ジャズ&オーディオ通信さんの方でPS Audio PerfectWave Transport & DAC試聴会の様子がレポートされていましたので、便乗して手持ちのPS Audio XPD/1.8mk2 xStream 電源ケーブルについて使用レビューを書いてみます。
PS Audio XPD 1.8mk2 xStream e
今回紹介するPS AUDIO XPD MK2は、イロモノ好きの箱庭ピュアオーディオ管理人にしては珍しく、ネット上での評判がメチャクチャ良いので釣られて購入してしまったアメリカ製の電源ケーブル。しかもオーディオ銘機賞2006≪ケーブル部門賞≫受賞モデルです。管理人宅ではメインシステムの大元、壁コンセントPAD CRYOMAGから電源ボックスJ1プロジェクトPT-4の間で使用しています。1年半ほど前の購入時には、かなり特殊な感じのする音質にこれは失敗したかな〜と思ったのですが、エージングが進んだ今ではこのXPD MK2でしか成し得ないサウンドの存在意義を高く評価している電源ケーブルだったりします。



外観と導体構造について

外箱はこんな感じ。ケーブルそのものが太くてかなり重く、箱のサイズも大きいです。前後のACプラグは一体型モールド成形で「Prelude」と刻印されています。プレリュード、前奏曲というネーミングは入門モデルという意味なのか・・・それとも機器前段に使えば良いのでしょうか・・・?(謎)
PS Audio XPD 1.8mk2 xStream a
XPDの線材は10ゲージ(5スケア)のマルチストランドで導体はOFC銅。PS AUDIOオリジナルの一体型モールドプラグはビス無し圧着。導体との接続には銀ハンダを使用しているとのこと。ニッケルメッキの端子部分は手研磨を繰り返した滑らかな仕上がりでコンタクトはとてもタイト。そこらの自作用電源コンセントプラグやインレットプラグと比べても確実なコンタクトで、高精度なパーツが使われているのは手に取ってみると良く判り、PSオーディオのこだわりを感じさせるプラグです。導体のアウタージャケットは世界初、高周波ノイズ除去効果のあるフェライトを混合させたPVC。更にフォイルとメッシュによる二重シールドが施されています。

adAmazon.co.jp:PSオーディオ 電源ケーブル(1.8m・1本) XPD/1.8MK2

音質インプレッション

肝心の音質ですが、聴感S/Nがとてつもなく良い。これがPSオーディオXPD/1.8mk2の一番の特徴になるかと思います。

PSオーディオ 電源ケーブル XPD/1.8MK2フェライトシースに因るノイズリダクション効果ですが、例えば先日レビューした同社のノイズハーベスターについては(箱ピュア管理人の環境下では)あっても無くても聴感上の大きな差異は感じられません。しかし今度のPS Audio XPD/1.8mk兇留洞僧呂呂なり判りやすく強力な部類と云えそうです。音色の傾向がフェライトコア/フェライトクランプを使用した場合の音質に良く似ているのですが、聴感S/Nの良さ、異様な背景の静かさは電源ケーブル自体が強力なノイズフィルターの役割を果たしているような印象です。ちなみに色々とネガティブな副作用もあるフェライトコアをオーディオ周りに10個使うよりも、XPDかXPLを一本使う方が効果的で、システムトータルの聴感S/Nが遙かに改善されます。

見た目的には16mmの超極太シース&低域に強いPSオーディオ製の電源ケーブルと云うこともあり、かなり低域の量感が出てくるタイプの音を予想していたのですけれど、この点については期待していた程ではありませんでした。所有する他の3.5スケア電源ケーブルと比較すれば低域の質量共に一段階上回ると思いますが、少なくとも外観の太さは肩すかし気味・・・。中域〜低域の独特の重さと沈み込みは素晴らしいものがありますが、低域の更なる量感と厚みは8ゲージPCOCCの上位モデルPS AUDIO XPL/1.8MK2か、素直に他の5.5スケア以上の電源ケーブルを選んだ方が幸せになれそうな気がします。。。
PS Audio XPD 1.8mk2 xStream d
購入当初は音にまとわりつく嫌なザラザラ感があって全くPSオーディオらしい音質傾向では無かったのですが、数ヶ月使い続けたところそれなりに滑らかな音色になりました。エージングが進む事でアメリカ製品らしい中域から低域のやや甘い立ち上がりと肉付きが出てきたのですが、これがXPDならではの特徴で、導体に単結晶状高純度無酸素銅"PCOCC"を採用した上位モデルのXPL MK2では、各所のレビューを拝見した感じではXPDより硬質でキリッとした低域が得られそうです。XPDは他社の電源ケーブルと比べればかなりワイドレンジ傾向の電源ケーブルになる思いますが、XPLは更にワイドレンジ且つほぼ全てに於いてXPDを凌駕するとのレビューも。・・・正直XPLにしておけば良かったかも・・・(T_T)。XPLはXPDの上位モデルとして導体にOFCではなくマルチストランドPCOCCを採用したもので。構造や導体径(10AWG)などのスペックはほぼ同じみたいです。※導体がPCOCCのケーブルは押し出しが強くエネルギッシュな傾向が顕著なため、OFC導体でディティールの繊細さが強調されるXPDよりもXPLの方が活き活きとした音を狙えそうです。

audio-square_xpl18mk2
PS AUDIO XPL1.8MK2 PLUS電源ケーブル

XPDの高域は鮮度が高くキリッとハイスピード。定位と音像のシャープネスが良く前方への伸びが鋭い。中高域にアクセントがあり割と神経質でピーキーな傾向。台詞は明瞭でクッキリしているけれどサ行が目立ちます。高解像度で神経質なスキャンスピーク製トゥイーターの性格を更に強調してきますので、新品当初は実のところ何このヒステリーな高域!?だったのですけれど、バーンインが進んで慣れると、他のケーブルでは物足りなくなってクセになる切れ味かも!?。解像度の低いスピーカーではこの高域の切れ味がプラスに働き、高域の鮮度感が大きく改善したように聴こえるかも知れません。但し低域方向もワイドレンジの為、音像は正確に中央定位して(低域が弱いケーブルのように)音像が上方へ引っ張られるような印象はありません。定位は安定していて、背景の静粛性とのコントラストから音場の展開には独特の雰囲気があります。
PS Audio XPD 1.8mk2 xStream c
音色がやや暗く温度感はひんやりとしてクールな傾向で、なんとなく黒御影石のオーディオボードを想わせるひんやり感です。Hi-Fiオーディオ的な意味での高音質感はなかなかの部類ですけれども、正直なところ音楽性は低い部類になると思います。静粛性とキレの良いエッジ描写を楽しむケーブルであって、音楽的躍動感や暖かみ、抑揚のエレガントさを引き出す芸術性を備えたタイプではありません。聴感S/Nと中高域のシャープネスが良いので情報量が多いのかと云えば、立ち上がりと輪郭は明瞭ですが、音場の奥行きと低域方向の分析的な情報量については案外それほどでもなかったりします。ハイスピードな中高域と対比すると相対的に低域方向の立ち上がりが甘くなるせいかも知れません。とにかくこのシリーズの電源ケーブルでしか味わえない独特の個性を感じる音質です。

ホールトーンは残響がたゆたう傾向では無くサッパリとキレ良く減衰します。時に疑似サラウンドのような電気的にエンハンスされたような印象になるのはなぜだろう・・・?特にリマスタリングされたCDで顕著。録音の継ぎ目や残響の位相反転が際立ちます。これが驚異的なS/Nの良さからソフト段階での加工を暴いているのか、単純にアンナチュラルな音色のケーブルなのかは未だに判断が付かない部分だったり。。。

スピーカーに喩えると間違いなくアコーステッィク系や楽器系ではありません。その意味でウィーンアコースティックのようにアキュレートさよりも楽器的芸術性を身上としたオーディオシステムでは本来使うべきではない電源ケーブルかも知れません。かと云ってドライなモニタースピーカー系の音調でも無く、もの凄く高音質なPAスピーカーがあるとすればこんな傾向の音になるのかも知れない。AR・・・ACOUSTIC RESEARCHのサテライトスピーカー"EDGE"がある種こんな音だった気がしますけれど・・・みなさんご存じないですよね。実のところXPDは個人的にはさほど好みと云える音質では無いのですけれど、それでもXPDをシステムからなかなか外せないクオリティがある。他の電源ケーブルに換えた時に、どうにもXPDのクリアネスとパッシブなS/Nの良さを超えられずに四苦八苦してしまう。それこそがPSオーディオXPD/1.8mk2 xStreamを敢えて選択するポイントになっていると思います。


加えてこのXPD、間接的に大画面液晶テレビやPDP/プラズマディスプレイのデジタルノイズを減少させる効果があるような感じがするのです。画質そのものは他にもっと魅力的な色乗りのケーブルがありそうですけれど、PDPの電源ケーブルとして直接咬ませることで、AV混合システムでオーディオ系へ回り込む高周波ノイズの悪影響を、聴感上それなりに軽減できるかも知れません。
PAD CRYO-L2 PS AUDIO Prelude

姉妹モデルにXPL、XPC「Power Punch」等があります

XPC1.8〜power punch cable現在はメインシステムの大元の壁コンセントPAD CRYOMAGから、オーディオ系電源ボックスの間にXPDを使用中ですが、正直なところ音質的に好みかと問われると?だったりします。ですので近い将来より音質的に好みに合う電源ケーブルを見つけることが出来ましたら、XPDをプラズマテレビ側に回すことを検討しています。それでピュアオーディオ用にはとりあえず上位モデルのXPL MK2 "Plus"電源ケーブルを試してみたい。XPDのようなタイプの音質でしたら、低域方向に中途半端なディティールの甘さを残すよりも、硬質感とワイドレンジをスパッと実現した方が潔いと思うのです。で、それが実現できるのはXPLなのかな〜と推測。ちなみに本国(アメリカ)にはもっと高価なStatementやPremier"SC"などのモデルがあったり、PerfectWaveシリーズが出てきていたりゴニョゴニョ以下自粛。
PS Audio XPD 1.8mk2 xStream b
尚、PSオーディオではXPDよりも更に安価なエントリーモデルとしてXPC1.8〜power punch cable〜というモデルも用意しています。構造はXPD/XPLとは異なり12ゲージ(3スケア)の単線3芯構造でノンシールド。単線系の電源ケーブルは多芯線とは異なる輪郭のクッキリとした音像とスピード感が得られると思いますので、XPC"Power Punch"には上位モデルとは全く違う意味での存在意義があると思います。単に安いからという意味ではなく、単線のサウンドをプリアンプやCDプレーヤー等に取り込んだり、低域過多でスピード感の足りないパワーアンプの鮮度感を改善するためにXPCは有効かも知れません♪

outオーディオユニオン:PS AUDIO の電源ケーブル3機種を比較試聴。

2021年追記:サブシステムで試してみました。

当初メインシステムのメイン系統J1 project PT-4で使用していたPSオーディオXPD。その後はPAD AC-IOTA(工事中)やNanotec Systems PS308など他の電源ケーブルに押し出される形でサブ系統となるFURUTECH e-TP60に繋げて数年間使っていました。そして昨年こちらもXLO Reference3電源ケーブルとその座を交代した後暫くはお蔵入りしていたのですが、試しにサブシステムの壁コン→CSE CX-63Aの間に入れてみました。
psaudio xpd + cse cx-63a
普段繋げているFURUTECH The Astoriaに比べるとS/Nが良く、遙かに落ち着いた音調で、スタビリティの良さが際立ちます。独特のエレクトリックな響きの多さと共にシャキッとした鮮度感とクールなキレの良さはあるのですが、やはり設計が古い電源ケーブルと云うこともあって、近年購入した電源ケーブル群と比べると、思っていたほど上下共にワイドレンジでは無い印象。そしてDALI MENUETの持ち味である音楽的な闊達さを抑制する方向に働くため、リスニング用の電源ケーブルとしてはどうなのかな?と感じる部分はあります。と云うことで残念ながら今回の採用は見送り。また別の場所で使ってみることにします。

まとめ♪


+For
 深く沈み込むS/Nの良さ
 スタジオモニター的でクリア且つソリッドな音色
 豪華なルックス

−Against
 重く太いため取り回しが悪い
 外観からイメージされるアグレッシブで野太いサウンド傾向では無い
 ややパッシブな音楽性
《Last modified 09/5/4,15/8/6,21/6/12》

サウンドハウス
ピュアオーディオBlogランキングに投票する←プレステと関係ないので抗議のクリック♪
このエントリーをはてなブックマークに追加
ブログネタ
オーディオ に参加中!