5月の終わり、某SNSでお世話になっているディスクユニオンの店長さんのお薦めで予約をしたStereo×LUXMANのONTOMO付録ムック、真空管ハーモナイザーキットが届きましたので、さっそく組み立ててみました。ちなみに実はこれ、管理人にとって人生初のLUXMAN製品だったりします。
快音!真空管サウンドに癒される
真空管ハーモナイザーってなんぞや!?と思われるかも知れませんが、80-90年代に流行ったCDプレーヤー向けのライントランスや、1:1以上の増幅をしない真空管ラインバッファーアンプ等々の仲間です。真空管のラインバッファーと云えば、その昔X-10Dなど英Musical Fidelityからも出ていましたね。国産ガレージメーカーではムジカのcdb40/cdb41もありました。これらを各種プレーヤーとアンプ間のアナログラインに敢えて咬ませることで、一種のエフェクターとして音質を耳に心地よく変えてしまおうという、ピュアオーディオ的にはある意味、少々邪道的かも知れない位置付けのオーディオコンポーネントでございます(≧◇≦)
LUXMAN 真空管ハーモナイザー基板
中身を見て驚いたのですが、シンプルな構成ながらシャーシ及び基板のパーツや組付けが付録向けのやっつけ仕事では無くて、LUXMANのもの凄い本気を感じます。新しいのに既にビンテージの薫りがして、とても懐かしく愛おしい。付録の原価的な制約の中で、敢えてDACではなく真空管ハーモナイザーという狙い所もニクいですねd(^_-) キットと云っても、ハンダゴテを使ったり電気回路の知識が必要なワケでは無く、出来上がっている基板を箱に組み入れて要所をネジ止めする程度の簡単なものです。
真空管ハーモナイザー基板
必要な工具はプラスドライバと、あれば8mmのスパナか六角レンチのみ(※電源スイッチの取り付けがしっかり出来ます。)塗装済のシャーシは鉄製で薄く、デザインも質感もなんとなく昭和感を漂わせています。加工精度は高いものの鉄板が薄くて組み上げ時に歪みやすく、ネジ穴がキツい組み立て最初のネジ止め時にはやや注意が必要。かなり気をつけてトライしたつもりでしたが、それでもシャシー用に12本あるうちの1本だけ莫迦にしてしまいました・゜・(ノД`;)・゜・。
真空管ハーモナイザー組み立て
ちなみにこの付属ネジは非磁性体。真鍮のニッケルメッキかステンレスかは不明。たぶんネジを紛失したり私と同じ失敗をする人は少なくないと思うので、ネジを最初から少し多めに入れてくれていたら良いのにと思ってしまったり。。。良く見るとムックの表紙の撮影に使われているプロトタイプはネジの色が違い、しかもちゃんと刺さっていませんね(苦笑) ちなみに冊子の本文にはネジの締め加減やシャシーの歪み・・・取り付け次第で音質が色々変わるので各々調整して欲しいと述べられています。
LUXMAN真空管ハーモナイザー
取り敢えずLUXMAN 真空管ハーモナイザーをメインシステムのCDプレーヤー CEC TL5100Zのアナログ出力に追加してみました。初期インプレですが、甘く優しいフェザータッチで、滋味深く、懐かしく、幸せな音がします。深夜の小音量リスニングにこれは最適♪ こんな安価なキットでも充分に俗に云うラックストーンが感じられます。ラックストーンでも、濃厚に蕩けたコッテリしたタイプでは無くて、程よくほんのりとラックスの艶が効いている感じでクドくならず好印象。全体としてはF特がやや中域の張り出したゆる〜いかまぼこ形になるイメージなのですが、音場は良く広がり、特に残響と間接音成分が多く、低域方向はあたりがソフトで優しく、音楽的な弾力感があり柔らかな雰囲気ですが、このゆったりした量感については送り元のCDプレイヤーに割と依存してるのかな。


中域は有機的かつ音楽的。高域方向は音像がスリム且つシャープでキラリとした輪郭感もあるため(※これはMIT Terminator4の影響ですね) 全体としては古いラックス的な濃厚さと云うよりは、むしろスッキリと爽やかにまとまっている印象です。(前後に組み合わせるケーブルである程度印象が変わると思います。) f特が仄かにカマボコ気味でフラットに聞こえないのも、真空管の銘柄次第で現代風のワイドレンジ傾向にしたり、更にナローでニュアンスを濃厚にしたりなど、みなさんそれぞれの好みに弄れそうな雰囲気。その辺りは真空管の交換や回路部品の追加や変更など、付録本誌ではDIY例が色々と紹介されていますので、腕に覚えのある方は挑戦してみるのも一興かとd(^_-)

低域の柔らかさは送り出しのベルトドライブCDプレイヤーの影響が大きいのですが、付属の3Mのゴム足の影響もかなりありそう。ここを何らかの金属系素材を含むハイブリッドインシュレーター等に変更する事で、低域方向の解像度が改善される予感。


深夜ですので家族が起きてきて五月蝿いと言われてしまい再生停止。ベルトドライブCDP C.E.C TL5100ZのPCM1702アナログ出力で、柔らかい音色の機器同士の組み合わせですけれども、ベルトドライブの高域のアナログ的な地味さと輪郭の甘さを、真空管ハーモナイザーの艶と解像感で補ってくれて、この組み合わせはとても相性が良いです。

・RCAケーブル前段 MIT Terminator4(工事中)
・RCAケーブル後段 Stereovox HDSE
・電源ケーブル オヤイデ L/i15dpc 極性はテスターで合わせた。[シャシー電位 0.26V or 0.3V ]
少なくとも真空管ハーモナイザーキットに加えて追加で前段のケーブルは必要になりますし、あくまで前後のケーブル含めてのレビューではある点をご了承ください。
LUXMAN真空管ハーモナイザー背面
このケーブル組み合わせはあくまであり合わせでの暫定ですので、バーンインが済んだら相性を探して替える予定。ここはやはりJPR-100など、純正LUXMANのRCAケーブルが合うのは間違いなさそう♪


例によって真空管ハーモナイザーのキットよりも繋げているケーブルの方がお高いという少々お間抜けな組み合わせですけれども、ケーブル遊びとは違って本質的な部分の音質が変わりますので、ハーモナイザーを追加するほうが、何万もするケーブルより更に有意義な変化をもたらすようにも感じます。

余計なエフェクターを追加するのは個人的にシンプルイズベターの考えからは遠ざかるのですが、聴感上良く出来た音作りで、相性を外さなければデメリットよりもメリットの方がこれに関しては上回る印象です。さすがLUXMANの面目躍如。古いCDプレーヤーなどの安価なデジタルプレーヤーがこれ一つで蘇る感じですね。StereoやDigi-Fiの付録ムックって、中身次第で何年も売れ残る場合がままありますけれど、今回のLUXMAN真空管ハーモナイザー直ぐ売り切れそうな予感。個人的にはオヤイデの電源ケーブル自作キット以来のヒットです。※実際発売直後に売り切れてしまい、その後はマイナー店舗での散発的な入荷/購入報告のみの状況が続いています。・・・出来れば再生産して欲しいところです。


深夜と云う事でヘッドホンでの試聴に切り替えたのですが、これがまた良い。私、圧迫感が嫌で滅多にヘッドホンは使わないのですけれども、響きが多くなって録音の継ぎ目とかも暗騒音が何気に良く聞こえるようになります。何より耳当たりが良くなってヘッドホンの音質を苦痛に感じないのが有り難い。真空管と云う事で残留ノイズが気になるところですが、うちのヘッドホン環境AIZER AZ C700で私に聴こえる範囲では、むしろ可聴帯域内でのS/Nは充分良好に聴こえます。

真空管ハーモナイザーを使う最大のメリットは、真空管で偶数次の歪みを付加することで音色が脚色されて綺麗になる・・・という点だけではなく、音楽性、音楽表現力が大幅に改善される点にあるのではないかと感じます。当たりが柔らかいのですけれど膨らみ過ぎず、聴いていて品が良く、描写が丁寧で、独特の艶と明るさが加味されていて、そういやこれって何かに似ているなぁと思ったら、昔のYBAの音にほんのり近い気がする。。。ベルトドライブCDプレーヤーとYBAのプリメインアンプを組み合わせたときの音色ですね。あの艶っぽい雰囲気がこの価格で得られるのですから、なんという価格破壊・・・みたいな(*^▽^*)

o-greenJoshinwebでLUXMAN製品を比較する

AH! Njoe Tjoeb 4000 CD player など、普及価格帯のCDプレーヤーやDACに真空管バッファを搭載する方法でクラスを超えた音質を実現している機種が(特に海外機には)昔からしばしば見受けられましたが、確かに、この真空管ハーモナイザーを追加するだけで、明らかに聴感上の音質は1〜2ランク上のグレードに引き上げられたかのようになり、見事に心地よい美音へとメタモルフォーゼされます。シンプルイズベストのピュアオーディオ的には禁じ手になるかも知れませんが、高精度でハイレベルな物量投入が許されないローコスト環境では、こういった方法で実用上の音楽性を高めるというのは十二分にアリではないかしら?。何より音楽が楽しく聴けるのに、真空管ハーモナイザーをわざわざ忌避する理由は無いかなと。

数時間から丸一日通電を続けることで、最初に感じた少しおとなしい感じが消え去り、音に生命力が出てきて徐々に鮮度感と解像度が改善してきました。結果的に、CDプレーヤー直の音よりも何故かボリュームがほんの少し上がって聴こえます。高次倍音の艶が乗って、僅かにエネルギーが付加されているような雰囲気。
真空管ハーモナイザーCI AUDIO VDA2
ここで敢えてL/Rの逆接続を試してみます。真空管の個体差もあるでしょうが、オーディオ製品ってステレオ設計でも必ず左右の音質が全く同じという訳では無く、左右の部品の精度差やそもそもの回路や筐体の非対称性からモノラルで聴き比べてみると厳密には左右で少し音色が違っていることが多いのが普通です。ですので、敢えて逆接続で試してみると、システム側かキット側もしくは双方の音質差から、個体差レベルで音色が違って聞こえるんですね。通常、逆接続にすると左右が入れ替わってしまいますが、このキットの場合、入力と出力をともに逆接続にすれば、アンプへの入力は正接続になりますので、左右反転せずに回路の左右の音質差からく来るシステムとの相性を試すことが出来ます。

という事で試してみたのですけれども、L/R逆接続にするとよりフラットでハイスピードで元気なHi-Fi傾向になりました。前述のレビューにある緩いカマボコ傾向が解消される代わりに上下の音場が少し狭まり、音像がキリッと前に揃って明るい昼白色系になり、ラックストーン的な金色の着色感や、奥行き方向に深い音楽表現のたゆたう感じが半減して聴こえます。これはなんというか、聴き手の好みによってどちらが合うのか変わりそうな類いの良し悪しだなと・・・。結局、直ぐに順方向接続に戻しました(^^;)。あくまで同じ音質の範疇で相対的な話ではあるのですが、もし逆接続で先に試していたら、前述のレビューポエムの文章がある程度変わるくらいには違って聴こえるのが怖いところです・・・。

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YBAのサウンドに似てるって印象も順方向では類似性を感じますけれど、逆接続では完全に言い過ぎになってしまいますね。尚、こういった偏差は製品の個体差と共に、此処のオーディオシステムの総和に内包する左右差と環境に拠って得られる結果が全く違ってきますので、それぞれどちらが皆様のお好みに合うのか?トライしてみて下さいませ♪

経過報告♪
数週間使い続けて初期のバーンインが終わり、音質が安定してきました。やはり真空管ハーモナイザーの美点は、響き、潤い、ラックストーンの明るい艶を載せてくれるところですね。録音がデッドだったり、ドライ傾向で聞き辛い音源の再生音を耳に心地よい方向へ仕立て直してくれます。弱点を挙げるとすると、余計な機器を挟むのでディテールの鮮度が落ちる傾向はあります。エフェクターとして色付け、偶数次の高次倍音を積極的に付加する事の功罪はどうしても無くは無いので、録音テープの継ぎ目が聞こえるような超ハイレベルなS/N感をオーディオで追求したシステム等ではボロが出てしまうかも知れません。ただ、そこまでS/Nに優れて高分解能なオーディオシステムをお持ちの方はそう多くは居らっしゃらないと思いますので、ミドルクラス程度迄のオーディオマニアさんや、特にスペックよりも聴感上の心地よさと音楽性を重視した音楽ファンの皆さんに向けては、幅広くお薦めできるキットだと自信を持ってお薦めしたいです(*^▽^*)
CEC_TL5100Z_真空管ハーモナイザーLUXMAN
現在はオーディオラックではなく敢えてベルトドライブCDプレーヤーの天板(鉄製)に直接載せて、入出力用のRCA接続ケーブルについては、入力側に CHORD C-line、出力側にRed Dawnを入れています。当初の組み合わせよりは相性良好♪ 更に入口側はCHORD C-lineを外してNORDOST Blue Heavenを咬まそうかなぁと思案中。電源ケーブルにはオヤイデL/i15dpcを外してNORDOST SIVAを宛がおうかと考えていますが、電源ケーブル側のインレットプラグをC7メガネプラグに取り替えるのが面倒で放置中・・・(滝汗)。キット付属の真空管は中国製の最低限のクオリティのものみたいですけれども、替えの真空管も取り寄せてあったりするので、後日また真空管交換等での音質変化について色々レビューしてみようかと思います。

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