吉田苑さんなどを筆頭に、巷で一体型ミニコンポの割に音質が良いと噂になっているオンキヨーの人気モデルONKYO CR-D1。昨年秋にそのブラッシュアップモデルにあたるCR-D1LTD(限定品)が発売され更なる高音質化が図られたとのことですが、一体どの程度の実力なのか、遅まきながら年末年始に試聴してきた感想を書いてみたいと思います。
onkyo cr-d1 ltd
価格的な部分もあって正直なところ全く期待していなかったのですけれど、結論から云うとこの価格帯の中では素晴らしく高音質です。音の傾向としては同じVL DIGITAL回路を使うONKYO A-1VL/C-1VLの音色傾向にかなり近く、中高域の硬質で煌びやかな輝き感と軽快なスピード感は、サブシステムで今も使っている本家A-1VLを更に上回っているようにさえ感じます。デジタルアンプを採用する以前の同FRシリーズのミニコンポとは雲泥の差というか、実際のところ月とスッポン。かといって上位モデルにあたるINTEC275シリーズみたいなともすると鋭い冷たさも無く、幾らなんでも5万円前後のこのクラスに、このクオリティの製品を投入するのは反則なんじゃ〜?とか思ってしまったり。実際、ライバルと思わしき他メーカーの一体型ミニコンポの存在が霞みまくり。。。なんて書いたら大袈裟かしら?


試聴にはメーカーの純正組み合わせ推奨スピーカーであるD-112E LTDを使用しました。


例えば管理人が所有するサブシステムの一つ「ビクター EX-A5」付属のデジタルアンプレシーバー「DEUS」のヘッドユニットよりも正直ずっと音がクリアでドライブ力もありそう。。。そして下手をするとエントリークラスのフルサイズピュアオーディオ機器のあまり良くない組み合わせを質的に明らかに上回っています。※具体的機種は挙げませんが、比較してボロ負けしたプリメインアンプがありました。

ただ、このクラスのミニコンポはポピュラーミュージックのリスナーが多くなる事や、セッティングがスピーカーとコンポ卓上の狭い横並びセッティングが想定されていることもあるのか、CR-D1 LTDのサウンドキャラクターに於ける方向性としては、やはりミニコンポと云うカテゴリの制約を少なからず感じる部分はあります。あと正直、量販店での店頭効果を意識している部分も少なからずあるのかなと。直接音は煌びやかで魅力的な反面、間接音表現や音場表現の広さ、深さという部分については、やはりより高価な単品ピュアオーディオ製品にはやや及ばないように感じます。でも敢えてそういったマイナス部分を許容しても尚、十分に魅力的な直接音の音質があるとでも云いましょうか。

特に長時間聴き続けた場合、同社の上級機種にあたるONKYO A-5VLやSACDプレーヤーC-S5VL等、単品ピュアオーディオクラスのアンプやCDプレーヤーと比較してしまうと、マイナス方向の深い表現力、彫りの深さ、厚みなどはどうしても不足気味で、全体に音楽表現の幅があっさりと表面的になりがちではあります。ここら辺が製品ターゲットとしているリスナーの違い、或いは価格に現れる音質差なのかも知れません。

internal遂にSACDプレーヤーが届きました♪@ONKYO C-S5VL

とは云えCR-D1 LTDの音質は動的にチャーミングでプラス方向への求心力が高く、リズム感やスピード感が明るく快活に表現され、細かいことが気にならずに音楽を気軽に楽しめるタイプの音作りが施されていて、ここは逆に上位機種では望めない部分。CR-D1LTDは直接音の極めて高いクリアネスにもかかわらず、余計な音を出さない方向にチューニングされた結果、レンジが聴き易く上手に纏まっている印象です。※《2011現在は後継機のCR-D2 CR-D2LTDになっております》


CR-D1LTDはCR-D1に比べより上質なカスタムコンデンサの採用や、二重シャーシなど筐体の大幅な補強による制震対策、ピュアオーディオグレードの金メッキ端子など、カタログスペックに現れない音の質感を大幅に向上させています。

音質的傾向としてはダイナミックレンジが広い本格的なクラシックやジャズよりも、電子楽器、アコースティック楽器問わずコンプレッションの掛かったアニソンPOPSをクリアにクッキリと見事な定位で心地よく聞かせる事を得意としています。これは即ちレンジの広い音楽で音作りを施されたピュアオーディオ機器に比べ、一般的なポピュラー音楽ファン層にとってより実用的な音質で扱いやすい音作りになると思います。


あと、このクラスのミニコンポでは上質な再生が難しいクラシック音楽でも、オーケストラや弦楽器はともかく、ピアノソロ(注:の右手方向)はかなり奇麗に鳴ります。ソフトでもわっとしたYAMAHAのピアノも、ONKYO CR-D1LTDとスピーカーD-112E LTDとの組み合わせでしたら、硬質で煌びやかなスタインウェイの響きの如くキラキラと聴こえてしまう感じですd(^_-)。加えて小音量でも直接音をクッキリと明瞭に奏でられるため、あまり大きな音を鳴らす事が難しい夜間や、集合住宅での箱庭的オーディオスタイル、ニアフィールドリスニング環境でも音楽を楽しめるように配慮が為されている様に感じます。

今回は敢えて純正組み合わせのスピーカーONKYO D-112E LTD以外のスピーカーでは試聴しませんでしたけれど、敢えて別のスピーカーを持ってくる必要があるかと問われると、D-112 LTDと同クラスの安価な他社スピーカーの場合、純正組み合わせの相性以上に上手く鳴らす事はかなり難しいのではと感じます。CR-D1 LTDのドライブパワー面は性能十分としても、サウンドキャラクターがある意味明確で個性の強いサウンドでもありますから。

それでも将来のグレードアップを考えてもっと良いスピーカーをという場合は、やはりヨーロッパで評価の高い同社のD-312E辺りが無難かも知れません。他にはやはりメタリックな輝きに加えて潤いを加える感じでドイツのスピーカーELAC(エラック)などは如何でしょうか?もちろんこれはあくまで想像・・・実際に組み合わせてテストしていませんので相性保証は致しかねますけれども(爆)


そうだ、タカミネギターこと高峰楽器製作所とONKYOのコラボレーションから生まれた月産50組限定ギターアコースティックスピーカーONKYO D-TK10も面白そう。明るくカラッとした、良く乾いたマホガニーの音がする不思議な音色ですが、他者と同じ没個性が苦手且つ楽器の中でもギターが何よりお好きな方でしたら、CR-D1 LTDやCR-D2 LTDとの組み合わせとして、ONKYO D-TK10の味わいのある個性的なサウンドもなかなか有りだと思います。
《Last modified 2021/2/18》

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