近所のフィリアホールから去年からアレクサンドラ・スムの公演のチラシが来ていて、なんとな〜く彼女の見た目で行きたいな〜なんては思っていたのですが、公演間近になって改めて予約状況を確認してみると席がいっぱい空いています。ということで、ここ数日体調が良くなってきたので公演3日前に滑り込みで予約です。
アレクサンドラ・スム2018-5-30
ちなみに5/30日の演奏会当日は生憎の雨。アレクサンドラ・スムは若手で実はあんまり知らない女流ヴァイオリン弾きだったりしますけれども、調べてみると1989年のモスクワ生まれとのことですので、元ロシア人の29歳。ソヴィエト崩壊の動乱期でユーリ・バシュメット室内オーケストラのメンバーだった親御さんがオケとともにフランスに移ったために2歳で渡仏。ヴァイオリンはロシアの主流派ではなく、主にウィーンやパリで学んだようです。実際、彼女の雰囲気はロシア人と云うよりはフランス人のオーラで、写真で見るよりも実物の方が綺麗なお姉様でした。
   

アレクサンドラ・スムのCDは手持ちにはまだ無く、今のところグリーグのVnソナタとブルッフ及びパガニーニのVn協奏曲1番が出ているみたい。AllMusicでグリーグ盤を確認したところなかなか良かったのでUK Amazonのマケプレでグリーグ盤をとりあえず発注(日本円で470円+送料)。更にHMV&BOOKS onlineを見てみるとブルッフ/パガニーニのコンチェルト盤が何と800円でしたので、こちらもそそくさと確保。ちなみに当日はサイン会用にホールでも販売されていましたが輸入盤で両方@2800円でした。届いたら此処に追記で載せますね。


プログラムは全体に通向きの構成で前半の最初はモーツァルトのヴァイオリンソナタ第29番K.305。モーツァルトのヴァイオリンソナタは名曲揃いですが、このソナタについては曲そのものが非常に印象が薄く(要するに特に変奏曲形式の第2楽章が私のアタマにはちゃんと入っていない・・・ピアノソロパートがあるのに。)、よりによってこれを弾くのか〜(@_@;)という感じ。次はシューマンのヴァイオリン・ソナタ第1番・・・こっちは好きな曲。前半はノリがまだ前半といった感じですが、なかなか本格的というかしっかりした演奏でした。

後半はストラヴィンスキーのディヴェルティメント。元々はバレエ音楽の「妖精の口づけ」を ストラヴィンスキーが管弦楽組曲版以外に、バイオリニストのサミュエル・ドゥシュキンの手を借りてヴァイオリン用にも編曲したもので、曲中にユモレスクなど有名なチャイコフスキーの小品がいくつか混ぜ込まれていて、近現代と後期ロマン派のメロディを行ったり来たりする面白い曲。3日前からベンジャミン・ベイルマンのアルバム「Spectrum」やワディム・レーピンの昔のBSクラシック倶楽部の演奏でしっかり予習していたにもかかわらず、曲が終わったときに迫力に推されてついぼっーとしてしまい、拍手の出だしが遅れてしまいました・・・(^^;)。


次がメシアンの主題と変奏。ピアノ含めて非常に演奏効果が高い曲。これはCD棚に収録アルバムを見つけられなくて全く予習してませんでした。会場にいらした他の皆さんも同様みたいで、どこで曲が終わったのかちゃんと判っている人が殆どいませんでした(苦笑)。最後が有名なラヴェルのツィガーヌ。出だしの一音目からこちらが仰け反るような鋭い気迫のこもった張りのある音の連続。若い人ですが、技巧的にももの凄いレベルの高さを感じさせるツィガーヌでした。

ちなみに個人的に一番良かったのは、アンコール1曲目の山田耕筰「あかとんぼ」。ピアノのジュリアン・クェンティンが「私達は日本が大好きです」なんて演奏直前に日本語で言うものですから、あかとんぼだと気付いた瞬間、演奏がもう始まっているのにみなさん拍手されていました(笑) とは云えこの演奏は本当に質が高く、これだけ感動的且つ技術レベルも異常に高い「あかとんぼ」はまず滅多に聴けないほどの出来映えの素晴らしさ。たぶんきっと明日の浜離宮でも演奏されると思いますが、あちらの音響でこの「あかとんぼ」を聴ける方は羨ましいなぁ。2曲目はクライスラーの美しきロスマリン。もうこれはアンコールのおまけって感じの砕けた演奏でした(^^)
フィリアホール201805
アレクサンドラ・スムの当日の印象としては、強く、きっちりとしたテクニックと正確な音程感をベースにしつつ、ピアニッシモからフォルテッシモまで幅の広いとてもダイナミックで高い次元の表現力を兼ね備えていて、更に安定感があり、既に相当に高いポテンシャルのヴァイオリニストだと感じます。年齢はともかく間違いなく一流のレベルと云える演奏でした。強いて云えばフィリアホールの音響と彼女の楽器の固有音と当日の天気が相まって音色が私には微妙だったのと、感動する程の何か?があるかと問われたときに「あかとんぼ」以外の全体としては、技術的な安定感と優秀さがより耳に残った感じで、このあたりはたぶん日にもよりそうな感じ。彼女が嵌まればダイナミックで聴衆を引きずり回すが如き演奏が出来る才能は相当に持ち合わせていそうな予感は伝わってきました。尚、使われている楽器は"ex-kavakos"ジョバンニ・バティスタ・グァダニーニ1785年製だそうです。

o-greenジュリアン・クエンティンのCDをTOWER RECORDSで探す

スキンヘッドがトレードマーク?のフランス人ピアニストジュリアン・クエンティンもかなりびっくりするくらい上手でした。偉く良く指が回り、技術的にちょっと伴奏には勿体ないレベルでとてつもなく上手なのですけれども、ソロとしてみた場合、そんなに個性的ではない点が室内楽伴奏もこなせるポイントなのかも。

当日は思ってたよりも空き席が多くて500席の半分も埋まっていない感じでしたが、日本での知名度がまだ高くないとは云え、演奏のレベルが非常に高いだけに残念。翌日はフィリアホールよりも更に音響の良い浜離宮朝日ホールでの演奏会ですので、そちらに行かれる方が少しばかり羨ましいです♪

アレクサンドラ・スム(ヴァイオリン)
ALEXANDRA SOUMM, VIOLIN
ジュリアン・クエンティン(ピアノ)
JULIEN QUENTIN, PIANO
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