Nordost(ノードスト) Silver Shadow 同軸デジタルケーブル レビュー【後編】

【Nordost(ノードスト) Silver Shadow 同軸デジタルケーブル レビュー】
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サブシステムA:Wireworld Supernova7との比較

メインシスに於けるオーディションでは相性の面から惜敗したNordost Silver Shadow。元々オーディションに敗れた方は、サブシスタムAかCの同軸側デジタルケーブルのアップグレード用にしようと考えていましたので、ここからは書斎の各サブシテムでのテストをしてみます。

ノードスト ワイヤーワールド デジタルケーブル

本来サブシステムAはONKYO A-1VLが指定席(AはA-1VLのA)ですが、臨時でメインへ昇格させているために、現在は代役でROTEL RDA-02が入っています。このシステムのデジタルケーブルはCREEK EVO-CDのデジタル出力から、Micromega VARIODAC(工事中)間に接続。通常のリファレンスはTOS光デジタルケーブルのWireworld Supernova7(工事中)です。

Wireworld Supernova7は十分気に入っており、これも他のデジタルケーブルにリプレイスする必要性は全く無いのですけれども、同軸接続側が空いていますので、どうせなら違う音色の同軸/光デジタルケーブルを併用して、アルバムの音質に合わせてデジタル2系統を切り替えて使いたいところ。普段はファインメット効果?によるS/N改善を狙ってAcoustic Revive DIGITAL-1.0R-TripleC-FMを並列に繋げていたりもするのですが、今回はそこにNordost Silver Shadowを入れてみる事に・・・。

そこでサブシステムAにSilver Shadowを配線しようとしたところ想定外の問題が発生(@_@;)。今回手に入れたNordost Silver ShadowはRCAプラグでは無くBNCプラグのタイプです。(購入店ではRCAって話でしたが・・・届いたの違うw) 同軸接続の場合、付属のBNC→RCA変換プラグを取り付けるためにプラグ部分の全長がかなりあり、壁際セッティングのサブシステムAでは、チェストを丸ごと手前に引き出さないと配線出来ないというなかなか間抜けな状況に陥ってしまいました。無理矢理グニッて曲げることは出来ますけれども、お安いケーブルではありませんのでそれは流石にNG。これ、書斎の家具レイアウト的に、事実上Silver Shadowは使えないって事だったり・・・orz まぁ、一応どんな音がするのかを試す意味で、不格好ですがCDプレーヤーを暫定的に手前に引き出しつつ仮配線してみました。

ノードスト Wireworld デジタルケーブル SUPRA EFF-IRB

肝心のサウンドですが・・・むむむ。う~ん・・・柔らかい。耳当たりが優しくBGM的に挿さらないのは魅力。アンプの違いだと思いますが、ソフトに纏まった印象がメインシステムでの的よりも更に顕著に。音楽性の高さは魅力ですが、音が団子になってしまい抜けきらない印象も。何度もTOSのWireworld Supernova7側とA/B切り返しながら聴いてみましたが、結論から云えばWireworld Supernova7の方が高音質ですね\(^o^;)/細部の情報量に加え、ホールトーンの響きの量と空間の広がり、ほぐれ方がSupernova7が上。音楽性については僅かにSilver Shadowが上ですが、これはこれで・・・みたいな感じで併用する意義をあまり感じられませんでした・・・うぐぅ。

気を取り直し、サブシステムC:CREEK CLASSIC CD×Musical Fidelity V90 DACで

サブシステムCのCはCREEKのCです。CDプレーヤーCREEK CLASSIC CDMusical Fidelity V90 DACを繋いでいるここの同軸デジタル側には、音質面の品位に目を瞑りつつ音楽性を重視したQED Reference Digital Cableを充てていましたが、本国価格(定価)で価格差5倍の勝負です。

ノードスト シルバーシャドウ QED Reference デジタルケーブル

これはさすがに格が違うと云いますか、完膚無きまでにNordost Silver Shadowに軍配です。Silver Shadowにするとアタックが丸みを帯びたサウンドになり、独特の中低域の弾力と柔らかさが支配的になりますので、少々デジタルケーブルのキャラクターが手前に出過ぎているきらいはありますが、高域がマイルドなのはDAC出口側に充てているRed Rose Music 1934である程度補完する感じです。Silver Shadowの抑揚表現の豊かさと明るさ、マイルドな暖かみはCREEKの煉瓦色の色彩にもマッチして、よりウォームで音楽性豊かな方向性を更に補強してくれる印象。桜色に彩られたチャーミングで楽しい世界が広がります。

internalCREEK CLASSIC CD (CD50 mk2) CDプレーヤーの紹介です♪

internal英国 Musical Fidelity V90 DAC 小型D/Aコンバータのレビューでございます♪

QED Reference Digital Cableも同様にウォームで音楽性が豊かなデジタルケーブルですが、QEDはいかにも撚り線的な滲み感が付きまとうのに対して、Nordost Silver Shadowはずっと滑らかな傾向の音で、代わりに粒子情報量は控えめになります。滑らかで当たりの柔らかな描写に、良く聞き込むとRed DawnBlue Heavenに通じるタイトな透明感が内側にあるのですが、Silver Shadowではそれがむき出しにはなりません。

大きな音を出しても全く五月蝿くないのはSilver Shadowの美点。これはメインシステム、サブシステムA、サブシステムC全てで共通していて、特にヴァイオリンがまったく引きつらず耳に刺さらなくなります。ピアノについても、ピアノの低域側、ピアニストのタッチとペダリング、左手のピアノ線のわんわんと響くうなりと減衰、響きの揺らぎが埋もれずに克明に描写出来るケーブルは実は少なく、それだけ時間軸の精度表現が本質的に優れている訳ですけれども、その結果、細部が塗り絵で解像度が低いCREEKのシステムですら、響きが空気を揺らす描写が浮き出てくるようになって驚きました。欲を云えばもう少しだけ情報量が多くなれば言うこと無しですが、これはスピーカーのEPOS ELS3を交換しないと無理。

DACをチェンジしてみる Musical Fidelity V90 DAC⇒Pro-Ject Head Box DS

ここでDACを英国Musical Fidelity V90 DACよりも解像度が高い、オーストリアのオーディオメーカーPro-Ject Head Box DS(工事中)になんとなくリプレイスしてみました。Head Box DSは24bit 192kHz対応のCirrus Logic CS4344を積んだ高解像度系の音質傾向で、ほんのり青白くクールな色味のDAC。其処へ暖色系パステルカラーのSilver Shadowではベクトルが反対の組み合わせになる訳ですけれども、不思議と一音一音が丁寧な描写となり、更なる色彩感のグラデーションが生まれてなかなか好感触♪ トータルでは有機的で明るく血の通ったサウンドが支配的になる反面、全体にソフト基調に傾きつつ低域方向の弾力が際立つ故に音源を選り好みしそうではありますが、これはこれで蠱惑的な魅力があり、積極的な演出を好むか好まざるかで評価が変わると思います。

Pro-Ject Head Box DS

このまま、サブシステムCREEK×Pro-JectHead Box DSの組み合わせで他のデジタルケーブルでどうなるのかも一応試してみました。QED Reference Digitalはモワッとして論外。そして意外にもNordost Silver Shadowと甲乙付けがたいのがSilver Shadowとは正反対の音質であるAcoustic Revive DIGITAL-1.0R-TripleC-FMです。Acoustic Reviveのデジタルケーブルはモニター系でDACの持つクール&タイト傾向をフラット且つストレートに伝えるイメージになり、抑揚表現がイマイチでともすると音楽性が失われがちになるのが欠点ですが、この組み合わせで繋げた際にはリズムとタイムアライメントが良い意味でより正確になり、一音一音に密度と集中力があり、どういう訳か音楽性も毀損しません。DACがMusical Fidelity V90の場合ではアコリバでは中域のコントラストと抑揚が失われてしまいQEDの方が良かったのですけれど。。。(滝汗) これは完全に想定外の好相性で、組み合わせとは結局やってみないと判らないイレギュラーも多く、本当に不思議なものです。

Head Box DS rear Nordost Silver Shadow

弱点は音場スケールが小さめになるのと、楽音帯域の高域が仄かにメタリックで、刺さる境界線上にある点でしょうか。。。これについてはシステムの他の部分で上手にバランスを取る必要があると思います。あとやはりAcoustic Revive DIGITAL-1.0R-TripleC-FMを入れるとここでもシステム全体のS/Nが良くなりますね。直接関係ない筈のCLASSIC CDのRCAアナログ出力→Monster Cable m350i→プリメインアンプSequel2の音質もS/N感が改善し、クリアでタイトな方向になります。これに対してSilver Shadowではより音場のスケールが大きく、中域が前後に張り出すややかまぼこ形の音場となり、暖かく闊達でリラックスした明るいイメージになります。いかにも海外製オーディオ的な演出と色付けを受け入れつつポジティブな表現を愉しむシルバーシャドウか、アコリバでフラットでタイトな高解像度モニター系の再現を狙うか?これはもう適材適所で好みの世界でになりますが、どちらが良いのか何度繋げ替えてもなかなか決断出来なくて、なんというか贅沢な悩みを抱えてしまったのかも・・・(*^-^*)

~まとめ~

そんな感じで、Nordost Silver Shadowは当初の想定ではあまり考えいてなかったサブシステムCで運用することに相成りました。元々音楽性優先で音質傾向に敢えて偏りを持たせたシステムですので、更なる演出を加えることで音楽的な世界観のデフォルメをより強調する方向性になりますけれども、ストレートな傾向はサブシステムAやサブシステムMでそれなりに確保出来ていますので、ここでは敢えて脚色を受け入れつつ、今後も音楽そのものを屈託無く愉しめるシステムを追求していきたいと思います♪

+For
 ウォームで明るく有機的なサウンド
 豊かな色彩感と楽器の描き分けに優れる
 蠱惑的でふくよかな女性ボーカル
 ノリの良い弾むリズム隊
 歪み感皆無の高域
 非常に高い音楽性
 美しい外観

-Against
 時に柔らかすぎる傾向
 情報量については普通
 低域の沈み込みが浅い
 システムや録音との相性が出やすい

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