>0202R

今回テストしたメッキの相性面を不等号で表してみると、管理人の好みもあるのすけれど、ROTEL×audioproとmiuaudio×QUADで見事に逆の結果に(^-^;) CREEK×EPOSに関しては4種類何れも未使用よりも聴感上の音質と音楽性が向上します。僅差で0202Rを最下位にしましたが、こちらも新型とはまた違った別の良さがあって甲乙付けがたく・・・。

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4種類どのプラグを使ってみても、aecoのバナナプラグに共通しているのが接点増加に伴うネガティブダメージの少なさです。そして新型バナナプラグ3種全てに共通しているのは、キレが良くパリッと洗練された爽やか傾向の音像感とS/Nの良さ。基本的の方向性としてバナナプラグが介在することによるデメリットを排除する方向で作られているため、裸線での接続と比べてストレートさの面で失われる部分が全くないとは言えないものの、ロスに対して補う部分、デメリットへのフォローの匙加減が絶妙で、トータルの出音としてバナナプラグを使う事へのネガティブ感をあまり感じさせない素性の良さを味わえます。新型はよりダンピングを効かせて僅かに音を締める方向、旧型は響きを乗せて弛める傾向を感じますが、いずれにしろ色付け過剰に陥らず、バナナプラグの役割を弁えた音質になっていると感じます。


新型はパーツを細分化したりポリアセタール樹脂が加わる事で、旧型に比べ剛性感が落ちたり、付帯共振音が増えるのではとの懸念が内心ありました。しかし実際には素材同士が互いの弱点を打ち消し合うように上手く設計されていて、テルル銅と真鍮素材の金属付帯音が打ち消されることで音質が洗練され、ダンピングが向上した結果として音楽性の大幅な向上を感じることが出来ます。懸念したネジ等々の共振音については、ポリアセタールでのダンピング効果が上回っているためか全く気にならず。むしろ変にネジ抜きで使わずに、スピーカーケーブルの固定に使えるネジと樹脂リングほ前後共に積極的に使う方がバランスが取れるように感じました。旧型ABP-0202Rでは従来型のバナナプラグの延長線上としてデメリットを最小限に抑える工夫を感じましたが、今度の新型ABP-1111では、バナナプラグを使うことで音質を改善させてしまおう的な攻めの工夫を感じさせてくれ、結果的に接点増加のネガティブイメージに囚われずに使える、より完成度の高いバナナプラグになっていると思います。

+For
 ダンピングの利いたキレの良いサウンド
 音楽が楽しくなる快活な音楽性
 下地にニッケル使わないを高品質ダイレクトメッキ
 高精度且つ攻めた構造設計
 導電率の高いテルル銅(テルニウム銅)

−Against
 中空螺旋構造の噛み合わせに希に相性がある
 2.5SQ以上の太いスピーカーケーブルには不向き
《あくまで管理人の個人的評価です》

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