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モンスターケーブルは「利ざや80%」それ相応の価値がある技術?

ふと気が付けば今日は12年5ヶ月ぶりに$1=99円台に。今年は久しぶりにアメリカから色々とオーディオ関連機器を個人輸入するのが旬になりそうです。MLB大好きですので、旅行するのも良いかもね♪ ということで、今日は米最大手のオーディオケーブルメーカーの一つ、Monster Cableのお話です。

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モンスターケーブル=ぼったくり、ふざけるな~!

元記事(翻訳)はこちら(ギズモードジャパン)

なんだかアメリカでプチ騒ぎになったらしい凄いセンセーショナルなタイトルと云う事で、興味津々で読んでみました。とにかくタイトルだけで判断するとモンスターケーブル=ぼったくり、ふざけるな~!的な印象を強く与えます。ついでに記事の内容についてもそんな感じですので、良く知らない読者の多くは、さらっと読んだだけでもモンスターケーブル製品にかなりネガティブなイメージを持つのではないでしょうか。。。

まず、このドキッとするタイトルで管理人が想像したのは、

1) モンスターケーブルの小売り卸値は、定価の八掛け80%?
2) 小売店の利益が定価の8掛けで、卸値がたったの20%?
3) 製造原価が卸値の2割?

以上のようなイメージです。本文を読んでも元記事の筆者が門外漢と注意書きされている通り詳細が分からないのでリンク先の原文の方も見てみましたが、結論から言えば相当に印象操作のバイアスのかかった偏向記事になってしまっています。

outモンスターケーブルはRIPOFF!(ぼったくり!)

THE CONSUMERISTによる上記のリンクでは、モンスターケーブルの小売店向け卸値表、定価/卸価格/(小売店の)利益マージンが、公開晒し上げされています。表を見れば判りますが、当然の如く、ココに書かれているのは定価=卸価格+小売店の利益マージンです。卸価格表を外部リークするのは商売のルールとして絶対にあってはならない筈ですが、内容的には何のことはない、一部の映像用モンスターケーブル製品の普通の卸価格表ですので、モンスターケーブルとしては一連のTHR CONSUMERISTや米GIZMODOによるネガティブキャンペーンはともかく、内容面に於いて製造元として後ろめたい部分は全くないと思います。

outモンスターケーブル広報からの公式回答

>驚きの結果です。早速モンスターケーブル広報から
>2ページに渡る長文の回答が来ました。

>「ジュエリー・服飾・家具ではもっと大きな利ざやもあるものです」

モンスターケーブルは「利ざや80%」―それ相応の価値がある技術? | ギズモード・ジャパン (gizmodo.jp)

こんな書き方をされると、まるでモンスターケーブルが利ざやが大きくて何が悪い?えっへん!と開き直っているようで大変に感じ悪いですけれど、原文では、

>公開された卸値は、小売店がMonster CableのようなAV機器用アクセサリー類を販売する際の一般的な卸値と同じです。
>これは、服飾・ジュエリー・家具ような他の消費製品と比べた場合、利ざやは遥かに少ないです。

管理人訳ですが実際はこんな感じです。随分と印象が違います。

1) モンスターケーブルの小売り卸値は定価の八掛け80%?

表を読んでみると、モンスターケーブルの卸値は商品によって異なりますが、大体定価の60%前後でむしろ結構高い事が判ります。むしろ小売店にはかなり厳しい部類。モンスターケーブル側の主張でも、大部分の製品で定価に対する小売店の利ざやは37%~39%です。記事のやり玉に挙げられた19ft(約6m)のHDMI-DVIケーブル(価格から推測するにHDMI400/DVIと思われる)についても利ざや44%。これを記事では何故か80%と同じくらいの利ざやであると書かれています。更に物によっては定価と卸価格が同じで小売りマージン0とか、売ると赤字になる謎製品(販促キャンペーンか何かか?)もありますが、その辺には全く触れられていません。

2) 小売店の利益が定価の8掛けで、卸値がたったの20%?

この表の中には卸値20%の製品は無いみたいです。そもそも卸値5割以下で小売店の利幅が大きい、いわゆる美味しい製品が殆ど無く、一般的に見てこれでボッタクリと呼ぶには無理があります。

3)製造原価が卸値(或いは定価)の2割?

この表からはそもそも製造原価なんて全く判りません。製造元の原価率は、原材料、設備投資、研究開発費、諸々の人件費と維持費、各種輸送費、税金など、どこまで含めるかの計算方法で全く変わってしまいますので一概には言えませんが、卸値よりは当然安いでしょう。そうしないとビジネスとして成立しません。ただ、少なくとも原価についてはこの価格表からは全く判らない。これが真実です。

よってタイトルの利ざや80%ですが、何を根拠に利ざや80%と書いてるのか判らないのですが、価格差のイメージターゲットとしてTHR CONSUMERISTが引き合いに出しているのは、激安量販店で売られているノーブランドの$20未満のHDMIケーブルです。これと比べて$99のモンスターケーブル(小売りマージン44%)は値段が高すぎる、第一HDMIデジタル転送の高級ケーブルは無意味である。加えてオカルト糾弾主義のGIZMODO的にデジタルで画質は変わらないとかそういう事が言いたいらしいです。

モンスターの最高級HDMIケーブルM1000HDMI
世界で3本の指に入るであろうハイパーな画質だ。驚異的な伝送力を誇り、S/Nは優秀。コントラストは見事に立体的で、色と輪郭描写の全てがずば抜けている。情報ロスを極限まで抑えたHDMIケーブルの手本と言いたい能力だ。既にSDソースから切れ味と色の抜けが違う。エッジが鈍らず飽和度の高い色でも滲みが極小、更にHDソースとなるとRGBの位相がピタッと合う。ムラが無く均質で画素の隙間まで情報が埋め尽くされ、素材や色のテクスチャーが生々しい。真正面で向き合うような精悍な投写映像は120インチでも見応え十分。プロジェクターの能力が試されるようだ音元出版ケーブル大全2007/177pより引用

対してモンスターケーブル側は、比較に挙げている無印HDMIケーブルは規格がHDMI Ver1.3a Category 2でさえないと反論た上で、他社の同規格、同品質の高級ケーブルに比べればモンスター製品はむしろ低価格であると説明しています→2008年次点で本国のHDMIケーブルラインナップ最下位モデルが定価で$49~)。本国ラインナップにはありませんが、日本向け?下位モデルのMONSTER CABLE HDMI M650HDとMONSTER CABLE HDMI M850HDでしたら、感覚的な内外価格差が小さくて済むかも。

ギズモードは更にイメージ的な価格差を付けたいのか、5ドルのHDMI ケーブル買った方が良いとしていますが、2008年現在、500円でHDMI認証入りのまともなHDMIケーブルが買えるでしょうか?普通は安物でも実売価格で2000~3000円位します。管理人はプラズマテレビBlu-rayレコーダーの接続用にSONYのHDMIケーブルを使っています。(追記:定価はともかくPCサプライ系では謎メーカーの数百円のHDMIケーブルってあるみたいですね。品質は・・・極端な低価格HDMIケーブルはトラブル報告が多数されていますので、良くレビューを確認された上で自己責任で。低価格品でも問題なく使えたのはPLANEXのHDMIケーブルでした。※2010年代半ば以降は、HDMI規格の普及に伴い実売1000円以下でも正常動作するHDMIケーブルが一般的になりました。

ちなみに小売りマージンといっても最終的な販売価格の決定権は当然小売店側にあります。文字通りの利益率で定価で売っても買う人はあまりいないでしょうし、そこら辺は店毎それぞの事情で割引価格設定をしています。皆さんご存じの通り、日本でもアメリカでも小売店ベースでは多くの場合、通常10%~30%の値引きや、在庫処分、モデルチェンジ、決算などでの赤字半額セールが行われています。

>ここの業界はモンスターだけではなくて、まあ、ホームシアター専門店経由で製品を売るケーブルメーカーさんは、みんな利ざや大きいとは思いますけどね

THE CONSUMERISTというメディアが、どういうバックボーン(消費者保護を謳う潜在的なCommunist?)なのか不明ですが、AV機器のアクセサリービジネスはそもそも詐欺であり、モンスターケーブルや小売店が利益を取るという行為自体が気に入らないというのが本音でしょう。そんな偏ったバイアスに基づくネガティブキャンペーンに、マトモに取り合ってきちん事実説明による回答をしているモンスターケーブルの対応こそが、むしろ常識的であり誠実だろうと思います。

超低価格からスーパーハイエンドまで揃う多彩なラインナップ

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少なくともモンスターケーブルは数十万のハイエンドスピーカーケーブルSigma Retro Gold(SRGS)から、激安ホームセンターで扱うmメーター百数十円のS16スピーカーケーブルなどのXP/XPHPシリーズまで、ありとあらゆる価格帯の製品を作っています。ピュアオーディオは良く知らなくても、安くてもちょっと良い物をって事で、モンスター製品の恩恵にあずかっている人は世界中に沢山いるのではないでしょうか。特定の特別な人々にではなく、多くの人に少しでもハイクオリティなケーブルをという同社のビジネス姿勢は、必ずしも否定すべき物ではないように思います。

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*話は逸れますが、ここでモンスターケーブルの音質的な傾向について管理人なりの印象を簡単に述べたいと思います。基本的に低域の質感と量感を一番に重視しているのが特徴。いわゆるオーディオ的な意味でのピラミッドバランスが得られるケーブルです。上位モデルになるにつれて低域の量感に加えて質が伴っていく感じです。反面、高域の質感はデッド気味で、音場の透明度や高域方向の美しさを求める場合、概ね同クラスの競合他社製品の方が勝っているという印象です。

同社の提唱するタイムコレクト構造は(その論理的整合性は置いておいて)、フラットバランスでは聴感上高域がかなり優先して聞こえるオーディオ装置上で、遅れ気味に聞こえてしまう低音域のスピード感、量感を改善するアイデアだと捉えています。よって低域不足に悩む人、高域の質感よりも低音楽器のボリュームや切れを求めるユーザーさんに向いているのがモンスターケーブルになると思います。

HDMIケーブルにも音質と音質の違いがあります

ついでに、双方の価値観の違いの元であろう各種HDMIケーブルによる画質差ですが、オーディオビジュアル系雑誌では当然のように特集され、比較記事が組まれています。これも何故か音質が変わってしまうオーディオ用のデジタルケーブルの時と同じで、実際に、PCモニタ用の低価格製品から、audio-technica AT-HMH/AT-HMZ、AIM AVC-FL01SONY DLC-HE10XFなどいくつかのHDMIケーブルでつなぎ替えてみると、音質も画質も確かに違ってしまい、デジタル転送とはなんぞや!?と考えさせられてしまいました。

と云う事で、何だかんだと記事内で一番気になったのはコレかも\(^o^;)/

>モンスターケーブル社の車庫にはランボルギーニの車が何台かあって、毎年CESではセレブ然として登場するって…知ってました? あれ、安くないですよ。

モンスターケーブルの社長ってたしか中国系アメリカ人ですよね。ビジネス的には大成功という事で、そういう世界の人なのか。。。妬む以前に管理人は素直に羨ましいです…( ³△³ ).。o。

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