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ゴトウ総合音響・東京試聴会 その2

ゴトウ総合音響試聴会 その1

ROTEL事務所に併設されている木造絨毯敷きで6畳間くらいの個室(応接室?)には、ゴトウオリジナルのカーボンインシュレーター上に設置されたB&W804Sゴトウチューンと804ノーマルモデルに、SACDプレーヤーがMARANTZ SA-11S1ノーマル及びチューンド、アンプはゴトウ総合音響が一押しのハイエンド国産アンプロマネスクのセパレートモデル。B&W804のゴトウチューン側にはオリジナルのフェイジングプラグも装着されていました。あと、ROTEL社内なのにこちらにローテル製品が無いぞぅ…。 電源ケーブル類はキンバーケーブルicon、電源タップはAcoustic Revive RTP-6、その他室内にはかなりの数の電磁波対策アクセサリーがちりばめられいて、数枚のプラズマシートSP、プラズマシートG、スパイラルシールド、シンクロシート、ルームチューンポール、各機器にはダイヤシールの貼り付けなどの対策が施されています。これについてはパート3にて特集します。

Category展示機種ゴトウチューン
プリアンプ&パワーアンプロマネスク MODEL.RmC#7 / RMP-7
SACDプレーヤーMARANTZ SA11S1
MARANTZ SA11S1
スピーカーB&W 804S
B&W 804S
RCAケーブルロマネスク RGC-50
PAD (型番不明・コロッサス?)
スピーカーケーブルオリジナルGWL処理済みPCOCC単線ケーブル
電源ケーブルKimber Cable PKシリーズ
電源ボックスAcoustic Revive RTP-6
その他アクセサリーゴトウオリジナルの電磁波対策アクセサリー群

出てくる音の方向性基本的に前述のB&W805S+ローテルに類似していて、どちらも後藤さんが持ち込んだ電磁波対策アクセサリの影響がかなり強いことが伺えます。一般的なB&Wノーチラス804モニターの能力からイメージされる鮮烈なハイスピードサウンドではなく、どの帯域にも固有の強調感が感じられない自然で虚飾のないサウンド。よってビジュアル的に広大な音場が迫ってくるような凄い高音質!ではありませんが、長く聴き続けていても聴き疲れしないであろう素朴で優しい感触です。音場が自然なために、オーディオであることをことさら意識させない点が最大のポイントでしょう。

B&W 804S


804Sの一般市販品とゴトウチューンモデルの比較ですが、これはもうまるで別物。切り替えるとノーマルモデルはユニットが微妙に揃わずバラバラに動作しているようにきこえますが、ゴトウチューンの方はウーハーの制動力が増し、聴感F特の凹凸が解消し帯域の一体感があります。情報量や音像のシャープネスも別格。ノーチラストゥイーター特有のの高域が歪んだり、ドライブ力が不足した際に起こりがちな残響が上方に拡散したりする部分が全く感じられません。基本的にはB&W 805Sでの違いと似ていますが、チューンモデルは単純な構造よりも、複数のユニットを搭載したスピーカーの方がその位相整合効果をより発揮しやすいのではないかと感じます。スピーカーの再現がソースに忠実になり、キャラクターが更に排除される方向で、チューンモデルの方がよりB&Wのモニタースピーカーとしてのフィロソフィを忠実に体現できているようでした。

MARANTZ SA-11S1

MARANTZ SA-11S1

MARANTZ SA-11の一般市販品チューンモデルの比較はSA-15S1での違いと一緒なので割愛します。ノーマルのSA15-S1やSA11S1の音質に限界を感じているユーザーは、こういったショップチューンを後からしてみるのもありでしょう。同クラスの国産中級機で変に買い換えるよりもずっと確実にグレードアップする筈です。

■ロマネスク MODEL.・RmC#7 RMP-7

ロマネスクのアンプに関しては、ローテル等他に直接比較する条件になかったので詳細は良く判らず。。。見た目はもろにガレージメーカー製。トータルの音の印象からするとストレートで色付けのないサウンド。

RCAピンケーブル PAD(注:型番不明)とロマネスク RCG-50の比較

ゴトウ総合音響 ロマネスクRGC50

単線ケーブルであるロマネスクRGC50(約9万円)の音質が如何に素晴らしいか、Purist Audio Design製RCAケーブルの15万クラス(注:型番不明・コロッサスかミメイシス?)との比較対決。ロマネスクからPADに換えると、音場が奥に引っ込み、音色は独特の翳りのあるベールを被ったようにほの暗く甘くなります。表現は大人しめで上品。PADですのでこのクラスのケーブルとしては解像度は格別高くはありません。まぁPADを求めるユーザーに殊更情報量云々の方は少ないと思いますが、この奥に音像が整然と並ぶ位相の丁寧さとリッチな音楽性、豊かな表現力は個人的にはかなり好印象です♪

再びロマネスクに戻す。とにかく鮮度が高いです。音がハイスピードに前に出てきて実体感がある。解像度はPADとは桁違い、単線ケーブル特有の刺身のようなストレートさと、上方へ倍音や残響の濁りのない再現。これは、他の国産ガレージメーカー系ハイエンド単線ケーブルの類にも共通するモニター的でストレートな再現力だと言えるでしょう。録音されたソースの音に忠実。逆に色気や演出感は少なく、PADとの比較は赤ワインにフォアグラのソテーに対し、お刺身と日本酒、どっちが好き?みたいなものだと思いました。ロマネスクは録音スタジオで直にモニターしているような音ではありますが、PADの方がコンサートホールの雰囲気と奏者の温度感を上手く再構築しているようにも感じます。

PADはハイエンドケーブルの中でも、単純な音質を追求せず、独特の世界観と表現でホログラフィックに音空間を演出をする麻薬的な魅力のあるケーブルで、録音への脚色が激しく演出系という意味では私の使うシルテックなどとも良い勝負。コッテリした西洋料理の世界ですので音色が好みに合わないときっと胸焼けを起こします。PADやSILTECHなどはこの意味ではモニターサウンドと対極にある最右翼と言ってもいい。そういったケーブルとロマネスク。まるで音楽に対するフィロソフィが異なるこの比較がフェアか?となると些か疑問点もありますが、とにかく鮮度や録音ソースに対してのモニター的な正確さという点ではロマネスクの方が数段上で、その意味ではこういったストレートな高音質を支持される方々も多いと思います。ただ、個人的な意見では「録音に忠実」なオーディオ機器も大切ですが、音響機器の枠を超え、演奏家が込めた音楽表現、感情に忠実な再現を目指す、芸術性・精神性に踏み込んだ再生芸術の世界も必要だと思う。よってやや脚色過多+トンデモプライスの為に評価対象外にしてきたPADを、今回の比較では個人的に図らずも見直す結果になりました。

その3 怪しい電磁波対策アクセサリーの効果は如何に?へ続く

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コメント一覧 (2件)

  • ゴトウさんが目指している「原音に忠実」な再生音は、言葉を借りますと「クリアーで見通しの良く、自然で虚飾のないモニターサウンド」で、決して無味乾燥で「音楽性」が損なわれたものではなく、説得性があると感じましたが、如何だったでしょうか?
    AuraやCreekには伝統に裏付けられた音に対する哲学があって、夫々の音作りには納得させられるのですが、ゴトウさんの方向性も或る種の「日本的な美音」の哲学がある様に思います。Kriptonなど最近の日本のメーカーにもそれが感じられて、「日本の音」が確立して行く事に期待を持ってしまうのですが、些か持ち上げすぎでしょうか?

  • >ufugi0331さん
    こんばんは(*^-^*)
    重複とか私は細かいこと気にしませんのでお気になさらず。
    そうですね…後藤さん10年前とは方向性が変わったなと感じました。上で書いたシルテック・PAD、それにクリークとかオーラの場合、西洋音楽・西洋文化といったバイアスを通してサウンドが構築されますよね。それが良い意味でも悪い意味でもキャラクターになってます。
    こういった輸入オーディオ機器はからは異国の空気感が音場に感じられ、クラシック音楽や洋楽・JAZZなどの舶来音楽の場合、楽器やホールの持つ文化的な色彩や雰囲気、奏者のニュアンス、言語の発声などがリアルに伝わりやすいと思います。その部分で、単純に”音”を追求した機器より確実に”音楽”が生々しい。逆に云えば輸入オーディオ機器で演歌やJ-POPを聞くよりも、国産機で聴いた方が違和感が無く濃く生々しいと感じることも多々ある。私、例えばアニソンならビクターのスピーカーが最高って思ってます…。
    聴き手それぞれの頭の中にある音楽の音、体質が「日本文化的」な人は、素直に日本の音を求めた方が良いと思います。クリプトン以外でもスピーカーならパストラルシンフォニー、旧DIATONE、YAMAHA、コンポーネントならAccuphase・LUXMAN・MARANTZ・DENON・ONKYO・PIONEER・SONYなど、ピュアオーディオとして作り込まれた物であれば、それぞれの方向性が別段海外製のオーディオ機器に劣るとは思いません。良い意味で和洋折衷的な音のするモデルもありますし、これについては好みですね。
    私が趣味で海外機を推しているのは、インテリアデザインとしてのセンス(あくまで洋室に合うかどうかですが)と、普段聴く音楽がクラシック中心だからです。クラシックを聴く場合は前述の理由からやはり海外機の方が向いていると感じます。逆にJAZZを主に聴かれる方は必然的にアメリカ製のオーディオ機器が中心になるでしょう。
    後藤さんが現在追求している音は、このどちらでもない、スタジオモニター的な音ではないでしょうか?B&WやROTELは色付けやキャラクターで売るタイプではありませんし、ロマネスク等を組み合わせて出てくるサウンドは、無味乾燥ではありませんが、無色透明で歪み感が無く、電気的な違和感のない自然な癒し系の音だと思います。

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