JVCウッドコーンスピーカー
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今回はJVC/Victor SX-WD5を活かすアンプについて書いてみたいと思います。SX-WD5はキャラクター的に「美音系」のスピーカーであると度々書きましたが、これは裏を返せばこれ自体が独特の個性を持ったスピーカーであるとも云えます。暖かみと透明感のある美しい音色と澄んだ中高域は大変魅力的ですが、決してフラット且つワイドレンジではありませんし、低域方向の厚みがどうしても不足気味です。
Victor JVC ウッドコーン EX-A5
特に繋げるアンプとの相性や、どの音楽を聴くか?で、まるで正反対の評価になってしまう事も充分あり得るでしょう。箱庭ピュアオーディオ管理人自身、このスピーカーを最初に聴いた際には、深く考えずにそこにあったD社の10万円クラスのプリメインアンプと組み合わせて音出しをしたのですけれど、この時の音質はお世辞にも良いとは云えず、正直かなり酷い音が出てきてびっくりしました(滝汗)
                    
単品オーディオは、優れた物同士を組み合わせたとしても、その結果「1+1=2」のように必ずしも良い音になる訳ではありません。トータルで出てくる音質を評価する場合、価格帯やグレードよりも、組み合わせの"相性"の方が本質的により重要になります。(この相性の部分が実は一番単品オーディオに於ける難しさであり、マニアですらなかなか語られない部分でもあります。)

しかし、私は同種の音色傾向を持ったVictor SX-A103での組み合わせ経験から、Victorの美音系小型スピーカーは、鮮烈な音のワイドレンジ系アンプよりも、中域が充実した艶めかしく太く濃い音色のアンプがより上手くハマるのではと考えるのです。例えばSX-A103の場合、Musical Fidelity A1 juniorとの相性は驚くほど素晴らしいものでした。スピーカーの張りのあるクッキリした美音が、アンプ側の弱点である解像度と鮮度の低さを補い、お互いの持つ音楽的な躍動感は相乗効果でより情熱的に強調されます。加えてアンプの丸い音色でスピーカーの高域方向の刺激を抑えながら、中〜中低域方向の密度感を高め、女性ボーカル系などはこれ以上無い程の色気を漂わせ艶めかしく聴かせてくれたものです。

ですので、WD5を鳴らす際には出来るだけ音色の甘さと中域の密度を高めることに主眼を置き、中古のミュージカルフィデリティA1系や、コンパクトなMusical Fidelity X-Seriesの旧モデル、或いは定評のある穏やかな音色の真空管アンプと組み合わせるのも面白いかも知れません。

AUDIO ANALOGUE primo2Musical Fidelityと同系統の音質をより高い次元で現在販売されている製品で再現することを考えた場合、真っ先に候補に挙がるのがイタリアAUDIO ANALOGUE "PRIMO"シリーズとの組み合わせです。PRIMOはミニコンポサイズながら、その音質はピュアオーディオ級単品コンポとして十分に通用する本格的なもの。また、その外観の仕上げの精度の良さ、筐体の剛性の高さは文字通りハイエンドクラス。操作性もシンプル且つ非常に洗練されたフィーリングのもので、遥かに高価な上級機の持つ高級感溢れる質感の高さを、グレードダウンすることなく全て受け継いでいます。

これだけの作りの美しいプリメインアンプとCDプレーヤーが今はそれぞれ定価10万円少々と云う、信じがたい程リーズナブルな価格で販売されている訳ですから、ディスコンになる前に手に入れなければ後悔すること請け合いです。音質面でもアンプのドライブ力の高さには定評があり、並のハイエンドアンプを凌駕するそうです。また、音楽的なストレートさと楽しさでも、個人的には上位モデルを凌駕するかもしれないと感じました。強いて弱点を挙げるとすれば、外観の精度の高さや筐体の剛性の高さから来るハイエンドライクな安定度とは裏腹に、上級機と同じくボリュームの調整ピッチが細かくない点。セレクターのチャンネルセパレーションがイマイチ(実はMusical FidelityA1もです・・・)、電源が合わないとトランスが唸る等々、イタリア製らしいお茶目な部分がいくつかある様です(苦笑)。とは云えそういった部分に目を瞑ってでも、道具として傍らに置いて長い間使いたいと思わせるだけの質感と音質を十二分に備えている、それが"AudioAnalogue"社のPrimoシリーズなのです。

outAUDIO ANALOGUE PRIMO SETTANTA
outAUDIO ANALOGUE PRIMO SETTANTA 2.0
outAUDIO ANALOGUE“PRIMO”シリーズの新CDプレーヤー/プリメインが登場

AUDIO ANALOGUE PRIMOとJVC/Victor SX-WD5の組み合わせは本当に素晴らしいものです。(この組み合わせを聴かなければVictor SX-WD5を"AUDIO STYLE"で取り上げる事は多分しなかったでしょう。)デザイン的にもDEUSとPrimoでは違和感がなく、変更しても統一感がありますし、そこから得られる音質は、新世代のアンプらしく現代的な節度を兼ね備えながらも、柔らかさの中に明るい響きと充実した中域を感じる音楽的感性に溢れるもの。ウッドコーンのアコースティックな暖かみとイタリアらしい歌心を一際際立たせる見事な表現力が合わさり、PRIMOと同サイズの国産ハイコンポなどからでは絶対に得る事が出来ない、音楽的抑揚の効いた深みのある音場再現を聴く事が出来ます。
AUDIO ANALOGUE PRIMO SETTANTA
音源との相性ですが、やはりあまり激しくない洋楽、女性ボーカル・・・ジャズボーカルにも良く合います。加えてVictor SX-A103もでしたが、意外に邦楽ポップス系との相性が良いかも知れません。電気的にエンハンスされ、コンプでレンジ圧縮され、音がクリップしている低音質な音源でも、このシステムではウッドコーンのキャラクターで美しく聴かせてくれますし、低域を適度に削ってくれるのでドラムスが全体のバランスを崩して、肝心のボーカルを殺してしまう心配はありません。その反面アコースティックソースでは、金管、木管楽器、ギターなどの再現性は良いのですが、Musical Fidelity A1と異なり弦楽器は微妙かな?と正直感じました。ピアノはこれ自体がピアノっぽい輝かしいキャラクターなのでアリでしょう。ただ、低域の厚みが足りないので本格的なものとはまた違う意味になりますけれども。

どちらにしろ、この種の美音系キャラクターが好みであれば買って損はありませんし、他に現時点のJVC/Victorのスピーカーの代わりが出来るモデルはありません(※その後JVC SX-WD7が発売されています)。試聴して好きだと感じたのであれば「自分を信じて」間違いないと思います。
《Last modified 2021/1/16》

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categoryJVC Victor(ビクター・ウッドコーン)
category伊/AUDIO ANALOGUE(オーディオアナログ)

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