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SHM-CDは本当に高音質なのか? ぱ~と1

【SHM-CDは本当に高音質なのか?】
ぱ~と1 |ぱ~と2ぱ~と3プラチナSHM-CD

管理人が病床に伏せっている間に、世の中にはSHM-CD(Super High Material CD)なるものが店先に溢れていました。まぁ例によって日本限定みたいですけれども。これ、従来のCDと比べてより品質が高いという触れ込みで登場。液晶パネルにも使われるより透過性の高いポリカーボネート樹脂を使い、高流動性、高転写性を実現、ビクターのオリジナル高精度金型(スタンパー)、SHM-CD専用の生産ラインを使用等々、主に生産段階での高品位化が図られているらしいです。

SHM-CD 公式ロゴ

とはいえデータとしては既存のCDと全く同じですから、マスターが本当に同じであればPCなんかにリッピングしてしまうと全く無意味。SHM-CDのメリットを味わえるとしたら、あくまで音楽再生専用の等速CDプレーヤーでリアルタイム再生した場合での話です。元々プレスそのものの品質は日本製が輸入盤を大きくリードしていたように思いますので、更にその日本製のアドバンテージに磨きを掛けてみました、といったところでしょうか。

このような高音質化アプローチは90年代にも行われていて、当時はポリカーボネートよりも光学特性の優れたアートン盤、APO盤(アモルファス ポリオレフィン)、ゼオネックス盤などが存在していました。APO盤とZEONEX盤は残念ながら今まで一度も入手することがありませんでしたが 、アートン盤については、ドイツグラモフォン、キャニオン等の国内盤のクラシック音源で結構な数のタイトルが当時限定版扱いでリリースされていたことも あって、その中のいくつかは所有していたりします。ちなみにアートン盤は明確に通常のCDとはかなり音質傾向が異なります。例えば当時のキャニオンクラシックスのCDについてはアートンじゃなきゃいらないっ!てくらい私はアートン盤が好きでした。まあそれについては気が向いたら別のエントリにして記事数を稼ごうと思ってみる♪

マウリツィオ・ポリーニ SHM-CD

さて、そんな感じで中途半端な期待に胸を膨らませつつ、手持ちのSHM-CDを取り出してみます。今回用意したのは、クラシックのピアノ弾きでこれを知らなかったらモグリとまで言われているマウリツィオ・ポリーニのショパン・練習曲集

まぁ巷に溢れる才能の無い学生の為のゴキブリホイホイみたいなCDです(あ~言っちゃった) 両方ともOIBPによるリマスター盤で、SHM-CD盤と輸入盤。輸入盤は昨2010年のショパンイヤーに限定発売されたドイツグラモフォンのChopin Complete Edition 17枚組み4枚目。オマケで録音時期が異なる舟歌と子守歌が入っていますが、それ以前のトラックデータについてはSHM-CD盤と同じ筈。ちなみにバイナリチェックはしてません。信者として当然でしてよ(汗)

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両方のCDを手に取ってみるとSHM-CDの方は外周が少し丸く面取りされているような。これはポリカーボネート 層の厚みや外周部に起因した乱反射を低減するのが目的でしょうか?80年代~90年代前半くらいまでは輸入盤の方が国内盤よりも薄くて、外周部もエッジが丸く面取りされていたのですが、昨今の輸入盤の多くはぱっと見では国内盤のような厚みと直角に切り立つエッジのプレスが多くなりました。

アーティスト:マウリツィオ・ポリーニ
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そんな感じでそそくさと試聴を開始してみます。曲目はエチュード3曲目の「別れの曲」と13曲目の「エオリアンハープ」

SHM-CD

・間接音が後退して静粛、直接音の音抜け(分離)が良い
・聴感上の音圧が僅かに上がって聞こえる。
・アタックが際立っていて音かざっくりしている
・雰囲気感よりも音抜けの爽やかさや勢いが先行する
・中~低域方向には厚みがある、高域は地味な印象で低歪み。
・たゆたう雰囲気感よりも、前に出てくるゴリッとした感じ。明快。
・ピアノのハンマーのアタックと動きへ耳がいく。
・左手方向はどこか即物的でプラスチッキーな質感が残る
・既存の国内盤の延長線上にある高音質かもしれない。

輸入盤CD

・直接音に間接音がまとわりついている分、響きに潤いがある。
・アタックがマイルド。SHM-CDに比べ迫力は後退する。
・ポリーニ独特のぬめっとした音色と揺らぎが強く感じられる。
・低域は幾分なよなよしてる、全体に線が細い。
・高域方向に明るく艶が乗るがフォルテ部分では少し歪んで聞こえる
・たゆたう雰囲気感が豊かで気品を感じる
・音色が多彩、ピアノのダンパーと弦の共鳴へより耳が向かう。

…と、こんな感じで箇条書きにしてみました。

敢えて対立軸として文章に起こすとずいぶん違って読めるかも知れませんが、実感としては想像していたよりもかなり差が小さいです。短いサンプルで切り替えされたら判別があやふやになるレベルかも知れません。ただ聞き慣れた曲を長時間聴き続けていると、記憶に残る曲集全体の演奏の印象が違ってくる。良く似たコーヒーの味だけど、飲み終わった後の後味がほんのりと違うよ?みたいな感じです。

SHM-CDは本当に高音質なのか?ぱ~と2へ続く

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