【各社のSSDを独断と偏見のみに基づいて比較してみる】
比較2017850EVO比較2019|860EVO【中編】|860EVO【後編】

ここからは管理人が選んだSamsung 860 EVOが、現時点で他社製SSDに比べ圧倒的に優れている理由について詳しく説明してみたいと思います。尚、2.5インチのSATA SSD2基をASUS VivoMini VC65に実装した場合はこんな感じです。デュアルドライブを2基ともSSDにすることでのメリットは、やはり何をやるにしても体感でサクサクと速い点につきます。
ASUS VivoMini VC65 Samsung dual SSD
負荷の大きなネットゲームもやらない人間が、単にブログを書いたりネットサーフィンなどの軽作業中心のPCに、ここまでの動作レスポンスが必要なのか?と問われれば、結果として答えはYES。SSD化することでPCの僅かなレスポンス遅延に起因したストレスが激減し、快適性が段違い。即ちHDDよりも文章製作や画像やHTMLを編集したりする際の疲労感を抑えられ、思考を文章化する作業が捗りますので、それが皆様にもSSD化をお薦めする一番の理由だったりします。
そんな感じで今回追加したSamsung 860 EVO SSDに話を戻しますが、いつもはまとめとしてコラムの末尾にメリットとデメリットを箇条書きにして挙げているのですけれども、今回は敢えて冒頭に挙げつつ、各項目の詳細についてそれぞれ説明してみます。

+For
 上位モデル860 PROに迫る総合トップクラスのベンチマーク
 自社製の最新MJXコントローラーは安定性が高く優秀
 HDD並みの低発熱
 TBW値が他社SSD比1.5〜2倍、即ち超長寿命
 長期使用時、ランダム書き込みでの速度低下が圧倒的に少ない
 疑似SLCとして高速書き込みが可能なIntelligent TurboWrite機能の可変大容量化
 64層 3bit MLC V-NANDで圧倒的に小型化された高集積アーキテクチャ

−Against
 韓国製品
 先代850EVOとの実用体感差は小さい
《あくまで管理人の個人的評価です》

・・・Samsung 860 EVOのメリットとデメリットをまとめる大体こんなイメージです(*^-^*)

上位モデル860 PROに迫る総合トップクラスのベンチマーク速度

正確なベンチマークについては測定出来る環境ではありませんし、他の大手サイトさんで色々と公開されていますので割愛しますけれども、条件的には超優良なベンチ結果を出し辛い管理人の環境下ASUS VivoMini VC65CrystalDiskMarkを使った実測はこんな感じです↓。Rapid Modeiconはオフにしてあります。4Kが凡庸なのはSSDのピーク性能が出せない環境要因ですので悪しからず。。。
Samsung860evo-cdm
ベンチマーク速度を上げるための工夫はしていません。普段使いの各種バックグラウンドソフトや色々な周辺機器が接続されたままで、Skylake Core i5 6400Tのコンパクトデスクトップでもこれくらいの速度が出ますので、2018年〜2019年最新型SSDの中でもトップクラスの速度性能が確保されていると思います。
Samsung850evo-cdm
ただ、これまで使ってた先代850EVO↑と比べた場合の速度的な向上については、元々850EVOが非常に高速なSSDという事もあって、思ったほどではありませんでした。2年/14TB使い込んだ↑850EVOと比べ、CrystalDiskMarkで何度もベンチマークを繰り返すシーケンシャルリードについては確実に一段階速くなっていますが、書き込み速度については良くて同等・・・若しくは僅かに劣ってるかも?みたいな印象です。↑では旧850EVOの4KQ32T1の数値がやたら良いのですが、これは測定タイミングの違いでたまたま上手く行っただけですので、あくまで参考値です。

自社製の最新MJXコントローラーは安定性が高く優秀

最初、ASUS VC65のOSドライブを「2年で14TB使った850EVO 250GB」から「新品の860 EVO 1TB」にクローンコピーでまるっと置き換えてみたのですが、SSDの空き容量増加に加え、内蔵キャッシュのSDRAMメモリが「850EVO/DDR2-512MB」⇒「860EVO/DDR4-1GB」になり、コントローラーがSamsung MGXから最新型のMJXになった結果、更に体感レスポンスが改善するのでは?と当初は淡い期待を抱いていました。
ASUS VivoMini VC65 Samsung 860 evo
しかし実際にリプレイスしてみると残念ながら体感で更に速くなったという印象は殆ど無く、PCの起動速度も特に変わりません。むしろWise Care 365 PROでの十数回の起動計測ではクローン元の850EVOに比べて平均0コンマ数秒起動が遅かったりして(注:これはあくまで条件誤差レベルです)、少なくとも速くはなっていないので少しばかり肩透かしみたいな・・・(苦笑)

体感速度でも、850EVOの方が条件が良いとむしろカミソリみたいな切れ味で速いような気が(なんとなく)するのですが、反面レスポンスが速かったり遅かったりのギクシャク感が僅かにあるのに対し、860EVOは何をしても余裕があって一定してそこそこ速い感じで、変な表現ですが、おしなべて各種動作が安定する印象です。サブノートのASUS UL20FTに移植している先々代840EVOではもっとこのレスポンスのギクシャク感が強くてピーキーな印象があるのですが、840EVO/MQX850EVO/MGX860EVO/MJXとコントローラーが世代を重ねる事で、確実に動作が安定してきているのだと推測してます。なんとなく、850EVOのMGX世代では瞬間風速的な最速レスポンスを限界まで追求したもので、860EVOのMJXではピーク性能のみではなく、実用面での余裕と安定性の改善を命題にしたみたいな?(注:個人の憶測です)

HDD並みの低発熱

先代Samsung 850EVOの唯一の弱点が同一筐体内で併用しているHDDに比べてやや発熱が大きい点です。アイドリング時は35℃、通常稼働時の平均的な温度は40-42℃。少し負荷を掛けると47度くらいまで上がりますので、ノートパソコンのパームレスト下とかでは場合によっては熱いかも?云々。。。と850EVOのレビューをしたのですが、今度の860EVOは850EVOに比べると平均的に-5℃程温度が低く、HDDと殆ど変わらないレベルの発熱になりました。

《半アイドリング時 C:D:=850EVO E:=860EVO F:=WD Elements HDDです。》
Samsung SSD温度

現在850EVOと860EVOは、同一PC内でのデュアルドライブ運用にしていて、OSのC/Dドライブに850EVO、Eドライブに860EVO、Fドライブが2.5インチ外付けHDDになっているのですが、こんな感じでむしろWestern Digitalの外付けHDD WD Elements Portableよりも860EVO温度が軒並み低かったりします。ASUS VivoMini VC65は元々無音に近い静音型PCですが、発熱が少なければそれだけファンの回転数も上がりませんし、長期的な消費電力の面でも有利。加えて手狭なPC筐体内部の温度を全体的に低く抑えられますから、他のパーツ等々の寿命にも好影響を与る筈です。


860EVOにとって価格対性能面でのライバルとなるCrucial by Micron MX500の場合は発熱が弱点で、常用40℃台、高負荷になると50℃台まで上昇するようです。SSDそのものは一時的に50〜60℃ほどの発熱に晒されても物理的な問題はありませんが、PC内部のパーツ全てが高温に強い訳ではありません。廃熱の問題等でPC内部の温度をなるべく抑えたい用途の場合、Samsung 860EVOの方が圧倒的に有利になると思います。

価格.com:Crucial MX500 CT500MX500SSD1/JP: 温度について

TBW値が数倍、即ち長寿命

TBWとはSSDの書き込み保証値、即ち安全に書き込めるデータ量の上限目安のことです。2014年に管理人が最初に導入した840EVO 250GBのTBWは44TB/3年。2017年に導入した250GBの850EVO 250GBのTBWは75TB/5年※500GB/1TBは150TBW。このくらいのTBWは、毎日PCを事務作業で使い続けていると数年(管理人の使い方では予想7〜8年)で保証寿命に達すると考えられますが、今度の860EVOは寿命が一気に倍化され、250GB=150TBW、500GB=300TBW、1TB=600TBW、2TB=1200TBW、4TBモデルに至っては2400TBWというとんでもない書き込み寿命が保証されています。



Samsung EVOシリーズの場合、商品としての保証期間は5年間ですが、これだけTBWが伸びてくると、現行の2.5インチSATA接続規格が通用するPCを使い続けている間、事実上SSDの寿命を気にすることなく無限に使えると考えて差し支えないと思います。CrucialやSanDisk、WDなどライバルメーカーのSSDの場合、TBWが総じてSamsung EVOシリーズの半分〜2/3以下に留まっていますので、SSD寿命を鑑みると現状Samsung以外の選択肢はありえないと言えるくらいです。

長期使用後のランダム書き込みでの速度低下が圧倒的に少ない

SSDの寿命が長くなると問題になるのが、長期連続使用によるSSDの劣化、データの断片化に伴う速度低下です。840EVOの時点ではまだ、長期で使い続けるうちに徐々に速度が出なくなってくるのが体感レスポンスでもCrystalDiskMark上でも明らかでしたが、少なくとも850EVOについては2年15TB弱を書き込んだ時点ではまだ有意な性能劣化を感じていません。断片化はありますので使っていて徐々に体感速度が遅くなるのは事実ですが、適宜デフラグをしたり、ドライブデータを一旦まるっとバックアップしつつあらためて書き戻したりすると、ほぼ新品当初と遜色ない速度に戻るのが都度のベンチマーク測定でも判ります。ちなみに管理人はSSDのTBWチェックにSSD Life、デフラグにはDefragglerと以前に紹介したWise Care 365 PROのデフラグ機能を使っています。

SSD Lifeでディスクの健康診断を - SSD Life
Defraggler ファイルごとの断片化状況もわかるデフラグソフト

とはいえ、各種ベンチマークを読むと、新型860EVOに於けるダーティ状態でのランダム書き込み速度の低下については、非常に優秀且つ先代850EVOと比べても有意に劣化に強くなっており、長期間使い続けても速度低下を起こしにくいSSDを選ぶとなると、やはり860 EVOかMLC NANDを採用した上位モデルの860 PROのどちらかを選ぶのが妥当と言えそうです。

疑似SLC動作をするIntelligent TurboWrite機能の進化

2年前の850EVO 250GBのレビューでも書きましたが、Samsungの普及価格帯EVOシリーズではTLCタイプの3D NANDが使われていますが、その速度的弱点を補うために「TurboWrite Technology」を採用し、「RAPID Mode」メインメモリ拝借(最大4GB)→DDR2 SDRAMキャッシュ(512MB)→疑似SLCバッファ(3GB固定)→TLC NANDという順序でデータのやり取りがと最終的な記録保存が行われます。

Samsung SSD 840 EVOの「RAPIDモード」を試すicon

これが860EVO 1TBの場合には、より進化したTurboWrite Technologyである「Intelligent TurboWrite」が採用され、「RAPID Mode」メインメモリ拝借(最大4GB)→DDR4 SDRAMキャッシュ(1TB)→疑似SLCバッファ(6〜42GB可変)→64層 TLC NANDとなり、大容量データでの書き込み速度低下がより発生し辛くなるように改良されています。

Samsung SSD 850 EVO 「TurboWrite Technology」 SLCバッファサイズ(固定)
容量
120GB / 3GB
250GB / 3GB
500GB / 6GB
1TB / 12GB

Samsung SSD 860 EVO「Intelligent TurboWrite」 SLCバッファサイズ(可変)
容量
250GB / 3GB-12GB
500GB / 4GB-22GB
1TB / 6GB-42GB
2TB / 6GB-78GB
4TB / 6GB-78GB
メインメモリから最大4GBを拝借するSamsung独自のRapid Modeについては、管理人のようなデュアルドライブ環境の場合は適用がOSドライブ側のみの制限がありますので、セカンドドライブとなった860EVOについては通常モードでの運用になりますが、それでもDDR4 SDRAMキャッシュ(1TB)→疑似SLCバッファ(6〜42GB可変)のアドバンテージは確保されているため、体感的にはあんまり差が分からないくらい十分なレスポンスが得られます。

64層3D NAND「V-NAND」で圧倒的な高集積アーキテクチャ

分解して内部基板写真を挙げようと思ったのですが、壊さずに開ける方法を残念ながら見つけられませんでしたので、いつものようにPC Watchのリンクを貼っておきます。

信頼性が大幅向上した、メインストリーム向けSSD「Samsung SSD 860 EVO」
価格.com口コミ掲示板画像 860EVO

Samsung EVOシリーズは先代850EVOでも最小限のNANDチップ数でSSDの内部基盤がとんでもなく小さかったのですが、ご覧の通り今度の860EVOでは更に小さくシンプルになりました。これに比べると、他のメーカーSSDでは多数のNANDチップやコントローラーを基盤に並べていて、その差は歴然です。半導体やそれに伴う回路は、集積度が高い≒よりハイレベルでスマートな設計製造技術を持っていることと同義です。しかも発熱はより小さく、どれだけSamsungの設計開発陣が優秀で、現在進行形でSSD開発の最先端を進んでいるのかが基盤を見れば一目瞭然でしょう。

※ここからはSamsung 860EVOの欠点についてです。

サムスンは韓国のメーカーです

850EVOのレビュー各社SSD比較レビューでも触れましたが、民族的、政治的なアイデンティティの問題で韓国製品に拒否反応を持たれる方々が、特にネット上では一定数いらっしゃるので、今のご時世、サムスン関連のレビューを書くのって実はかなり勇気が要ることだったりします。性能よりも日本製である事が重要と考える方がいてもおかしくありませんし、その場合はSanDiskなりWDなりOCZなりCFD東芝製品なり、日本製のチップを採用したSSDから選ばれれば良いと思います。こういった性能差はあくまで同一PCの同一クローン環境で比較した場合に、神経質な人ならなんとなく判る程度ですから、一般的な環境であれば、他の一流メーカーからリリースされている日本製NANDチップ搭載のSSDや米国製SSDが、サムスン製SSDに実用上劣るなんて事はほぼ無いだろうと個人的には思います。

ただ、どことは云わないけれどSSD比較の検索で上位にヒットする比較サイトには、明らかに韓国或いはサムスンが嫌いなのか、SanDiskやCFD東芝など日本製チップ搭載のSSD推しで、ベンチマークの結果等を直視せず不当にサムスン製SSDの評価順位を低く下げているケースが見受けられます。製品メーカーの国籍を重要視するのはあくまで個人の自由だとは思いますが、ゆるふわコスモポリタンとしてローカルな政治事情からは距離を置くスタンスの管理人としては、余計なバイアスに左右されることなく、シンプルに製品の性能を冷静かつ客観的に検証した技術論の結果として、現時点でもサムスンのSSDを採用するのが個人としての一番スマートな選択という結論に行き着きました。


今回管理人が選択したのはSamsung 860EVOですけれども、予算に余裕がある方や、極めて重要なデータを取り扱われる立場にある場合には無条件でMLC NANDを採用した上位モデルの860PROをお薦めします。ただ一般ユーザーに於いてコストパフォーマンス重視の家庭用SSDとしては、メインストリーム向けのモデルとしてTLCを採用し860EVOでも、実用上は充分な性能を発揮するようにPROに肉薄する設計が為されていて、同クラス他社性SSDを周回遅れにしつつ、確実に1世代リードしています。メーカーの国籍には特に拘らない理論派の皆さんには、現時点の性能重視でサムスンのSSDを推奨しておきたいと思います。むしろ今だだからこそサムスンのSSDを敢えて選ぶという選択、ユーザーの理性と知性が問われているのかかも知れない?なんて感じるのは少しばかり考えすぎでしょうか?(゜ワ゜)

Joshinweb クーポン対象 SSD

長くなったので後編はSamsung Data migrationを使い、850EVO⇔860EVOへSSDのクローンコピーを作った際に見舞われてしまった、いくつかの小さなトラブルと解決法についてと、SSDの音質及び860 EVOのまとめですd(^_-)

【各社のSSDを独断と偏見のみに基づいて比較してみる】
比較2017850EVO比較2019|860EVO【中編】|860EVO【後編】

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