8/15 こちらの演奏がドイツ・グラモフォンよりCD化されることになりましたので後半追記しました〜♪

今回は、本年4/10日にサントリーホール大ホールで収録され、昨日2014/7/31にNHKのBSクラシック倶楽部で放送された、庄司紗矢香&メナヘム・プレスラー デュオ・リサイタルの感想です。

庄司紗矢香さんは年々、成長していると云いますか、確実に深みを増して上手になっているのですね。何年か前にジャンルカ・カシオーリとのデュオリサイタルの感想を書きましたが、あの頃よりも更に一段、より大人のバイオリニストに成長しています。相変わらずの強い信念。半ば求道的な、時にビオラを想わせる暗い音色で、音楽の内面に向かい、何度も、何度も、繰り返し掘り下げるが如きアプローチ。
決して音色が美麗というわけではないと思うけど、この年で既に、音の消え際そして無音の中に真理を渇望するような、滋味深い味のある音を出す。彼女はこの先音楽の中に何を見出すのでしょうか?

ピアノは御年90歳のおじいちゃんピアニスト、メナヘム・プレスラー。ドイツ出身のユダヤ系ですが、ナチスの迫害を逃れて1939年にアメリカへ移住。それから長年、ボザールトリオのメンバーとでピアノを弾いていた方です。もう孫娘ほどの年の差の2人が、互いに、お互いを支え合うようにヴァイオリンとピアノを通して寄り添う姿。

以下、NHKのインタビューから書き起こしです。
【メナハム・プレスラー】
最後に演奏するのはブラームスのソナタ。これほどまでに繊細に書かれたソナタはなかなかありません。きわめて美しい珠玉の作品です。演奏しているとあまりの美しさに最後、私自身が泣き出しそうになります。ピアノとバイオリンが絶妙に絡み合い、真の意味での対話が行われます。ピアノが雨で、紗矢香はその雨の中で歌っているのです。

【庄司紗矢香】
プラームスがこのソナタで綴った思慕の情はほんとうに特別なものです。そうした雰囲気を醸し出せたらと思っています。窓辺に座って外を眺めているブラームスの姿が思い浮かびます。窓の外の雨を見つめながら、過去の懐かしい美しい日々を思い出し、現実に引き戻されては、また夢を見る、そんな夢心地の雰囲気・・・。

年老いて!体はもうポンコツで、感極まって何度も、何度も、レコードの針が飛ぶような雨の歌。それがまたなんとも味わい深く私達に語りかけてくるのです。アンコールはドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」ピアノとヴァイオリン編曲版。亜麻色の髪の乙女は、よくある陳腐な少女趣味ではなく、こちらも白髪のおばあさんが遙か昔の少女時代を偲び回想するかのようなもろく儚げな雰囲気、庄司紗矢香さんすごい・・・。それから、メナヘム・プレスラーのソロ演奏で、ショパンの遺作ノクターン20番嬰ハ短調・・・ノクターンでは庄司紗矢香さんが傍らに腰掛けています。

メナヘム・プレスラーというピアニストは、年老いてからむしろその演奏の質と価値が年々磨かれている遅咲きの巨匠。3年前の来日公演度の収録と比しても、その音がより研ぎ澄まされ、明らかに音の光が織りなす輝きとグラデーションが天国の階段により近しくなっている・・・。この年である種の境地にある人にしか出し得ない、優しく真珠のように粒立つ、純然たる、みずみずしい音色。無我の境地、何の気負いも力みのない解き放たれた音。ピアニッシモの音の引き方、消し方、止め方、そう、、、、自らの意思のみで演奏をする・・・弾いているのでは無くて、どの様に元々在って在る音の連なりから幕引きをしていくのか、それこそがこの人がピアノから紡ぎ出す一音一音の妙味なのだと、アンコールの最後にソロで演奏された夜想曲を聴きながら、しみじみ想うのでした。

この2人の競演によるCD/SACDは残念ながら現時点では発売されておりませんが、プレスラーのピアノソロでは、2012年にイギリスで収録されたBISレーベルの高音質SACDが最近リリースされています。ショパンのノクターン第20番も収録。たぶんこれは現存するメナハム プレスラーの録音の中でもベストの部類に入る演奏かも知れません。

「雨の歌」庄司紗矢香/プレスラー競演の来日公演がSHM-CD化決定!


庄司紗矢香が共演を熱望したリビング・レジェンド、プレスラーとのライヴ盤〜雨の歌
記事を書いたのも束の間、なんと庄司紗矢香さんプレスラーが競演した今回のリサイタルの模様が、来日記念盤としてドイツ・グラモフォンより緊急リリースされる事に相成りました。"60歳差奇跡のコラボレーション!庄司紗矢香が一番共演を望んだ相手と、最も演奏したい楽曲を選んだ究極のコンサートです"。発売予定日は2014/10/15。高音質SHM-CD仕様です。クラシック倶楽部の放送はサントリーホールでの録画収録でしたが、CD盤では鎌倉芸術館での演奏が入る模様です※DGによって両日で良い方の演奏からセレクトされると思われます。残念なのは、圧巻だったアンコール、プレスラーのソロ演奏によるショパンのノクターンが含まれていないこと。。。これは他のアンコール曲も含めて、カット無しの二枚組みにして欲しかったです〜。

大注目の強力な1枚〜庄司紗矢香がショスタコーヴィチの協奏曲に挑戦
バッハとレーガー、時代を隔てた巨匠たちを往還する愉しみ 庄司紗矢香(ヴァイオリン)
“人気ヴァイオリニスト”庄司紗矢香、得意のプロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第1&2番


庄司紗矢香 ルーヴル・リサイタルの紹介

実は私、今のところ、バイオリニストとしての庄司紗矢香さんのファンという訳では無かったりします。なんだろう、気になるのでちょっとだけ目が離せない感じ?だから、ファン目線で仮女のCDを未だ一通り揃えたりはしていないのですけれども、唯一手元に置いてあるのが、ドイツグラモフォンからリリースされた庄司紗矢香さん18歳の時に収録されたデビュー2枚目のアルバム、ルーヴル・リサイタルです。その時最初に聴いた印象は、ピアニストのイタマール・ゴランと喧嘩しているみたい!という感想。どちらも我が強くて調和しているとは言い難い、何か激しくぶつかり合うようなホットセッション・・・聴いてる私達にとっては、石と石・・・じゃなくて意思と意思で聴衆の頭をぶん殴ってくるようなかっ飛び感(滝汗)

まぁピアニストのイタマール・ゴランが若干なんだか、ぽっと出の小娘の実力を未だ品定めしている的な、実力足りなければ俺が音楽を支配して食っちゃうぞ〜的な、大人げない感じではありました(苦笑) その後もこの二人は何度もデュオを組むことになるわけですが・・・なかなかハードですよね。この二人の演奏は正直、聴いていてめちゃくちゃ疲れます。イタマール、ゴラン、日本人好きなのかやたら色々な日本人バイオリニストと競演しまくってますが(^^; 同じユダヤ系でもメナヘム・プレスラーとは全く異なるタイプ。私は室内楽に平和的な対話の中に存ながら、いつも新しく美しい調和を生み出す今のプレスラーの弾き方の方が好きだったりしますけれども♪
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7月31日(木)
午前6時00分〜6時55分
クラシック倶楽部 庄司紗矢香&メナヘム・プレスラー デュオ・リサイタル
「バイオリンとピアノのためのソナタ 変ロ長調 K.454から第1楽章」
(作曲)モーツァルト、(バイオリン)庄司紗矢香、(ピアノ)メナヘム・プレスラー
「バイオリンとピアノのためのソナタ第1番 ト長調 作品78」
(作曲)ブラームス、(バイオリン)庄司紗矢香、(ピアノ)メナヘム・プレスラー
「亜麻色の髪の乙女」
(作曲)ドビュッシー、(バイオリン)庄司紗矢香、(ピアノ)メナヘム・プレスラー
「ノクターン 嬰ハ短調 遺作」
(作曲)ショパン、(ピアノ)メナヘム・プレスラー
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