先週末のことですが、久しぶりにオーディオ試聴会に出かけてみました。

場所はディナウディオジャパン。主催者は、各種アクセサリ、木製ラックで知られているバック工芸社さん。しかも、今回デモに使うアンプとCDPは以前から何度もここで話題に出しているオランダAH!の製品です。丁度jazzaudiofanさんのお勧めでAH!のNT4000PrimaLuna導入を夏頃から検討していたのですが、試聴が出来ず悶々と過ごしていたところ、偶然にもAH!試聴会の招待DMが届きまして、なんといいますか、超ラッキーで願ったり敵ったりの棚ぼたシンクロニシティ?という展開♪

Dynaudio Japanさんのショールームには始めてお伺いしたのですが、普段から試聴室を開放(要予約)されていらっしゃるとのことで、デンマークディナウディオ製スピーカーの主要ラインナップを中心に、同社が輸入代理店を務めるオーディオブランド一式が陳列されています。今回はバック工芸社さんの主宰するデモという事で、それらの製品群は後方へ片付けられていて、個々の製品について残念ながら比較試聴は出来ませんでしたが、普段なかなかお目にかかれないような魅力的な製品が揃っていますので、機会がありましたらまたじっくりと試聴をしてみたいと思いました。
bach_kougei






さて、肝心の試聴会。かなり広い試聴室の中央にセッティングされているのがMARANTZのエントリークラスCDプレーヤーCD4000をベースにした真空管CDP、AH!(アハ若しくはアーハと呼ぶ)のNjoe Tjoeb 4000 (ニューチューブ4000)、そして、同社の真空管アンプブランドPrimaLunaのセパレート、ProLogue ThreeFourを中心に、スピーカーはディナウディオのミドルクラス小型ブックシェルフFocus140。それらを、バック工芸社の縦型ラック Basic-Tower1やスピーカースタンドのBasic-1、フロアボード Basic-Stageに、同社の木製インシュレーターT・Y等を介してセッティング。

接続ケーブル類も同社の新製品で、導体にシルバーを中心に金を配合した単線を使用し、シルクで絶縁したFROU FROU(フルフル)。電源関係は、壁コンからPurist Audio Designの電源ケーブル(ACドミナス?)介して大元に電研DA7100を使い、CDPとプリアンプにバック工芸社のデジタル・アイソレート電源f-clef(エフ・クレフ)が使われています。電源供給部分が豪華な構成でややハイエンドチックではある物の、肝心のオーディオ機器そのものは特別高価な製品ではなく普及〜ミドルクラス。丁度私が使っている製品群とも一致するクラスですので、果たしてどの程度のレベルの音がそこから得られるのか興味津々・・・・・・。
Dynaudio FOCUS 140(2本1組) スピーカーDynaudio FOCUS 140

まずは持参したピアノの超高音質CDを再生して貰い、最初に感じられたのが木の温もりが前面に感じられるそのナチュラルなトーンです。機器全体がバック工藝社のアクセサリで固められているため、ディナウディオの持つ音とか、アハ!/プリマルナの音が明瞭に聞こえるというよりも、想像以上にバック工芸社のフィロソフィ、音色に対する感受性みたいなものがかなり支配的です。

とにかく温もりと暖かみがあって、刺激的な音が一切しません。モニター的なアキュレートなサウンドとはある種対極にある、音の波にふわりと包まれて、長時間聴き続けていても一向に聴き疲れしない、只々、優しさに癒されていく、メロウな穏やかさに満ちたリラックスサウンド。敢えて耳を欹てて良く聴き込むと、結構な音場の広さや高さがあるのですが、レンジ感とか、ピンポイントの定位感とか情報量には何故か耳が向かうような事がなくあくまでタッチの自然なグラデーションが体の後ろに溶けていくような血の通ったサウンド。

情報量に耳が行かないといっても、決して情報量が足りないわけではありません。AH!も決してぼけた音ではない筈ですし、能力に定評のあるディナのフォーカス140を使っている点からも、基本的に一般的なレベルを超える情報量は確保されているのですが、Hi-Fi的というか、輪郭線とか直接音の解像感とか、S/Nの良さを想わせる音場空間の透明度よりも、音場空間に満ちる木目の粒子感や響きのグラデーションが勝っていて、低域がどうとか、高域がどうとか、聴感F特がどうとか、特性がどうこうとか、頭で音を解釈するような無粋な聴き方とは無縁になってしまう衣擦れの如き心地よさがあるのです。

音色には一貫した美的感性が感じられ、こんな響き方もあるのだな〜と少々新鮮♪(^^) 響きは大変豊かなのですが、一言で同じ響きでも、それは私が追い求めているような、コンサートホールや教会の格調と仄かな緊張感を再現する"クールな残響感"とはややベクトルが異なり、暖炉のある山の中のログハウス?でのホームコンサートを思わせる、背伸びをしない、アットホーム且つウッディで無垢でカラッとしたより親しみやすい鳴り方なのです。

逆に苦手なことと言えば、モニター的でクールな解像感とか、もっと言えば金属的なサウンド。全くと言っていいほど歪み感が感じられず、刺激的で金属的な音がしないので、例えば、楽器は大抵木材と金属を組み合わせてその音色を出していますが、音色の金属の部分が目立たず、木の部分がクローズアップされるようなデフォルメは、ピアノ弾きからすると、んー、ピアノの音はもっとアタックや弦やフレームの震動音がこう・・とか、特に、デモで使われたフジ子ヘミングのラ・カンパネラの音などは、一瞬誰?この音という感じで彼女の音色は生演奏でも経験しているが故に、???となる部分がなきにしもあらず。逆にチェロなど弦楽器の録音ではボウイングのニュアンスが実物以上に拡大されて非常にリアルだったり、録音や楽器によっては音色に楽器が埋没気味になる傾向があり、良くも悪くもかなり相性はありそうだなぁという印象。

丁度、同じ日本のアクセサリメーカーであるローゼンクランツの製品が、歪みのない澄んだ金属の音の滑らかさや流れのスムーズさが前面に感じられる、ある種、金管が実物以上にリアルだったり、ピアノが妙にメタリックな鳴り方をするのとは反対の、同じように芸術的な美音系サウンドと表現されても、響きの素材感という部分ではどうやら対極にある感じです。どちらの音も魅力的なのですけれど、個人的にはこう、出来れば中間でバランスを取りたいというか(^^;

そんな感じで、個人的につい重箱の隅をつついてしまうクラシック系の音楽では、私の体に染みこんでいる、或いはイメージしている生音とは少々違うな〜という微妙さはありましたが、(というか、私は理想が高いのでイメージとのズレを感じないオーディオなんて今まで聴いたこと無いのですが・・・) 音の迫力や熱気を愉しむような、細かいところを気にせずに音に浸れるジャズ系のソースでは、概ね、響きのリラックス感とホットな鳴りっぷりで大変好印象を持ちました。

試聴会の場合、全てのアクセサリがバック工芸社製品で固められているため、一方向に個性が向かってしまっている解りやすさがある反面、このメロウさと聴き心地の良さは、人により好き嫌いが分かれるかも知れないな・・・と、多少感じる面もあったりしますが、これを一般家庭内のオーディオで考えた場合、例えば、スペック偏重で冷たく無機的でつまらないサウンドのスピーカー、高域がキツく歪み感が目立つようなシステム、音楽的な表現力に欠ける国産機などで、バック工芸社のアクセサリを適宜バランス良く介在させることで、より暖かみのあるナチュラルで血の通ったサウンドを得ることが出来るようになる筈です。とにかく、オーディオの不自然な音に疲れた人に、音楽に癒しを求めている人々に、同社の虚飾のない一連のアクセサリは、良い福音となる事でしょう♪

肝心のAH!のNT4000とPrimaLuna に関しては、どこまでがAH!のテイストなのかいまいち掴みきれず、良いのか悪いのかもさっぱり(爆) ただ、全体にジャズ向きか?というトータルサウンドでしたので、もしかして、これ自体、クラシックよりジャズが合うのか〜という一抹の不安が無きにしもあらず。ただ、真空管らしく結構潤いのあるサウンドのようで、ディナウディオのスピーカーにしてもバック工芸社のアクセサリにしても、木質感が前面に出るあまり、セッティングで一歩間違うと、どこか乾いた印象を受けかねない危うい部分があると思うのですが、アーハとプリマルナがそれを防ぎ、システム全体に適度な潤い感を与えているように感じました。しかも、後日こちらのCDPとプロローグONEをバック工芸社さんよりお借りできることになりましたので、自宅で隅々まで試聴して購入するかしないか決めようと思います。レポート楽しみにしてて下さいね♪

PrimaLuna(プリマルナ) プロローグワン試聴レポート

この度は、素晴らしい試聴の機会を下さった、バック工芸社さん、ディナウディオジャパンさん、DMを下さったオーディオラボオガワさん(バック工芸社と姉妹会社)に厚く御礼申し上げますm(__)m
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