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ONKYO DAC-1000 D/Aコンバーターの実力レビュー その3

【ONKYO DAC-1000 D/Aコンバーターの実力レビュー】
その1その2 |その3|その4トラポ前編トラポ後編

ONKYO DAC-1000の問題点を敢えて挙げるとするならば、変な話・・・それって音質が良すぎることかも知れません。より低価格なONKYO C-S5VLでは、BGMとして音楽を流すにも心地さを誘うし、SACDなどいつのまにか眠ってしまうほどの癒し感溢れるサウンド。それに対し、DAC-1000の音は堂々として存在感がある。だからこそ、こう音楽が鳴り出した時には対峙してがっつりと向き合わないといけないような衝動に駆られます。

A-1VL_DAC-1000_C-S5VL_ONKYO

気軽に余所見をさせてくれない本格派と云いますか、意識をスピーカーの間に向けることを強制させるだけの密度と情報量があるのです。音色の質感はある程度プリメインアンプ A-1VLのキャラクターに似ていますけれども、更にアキュレートでモニター的な性格を備えているのがDAC-1000の持ち味みたいです。

とはいえ純粋なモニター系DACかと問われるとそうでも無く、モニター傾向の高分解能な音質8割に加えて、明るさ、艶やかさ、暖かみなど、コンシューマーオーディオとしてのまとまりを感じさせるキャラクターを2割ブレンドしたような音色です。純粋なプロ用機器やPCオーディオ系のDACにありがちな、ただ単に情報量だけを追求した、色気も素っ気も無いストレートサウンドではなく、色付けを廃する方向性の中に、ONKYO製品の持つ音作りのフィロソフィはDAC-1000にもしっかり繁栄されている・・・そんな感じです。

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DAC-1000のキャラクターは入力機器の音色をDACで変質させるような極端な傾向ではありません。DAC側のキャラクターで染めることは二の次に、まず入力されたデータをワイドレンジ且つ高情報量へ拡大しようとする感じです。この辺りはDAC-1000の国産ライバル機として良く挙げられるLUXMANのDA-100とはある意味では対極にあるようなイメージでしょうか。。。

即ちオンキヨーDAC-1000の場合、DAC単体である種のキャラクターを付加しつつ美音や音楽性を演出する方向性ではなく、繋げる機器の音質や録音の性格をそのまま暴露してしまう感じになります。良い物はより良く、悪い物はその悪いままルーペで拡大したようになる。手元のCDプレーヤー(トランスポートとして)5台とノートパソコン2台、HDD/DVDレコーダー1台を繋げて、同一音源で比較してみましたが、それらのデジタル入力音質の違いやクオリティをDAC-1000は驚くほどハッキリと浮き彫りにしてくれます。

ここで困ったなぁ~と思ったのは、地デジやBSデジタルなど、低ビットレートで圧縮丸出しのチープな音源になると、弱点をこれでもかという位暴いてくるシビアさw DVD/HDDレコーダーのPioneer DVR-DT100を光デジタル出力で繋げた場合、良く言えばシャキッと明るくパリッとした音、しかしワイドレンジが災いして台詞やボーカルではドライでサ行がキツくなります。

Pioneer DVR-DT100 DVD/HDDレコーダー

これが先日のエントリで紹介したような高級ブルーレイレコーダーになるとレベルが違ってくるのかも知れませんが、DAC-1000はDVR-DT100の持つ元々のドライなサウンドを思いっ切り拡大してくれますので、聴いていて正直不快なレベルになってしまいました・・・(涙) ネットラジオの低ビットレート局なんかでもそうでしょうが、低音質音源を繋ぐ場合、もっとDACが低情報量且つ聴感F特をデフォルメしてくれるタイプでないと、音質が妙に良すぎるのもこれはこれで聴き辛いよね~という逆転現象が発生することに。。。(苦笑)

どうしてネトラジ専用USB DACなるものが敢えて出てくるのかDAC-1000の音から逆説的に納得してみたり。でもこれはある意味では嬉しい誤算?なのかな・・・。外来ノイズに対してもシビアなタイプで、PCオーディオなど処置が不十分でノイジーな音源やトランスポートからの入力では、時になんだこりゃ?という事にも。よってオーディオと正面から向き合い、きちんと対策する気概が欠けている御仁にはあんまり使って欲しくないかも~なんてね・・・w

これで判ると思いますが、逆に云えば高音質音源との相性は大変良好です。それはCDでも録音状態の善し悪しがストレートに出ますし、CDのビットレートを超える高音質HD配信のような、24bit/96kHz以上の音源になると、DAC-1000は水を得た魚の如く本来の能力を発揮してくれるのです。願わくはPCやSACDからのDSDデータ入力にも対応してくれていたら・・・なのですけれども、これはDACの性能的には十分に対応できる筈ですけれども、著作権?的にまだメジャーメーカーには無理っぽいですね。でも一度DAC-1000での高音質HD音源や無圧縮LPCMの音に慣れてしまうと、もしかしたら以降mp3やAACの圧縮音源を聴けない体になってしまうかも知れません(滝汗)

ハイレゾとロスレスと圧縮音源の音質差って・・・言うほどあるん?

音楽ジャンルとの相性ですが、ワイドレンジで響きの切れが良く曖昧にディレイしませんので、乾いた音の楽器にはめっぽう強いです。ドラムやパーカッション、ギター、ベースなどの音源では、低域から高域まで驚くようなリアリティとノリの良さを体験できます。ボーカルにも暖かみがあり、ロック、ポップス、アニソン、ジャズ等々録音時のリアリティをストレートに描写するのも得意です。そしてC-S5VLのボーカルは線のようにピンポイントで定位してきますが、DAC-1000はもう少し太く、等身大の口の大きさで定位してくる印象です。

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相性問題があるとしたらクラシックの一部音源。基本的にDAC-1000の描写力は、中域から低域方向への情報量が多く、音像(直接音)の質感描写の細かさと密度の高さに振ってくるタイプですので、高域方向へ広がるホールトーンのソノリティは控えめなのですね。この点ではSACDプレーヤーのONKYO C-S5VLの方が圧倒的に美しい描写をしてくれます。クラシック音源では、コーラスや室内楽など録音によってもう少しこう、デフォルメされた甘さと響きの豊かさが欲しくなるかも知れません。総じてマイクが遠い間接音成分たっぷりの録音では、相性面で中途半端な印象は否めない感じです。

音に関しての主観的なポエムは概ねココまで~♪ ONKYO D/Aコンバーター DAC-1000の実力レビュー その4に続きま~す♪

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