今回は、先日Sir Tone PWC-11008と入れ替えるまで、約4年間メインシステムの大元(壁コンセントから主電源BOX)で使っていた電源ケーブル「Nanotec Systems PS308 #308 POWER STRADA Wonderful」を紹介します。※メーカーホームページはこちら。4〜5年ほど前、新しい銅素材PC-TripleCを使用した電源ケーブルの第1世代が各メーカーからリリースされ始め、PC-Triple Cの評判が良いので管理人も使ってみたかったのですけれど、完成品はそれなりに高価。
Nanotec Systems PS308 #308 POWER STRADA Wonderful
そこで手持ちの電源プラグを使い回して切り売り×2mでしたら新素材PC-TripleCの音質をリーズナブルに体験出来るかな?と云う目論見でチョイスしたのがナノテック システムズのPS308でした。ちなみにPS308は音元出版オーディオ銘機賞2016受賞モデル(SP308Yとして)。購入先は例によってJoshinwebです。



Nanotec Systemsの独自技術について

切り売りのPC-Triple C極太5.5Sスケア電源ケーブルの中で比較した場合、同価格帯のライバルとしては、KRIPTON PC-HR1500M-Triple CSAEC SC-7000などがあります。Acoustic Reviveで一番売れていそうなPOWER STANDARD-tripleC8800は3.5SQのため購入候補からは除外。PC-Triple C素材にこだわらなければ、ACROLINK 7N-PC4030Zonotone 6NPS-Neo Grandio 5.5Hiも強力なライバルになりそうです。選り取り見取りですねd(^_-)

この中でNanotec Systems POWER STRADA #308は他メーカー品に比べてシールドや特殊な介在の無い極シンプルなノンシールド3芯キャブタイヤ構造ですけれども、単純な構造のケーブルは傾向として素直な音質が得られ易いですし、そのお陰でDIY加工は容易です。被覆は内側が電磁波吸収PVC、外側がオーディオグレードPVC。Φ0.26mm×105本/5.575mm2×3。ケーブル径13.5mm。屈曲性は良く、Sir Tone PWC-11008と比べても遜色無い柔らかさです。
Nanotec Systems PS308 #308 POWER STRADA 2
外観の見た目はかなり派手なパープル。商品写真では紫と云うより青っぽかったので届いた実物の色を見てうおっ!となりました。これだけでは太さ以外は何の捻りも無い3芯電源コードになってしまうのですけれど、POWER STRADA #308の場合、ナノテックの社名の通り、導体にスクアランオイル(深海魚の肝油)ベースの貴金属超微粒子粉末・・・金銀ナノコロイドを含浸されている点が特徴。メーカー曰く「金・銀の微粒子が導体表面の微小な傷をカバーすると共に、導体の酸化を防ぎ、電気導通性を高めることにより、信号の再現性に優れたケーブル」とのことです。ケーブルの種類によって金属の比率が違っていて、Nanotec Systems POWER STRADA #308では「95%金+5%銀:1.5倍濃度[標準液比]」となっています。

Nanotec Systems POWER STRADA #308 導入経緯

今回は音質的には一番重要で要となるメインシステムの大元、壁コンセントPAD CRYO-L2から主電源BOX J1 project PT-4の間でNanotec Systems POWER STRADA #308を使用します。元々は3.5スケアの電源ケーブルをこれまで何度も入れ替えていて、直前はPAD AC-IOTAを入れていたのですが、3.5スケアの導体径では、ややアンダードライブ気味のTAG McLaren 60iを使うメインシステムのバランスとして、どうしても低域の厚みとエネルギー感が不足する傾向がありました。


Nanotec Systems PS308を導入した経緯ですが、同社の5.5SQ電源ケーブルやSP308Yスピーカーケーブルはエネルギー感や低域の厚みに優れていると度々オーディオアクセサリー誌(155,156,161他)で紹介されていたことが主な理由。最も良く見かける太さの3.5スケアは個人的に解像度と周波数のエネルギーバランスが聴感上良く取れていて音楽的に低中高過不足の無いワイドレンジという印象。これよりも細い〜2.5SQ位がフラット、2SQ以下は細くなる程に低域が薄くハイバランスで解像度寄りになるイメージです。単体ピュアオーディオ製品付属の電源ケーブルは2.0〜2.5SQが多いですよね。反対に極太5.5SQになるとエネルギーバランスが明らかに低域にシフトするため相対的に高域は控えめな印象があります。※全体論且つ相対的な話ですので個別の製品で例外は沢山あります。5.5SQで誌上レビューでも低域に強いとあれば、メインシステムが抱えるエネルギー感と重低音域が少々弱く、ドライブ力が足りない感じから抜け出せるのでは無いかと・・・。

音質レビュー メインシステム 壁コン→主電源BOX

使用したプラグはリン青銅無メッキ電源プラグオヤイデ P-029/C-029。・・・・と云いますか、ヤイデ P-029/C-029同等品を付録キット化したStereo別冊「(ONTOMO MOOK)誰でもできる!自作でオーディオアクセサリー」に付属していたOY-ON-1です。メインシステムの大元に入れてみたところ、前述の目論見は大正解で、これまでに無い低域方向の充実したピラミッドバランスの音調が得られるようになりました。


音色は暖色系でやや暗め。音像はタイトで厚みと重みがあり、暖色系ながらもキリッとした雰囲気。音場の背景は暗めでダークブラウンの色彩の中に深く沈む混む形でS/N感が確保されています。音場展開は素直で、PC-OCC系の歪曲収差の大きな前に出てくる感じとは異なり、PC-TripleCの特徴からか、変に歪まずに整然と並ぶ3D音場が得られます。
Stereo OY-ON1 Oyaide P-029+C-029
音楽性・音楽表現の面は、深みとエネルギー感はあるものの、やや静的で淡々とした雰囲気で撚り線的な滲みはそれなりに感じられます。音場の上方向への広がりは程々ですが、響きはウェットでゆったり。単に低域方向がかなり厚いだけで無く、独特の個性と深みを感じるところがNanotec Systems PS308の特徴と云えそう。結局このままPS308を何度かプラグを替えたりしながらメインシステムの大元で4年ほど使用することになりました。

POWER STRADA 8J 8JS完成品について

尚、Nanotec Systems #308を使用したメーカー完成品電源ケーブルは以下の3種類。8JSと8JS-EXのプラグ接続Y端子はFURUTECH FP-209(R)。ハイエンド向けのパワーケーブルとして両端FURUTECHのロジウムメッキFI-50シリーズが奢られていて、メーカー希望小売価格のプライスタグが凄いことに。。。逆に云えば切り売りで自作すればコスパ最強とも云えます\(^o^)/

・POWER STRADA 8J (PS8J) FURUTECH FI-50M/FI-50(R) ¥118,000/1.8m
・POWER STRADA 8JS (PS8JS) FURUTECH FI-50M/FI-50 NCF(R) ¥132,000/1.8m
・POWER STRADA 8JS EX (PS8JS-EX) FURUTECH FI-50M/FI-50 NCF(R) マイナスイオンディスク付 ¥160,000/1.8m

PS308電源ケーブルを完成品スピーカーケーブルとして転用したものがSP308SYになります。※SP308SYのYラグ端子はフルテック製ロジウムメッキ。スピーカーケーブルで使う場合は+に内部の三本の5.5SQ極太導体を+側2本/−側1本と変則的な接続をしているそうで、オーディオアクセサリー誌156号のレビューでは鳥肌ものの低域が特徴とか。

メインシステム ONKYO C-S5VL SACDプレーヤーとの相性

先日導入したSir Tone PWC-11008をメインシステム大元の電源ケーブルとして採用する形でNanotec Systems #308がパージされる形になりましたが、このままお蔵入りさせるのも忍びなく・・・。PWC-11008を入れた結果として元々やや不足した低域が更に軽くなってしまい、喫緊の課題として電源ケーブル変更が必要そうなのがONKYO C-S5VL SACDプレーヤーです。そこで先ずはこちらの電源ケーブルをNanotec Systems PS308に交換してみました。プラグは両端FURUTECH FI-28M(G)/FI-28(G)です。


これまでC-S5VLに挿していた電源ケーブルはFURUTECH Absolute Power ll-18。この電源ケーブルはプリメインアンプTAG McLaren 60iとの相性が良いのですが、アンプ故障につき低域補完の目的でONKYO C-S5VLへ暫定的に回していたものです。しかしSir Tone PWC-11008を入れたところFURUTECH Absolute Power ll-18の丸みを帯びたキャラクターが変に強く出るようになってしまい、大元Nanotec Systems #308では足りていた低域も少々不足気味に。※FURUTECH Absolute Power ll-18もそこそこ低域厚い傾向です・・・。結果的にSACDプレーヤーの再生音がバランス的におかしくなってしまったので、対策として大元から外したNanotec Systems PS308をとりあえずONKYO C-S5VL側に充ててみましたが・・・。
ONKYO C-S5VL SACDプレーヤー
結果、・・・う〜〜〜ん(困惑)。低域方向の厚みが大きく増して、解像度が高くあっさり上品でハイ上がりの軽い音が、ある意味で普通の周波数バランスになった結果、殆ど別のSACDブレーヤーみたいなウォームで濃厚な音質に。良く云えばアナログライクとも云えますけれど、立ち上がりが鈍り、高域は広がりが抑制されるため音場も狭くデッド気味。結果としてSACDに必要な細部の音数が諸々行方不明に。。。それとバランスが下寄りになった事で中〜中低域がゴリゴリとなかなか不快な感じに。これではとても聴くに耐えないと半日で取り外しました(冷汗)

internalONKYO(A-1VL+C-1VL/C-S5VL/DAC-1000)

音質レビュー サブシステム Miuaudio MKTP-2×DALI MENUET

ONKYO C-S5VLでの目論見が思いっ切り外れてしまい、このままお蔵入りか?と少々暗澹たる気分でしたが、ふとサブシステムのMiuaudio MKTP-2×DALI MENUET(工事中)ではどうだろう?と繋げてみることに。ちなみにここでも丁度4年前にメインから外れたPAD AC-IOTA(工事中)を宛がっていましたので、またPAD AC-IOTAとの対決になります(^^;)
DALI MENUET Miuaudio MKTP-2 Pro-Ject DAC Box DS
Miuaudio MKTP2はDC 12Vのスイッチング式ACアダプターで駆動していますので、電源ケーブルを直接アンプに差し込む訳ではありません。しかしながら、経験上ACアダプター経由でも機器に直接交流入力した場合と聴感上は全く同じ傾向の変化が得られますので、所詮はDC変換用のチープなACアダプタだから電源ケーブルの高品位化は不要!と思っているそこのあなた、対策しないと勿体ないですよっd(^_-)

Miuaudio MKTP-2 AC adapter
仮配線でカオスですが普段は電子ピアノのペダル裏スペースに隠しています

で、繋げてみた結果・・・おお、メインシステムでの印象とはやや違った音質傾向ですけれど、これはこれでありか。低域方向の厚みと音像の実体感が増し、音楽の求心力が格段に向上。メインシステムではどっしりとやや静的な傾向を感じましたが、こちらではエネルギー感が増した結果としてむしろ音楽的な表現力が増し、これまで薄かった音像の実体感が増して濃厚に。PAD AC-IOTAもウォーム傾向の電源ケーブルですがNanotec Systems PS308はそれ以上にウォーム。低域の厚みが増した結果、楽音のスタビリティも大きく改善しています。
FURUTECH FI-28M/FI-28G
それから何故かMiuaudio MKTP-2×DALI MENUETとの組み合わせでは楽音の中高域・・・ソプラノとバイオリンやピアノの右手方向がシャキッとしてかなり切れ味が良く明るくなります。これはメインシステムではそれほど強くは感じられなかった傾向。PAD AC-IOTAと比べると響きの多さ、高域方向の広がりが抑えられる為に音場の広さそのものは小さくなります。低〜中間帯域の厚みが増して音数が増えた反面、若干撚り線的な滲みとノイジーさは感じますが、DIY端末処理の雑さが多分に有りそうですので、ここらへんは追々Y端子での接点強化とプラグ交換で対応出来そう。或いはスイッチングACアダプター側にノイズ対策をするべきなのかも。


ここでも電源プラグは低域方向に強い両端FURUTECH FI-28M(G)/FI-28(G)ですが、バランス的に高域方向はもっと拡大したいですし、音の太ましさが少しばかり演出過剰のオーバースペックに聴こえますので、オスメス両端共もう少しスッキリした別の電源プラグに交換する予定。なんだかDALI MENUETにSonus Faberのエッセンスが2割くらい加わったみたいな音質傾向になりました(o゜▽゜)o

電源プラグ交換とPOWER STRADA #308の使いこなし

POWER STRADA #308 WONDERFULの印象としては暗めの暖色系の音色と書きましたが、低域の厚みとエネルギー感を活かしつつ、上方向への音場感や響き感、明るさが加わったら個人的にはもっと良いなと感じるケーブルでもあります。メーカー完成品の場合、電源ケーブル、スピーカーケーブル共にFURUTECHのロジウムメッキY端子及びFI-50系ハイエンド電源プラグが使われていますが、確かに明るさや締まりの面から丁度ロジウムメッキでバランスを補いたくなる感じの音質傾向ではあります。


これまで試した範囲では、オヤイデのリン青銅無メッキP-029/C-029を使うと音色をそのままに中庸の解像度で音場感を広く保つ傾向。オス側にプラチナパラジウムメッキのオヤイデP-004を入れると、無メッキP-029に比べて低域の量感が減るものの、明るく上品な光沢の乗ったハイエンド風味の音色に。両端をFURUTECH FI-28M(G)/FI-28(G)にした場合は更に低域が重厚になり、中高域に金メッキ独特のゴージャスな光沢とぬめり感が乗り、全体に太くリッチな雰囲気の描写になります。反面、清潔感が減退するので機器との組み合わせ次第では今回のONKYO C-S5VLのようにやりすぎ感も。


これまで管理人は裸線のままプラグに繋げてきましたが、これではネジ接点と撚り線の勘合がジャリジャリしてしまい、粗めの撚り線由来の震動音と想われる音の滲み感から逃れられません。プラグとケーブルのネジ接点を電源用Y端子でカシメつつ、Y端子のメッキ(ロジウム・ゴールド)等で調整する事で、音の明るさと硬軟、響きのバランスがかなり改善しそうな雰囲気があり、電源プラグの選択と合わせてかなり音質に追い込めるのではと感じます。また、スピーカーケーブルとしてでは無く電源ケーブルとして加工する場合、メーカー完成品に習って、PETチューブ(ポリエステル編組スリーブ)を被せる事で音質傾向に締まりを持たせた方がバランス的に良いかも知れません。この辺りのDIY加工はサブシステムに合わせて追々やる予定。結果はここへ追記します。
まとめ♪
Sir Tone PWC-11008をメインシステム大元に入れたことで、Nanotec Systems POWER STRADA #308 WONDERFULがパージされてしまいましたが、結果的にサブシステムへ流用したところシステム音質の底上げが出来ました。選択の方向性としては低域方向の厚みが欲しい、適度にエネルギー感を補いたい、とはいっても低域の厚みばかりで繊細感などの他の要素はそこまで犠牲にしたくないという場合に、丁度良いバランスの選択肢になるのがナノテック・システムズPS308では無いかと感じます。
Nanotec Systems PS308 #308 POWER STRADA / FURUTECH FI-28M
また、購入当初は音像がタイトでどこか神経質な傾向があったのですが、4年間通電し続けた結果としては、音がほぐれてスムースな耳当たりになり、柔らかくよりウォームでゆったりした音質になりました。これは化学合成油とは異なる自然素材のスクアランが馴染んで経年変化する部分があるのかも知れません。完成品では一本10万円以上するようなハイエンド向け電源ケーブルですけれども、切り売りのDIY加工であれば、プラグ等々の組み合わせを工夫しつつ丁寧に製作作業することで、皆さんそれぞれの環境との相性面で、完成品と同等以上の好結果が得られる可能性も十分にあります。その点も含めて、5.5SQの新素材PC-TripleC電源ケーブルとしては加工もしやすく比較的コスパに優れる選択肢の1つとしてNanotec Systems POWER STRADA #308 WONDERFULを挙げておきたいと思います。

+For
・PC-Triple C 5.5SQのケーブルとしてはお手頃
・暖かみがあり密度のある中域
・十分なエネルギー感で重低音まで響く厚みのある低域
・DIY加工が比較的容易

−Against
・切り売り単体では相対的に上方向の音場感と残響が弱い
・色彩感のコントラストは控えめ
《あくまで管理人の個人的評価です》

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