セルゲイ・ラフマニノフ全集 “His Complete Recordings”

北京オリンピック開幕~。という事でなんだか良くわかりませんが人が来ません。先週の金曜日も今年一番訪問者が少ない(涙)と書きましたが、今日はまたそれより少なくなりそうな悪寒。。。猛暑だからかしら…orz

ラフマニノフ全集

あんまり暑いので涼みにTOWER RECORDに寄る。クラシックCDコーナーを端から眺めていたらこんなのを見つけました。

ロシアの作曲家でピアニスト、セルゲイ・ラフマニノフ本人がRCAに残したピアノ録音全集の輸入盤10枚BOXセット。離れた棚に2箱置いてあったんですけど、何故か片方が5500円くらいで、もう一方が2400円ちょい。勿論中身は全く一緒。値付け間違い???なのかはお店の都合だと思うので、キョロキョロしながらそそくさと安い方を確保させていただきました・・・…。


Wikipediaに国内盤の詳細情報が載っているのですが、

RCAからCDで発売された「ラフマニノフ全集」(10枚組、国内発売1992年・再発売1997年)は、エジソン社とRCAに残された総てのラフマニノフの演奏による音源を復刻したもので、4曲の協奏曲、交響曲第3番、交響詩「死の島」、多くのピアノ作品、歌曲を含む。クライスラーとの共演によるグリーグのヴァイオリンソナタ第3番などの室内楽曲の録音、自作以外のピアノ作品の演奏も含まれている。これらの幾つかは、ナクソスその他のレーベルでも復刻されている。

との事です。帰ってからHMVやTOWER RECORDSで同じBOXセットを検索しても出てきませんので、安すぎて既に在庫無しか廃盤商品だったりするのかしら。。。?(歴史的資料価値のある録音ですので何らかの形で今後も再発売されるでしょうが・・・) Amazonにはマーケットプレイスに在庫があるみたいですが、価格はご覧の通りです・・・(@_@;)。

このうちのいくつかの録音は↓のRCA国内盤で持っていましたので、そちらの音質とも比べてみたいところ。。。(まだ10枚再生してないので後日ここへ追記します)

演奏は、今更私が書くまでもありませんが、録音が古くてノイズだらけというマイナスポイントが吹っ飛ぶほどの超絶演奏ばかり♪ というか、信じられないくらいピアノ上手いです。ロマンチックで即興的で緩急自在な抑揚表現とアーティキュレーション、超絶に繊細且つ小さいピアニッシモとフォルテッシモのコントラスト。かなり速いテンポの演奏が多いのですが、技巧をひけらかす稚拙なスピード感を一切感じさせない熟練度、有無を云わさず聴き手を音楽に引き込み意識を引きずり回す集中力。。。どれを取っても超一流♪

今現在生きている現役のピアニストでこれだけ弾ける人はいません(断言!) 正に天才的音楽才能+ピアノ演奏技術+身体能力ぶっちぎりの異次元世界です。デジタル時代まで生きたラフマニノフに近いレベルの演奏スタイルといえば1989年になくなったホロヴィッツを思い浮かべますが、たぶん当時生演奏で比べたら、ホロヴィッツ何その若造美味しいの?くらいの差があったような気がします。(注:これはあくまでテクニックではなく表現力に主眼を置いた上での私の想像です。) ホロヴィッツの我が侭即興?やミスタッチにツッコミを入れる人でも、偉大なる作曲家のラフマニノフ様には恐れ多くて諫言出来ないですよね♪

ラフマニノフ自身に、この曲を私より上手く演奏すると言わしめた30歳年下のホロヴィッツが弾くピアノコンチェルト第3番。作曲者本人による自作自演の演奏評価が芳しくないのがなんだかなぁという感じですが、音楽的表現の巧さはラフマニノフ自身の演奏が多彩ですが、ホロヴィッツがラフマニノフを崇拝していたのに対し、自作自演の方は本人であるが故に自分に対するリスペクトが感じられない(ちょっと冷めてて所々投げやり気味)のがポイントかも。教えてGoo!の書き込みを引用するとこんな感じだったらしいです。

ラフマニノフ本人もこれの録音を遺していますが、そのリハーサル中、指揮者のオーマンディに「ホロヴィッツならこんなふうに弾くかな? ホロヴィッツならどう弾くだろう? もっと速く弾くだろうか? もっと遅くかな?」とか、そんなことばかり尋ねていたとか。

にゃはは、ショパンもリストなら僕の曲をこんな風に弾くかな?とかやってそうだ。 ちなみに上の国内盤CDは192kHz最新リマスタリング/ルビジウム・クロックジェネレーター使用最新カッティングだそうです。同一音源のSHM-CD(BVCC-34418)が2008年10月に発売予定です。

ラフマニノフ、顔は怖い。。。ラフマニノフが有り難いのは、本人自身の演奏がこのように沢山残っているので、楽譜に全てが書かれている、楽譜の指示通りに弾け!という様な、杓子定規で凝り固まった無能なピアノ演奏解釈を、当人の超絶演奏で軽~く一ひねりできるところ。実際にはショパンもリストもブラームスもラフマニノフと同等以上に即興的でロマンティックな、今の基準では驚天動地のぶっ飛び演奏をしていた事が、多くの文献や直接の弟子達の演奏スタイル、本人達の装飾音の扱い方などからうかがい知れるのですが、肝心の本人達の録音が存在しないために、音楽に込められた真意を、後世のクラシック音楽会に於ける教育的、権威的解釈によって簡単にねじ曲げる事が可能になってしまいました。

20世紀後半以降に出てきたあらゆる制約を含むコンクール向けピアノ演奏、音楽的表現と情緒を軽視しつつ、スポーツのような、均質化した正確なタッチに基づく技巧とエチュードの如き解釈、こういうものは当時の作曲家達の作った音楽の本来のあるべき姿からは正反対の価値観から生じている、楽器を触りながら音楽を霊的に体感出来ない連中が頭で解釈しようともんどりうった結果の脳内学問による産物だと思うのですが、そんな音楽の本質を否定するような演奏こそがクールで知的というような、感性と知性の立場を逆転させた、才能の欠如した奏者に都合の良い演奏理論なるものが、何故か20世紀後半の正統派演奏スタイルとして幅を利かせている…私はそれがクラシック音楽が音楽好きの手を離れて自称知識人達のオモチャに成り果てた元凶だと思っています。そんなクラシック音楽の冬の時代は早く終わって欲しいものですが、、、残念ながらまだまだかなぁ。。。(遠い目)

とまぁ、無名の私がここで愚痴を言ったところでどうしようもないし、そういうのはヘタウマでも温厚なルイサダ先生や、保守的ピアノ教育者の皆様に非難囂々のフジ子先生とかにお任せするとして、とにかくラフマニノフは凄いです。ピアノとは、音楽とは本来こうやって弾かれるものという一つの規範となるべき演奏がここにあります。自作自演は神憑りですし、他の作曲家の曲ではあまりの超解釈にニヤニヤ出来ます♪しかもここまで上手いと、才能あるけど技術が怪しいヘタウマ系のピアニストをボロクソに非難する連中も否定できない。だって、コンピュータのように正確で無表情な天才技巧wの某ピアニストよりもっと指が回る回る、どこを取っても巧過ぎちゃってツッコミ入れられないもん♪

デトロイトメタルシティ
おまけ。タワレコでこんなシールを貰いました。。。どうしろというのか(^^; デトロイトメタルシティが好きな人は欲しい?

それにしても北京オリンピックの開会式凄いなぁ。私にとってはハイビジョン(パイオニアのピュアビジョン)で観る初めての夏のオリンピックだったりしますが、演出も電飾も規模も今までとは桁違いか。なんといいますか凄い人海戦術。国力の差をまざまざと見せつけられるような複雑な心境です。アナウンサーと谷村新司さんが再三、大きいですね~♪と出てくる人海戦術アートのオブジェ?に驚嘆していますが、42型くらいの画面サイズではいまいちスケールが伝わってきません。。。むぅぅ。

何気に開会式で中国を代表する若手ピアニストのラン・ラン(Lang Lang)が演奏していたのが…。

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コメント一覧 (8件)

  • 先日BS2で中村紘子さんの演奏を眼にして以来ラフマニノフのCDを探していたのです。本人の演奏が残されているとは!
    コンテンポラリー・ミュージックとしてその頃一世一風靡していたんでしょうね。
    モーツァルトであれ、ガーシュウィンであれ、ビートルズであれその時代のカリスマ達は後世の批評なんて超越した技巧・存在感だったのでしょう。
    ぜひとも聴いて見たいと思います。

  • >Kuniさん
    おはようございます。
    上の記事を一部修正して、ホロヴィッツとラフマニノフの関係を加筆しました。
    中村紘子先生ですか~、その番組は観逃してしまいました。ラフマニノフの曲をレパートリーにしている女流ピアニストで私がお薦めなのはロシアのリーリャ・ジルベルシュテインです、彼女が未だ20代だった頃、最前列で生で聴いて確信しました。ドイツグラモフォンに残しているラフマニノフのレコードは、前奏曲集(廃盤)とピアノ協奏曲2/3番があります。解釈としては模範的で、ラフマニノフ本人やホロヴィッツのような天才的で突き抜けた演奏ではありませんが、両方とも上質な録音と、丁寧且つロシア的リズムと血の通っている演奏です。
    http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_ss_m?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dpopular&field-keywords=%83W%83%8B%83x%83%8B%83V%83%85%83e%83C%83%93%81@%83%89%83t%83%7D%83j%83m%83t
    ジルベルシュテイン/アバド指揮/ベルリンフィルの演奏については、Amazonに的確なレビューがたくさん上げられていて驚きました。ただ、先に上記で挙げた歴史的名演を聴いてしまうと、多くの場合現代のピアニストの弾き方はスカスカに聞こえちゃうので、音質も含めて、曲を知らない人は名盤よりこちらを先に聴く方が良いと思います。
    次に、名演としてはあまり取り上げられてないけど、私自身が意識を没入できるのがホルヘ・ボレットの演奏。2番のみですが、ラフマニノフのピアノ協奏曲としては非常にゆっくりで、大人の情感で夜想曲の如くしっとりと歌い上げる静かなラフマニノフ。作曲家本人もホロヴィッツも凄すぎて疲れるので、自分にとっての模範演奏はボレットです。
    http://www.amazon.co.jp/dp/B00005HW1A/pastelaudio-22
    国内盤は音の輝きが足りないので同演奏の輸入盤が欲しいのですが、絶版してる。。。

  • ラフマニノフといば、アシュケナージと刷り込まれてました。CD売り場にいってもアシュケナージばかり。ホロビッツ大先生が、天才とはいくら素人耳でもわかりますが、ラフマニノフも凄い演奏なのですね。ラフマニノフといえばピアノ協奏曲第2番。映画のサウンドトラックにも使えそうなドラマティックで、メロディアスでロマンチックで。クラシックの作曲家としては古典派好きの人からはどう思われてるのでしょうね?わたしは、大好きです。クラシック至上主義ではなく、ポップス、ロックも聴く人にとってはサティと同じく惹かれる作曲家のひとりだと思います。それにしても、パステルピアノさん、いい買い物しましたね・・。半額でBOXセット購入とは、うらやましい限りです。ジルベルシュテイン、ボレットも聴いてみます。では、また。

  • クラシックのピアノの演奏録音はアシュケナージに支配されていますから…。 彼は若い頃からもの凄いペースで多くの作曲家のCDをリリースして来ました。レコード店のクラシック音楽売り場に目を瞑ってCDを手に取ったら、かなりの高確率でヴラディーミル・アシュケナージのピアノと指揮という事になったり。
    既にメジャーな作曲家の作品は録音していない方が少ないくらいです。凄いとは思いますが、短時間で量産するという事は、音楽家として譜面の読み込みや演奏を練り込む時間がないという事でもあります。基本的にオーソドックスな解釈で、(教則用のお手本として)下手な演奏を聴くよりはアシュケナージの方が良いですが、聞き込むにはディテールの表現が大雑把で、佳演を超える良い演奏がなかなか少ないのも事実です。外れが少なく一定水準の演奏であるため、DECCA輸入盤の激安BOXセットとしてはまあまあ魅力的です。
    あと、生演奏を聴くと判りますが、アシュケナージの実際の音は録音と大きく乖離していて、英DECCAの金属的でハイスピードでクールな特殊な音質が、彼の演奏を録音上の加工によって緊張感のある派手で鋭いものに誇張しています。この点は日本でEXTONレーベルで録音しているディスクの方が本人の本当の音質に遥かに近いです。
    >古典は好きの人からはどう思われてるのでしょうね?
    作曲家の好き好きは人それぞれですので気にしなくて良いと思います。特に古典派が偉いみたいな話はスルーが吉です。 おっしゃるとおり他のジャンルが好きでクラシックに馴染みが薄い人は後期ロマン派~近代の方が耳に馴染むかも知れません。映画ではコンチェルトの3番が「シャイン」で使われてました。ただ、私が好きなラフマニノフの曲を挙げるとしたら良く知られた旋律の協奏曲よりもピアノ小品の前奏曲集です。特に作品32の5番と12番。上で挙げたジルベルシュテインの廃盤CDでも収録されています。

  • こんにちは ご無沙汰してます いつも読み逃げのオイラ
    すまんこってすm(__)m
    10枚で2400円!…そんなんあり?(@@)
    所持するCDの総枚数900くらいかな(数えてないからわからん)
    そのなかでクラシックはわずか11枚前後
    そんななかに私もラフマニノフもってました(^^ゞ
    p協奏曲2番ハ短調作品18
    レオポルド・ストコフスキー指揮フィラデルフィア管弦楽団
    p協奏曲3番ニ短調ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団
    90年6月21日RCA GOLD SEALのCDなんですけど
    録音状態悪すぎ>< 古いラジオから音楽が流れてでてくるみたい ぅぅぅ
    2番が1929、4月 3番が193910月、19402月録音みたいだし
    CDジャケットのどこにもステレオって書いてないし
    わがオーディオからは もろモノラルで出てくる><
    たまに聴くと欲求不満が噴出するCDなんです

  • >グレアムペンギン♂さん
    おひさしぶりです~♪夏バテで遅レス失礼しますm(__)m
    そのCDは思いっきり初期のモノラル音源ですね~。上の10枚BOXに含まれている演奏と同じ筈です。悲惨な音質ですので普段クラシック聴かれない方には辛いと思います。シンプルなピアノソロの録音はまだ聴けるんですけど、当時のオーケストラ録音を耳障り無く再生するのは色々な意味で難題…協奏曲に関してはあくまでラフマニノフ本人の演奏を確認するための資料であって、曲を愉しむには奇麗にステレオ録音されたCDの方が良いと思います。

  •  ためになる面白いお話をありがとうございます。
     ***************************
     ホロヴィッツ何それ美味しいの?
     →ホロヴィッツというもの(者、物)を全く知らずに食べ物と誤解してる という意味
     ホロヴィッツ何その若造上手いの?
     →ホロヴィッツは若いピアニストであるということしか知らない(評判は知らない) という意味
     ホロヴィッツ何その若造美味しいの?
     →意味不明です。

  • ぱすてるぴあの様
     を冒頭に書くのを忘れてしまいましたm(_ _)m

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