さて、リクエストがありましたので、先日予告したスイスの超高級オーディオブランド、GOLDMUND(ゴールドムンド)のSACDプレーヤーの中身が、実はPIONEERの実売1万円のDVDプレーヤーだった!?について書いてみたいと思います。
GOLDMUND EIDOS 20AGOLDMUND EIDOS 20A

一部ネット界隈で話題になっているこの話題、私も比較画像を載せているサイトを見てびっくりしました。定価140万円もするゴールドムンドのSACDプレーヤーEIDOS 20Aと、家電量販店で僅か1万数千円程度で売られている、日本のパイオニア製ユニバーサルDVDプレーヤーのエントリーモデルであるPIONEER DV-600AVが、蓋を開けると実は中身が同じという話です。


上:GOLDMUND EIDOS 20A  下:PIONEER DV-600AV
goldmund_eidos20a-1
DV-600AV_inside
ご覧の通りです。ドライブメカにカバーがされ、電源部のトロイダルトランスや、オリジナルのアナログ段は追加されていますが、左右のデジタル基盤と電装系はまんまDV-600AVの流用。重量のある筐体に収められていますが、ことデジタル回路はパイオニアそのもの。(ちなみにEIDOS20の内部画像はGOLDMUND社自身によって公式サイト上でPIONEERの基盤が使用されていることを公開及び事情説明されています↓(ネット上に流れている元画像とはレイアウトがやや違います)
eidos20_interior

ぶっちゃけ、スイス製の140万もするブランド時計R●LEXを分解したら、セイコーの安物クォーツが出てきてしまったみたいな話です(滝汗)

ちなみに私、DV-600AVの先々代にあたる、2005年製のPIONEER DV-585Aを所有しています。以前の記事で書いたように音質がそれほど良くありませんので、一通り遊んだ後ブログで記事を書かずに家族にあげてしまったのですが、今回開けてみたらあらびっくり。これ、DV-600AVと中身がそっくりでした。細かい点を除けば殆ど同じです。

エントリークラスのPIONEER製DVDプレーヤーは毎年モデルチェンジ(パネルデザイン変更と仕様のマイナーチェンジ)をしていて、最新型がDV-610AV(08年)DV-600AV('07)DV-696AV('06)DV-585A('05)DV-578A-S('04)DV-600A-S('03)(注:これはDACチップがDSD1791なので音質良かったらしい)となります。

DV-600AVはVRモード録画DVD-Rの再生や、1080p出力のHDMI端子等の新規格へ対応していますので、DV-585Aと比べて主に映像系ソフトウェア面でいくつかの仕様変更及び進化をしていますが、この場合GOLDMUND EIDOS 20Aは2chステレオ音声出力のみのSACD/CDプレーヤーですので、PIONEER基盤の映像系チップ等は使われていないと思われます。

DV-600AVと同時期発売の下位モデルにDV-400VDV-300があり、フロントパネルのデザインがDV-600AVと殆ど変わらず紛らわしいのですが、こちらはリアパネルの端子レイアウトがDV-600AVとは異なります。しかしながらDV-600AVとDV-585AはHDMI端子の有無以外は全く同じですので、概ねDV-585A≒DV-600AVと考えてほほ間違いないはずです。
DV-585A_interior
これが自宅のDV-585Aの中身。内部のD/AコンバーターはバーブラウンのPCM1742が3基。これがPIONEER曰く"音声部にも192kHz/24bitのハイクオリティ6chDACを搭載"の正体。廉価なDVDプレーヤーとしてはお値段相応かと思いますが、高級なSACD/DVDプレーヤーではあまり使用されないチップです

SACDフォーマットのDSD信号をPCM変換せず直接アナログ変換できるバーブラウンDSD1791DSD1702が使われていればまだ良かったのですが、PCM1742の場合、DSD信号をPCM88.2KHzにダウンサンプリングしてからD/A変換しています。そして、あくまで6ch仕様。2ch分の高音質化のために3基でパラっている訳では無いでしょうから、実質PCM1742一基をステレオ2ch用で使っていると思われます。

ゴールドムンドで使われている基板は現行のDV-600AVよりも1、2世代前、若しくはDV-585Aとの書き込みが某所にあったのですが、良く見比べると香港から流出したEIDOS 20の元ネタ画像(上の左)はDV-585Aの基盤、ゴールドムンドが公開している基盤番号入りの画像はDV-600AVのようです。(右側のデジタル基盤のレイアウトが異なります。)
DV-585A_digital
右側の四角い大きいチップは映像処理用のMediaTek MT1389EEです。電源部は見ての通りで語る必要なさそう。EIDOS 20Aはここへ大きなトロイダルトランスが奢られていますので、聴感上の音質は相当違ってくると思います。電源ケーブルはDV-545と異なり直出し。これが着脱だったら色々ケーブル交換で遊べるのですが、メガネ端子のコストに負けたようです。この手のデジタル家電はもの凄い台数が製造されますので数円の差がとんでもないことになるのでしょう。

ドライブメカはパイオニア製と巷で言われていますが、でっかくORIONって書いてあります(^^; うちにあるCDプレーヤー類の中でも際立って簡素な作りで、トレイのプラスチッキーな動作音に加え、演奏中は等倍ではなく高速回転しているのでシー(フィー)という回転音と、カチカチというピックアップのシーク音で、無音部分などではなかなか愉快な音が聞こえてきます。ちなみにリアパネルを見ると製造はMade in Thailandてした。キャパシタや抵抗の実装はかなり丁寧です。タイの人達は日本人より器用かも知れません。

sacdcompactaudioさて、肝心の音質です。DV-600AVと同じ音質とは限りませんが、品位的には大差ないと云うことで。今更の感はありますがCREEK EVO-CDと全く同じ条件で繋ぎ換えてみます。めんどくさいので蓋は無しです(爆) RCAケーブルのSTEREOVOX HDSEだけで購入価格がDV-585Aの3倍、接続先の電源ボックスは4倍の価格です。まぁ敢えて部品原価を比べたらDV-585Aが一番高いような気もしますけど・・・w

久しぶりに通電しましたが、以前の印象と特に変わっていません。上下の伸びがあまり感じられないウォームでマッタリとした音色。なんというか、音楽が淡々と流れていきます。立ち上がりのアタックが穏やか、中域中心で上下がロールオフしたような聴感Fレンジの狭い音作りです。きっとテレビのスピーカーを意識してのことだろうと思います。マッタリしているのでせっかくのSACDの持ち味である高域方向の伸びがスポイルされている印象。高域方向を伸張気味の音作りで、レガートリンクコンバージョンがお家芸だったメーカーとは思えない家電指向の音色です。

いわゆるアナログライクな二昔前の懐かしい音。家にある他の機器と比べた場合、PHILIPSのFMチューナーFT930の音に少し似ています(^^; 全体的に抑揚が抑えられた穏やかな音色で、同じパイオニア製の廉価なDVDプレーヤーでも、音楽に快活さとメリハリのあるDV-545とは全く異なります。ぶっちゃけ、CD再生ではDV-545の方が遙かに高音質。ちなみに両機ともパイオニアのピュアオーディオ系CDプレーヤー/LD/DVDプレーヤー等の音作りとは全く違うキャラクターなのですが、エントリークラスのクオリティでも、もし仮にPDR-D50くらいの瑞々しく端正な音作りが施されていたら大絶賛したところです。
PIONEER PDR-D50 CD-Rレコーダー

SACD再生についてもCDの音質と方向性は同じ。聴きやすい音ですが、今時のHi-Fiか?と問われると話を逸らしたくなりますw。SACD独特の上下に引っかかりのない繊細感のあるスムーズな音の出方はそれなりに感じられ、その意味ではCDプレーヤーで再生するCDレイヤーの音質はやや歪み感が伴うというか、往々にして軽くコンプが掛かったように聞こえます。とはいえ、SACDだから享受できるメリットは別にして、楽音帯域での音場空間の情報量や響きの透明度、音楽的な表現力の面では、DV-585AのSACD音質が、同じSACDハイブリッド盤をCREEK EVO-CDCEC TL5100Zで再生したCDレイヤーのトータルでの音質に大きく負けてしまっています。アナログ段の練り混み、音の持つダイナミズムやエネルギー感が全く違っていて、せっかくのフォーマットの有意差がプレーヤーのアナログ性能の前に逆転してしまうのです。そんな感じでDV-585Aは早晩使わなくなった事を今更また思い返しました。比較に使ったSACDは↓です。
iconicon
ヴィヴァルディ『四季』Janine.jansen(Vn) Chamber Ensembleicon

Phile-webのDV-585A紹介記事ではこんな感じです↓
サウンドは強調感なくアッサリした表現で、台詞は明瞭度高い。高音質音楽ソフト再生では、ヴァイブ・ピアノ・サックスによるジャズの高域の繊細さ、中域の厚み、低域の量感も良好。クラシックでもオケの拡がりや量感も節度よく再現。中庸を得たバランスの良さが持味だ。

強調感無くあっさりした表現で、節度よく再現。中庸を得たバランスの良さまでは納得。管理人的には高域の繊細さより行方不明さが気になりますし、低域も何それおいしいの?みたいな気がしますけど(爆)

PIONEER DV-585Aの超うちゅうでむぱ的主観音質インプレはこれくらいにして、次回は肝心のGOLDMUND EIDOS 20Aについて書いてみます

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