先日のレビューで紹介したKHD電線 Sir Tone 電源スパイスケーブルVFF-2508。とても安価なオーディオ向け電源アクセサリとして、オーディオ初心者さんの裾野を広げる意味でとても意義のあるアイデア製品でした。そして今回紹介する電源ケーブルSir Tone PWC-11008は一転、KHD電線 Sir Toneの現行電源ケーブルの中でもフラッグシップ的な位置付けにある、非常に豪華な内容の極太電源ケーブルになります。
Sir Tone PWC-11008+FURUTECH FI-11
2019年春に発売されたSir Tone PWC-11008電源ケーブル。Twitterを中心に徐々にSNSで人気に火が付き、派生モデルを含めて、今ではTwitterの耳の良いオーディオクラスタが選ぶ最もホットなベストバイ電源ケーブル的な扱いになっています。既に発売から2年近い周回遅れではありますけれども、遅ればせながら箱庭ピュアオーディオ管理人もチャレンジ&いつもの云いたい放題レビューしてみることにしました。まだ内心半信半疑大爆発なのですけれど・・・ね(滝汗)



Sir Tone PWC-1100の価格と概要

Sir Tone PWC-1100はメーカー直販の希望小売価格が切り売り1m/5980円。今回管理人が導入した完成品の場合は2m/25920円(FURUTECHプラグ) 2m/17250円(Viborgプラグ) 1.5m/14260円(Viborgプラグ) 1m/11270円(Viborgプラグ)・・・そこそこお高い(冷汗)。スパイスケーブルから一転、お値段的には旧来のピュアオーディオの(一般人から見るとかなり高額な)電源ケーブル群の激戦区に、正々堂々真っ向から切り込んできた意欲作と云えそう。しかも高級電源ケーブルのODM下請け生産も手掛ける電材製造メーカーの直販価格ですので、他社製品に比べて素材や技術の面でより凝ったコスパに優れる製品を設計開発出来るのがメリット。Sir Toneさんの公式Twitterアカウントはこちら


とは云え所詮はピュアオーディオでの実績が乏しい新興ブランドの製品です。本当にお値段に見合った音質なのか?疑いの目で見ているオーディオマニアも未だ少なくないでしょう。これまで安くて美味しいからこそ選ぶSir Toneだったのが、このお値段になってくると流石に躊躇しますよね?それでもTwitterで知り合ったオーディオ仲間の中でも、オーディオアクセサリーの経験値が高く「この人は耳は信頼出来る!」と個人的に認定している数人のフォロワーさんがSir Tone PWC-11008を絶賛しているのです。そして1本どころか次から次へと追加導入に走っているところを幾度となく目の当たりにすると、さすがに無視してはいられない・・・みたいな\(^o^;)/

型番PWC-11008のバリエーションについて

Sir Tone PWC-1100には(少々紛らわしいのですが・・・)同じ型番で現在3種類の構造パターンがあり、全て導体にはD-on Cu5素材 0.08mm/1100本 5.5SQの超多芯線が使われています。ミドルクラス以下のオーディオ用電源ケーブルに良くある単純なキャプタイヤ構造にも見えますが、僕が知る限りこれだけ細かな超多芯線を採用したケースは他にありません。近年のトレンドとしては芯線1本の直径を太くして導体数を極力減らしつつ単線に近い描写を狙った製品が多く、それらのトレンドとは完全に逆方向を向いています。また紫/茶15.2mm極太タイプは真っ白な「綿糸」で絶縁されている点もオーディオ的には見逃せないポイント。3本のD-on Cu5導体を直接くるむ絶縁被覆も、良く見ると「PVC/導電性樹脂シールド/PVC」の3重構造。更に綿糸で包んだ上でPVCの茶/紫アウターシースですので、なかなかにこだわりを感じる作りになっています。※尚、黒い細径タイプは綿糸が省かれて・黒色PVC絶縁層になっています。※PVC=ポリ塩化ビニル
Sir Tone PWC-11008 切断面
綿糸介在で絶縁&制振されたリファレンスモデルが3芯Φ15.2mmが紫/茶の2色。そこから導体径5.5スケアのままΦ12.1mmへ細径化するために絶縁材をPVC(ポリ塩化ビニル)に変更した3C黒タイプ。更にアース線を省いた2芯Φ11.4mm 2C黒タイプの合計3種4種類のモデルが存在します。

1 PWC-11008 3芯 綿糸 Φ15.2mm 紫色
2 PWC-11008 3芯 綿糸 Φ15.2mm 茶色 ※紫と同じ色違い
3 PWC-11008 3C 3芯 PVC Φ12.1mm 細径タイプ 黒
4 PWC-11008 2C 2芯 PVC Φ12.1mm 細径タイプ 黒


【その他】
・限定カラーで3C細径のアウターにカラフルな糸掛けがされているもの
・PWC-5008 D-on Cu5 0.08mm/500本 2.5SQモデル 2Cタイプ 3Cタイプ
・PWC-4008 D-on Cu5 0.08mm/400本 x3 10.5mm ホワイト 2SQモデル


今回箱庭ピュアオーディオ管理人がレビューするのは2番のPWC-11008 3芯 綿糸絶縁 茶色タイプ。茶色と云いますか実際の見た目は上品な艶消しベージュ。紫色の電源ケーブルはこれまでも各社ありましたけれど、何気にベージュは珍しいですよね。最初に見たときはオランダvan den Hul (ヴァン・デン・ハル)のケーブルを思い出しました。Φ15.2mmと同じく5.5SQで手持ちのNanotec Systems #308(Φ13.5mm)と比べても更に太さがあり、自作の際にはプラグの相性面などに留意した方が良さそう。※経験則として、同一素材でも2芯とアース付き3芯では3芯の方が高音質。またPVC絶縁の細径タイプと綿糸絶縁の紫/茶 太径無印タイプでは音質傾向がある程度違うと思われます。※フォロワーさん経由で3C/2C細径タイプの方が、紫/茶の綿糸介在よりも音質が良いという情報もあり、相性面含めて今後検証予定。また切り売りと完成品では、同一パーツでも作り手の組み立て技術等で音質が変わる点はご留意下さい。※圧着端子の基礎知識

PWC-11008完成品の外観

ベージュの被服はマット調で高級感があります。太いですが割としなやか。重さに気をつければ屈曲性はあるので配線面はさこそこ融通が利きそう。完成品のプラグはピカピカの・FURUTECH FI-11(Cu)/FI-11M(Cu) 純銅プラグ
Sir Tone PWC-11008+FURUTECH FI-11 d
手持ちの完成品電源ケーブルではFURUTECH The Astoriaと同じ構成です。安価なViborg Audio社の電源プラグではプラグ品質がボトルネックになるのが少々懸念されますけれども、将来的にプラグ交換を視野に入れる場合には、敢えて安価なViborgを選ばれるのも選択肢としてはあるのかなと。管理人は敢えてプラグの音質を知っていて信頼性の高いFURUTECH FI-11(Cu)/FI-11M(Cu)を選択しました。

internalFURUTECH The Astoria PC-Triple C 電源ケーブル購入レビュー♪

Sir Tone PWC-11008 音質レビュー♪

ここからは肝心のPWC-11008の音質レビューです。繋げてみたのは、メインシステムの要となる大元、壁コンセントPAD CRYO-L2から電源BOX J1 project PT-4の間。PWC-11008と同じく5.5スケアの導体が奢られたNanotec Systems #308 POWER STRADA WonderfulとFURUTECH FI-28(g)/FI-28M(g)で自作した電源ケーブルとの入れ替えです。Nanotec Systems PS308は導体がPC-TripleCのキャブタイヤ構造。切り売り価格的にはPWC-11008のライバルとなると製品の1つ。但し両端の電源プラグFURUTECH FI-28(g)/FI-28M(g)金メッキはFI-11(Cu)/FI-11M(Cu)よりも更に上位クラスに相当します。

Twitterで思わず実況してしまいましたが、まず出てきた音にいきなり驚愕しました。

聴感S/Nが良く、ノイズフロアが静かで見通しが良く、音場が上下左右後方に広くパースペクティブに広がります。細部の音数が多く、更にとても解像度が高いです。良い意味でハイレゾリューションチックであり、画素数の多いカメラセンサーのような描写です。※良くある高級ケーブルにありがちなS/N感を演出するためにバックグラウンドの細部を塗りつぶして犠牲にする感じは皆無。
Sir Tone PWC-11008+FURUTECH J1 project PT-4
音像描写は線が細くキリッと辛口の定位感。シャープ且つ輪郭線の抜けが良く、更に適度な艶が乗って響きにも潤いがあります。音場の広さと相まって3次元定位も優秀。しなやかで繊細にもかかわらず、音像が密度低下を起こさずに集中力が保たれています。レンジ感は上下共に広く、楽音帯域の中高域〜高域はシャープ且つソリッドですが、刺さる感じは不思議と皆無。中域は繊細ながらも薄くはならず充実。低域は重さとボリューム面でNanotec Systems PS308×FURUTECH FI-28/FI-28Mに及ばないものの、独特のリアルなエアー感が伴い解像感充分。コントラバス、チェロ、ヴィオールなど可視化されたボウイングとリアルなエアー感が両立しています。スピード感は中庸で格別ハイスピードな印象はありませんが、音像のキレと抜けに優れているので変に遅くは感じません。全体的にしなやか且つニュートラルバランスで、硬いとか柔らかいといった表現はどちらも当てはめにくい印象。


ステージフロアは深くややウォームで仄かな翳りがあり、音楽描写は繊細且つ上品でエレガント。ほんのり静的な傾向ですが、不思議とそれで音楽がつまらなくなる方向には無くて、むしろ音楽そのものに無意識に意識を持っていかれる本質的な描写力を伴っています。オーディオ的に創られた描写力と云うよりも、音楽表現の透過力に優れるといった方が良さそう。ハイエンドケーブルにはケーブルそのものがエロティシズムやリズム感などの音楽性を後付けで演出するタイプが多くみられますが、Sir Tone PWC-11008ではその種の余計な脚色をせずに、しかし演奏表現の核心がピシッと伝わります。即ち過剰な虚飾を廃して演奏そのものが持つ音楽性をじっくりと浮き彫りにする、内面の充実した描写が出来る正統派の電源ケーブルと云えます。

超多芯線の構造的功罪とD-on Cu5導体について

5.5SQの極太導体からは、ついついパワフルで低域がドスドス鳴る音をイメージしがちですけれど、PWC-11008の場合はワイドレンジ且つ高分解能で広い音場に、抜けが良くシャープで端正な音像描写が身上です。極太ケーブルにありがちな、ピラミッドバランスでクレヨンのように線が太く、高域がデッドで微細な音の粒子が行方不明といったタイプとは逆方向のイメージ。導体容量のパラメーターが広い音場を充実した音数で満たす方向へ向いている感じでしょうか。弦楽器もピアノもアコースティックギターも管楽器も、総じて生演奏を彷彿とさせる音色のリアリティに舌を巻きます。
〜PWC-11008 3C細径タイプの断面〜
Sir Tone PWC-11008 3C 切断面
一般的に柔らかな極太多芯線構造の問題点を挙げると、音像の滲み感や混濁感、聴感上のスピード感の低下が挙げられます。Sir Toneの場合はキリリとした音で、ぼんやり感(米国モンスターケーブルやドイツ旧モニターPCのような)は何故か全く無いのですが、スパイスケーブルVFF-2508では滲み感が若干の個性(スパイス)でもあり、組み合わせによっては気になる部分にもなると感じられました。しかしPWC-11008ではこの滲み感が上手くコントロールされ、解像度の高さ、音数の多さに収斂しつつ高次元に昇華されているように感じます。即ち高純度多芯線のメリットを最大限に活かした音質と云えます。
PWC-11008 Zigsaw MG-2 ケーブルインシュレーター
KHD電線が自社工場生産している独自のD-on Cu5導体ですが、元々は産業用ケーブルとして高伝導率を実現したもので、技術的な詳細は不明です。しかし聴感上の印象としてはスパイスケーブルも含めて無メッキ高純度OFC線の音質系統に近いのではと推測します。PCOCCのようなゴリッとした力感は出ませんが、解像感や音場空間再現でライバルとなる最新素材のPC-TripleCや102SSCに劣る印象は全く無く、その辺りの心配は杞憂でした。

手持ちのケーブルで傾向がやや似ているものがあるとすると、リッツ線を使ったMark Levinson by Red Rose Music 1934でしょうか。ある種の静電型スピーカーを想起させる音色で、Red Rose Music 1934の場合では引き換えに高域が神経質だったり輪郭線だけが強調されて音像密度が足りなかったりしますが、Sir Tone PWC-11008には開発時にヒアリングでしっかり追い込まれているようで、そういったネガティブ傾向はじゅうぶんに抑制されています。

1週間の初期バーンイン経過後の音質変化

一週間が経過しました。新品時に最初から音が良いケーブルは、初期のバーンインの経過後はバランスが変わってしまいイマイチになるケースもありがちです。しかしPWC-11008については今のところ大丈夫そう。高域方向のシャープさにナチュラルな風合いが加わり音量耐性が改善。加えて当初は若干浮いていた低域の沈み込みが徐々に出てきて、エアリーなリアルさを保ったまま食い足りなさが解消されつつあるのか、ワイドレンジ感が更に増しているように感じます。それに伴い音場も更に広がってきました。
Sir Tone PWC-11008+FURUTECH FI-11 e
個人的にこの高解像でエアー感の伴うトランスペアレントな低域はリアルだと思うのですけれど、オーディオ的に脚色された重くソリッドでパンチのある低域を求めると、未だ少し沈みこみと低域のスピード感が足りなく聞こえるかもしれません。その辺りはより低域寄りorワイドレンジ傾向の電源プラグへ換装することである程度リカバーする事が出来そう。あと多分一ヶ月後には更に良くなりそうな雰囲気があります。それから、当初感じられた(電源プラグ起因と思われる)暖色系の着色傾向とほの暗さはほぼ影を潜め、代わりに弦楽器のボウイング等々で白色綿糸の影響とみられるシルキーな肌触りがちらちら垣間見えるようになりました。この点でもよりアコースティック感が増しています。

FURUTECH FI-11(Cu)/FI-11M(Cu)について

FURUTECH FI-11(Cu)/FI-11M(Cu) / Sir Tone
今回は完成品の両端FURUTECH FI-11(Cu)/FI-11M(Cu)を付けた場合のレビューですので、プラグの音質もそこそこ混ざっているであろう点はご了承下さい。※ちなみに完成品のプラグとケーブルの接続には日圧のOFC無酸素銅・錫メッキY端子が使われていて、そちらの音質も混ざっています。FURUTECH FI-11(Cu)/FI-11M(Cu)単体での音質は、音色がウォームでやや暗く、中〜中低域中心に闊達でエネルギッシュなやや太めの音像描写をする傾向ですが、高級電源プラグの中では音数が程々でレンジ感も中庸、特に上下左右の音場があまり広い方では無いと思います。ですので今回のレビューはその点が足し算引き算されていると思って下さい。


FURUTECH FI-11(Cu)/FI-11M(Cu)を使っていながらここまで広い音場が描写出来るとというのは素直に驚きであると共に、中域密度の濃さと音楽的描写や、前述の「ウォームで仄かな翳り」の部分などについては、FURUTECH FI-11(Cu)/FI-11M(Cu)の影響がそれなりにあると思われます。たぶん暫くするとこのプラグの音に満足出来なくなることが僕の中で予想出来るので、いずれ電源プラグの交換ネタを書くことになりそう。SNS界隈ではPWC-11008用にOyaide P-004/C-004ベリリウム銅無メッキプラグをチョイスされる方がとても多いです。Oyaide P-004プラチナパラジウムの方は持ち合わせがあるのですけれど、脚色美音系ですし、無メッキプラグに比べると低域が浅いのですよねぇ。。。

どんなオーディオシステムにお薦め?

音楽ジャンルとの相性については、Twitterで見る限り、クラシックメイン、アニソンメイン、ジャズ、洋楽ロックポップスメインの人を問わず絶賛されています。自作派やジャンクオーディオ、DTM等にも人気があります。ボジ:ネガ意見の比率はざっくり9:1くらい。箱庭ピュアオーディオ管理人的にもクラシック音楽にはとても相性が良いと感じます。要するにソースの種類をあまり選ばない、極端なキャラクターの偏りを持たない性質のケーブルです。システムレベルでは基礎的な解像度が未だ不足しているエントリークラス〜ミドルクラスあたりまででしたら、概ね劇的に細部の情報量と鮮度感、空間のトランスペアレンシーが改善されるケースが多そう。
Sir Tone PWC-11008+FURUTECH FI-11 f
逆に細部へのこだわりが薄く、低域もりもりのドンドコした太書きハイパワーサウンドを求める場合には他の選択肢があると思います。また、ハイエンドオーディオの中でも既に超高解像度を実現しているシステムの場合では、用途が不明瞭になり没個性的になってしまうかも知れません。どちらかと云えば、クラスを問わず情報量が未だ食い足りないシステムをフラット&ワイドレンジ化する用途に向きます。帯域バランス的に問題の無いシステムでは、そのまま音場の拡大及び透過画素数の向上に繋がると思います。

"AUDIO STYLE"メインシステムとの相性

昨年春にメインシステムのインテグレーテッドアンプをAUDIOLAB 8300A(工事中)にリプレイスして以降、ドライブ力や情報量、スピード感など、現代的にグレードアップしたポイントも多々ある反面、先代TAG McLaren 60iで得られた独特の音場の広さとウェット感がスポイルされてしまい、総合的にまだまだ以前のレベルにまで届かない状況が続いていました。今回Sir Tone PWC-11008をメインシステムの大元に入れたことで、やっと以前の音場感にも負けない3D空間+以前には無い画素数の多いサウンドが得られるようになり、トータルの音質でTAG McLaren 60i時代を超えられるようになった様に感じます。特に今ひとつだった艶やかさと上下のレンジ感など、AUDIOLAB 8300Aで感じていたネガ部分がほぼ完全に吹っ飛びました\(*^o^*)/。メインシステムでこれだけ結果が良いとなると、次はサブシステムの要でPWC-11008を使ってみたい・・・紫や細径3Cタイプも良さそう?・・・なんて早くも皮算用を始めてしまい、例によって他のフォロワーの皆さんと同じく、Sir Tone追加購入沼に突入しそう・・・\(^o^;)/。
AUDIOLAB 8300A
それと、管理人のシステム内では唯一、SACDプレーヤーのONKYO C-S5VL(※元々本機の低域がとても薄い事がそもそもの原因)でやや低域の沈み込みが足りない印象が出てきたので、こちらはSACDプレーヤーの電源ケーブル見直しでバランス調整をする予定です。解決方法は既に見えているので後日レビュー予定。

Sir Toneブランドのイメージについて

Sir Tone製品は他のオーディオメーカーと異なる販売方法を採っていて、現状ではメーカー直販ルート以外の一般的なオーディオ販売店での入手は出来ません。元々はどちらかと云えばオーディオマニアよりもギターアンプなど楽器演奏者向けのラインナップですし、製品パッケージも簡素でアクセサリー然とした豪華な化粧箱に詰められている訳でもありません。かわいらしい子供用品のようなロゴをご覧の通り、オーディオマニアと呼ばれるスノッブな人種に訴求するような高級感は驚くほど皆無です。
Sir Tone
今更日本製の新興ブランドである点も含めて、正直ハイエンドオーディオマニアからは全力でスルーされそうなイメージのブランドだと思います。実際、僕自身も内心ナメていたと云うか、スパイスケーブルVFF-2508で得られる音質は、コスパに優れるとは云え個人的な経験で予想出来るクオリティから大きく飛び出てはいませんでしたので、PWC-11008も価格相応の予定調和の範囲だろうと想像していました。

internalSir Tone 電源スパイスケーブル VFF-2508 レビュー♪
internalSir Tone VFF-2508とPWC-5008をPCオーディオで試してみました♪

ところがどっこい、出てきた音にもうあんぐりです(゜ワ゜)。Twitter上では他の名だたるメーカーの高級電源ケーブルと比較してSir Tone PWC-11008の方が解像度や音質に優れる等という眉唾?個人レビューもちらほら見かけましたが、どうせ高級電源ケーブルの音質を殆ど知らない人々の妄想くらいに受け止めていました。でも実際に使ってみて、持ち上げすぎどころか、正直これはもうコスパが良いから選ぶとかそんな次元のケーブルでは無いです。なんだろう、このケーブルが海外のハイエンドブランドから銀ピカプラグと黒光りしたアウターシースをかけて化粧箱に入れられ、慇懃無礼に販売されたとしたら、10万円以上しても大喜びで購入するハイエンドマニアが続出すると思います・・・いやむしろその方が儲かるのかも(苦笑)
Sir Tone PWC-11008 拡大
その中でSir ToneはTwitterアカウント上で度々行われるプレゼント企画や限定特価販売等々で、敢えてハイエンドオーディオからは程遠いバジェットHi-Fi勢や自作マニア層の皆さんといつも和気藹々とされています。また、Twitterの公式DMか楽天市場の販売ページの質問フォームから問い合わせれば、長さやプラグなどの特注や種々のカスタマイズにも可能な範囲で応えてくれると思います。PWC-11008含め、各種試聴機のレンタルもされているそうです。そんなところも含めSir Toneは全てがとても良心的。今時オーディオ界隈には珍しく、欲にまみれた変な飾り気が全く無くて高感度200%な点は、SNSでの人気を知らない皆さんにも強くお伝えしたいところです。
まとめ♪
Sir Tone PWC-11008の客観的な評価として、広い3D音場空間に画素数マシマシの音質面でも、繊細で控えめながらもしなやかでエレガントさすら感じさせるキャラクター面でも、海外の高級電源ケーブルと直球勝負出来る充分な品質を備えていると感じます。ローエンダー箱庭"AUDIO STYLE"管理人は、これまでに完成品/自作含めて概算30本以上の電源ケーブル(概ね日本円で1本10万円以下のグレード)を、あ〜でもないこ〜でもないと入れ替えてきました。(※Sir Tone以外で採用しているのはNordost×2Kharma×2、XLO×3、PAD×1、Real Cable×1、Audio Quest×2、ORB×3、FURUTECH×2、Chikuma×1、Oyaide×2、その他予備役多数になります。レビューリンクのないケーブルは後日紹介予定の未定w)
Sir Tone PWC-11008+FURUTECH FI-11 c
けれどSir Tone PWC-11008はそれらの中でも確実にトップクラス・・・個別機器との相性や演出的個性の魅力を抜きにすれば、控えめに言ってベストチョイスではないかと。これまで変にイロモノ系の電源ケーブルを使い倒してきたこともあって、Sir Tone PWC-11008の音楽そのものに直接フォーカスが合った音質には心から目が覚める思いです。


一連の他のケーブルも含め、Sir Tone製品は予算の限られた音楽愛好家、楽器演奏者、そしてバジェットHi-Fiオーディオマニアにとっての救世主と言えます。本当に音質が良くて価値のあるものが必ずしも高価とは限りません。むしろ高価格=高性能という思い込みから目を覚まさせてくれる、音響用電源ケーブルとして極めて真っ当なアプローチが為されている事こそがPWC-11008の核心です。ブランドビジネスや価格バイアスに惑わされずに自身の耳と感性を信じられる方にこそお薦めしたい、違いの判る人にこそ辿り着いて欲しい、それが今回Sir Tone PWC-11008を導入した箱庭ピュアオーディオ管理人としての率直な感想ですd(^_-)
+For
 広くエアリーな3D音場とシャープな定位
 クラスを完全に超越した解像度と情報量
 繊細で高S/N。音抜けが良くしなやかな質感
 製造品質、組み立て品質共に良好
 虚飾を廃して「音楽」そのものが聴こえます

−Against
 ネット直販のみでオーディオショップ等での購入不可
 ブランドイメージが弱い
《あくまで管理人の個人的評価です》

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