GOLDMUNDのSACDプレーヤー@140万円の中身が、なんと実売1万円のパイオニア製DVDプレーヤー!?その1

さて、話を問題のGOLDMUND EIDOS20に戻しましょう。
GOLDMUND EIDOS 20A

まずお断りをしておきますが、GOLDMUND EIDOS 20Aを管理人ことpastel_pianoは試聴したことがありません。しかし、一部WEB上で話題になったEIDOS 20Aと、以前より欲しいと欲しいと事ある毎に挙げているGOLDMUND MIMESIS SR CD3-Gの中間機種に当たるEIDOS 18については試聴をしたことがあります。但しSACDプレーヤー単体ではなくアンプも全てゴールドムンドでの試聴でしたが。ちなみにGOLDMUND SR CD3-Gも試聴した事はありません(^^; そのくせ何故欲しいのかというと、例によって私の箱庭アイデンティティに一致する薄型コンパクトサイズの筐体であること、殆ど存在しない海外製のSACDプレーヤーであること、なんだかムンドはハイエンドの薫りがして見栄を張れそうwとか、その程度のお気楽な理由です。
GOLDMUND EIDOS 18CD/EIDOS18CD-G

EIDOS18の感想ですが、プリアンプのMIMEISIS 27.3LとパワーアンプTELOS 150Lの組み合わせで聴く限りゴールドムンドの音色そのものでした。こちらのブログで書かれている方と概ね印象は同じです。Eidos18ME-VもどこかのDVDプレーヤーを移植しているっぽいレイアウトと、ハイエンドらしくないチープな基盤と煩雑な配線ですが、倍近い価格のEIDOS 20Aよりは部品が沢山詰まっています。
GOLDMUND MIMEISIS 27.3L

じゃ、ゴールドムンドの音ってどんな音?と聴いたことがない人に無茶を承知で超電波説明してみると、とりわけ音像がハッキリしていて密度が高く、立体的にピンポイント定位をします。音色は明るく艶と輝かしい光沢が乗っています。音の伸び方や流れ方は直線的。ある種の緊張感というか高域方向へテンションの掛かった音で、音楽をゴールドムンドと独特の世界観で染めてしまう傾向が強く、音楽を丸みのある流れや抑揚ではなく、むしろ構築で表現するかの如く作為的な印象もあります。残響の音場感よりはパースペクティブに展開する音像に意識が行くような印象。低域ドスドスとか色気ムンムンの音ではなく、華やかながら程よく冷静で上品な音作りです。位相が正確っていうのはこういう音なのか?と妙に納得してしまう自分は見る人が見ればオツムが可哀相な人なのでしょうw。弦楽器など直線的で時に割とキツい音ですので下手なシステムに組み込むと聴くに耐えない音になりそう。まぁそうなると録音が悪いって事なのかも知れませんが。
GOLDMUND TELOS 150L

立体定位した音と音の間の空間に、スイスの空気を想わせる冷ややかさや、輝かしい音色に隠れるクリーミーさなど、所有している人には別のキャラクターが感じられるようですが、店頭でのちょい聴きで表面的な部分だけの印象を述べるとこんな感じでしょうか。所有している皆さんに、聴き方が甘いとツッコまれそうですが、購入意思がない状況での通りすがり的な試聴の印象ですのでご勘弁を。

さて、EIDOS 20Aの内部は前述したようにPIONEERのDV-585A/DV-600AVのメカと基盤を丸ごと移植し、トロイダルトランスで電源部を強化して、バランス回路を搭載したアナログ出力ボードを追加、それをスイスの時計メーカー製らしい10kg以上もあるしっかりした入出力端子を使った筐体に収めている。こんな感じです。もしPIONEERと比べて音質が変わる要素があるとしたら、しっかりした電源部と、この丈夫な筐体による震動制御(この辺は非科学的ですが、インシュレーターで音質がコロコロ変わる世界ですのでツッコミ御無用)と、ゴールドムンドのオリジナルであるアナログ回路のキャラクターになります。トロイダルトランスは15〜30万円クラス海外製CDプレーヤーやプリメインアンプにしばしば乗っかっているサイズの物でしょうか。

ゴールドムンド カーボンインシュレーターMM CARBONBASE

このように電源部やアナログ段を弄れば音質はいくらでもチューン出来るでしょうから、これは特別不思議ではないのですが、やはり問題となるのは、ハイエンド製品としてあまの美しいとは云えないPIONEERの安物ユニバーサルプレーヤーの基盤を丸ごと流用してしまっている点でしょうか。流石にコレについては、正直凄いことをしてるなぁと思います。

PIONEER ユニバーサルDVDプレーヤー DV-600AV

GOLDMUNDの中身が筐体に対してスカスカなのは昔からですが、確か昔のモデルは基盤がハイエンドらしく奇麗なレイアウトだったように記憶してるのですが(確証無し、超、うろ覚え)、EIDOS20にしても、上記リンク先のEIDOS18にしても、普及価格帯の国産オーディオ機器並みのグチャグチャレイアウトと適当な配線の引き回しで驚きました。DV-600AVがデジタル家電としての量産効果で異常にコストバリューに優れる点は、少数ハンドメイドのピュアオーディオ機器とは比べられませんが、EIDOS 20Aの中だけを見れば割高な海外製品としてもせいぜい15〜30万クラスのプレーヤーの中身です。

EIDOS20BDこれがGOLDMUNDのエントリーモデルとして、20〜30万円台の定価で、コストダウンのために、自社開発や小ロット生産をすると無駄にコストの掛かるデジタル基盤については、セイコーのムーブメントの如く基本性能の高い、日本製のの量産型DVD/SACDプレーヤーのデジタル基盤を購入し、電源やアナログ回路については徹底的なヒアリングに基づき自社開発、自社オリジナルパーツとしました。というキャッチフレーズなら多くのオーディオマニアに好意的に受け止められたと思うのですが、そこはゴールドムンド。以前からうちの製品は7割以上がスイスメイドの箱代ですとか、新製品のブルーレイディスクプレーヤーEIDOS 20BDについても、パナソニックのブルーレイディスクプレーヤーをリパックした!と社長自ら堂々と発言されていますので、売っている人も買っている人も判っていてやっている確信犯的な部分があり、事情を把握しつつ、それでもゴールドムンドサウンドのマジックを受け入れている古くからのファンには、何を今更買えもしない連中が〜(^^)と生暖かく受け止められているというのが真相だったりします(^^;

上記の私の試聴インプレでもお判りだと思いますが、ゴールドムンドの音ってのは実際に存在します。いや、私には存在しているように聞こえます。これは前述したDV-585Aの音とは似ても似つかない、全く違う世界のサウンドです。自社の筐体とアナログ段、トロイダルトランスの持つキャラクターが、デジタル基盤の持つ音を大きく塗り替えてしまうという事なのでしょう。そして、ムンドの音色というのはデジタル基盤やD/A変換のスペック上のクオリティとは実は関係ないところに付加され存在するキャラクターだという事の証明でもあります。

GOLAMUND BANANA+ 高音質バナナプラグ

ゴールドムンドのバナナプラグを使うとゴールドムンドの音がする等、以前からピュアオーディオ界隈では知られている事ですが、実は背面の立派な端子にも、ある程度素材でキャラクターを付加するカラクリがあったりするのかもしれません。ゴールドムンド自身、ピュアオーディオの音作りで支配するものは回路設計より箱!という風に本気で認識しているような気がします。これ、自作、メーカー問わず、電気的な回路設計とは別にパーツ変更や筐体設計等での音決めに携わる人々は、程度の差はあれ、ある程度心情的に理解できる部分ではないでしょうか。私も、オーディオ機器で生まれる個性、それぞれの固有の音色やキャラクターを付加しているのは、それぞれの機器や部品素子の持つ震動モードの個性が、震動発信器であるスピーカーやルームアコースティックに大なり小なり拡大されたノイズとして伝わるからじゃね?と電波経験則として感じていたり♪(注:私はうちゅうでむぱ教の信者ですので反論は受け付けませんw)

AURADESIGNとはいえ、ハイエンド機器というのはブランドネームや入れ物相当の割合がお高いのは仕方ないとして、基盤やパーツの選別も、蓋を開けて中身を見せて恥ずかしくないくらいには整っていて欲しいと思います。回路は左右チャンネル対称に整然としていて欲しいし、配線引き回しは皆無か最小限に止めて欲しい。メカだってアキュフェーズやエソテリックから購入していい価格ですし、使われるデバイスも価格に見合ったグレードのチップを採用し、実効性はともかく技術的にチャレンジとなるようなアプローチも加えて欲しい。基盤を拝借するとしても、基本性能的にマニアが納得するモデルの基盤を流用して欲しい。よりによってDV-600AVはないでしょう?少なくとも、現在のゴールドムンドは、DSD変換さえまともに取り組まない点で、ディスクプレーヤーの再生機開発に於いてこれらを全部放棄していると感じますし、そもそもEIDOS 20Aというプレーヤー、全世界で数十台、良くて3桁の販売でしょう。PIONEERから正式に基盤供給をして貰うどころか、アキバのバッタ屋から纏めて買った在庫処分のDVDプレーヤーを、バラして詰めてんじゃないの?とか本気で勘繰りたくなります(死)

もしかするとゴールドムンドには、SACD登場以降デジタル基盤をマトモに設計出来る人材が現在いないか、既にデジタル段についてはPCオーディオのようにある意味悟りの境地なのか、或いは真面目に初期設計から取り組んだらコストに見合わないと考えているのかも知れません。回路設計については元々成り立ちが寄せ集めのブランドです。昔のアンプはYBAの設計者、DAC関係は中身APOGEEの設計で箱がムンド、スピーカーは誰それなど、別々の設計者の作品を一つのブランドにまとめ上げつつ、それにも拘わらず何故かゴールドムンド唯一無二の統一した音質がする謎のブランドですから。そういうコツというか、これさえ入れれば何でもムンドの音がしちゃう的なノウハウを持っているのでしょう。

CompleteIntegre私が好きなフランスのYBAというブランドも、元々はGOLDMUNDから派生したメーカーで、ムンドとはまた違ったYBAでしかあり得ない謎の音が売りです。実は拘ってるらしいペラペラの筐体に加えて、キャパシタやRコアトランスなどの自社生産パーツにチューニングのカラクリがありそうというか、こちらも中身がスカスカで作りも10〜20万円程度の機器と大差なく、物量や設計的にとても価格に見合った内容の装置には見えないのですが、それでもYBAでしか味わえない艶めかしい音色がしてしまうので、嵌っちゃう人は他では代用できないオンリーワンの代物になってしまうようです。 もう、イヴ・ベルナール・アンドレのセンスが欲しいってヤツですので、コストとか他と比べてどうだとかはどうでも良くなります。

YBA Integre LDTのシングルトランス版YBA INITIAL INTEGRE

ゴールドムンドの個性もYBAとはキャラクターが全く違いますが、やっぱりそういう魅力があるのでしょう。価格という概念を吹き飛ばすチューニングの個性があって、そういう意味ではピュアオーディオのハイエンドビジネスの一部も、原価を語るとボロが出る服飾デザインや時計のブランドビジネスと本質的に同じなんだろうと思っています。

今回の件を見ても、そもそもGOLDMUNDという会社は庶民を相手にはしていないんだろうと感じます。金銭感覚が違う世界の住人なので、大して台数も出ない100万前後の量産廉価品に、アラブの大富豪向けに作る特注カスタムモデル(事実かどうかは知らん)のようなこだわりを注ぎ込むつもりは無いという事なのかも知れません。

ゴールドムンド RCAラインケーブル SRICCABLE/LINEAL-IC

それでも、真っ当な作りのアンプ類に対しEIDOS 20Aでのゴールドムンドのアプローチは、外野の私からすると正直なところやり過ぎだなぁと感じます。光学式プレーヤーの開発には、ガレージメーカーでも手作り感覚で出来てしまうスピーカーやアンプとは違って、ある程度真っ当なデジタル面の技術力と開発費用が掛かります。また、値の張るドライブメカやチップを購入するにしても、実際に販売される程度の小ロットでの供給を製造メーカー側に断られたりして、企業規模的にドライブメカが買えない、或いは借金して大量に購入した手前、是が非でも数を売らないと会社が潰れてしまう!なんてくらい小規模マーケットの悲しい現実があります。

Njoe Tjoeb 4000_inside反面、大企業の力で優れた回路を低価格で量産化してしまう日本の製品は異常な程コストパフォーマンスが高い。そこで資金力の乏しいヨーロッパやアメリカの中小メーカーでは、AH! Njoe Tjoeb 4000の様に日本製の安価なプレーヤーを丸ごと購入し、自社設計したデジタル基盤やアナログ段を増設しつつ、自社のバッジを張り付けて販売する。或いはデジタル基盤の設計が出来ないので名の通った設計者に外注丸投げ、製造はどっかの台湾、こういうのは良くあることです。ゴールドムンドにしても、定価140万に対して日本の代理店の卸価格はその約6割、更にゴールドムンドの出荷価格はその6割。やたら豪華な筐体の製造は税金も人件費もバカ高いスイス製。しかも金型オリジナルの小ロット。販促費、豪華なショールーム、億万長者であろう社長の社交人件費、そう考えるとうちの値段は箱が7割ですから!と云われてもああそういう事かとも納得できたり出来なかったり。
GOLDMUND MIMESIS SR CD3-G

正直なところ、ぼんびーなワタクシしめは今回の件でGOLDMUND SR CD3-Gを購入したいという気持ちは限りなく減衰してしまいました。きっとこれも中身はEIDOS 20と同じ様なことになってそうですし、国内では対応を謳っていないDVDオーディオが再生できたりすることが海外の販売サイトに書かれていましたが、そういう事ねとプチ納得。

とはいっても、GOLDMUNDのブランドやサウンドキャラクターに価値が無くなったとは思いません。ゴールドムンド使いの人々で、今回の件で少しばかり不安になった方々も、廉価なパイオニア DV-600AVを手にしてご自宅のハイエンドリスニングルームで聞き比べつつ納得していらっしゃるでしょうし、そもそもバージョンアップと称して過去製品の中身を有償でごっそり入れ替えたりするメーカーですし、今後まともな設計者を確保したら、是非ともまっとうな新機種を発売して名誉挽回して欲しいと思います。それから、PIONEERのDV-585A/DV-600AVの設計をされたエンジニアさんには、設計の御礼に是非ともEIDOS 20Aをプレゼントして欲しいです(~-~)

結論、オーディオの半分は浪漫で出来ています。更にゴールドムンドの場合スイスの税金と空気代が加算されます。みんな解ってやってますから、お願いですからこれ以上いぢめないでくださいw

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