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超音波洗浄機サンワサプライ 200-CD037って本当に効果あるの?その3 洗浄液にエタノールを使ってみたてすと!?

【おすすめ超音波洗浄機 使用レポート】
その1その2|その3|GT SONIC烏龍茶

超音波洗浄機サンワサプライ 200-CD037。前回のCD洗浄テストでは、期待していただけに思ったような音質傾向には至らず少々期待外れでした。だがしかし6000円も出して購入したガジェットです。眼鏡やアクセサリ小物、腕時計等々で多目的に利用できるとは云え、このままでは悔しいですので水+界面活性剤以外の液体でCDをクリーニングした場合はどうなるのか!?と、試しに手元にあった消毒用エタノール@ほぼエチルアルコール78%を試してみることにしました。

消毒用エタノール エチルアルコール日本製

消毒用エタノールの内容成分はエタノール(エチルアルコール)76.9%~81.4%@15℃。残りの成分は水ですが、ライト/IPなどと表記されているものはエタノールに加えて微量にイソプロパノール(IPA/イソプロピルアルコール)を含有します(注:そのぶん酒税がかからず価格が安いのです。)本当は無水エタノールが良かったのですけれど、たまたま手元にあったのがこの3種類で、成功するかどうか判らないテストに敢えて高価な無水エタノールを購入するのも気が引けましたから、今回は取り敢えず手元にあった消毒用アルコールで代用してみたいと思います。

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アルコールはCD(ポリカーボネート)の洗浄に使えるのか?

化学薬品耐性表(アソー)でポリカーボネートについて調べてみると、エタノール(エチルアルコール)には無水/加水問わず20度で「30日間の接触でダメージなし」。50度で「30日間の接触でわずかなダメージあり」とあります。ポリカーボネートの耐熱温度は120℃ですが、成分によっては50~70℃程度でも、温度上昇に伴い薬品耐性が下がるケースが結構あるみたい。

◎ イソプロパノール(IPA/イソプロピルアルコール)
〇 エタノール(エチルアルコール)
△ エタノール(エチルアルコール) 50℃/30日間
× メタノール(メチルアルコール)

イソプロパノール(IPA/イソプロピルアルコール)はAGC旭硝子の昔の説明でポリカーボネートが汚れた際にイソプロピルアルコールでの洗浄を推奨していますので大丈夫っぽい。上記化学薬品耐性表でも50度×30日間でダメージ無し。光学式ピックアップレンズのクリーニング液は大抵イソプロピルアルコールがベースですので、エタノールよりも適切と云えそう。

ただ何やら直射日光を当ててはいけないらしいので、紫外線と反応すると黄変の危険があるのかも。。。ちなみにあまり持ってる人はいないと思いますが、ポリカーボネートにメタノール(メチルアルコール)は×

それから、何気にアルカリイオン電解水にありがちな水酸化ナトリウムは濃くても大丈夫ですが水酸化カリウムは駄目で、一番安全そうな炭酸ナトリウムが駄目とか目からウロコでした。。。あと酸素系漂白剤に使われる過酸化水素水は大丈夫みたいだ。。。そういや経年劣化で黄変した白色プラスチックって、過酸化水素水(オキシドール)を入れた水に浸けて日光に当てると白く戻るんです。

outゴム・プラスチック類の耐薬品性一覧表
out耐薬品性一覧表
outプラスチック耐油性・耐溶剤性・耐薬品性一覧表
out三菱EP ポリカーボネート樹脂の特性
outAGC ポリカーボネートシート(カーボグラス)物性表
outタキロンシーアイ ポリカーボネートプレート総合技術資料

但しこの辺りの化学薬品耐性について更に色々調べると、イソプロパノールの扱いがエタノールと同等で一段下だったり、水酸化ナトリウム/水酸化カリウム/水酸化カルシウムが同列で安全扱いになっていたり、公表データによってバラツキがあり、諸説アリ的な雰囲気も。。。特にプラスチック・ゴムの一般耐性表で割と記載がメチャクチャでかなりカオス。とりあえずポリカーボネート製造メーカーによる公表値をより信頼性が高いと見做すとして、常温短時間であれば、イソプロパノールとエタノールは問題は無さそうかな~と(あくまで自己責任)。それからCDにプリントされているカラー印刷等への影響についてははまた別の話。80年代の露メロディアや仏ERATO盤だったかな、一部の初期輸入盤の印刷がアルコールで色落ちしたことがありました。

アルコールを使ったCD/DVD/Blu-rayディスクの洗浄方法

超音波洗浄機での洗浄方法は水道水(ぬるま湯)を使用した前回水道水(ぬるま湯)を使用した前回と概ね同じですが、消毒用エタノールの温度は室温です。揮発性に期待したのですが無茶でした。洗浄後の自然乾燥には結構時間が掛かりますし、温度が低いのでキッチンペーパーでの吸水もイマイチ。

internalCD拭き取りクロスよりもシルコットorキッチンペーパーの併用がお薦め

結局、眼鏡レンズ用のクリーニングクロスで慎重に拭き上げつつエアダスターでブローする方法を取らざるを得ませんでした。この点は、より揮発性の高い無水エタノールかIPAイソプロパノール100%を使用すれば非接触の自然乾燥でもいける可能性があります。エタノールで洗浄したCDは触れるとかなり脱脂されていて、水+少量の界面活性剤とは洗浄後のサッパリ感が明らかに違います。

消毒用エタノールで超音波洗浄したCDの音質傾向

さて肝心のエチルアルコール×超音波洗浄後の音質です。これは水道水での洗浄と音傾向が全く異なりました。一聴してパリッとした明るい音です。音楽の流れは快活軽妙サッパリ系。この方向性でしたらそれなりに音質が良くなったと捉えても良いかも!?エタノールでの洗浄は元々の盤の持つ音色の輝き感や音場感はやや減退する方向で、艶消し気味のドライな音色になります。結果的にリアリティが増しモニターっぽい音になったようにも感じますが、個人的には音場感、響きがたゆたう感じが減退するところがネックかな・・・。低域方向は軽めです。音像重視でパリッとした音を聴きたい場合は良いかも。。。ちなみにこれ、超音波洗浄器とは関係なく消毒用エタノールをCD盤面に吹きかけてクリーニングクロスで拭き取った際の音質傾向と実はほぼ同じですが、より明確になる印象。

沢山クリーニングの必要がない方にはCD専用クリーナーで十分かも》

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特に音が篭もっていたり曇っていたりするCDの音質改善にエタノールは有効そう。水道水での洗浄で音が重くなってしまった数枚のCDは全てエタノールで再洗浄しました。エタノールで処理した音質の方が個人的に許容範囲ですから・・・。とは云えエチルアルコールでの洗浄も非可逆であることには変わりありません。新品のプレスCD盤を覆っている微量の機械油?らしき滑らか成分をゴッソリ落としてしまう訳ですから、新品同様の音色にはなりませんし、新品CDをエタノール洗浄した場合も、処理後の盤面を触ると明らかにすべりが違ってしまうと思います。

レモグロ CD・LPリペアクリニカ

それならまた油分を塗ってやれば~みたいな考え方も出来ますが、90年代にはスクワランからフッ素系まで油性のCDコーティング剤が数多く出回っていて、若気の至りで色々と試したことがある管理人からすると、CD盤面を軟化浸食するから止めておけ~って感じです…。。唯一良いなと思ったのがイギリス製のBibなんとか。使いかけのスプレーが何処かににしまってあったと思うけど見つからん・・・。イギリスの放送局やラジオ局とかで採用されている傷ついたCDを復活させるとかなんとかのスプレーで、ママレモンと油を混ぜたような液体でした。商品名もうろ覚え・・・。もし出てきたら懐かしの逸品と云う事で紹介するかもしれません(^^)

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あらためて超音波洗浄器について調べてみました

ついでですので、あらためて超音波洗浄器について調べてみました。洗浄時間だけでなく家庭用のものでも振動周波数の切り替え機能があればいいのに・・・。そういや、42000Hzってもしかすると数千人?に1人くらい聞こえる体質の人がいたりするのかも?・・・そうだとすると大変だわ\(^o^;)/。犬猫さんには確実に聞こえるでしょうから嫌がったりしそう。。。

out超音波洗浄器選び方
out超音波洗浄器購入しましたが
小さい傷がレンズに発生した場合目に見えないような傷でも、超音波の気泡が爆発する力は機種にもよりますが軽く1000気圧を超えますので、その衝撃波でレンズの表面の硬化皮膜の剥離が生じ傷が広がったと思います。

こんな話を読むとポリカーボネートみたいな柔らか素材(1H)では目に見えないレベルで実は傷だらけになるんじゃ~?とか思うのですが実際のところどうなのでしょう・・・。実感としては肉眼では明らかにピカピカになって透明度と透過率が向上して見えますし、プラスチックレンズの眼鏡でもCD盤でも、超音波洗浄機を使ったことで傷が入ったり曇った経験は個人的には一度もありません。但し複数の眼鏡を同時に超音波洗浄して、互いのフレームとレンズが洗浄槽の中で接触していた場合、震動により傷が入る可能性はあると思います。

internalCDの盤面をウーロン茶で洗浄!?してみたてすと

超音波洗浄でアルカリ電解水は使えるのか?

ところで、ガラスやプラスチックの光学レンズを研究室や工業レベルで完全に洗浄する際にはどんな液体を使うのでしょうか・・・精製水とか?。。。ポリーカーボネートの耐アルカリ性は良くないのですが、短時間と仮定して、洗浄用のアルカリイオン電界水とか面白いかも。昔使った水系のCDクリーナーではトヨバックス・スーパーウォーターSW180と云う商品名で販売されいたPH12のアルカリ電解水が音質的になかなか良かったのですけれど・・・はたしてアルカリに弱いポリカーボネートへの攻撃性が気になるところではあったり。

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アルカリイオン水や電解アルカリイオン水と呼ばれるものは、主に洗剤代わりとして色々な商品が市販されています。(※ハウスクリーニング用途で出回っている市販のアルカリ電解水は、食塩水の電気分解で生成された水酸化ナトリウムor水酸化カリウムの0.17%~0.2%水溶液です) 他に家庭用のアルカリイオン精製される精製されるアルカリイオン水は主に水酸化カルシウムを含むようです。その昔アルカリイオン浄水器を使っていた事ありますが、PHも中途半端ですしあれはねぇ・・・ry。※上でも書きしましたとおり水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのポリカーボネートへの腐食性は諸説ありネット上で真偽を見極めるのが難しかったりしますが、色々な化学薬品耐性表を照らし合わせると下記のような印象でした。

・水酸化カルシウム ◎~△?
・水酸化ナトリウム 〇?
・水酸化カリウム ×

記載が細かい化学薬品耐性表(アソー)で、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)溶液そのものは、驚くことにけっこうな濃度でもポリカーボネートを侵食せずとあります。しかし水酸化カリウムと水酸化カルシウムはNG。他のデータでは水酸化カルシウムが〇で、水酸化ナトリウムについて評価にブレがありますが、水酸化カリウムは総じて×が多い印象。3つ全て◎のデータもあるので真相は藪の中ではあるのですけれども。。。よって電解アルカリイオン水と称する液体をCD/DVD/Blu-rayディスクでより安全に使うためには、含有成分が未記載や「水酸化カリウム」の製品を避け、「水酸化ナトリウム」と明示している製品のみを選ぶ必要がありそうですが、但しどちらもポリカーボネートに良くない可能性もあるのでこれも自己責任で・・・ry。

outアルカリ性電解水の洗浄効果と表面張力の関連性の検討

アルカリ電解水は清掃業者やホテル、厨房など業務用で幅広く使われていますが、小売りで商品化されているのは上記のような製品です。CDクリーニングやOA機器用に小分け商品化されたアルカリ電解水と違って一般向け製品は容量が多く、詰め替え用のパッケージがあったりしてお得。製品に拠って反応に使われる物質は不明ですが、特に炭酸カリウムのもを良く見かけます。でもこれってポリカーボネートに対してどうなんでしょう?ポリカーボネートは基本的にアルカリには弱く、また水酸化カリウムは×とななると、短時間の洗浄用として使えるのかなぁ。。。人体に安全だから案外平気な気もするのですが、これは素材に詳しい人に訊いてみないと管理人的には何とも云えない・・・。電解アルカリイオン水を使用した光学ディスクやOA機器クリーナーが色々市販されているのは確かですが・・・そう云えば、製造元で音質傾向が違うなんて話も昔ありましたよね~(滝汗)

とまぁ、水道水でもアルコールでも音質面でこれ!といった結果が得られなかったこともあり、超音波洗浄器に電解アルカリイオン洗浄水を入れてCDを洗ったらどうなのかと割と興味があるのです。人柱は出来ますけれどポリカーボネートへの影響が判らないので本当に大丈夫なのか悩みどころ。以前使ってみた印象として、より高濃度の水酸化ナトリウム・水酸化カリウム溶液のようにヌルヌルすることも無く、アルコールほど脱脂していたり、ある種のコーティング剤のように表面硬度やすべり感が変質しているような感じも全くしませんでしたので、たぶんきっと大丈夫?ではないかと思うのですけれど・・・。

※当エントリは2009年にTOSHIBA 超音波洗浄器 MyFresh TKS-200 のレビューとして書かれたエントリの加筆修正記事です。後継機種TOSHIBA TKS-210では台座と蓋の色が水色に変更され、その後しばらくディスコンでしたが、販路がサンワダイレクト(サンワサプライ)に変更され型番200-CD037として再発売されました。製造元が同じで中身は東芝製と同じと思われます。

【おすすめ超音波洗浄機 使用レポート】
その1その2|その3|GT SONIC烏龍茶

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コメント一覧 (4件)

  • パステルピアノサン的には、満足できる結果は出なかったのでしょうね。やっぱり、ウーロン茶?でも、放送局など膨大なCDをかかえるところでは、実際どう処置してるんでしょうね?イギリスの放送局で使用というBIbなんとか気になります。以前、ファイルウェブにシュアラスターのワックス使ってるという人がいました。相当傷ついたCDを復活させるために、使用してたらしいんですが・・。カルナバ蝋効果?これはかなり勇気がいりそうというか、いろいろ支障でそうな気が。。。分かりませんが。。。
    中古Cdで電解アルカリイオン水洗浄実験いかがですか?コストの面考えると、水が一番でしょうが、評価低いようですし。。好みの音質はそのままに、復活させてくれる液体とは?化学の実験のようで・・??分からないことだらけです。20年以上たってもCDディスクって結局、アナログレコードと一緒で扱いが難しいんですね。おまけに、場合によってはアナログのほうが高音質というし。いまだにファンもいる。PCオーディオが本格化すれば消える運命???実験お疲れ様でした・・まだ続く??

  • おはようございます。
    昨日はいつも通りレスしてエントリ書いて寝るつもりでしたが、日韓戦で負けてしまってそのままふて寝してました。シュアラスターですか~。凄いですね。ワックスはカルナバロウはともかく有機溶剤も含みますよね。。。傷ついたCDは専用(中古CD店にある業務用の)研磨機と研磨剤で磨くのが一番です。なぜか輸入盤みたいな音になります。
    アルカリ電解イオン水でのテストはいずれやるつもりです。いらないCDも沢山持ってますので。ただ、手元にありませんので取り寄せてからです。暫くは別のエントリを書く予定です。元々の音質をそのままにというよりも、液剤によって音傾向が異なるみたいですので、好みの音質傾向になる液剤だったら良いな~って話です。
    >アナログレコードと一緒で扱いが難しいんですね
    それは流石に・・・。データは変わりませんのでCDの洗浄は主にお遊びです。対してアナログレコードの方は切実ですから。

  • >PCオーディオが本格化すれば消える運命???
    さあどうでしょう?PCオーディオというか、HDDにデータだけを格納したり、データ配信だけで済ます方法は音楽の趣味性を大きく損ないますよね。。。それだけ良いと思っている方々は現状音源が圧縮音源でも構わないと考えている人達と≒です。ネット上でこんな事を書くのもアレですが、彼らにとっての理想的、合理的な世界は必ずしも一般的な価値観ではありませんし。ピュアオーディオも一般的な価値観ではないですけれども。
    入れ物がないデジタルデータは利便性は高いが収集欲を満たせません。人間にはゆとりが必用です。これって、栄養剤の点滴だけで生きられるから食事は必要ないってのと変わらないと思うんですよ。だから、なんだかんだとクラシックやジャズ、その他高音質を求める趣味性の市場が、縮小しつつも古いライフスタイルとしてしぶとく続くと思っています。現実にはPCをストレス無く使いこなせる人は私の世代でさえまだまだ少数派ですし。
    これから大切なのはオーディオのステップアップとして、入口の携帯音楽プレーヤーとピュアオーディオを橋渡しする仕組みでしょう。私が本来このブログでやるべき事かも知れません・・・。

  • 超音波洗浄にアルコールを使い、CDを洗浄するとレーベル面に非常に悪いのでやめたほうがいいと思います。
    最悪レーベル面がはがれて使い物にならなくなりますよ。(レーベル面は数10ミクロンしかないですから、、、。)。

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