CREEK(クリーク)エヴォリューションCD(EVO CD)導入記その1

さて、クリークEVO-CDの肝心の音質です。本来はサブシステム用に購入したものですが、音質評価のためにまずメインシステムに繋げてみたところ・・・今まで聴いて来たCDプレーヤーの音とのあまりの違いに思わずポカーン(´Д`;)。。。いや、イイ意味で。
CREEK EVO-CDプレーヤー

これ、エントリークラスのCDプレーヤーなんてとんでも無い。ズバリ、音の性格、品位的にハイエンドCDプレーヤーの音質ですよ??? あれぇ・・・なんだこれ。。。

まず、もの凄く品が良い。そして音場が静か。聴感S/Nが抜群によい。下世話な親しみやすさとか、厚みとか、押し出しとかそういうハッタリ的な音とは正反対。左右のスピーカーの間〜奥行き方向へ音場がフラット且つ理路整然と並んでいます。。。極めて明瞭なピンポイント定位。素晴らしいステレオセパレーションです。そして精度の高さを感じる時間軸方向の音の流れ。。。国産CDプレーヤーと比べるとスペック的には微妙なのに、どうしてこんな鮮度の高い音が出てくるのか。。。

従来のクリーク製品の魅力でもある音楽的な躍動感は適度に内包しているのですが、それ以上に知的で折り目正しいというか、エッジの抑制が効いた色気を秘めた大人の表現力が際立っているのです。ピアノのタッチの描き分けやペダリングに伴う音色の変化や、残響の消え際などのリアリティも見事。今まで聞こえなかった暗騒音が色々聞こえて怖いんですけど・・・(この録音の継ぎ接ぎが聞こえてしまう微少信号のS/N感の高さはヘッドホンでは更に良くわかります)。
CREEK OBH-21高音質ヘッドフォンアンプ

正直なところ音質面では手元のC.E.C TL51Z/TL5100Zのを軽く凌駕してます。切り替えるとベルトドライブ機はどうしても楽器のディティールや暗騒音に絡みつく微少信号の変換精度が気になってしまう。。。躍動感や低域方向への厚み、中高域のアナログチックな耳当たりと低歪みな柔らかさ、スピーカーの外側へ展開される音場のスケールの大きさではC.E.CのベルトドライブCDプレーヤーの方がもちろん勝っていますが、CDの弱点を敢えて丸め込んだアナログライクな魅力は別にして、CDの持つデジタル情報の正確な変換に正面からアプローチする意味で、基本的な音質、品位の部分では全く歯が立たない感じ。。。

やっぱり最近の設計の新しいCDプレーヤーは音質面(特に微小信号のリアリティ)で全然違うのかなぁ。。。ONKYO C-1VLもこの部分でとても素晴らしいCDプレーヤーでしたが、C-1VLと比べるとEvolution CDにはそこへ更に深遠な文化的音楽性と哲学チックな説得力がサウンドに加わります。厳格にモニター的で色付け感が少ないのはC-1VLの方ですが、ハイエンドサウンドと呼べるに相応しいある種のテイストを感じさせるかを比べるとEvolution CDの方に軍配が上がるでしょう。

ちなみに同クラスのイギリス製CDプレーヤーである筈の、アーカムCD72Tとも全く勝負になりません。天板を開けると大して変わらない物量なのですが、音質レベルは軽く2クラスくらい違います。ARCAMのCDプレーヤーでCREEKのエボリューションCDと比較検討できるとしたらFMJクラスじゃないと無理かも。。。クリークの上位モデル以外では、後はMYRYAD(ミリャード)のMXC6000LINNMAJIK CDIKEMI、出たばかりのQUAD 99-CDS/CDP Classique辺りでしたら、同傾向の辛口なヨーロッパトーンで更に高品位を得られそう。ハッキリ言ってうちにあるどのCDプレーヤーよりも本質的な意味で高音質、正統派。
QUAD(クォード) 99-CDS Classique

音色は以前にプリメインアンプ4240を使っていた時代から変わらない、マイク・クリークの音そのものです。20年前からブランドの持つ基本的な音調が全く変わっていないって凄いことだと思うのです。Creek氏↓
MICHEL CREEK
この音を私は辛口のスコッチウィスキーと比喩していますが、分かりやすく例えると、リサイタルが始まり、コンサートホールの照明を絞ったときのステージの色彩、もっとロマンチックに喩えるなら、英国の煉瓦造りの家で、暖炉の灯火に照らされながらウィスキーを片手に読書する感じの音(謎) 絶対に国産製品では味わえない生粋のヨーロッパートーン。音場が無色透明ではなく、時を経て退色したヨーロッパの名画のような色彩で満たされる感じです。この色彩感、カラーレーションが好きになれるかどうか?これがクリークの評価の分かれ目。中々に上品且つお高く止まったサウンドですので、イギリス人の紳士気質や英国文化圏が潜在的に苦手な人だとこの音色はまず合わないはず。逆に私みたいな西洋かぶれでしたら間違いなく悦に入る筈♪

今回ヨーロピアントーンを敢えて色付けと書きましたけど、日本製の日本人に無色透明でクリアな音の方が、向こうの人には謎のオリエンタルサウンドに聞こえていたりするので、その辺は文化の立脚点によって解釈が異なることを付け加えておきます。
CREEK Destiny(デスティニー) CD Player

他のクリークのCDプレーヤーと直接比べていませんので何とも言えませんが、エボリューションCDの音質は割と硬質な方向へシフトしていると思います。ピアノのタッチやクリスタル感、立ち上がりなどは一級品。ハイハットの解像度も見事。いわゆる主観的にハイスピードな音です。しかし、エッジや輪郭だけが際立つようなウソっぽい所はありません。ヴァイオリンなど弦楽器はやや硬さの伴った表現になります。キツくなる寸前で止まっているとでも言いましょうか。。。但し時間軸方向の音色変化、ビブラートによる空気の揺れはかなり明瞭で、大抵ベターッと潰れてしまってマトモに出ないプレーヤーが多いのですが、Evolution CDiconは見事に描写。ピアニッシモ方向へのデリケートなニュアンスの豊かさや、超ピンポイントで定位するボーカルの大人びたしっとりとした歌わせ方には他では得難い魅力があります。

反面、快活さや親しみやすさについては過去のクリーク機と比べてベストな選択ではないかも知れません?ここら辺が正直面食らった部分で、海外製品らしからぬ正統派的な高音質へのアプローチで、音楽性の部分ではもっと別のアプローチ(聴感F特や音質を犠牲にした表現力)を期待していただけに、やや肩すかしを食らった感じがしてしまうところです。少なくとも昔使っていたPHILIPSのAZ6829/06(ヨーロピアントーンで、当時のクリーク製品に大変近い音質でした)の音楽性には劣りますが音質では大幅に凌駕している感じです。といっても音質一辺倒の一部国産機のような超ワイドレンジを狙っている訳でも無く、楽音帯域が破綻しない範囲での帯域拡大を狙ったフラット指向という印象です。
CREEK A-50IR プリメインアンプ
(EVO-AMPの登場でラインナップから浮いてしまいましたが、今なら在庫が未だあるみたい。)

低域方向はかなり低い方までピッチが明瞭、弦の震動などのリアリティに驚くのですが、反面、量感はあまりありません。基本的にソリッドで大人しい低域。音色的に中域から中高域にかけての音のニュアンスや透明感に意識が行く音作りですので、全体としての印象はやや中高域重視のサウンドではあります。そして音場の広がりはどちらかと云えば箱庭的です。奥行きはありますが手前には出てきませんし、スピーカーの外側まで大きく広がる印象はありません。これは他のクリーク製品でもほぼ同様ですので、このメーカーの音作りで納得できる範囲です。音場の広がりや膨らみよりも、直接音の透明感やピンポイント定位の切れ味で勝負するイメージです。但し音場のS/Nの良さと滞空する残響の潤いは十分にあり、小音量でも極めてS/N感の高い明瞭なサウンドが得られます。

あと、音数の面では割と控えめで、大音量系のソースでは音に張りが出て表現に余裕が無くなり五月蝿く感じることがあります。フルオーケストラよりも、ピアノソロや室内楽系、歌曲、しっとりした女性ジャズボーカルなど、デリケートさを重視した小編成の音楽に向いている印象。アニソン系は意外なことにかなり良好・・・なんでやねん?(滝汗)

DAコンバーターはバーブラウンのPC1738が一基のみですが、複数のDACをパラって左右独立やディフレンシャル動作?をさせて情報量を稼いでいる訳ではなく、最低限の回路設計から生まれるシンプルてスッキリとした音質を狙いつつ、厚みや情報量については過度に追求しないところが、もしかするとこのサウンドに透明感をもたらす秘訣且つ、エントリークラス的な控えめさなのかなぁと。。。

とは云え、エントリーモデルに親しみやすく楽しげなキャラクターではなく、辛口のハイエンドチックな大人の音質を敢えて持ってくる辺りが日本人にはない発想。上位機種であるCLASSIC CDの先々代にあたるCD50mk兇CD53には、なんとなくもっとナローレンジで、しなやかさや明るさ、リズミカルな楽しさといったものを店頭で感じた記憶があるのですが、クラシックCDにも名前の通りにそのテイストが引き継がれているとするなら、正直、エヴォリューションCDを買って尚、クラシックCD(或いはCD50mk/CD53)を敢えてもう一台欲しいという感じがしてしまいます。。。。なんか、2台を並べる事でクリークの考える辛口と甘口の音楽性の二つの方向性がそれぞれ堪能できる気がするのです。実際に同時に比較していませんのであくまでこれは想像ですけど♪
CREEK CLASSIC CDプレーヤー

EVO-CDにも確実に引き継がれているクリーク製品全体の持つ良さをもう一つ挙げましょう。定位が明瞭で音像の密度が高くS/N感が良好なため、音量を極限まで絞っても極めて明瞭な音像とパースペクティブが得られるのです。一般家庭での極めて小音量での使用が想定されているようで、ボリュームを絞っても全く音が濁らず、透明感の高い奇麗な箱庭立体サウンドになるのです。うちのメインシステムはある程度(一般的なアンプでボリューム10時以上)まで音量を上げなければ、ウィーンアコースティックのポリプロピレンコーンの持つソフトさが目立ちすぎ、立ち上がりの輪郭やディティールが不明瞭になる欠点があるのですが、送り出しをEVO-CDにしただけでこの問題がいともたやすく完全解決。比較対象であるTL51系の音作りが等身大風味で音像が大きいのもありますが、夜間や集合住宅であまり大きな音が出せない環境の場合、クリーク製品は文字通り水を得た魚、ベターどころかベストチョイスになり得ると断言しましょう。

次回はトランスポートとDAC別の性能と、サブシステムで使用中のオンキヨーA-1VLと組み合わせた場合の音質をレポートしてみます。→その3へ続く。

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