AT6099は、オーディオテクニカから発売されている低価格で汎用性の高いオーディオ機器用のインシュレーター。筆者宅で大活躍している事もあり、音楽性が蘇る魔法の足♪(笑)としてブログのサイドカラムで紹介してきました。

オーディオテクニカ AT6099

この製品に出会ったのは5年ほど前、当時英国の小型ブックシェルフスピーカーKEFのCRESTAを中心にした箱庭システムを使っていた友人に薦められたのがきっかけ。彼は自作の木製スピーカースタンドとの間に3点支持で使っていたのですが、正直、当時テクニカの安物インシュレーターを馬鹿にしていた(失礼)私には、AT6099の実演効果を目の当たりにして(旧クレスタには本当に合います)、これが目からウロコ、いや耳からウロコの経験でした。色々アドヴァイスと能書きをたれて高価なインシュレーターをいくつもテストに持ち込んだ私は狐につままれたような感じです(汗)

国産普及ブランドのこういった安価な製品を敢えて推薦する場合、一部マニア層からは大袈裟だろ!との声も聞こえてきそうなのですが、他のやたらと高価格なインシュレーターにも負けない非常に奇麗な仕上げの割に、6個セットで市価3千円程度の価格設定、多くの機器と相性面で馴染みやすく万人受けする親しみやすい音調が得られること等、オーディオ初/中級者さんや、アクセサリに過剰なコストを掛けたくない実利主義の皆様にとっては、投資額に見合う結果が得られ易い音質チューン第一候補として、十分検討に値する製品ではないでしょうか?興味はあるがこの手のアクセサリ購入に躊躇されている皆様の背中を押すべく、今回は今更ですがその実力を検証してみたいと思います。

まず構造から。下からソルボセイン+ハネナイト+真鍮+ハネナイトの4層構造。ベースは直径30×高さ17mm(但し新品時)の高精度な真鍮削り出しで重量が1ヶ65g。手にしたことのない方はずっしりとした重みに驚かれると思います。仕上げは金色でなかなかの高級感もあり、超高価格なチューニングフィートiconが市場に溢れる中、老舗メーカーの量産効果からか、非常に良心的なプライス設定がされているように感じます。

音質ですが、いくつかのシステムでAT-6099を試した印象の総評としては、"重心の安定した潤いと密度感のある滑らかな音色"そして、"動的な表現の演出能力"です。

まず、コアに削り出しの真鍮が使われていることで、しっかりとした密度感のあるピラミッドバランスで低い重心の音調が得られます。これは、音密度が足りなかったり、逆三角形の軽く浮ついた音調になりがちな海外の薄型軽量コンポーネントや普及価格帯の製品に使うことで、聴感バランスを下方向に引き戻し、安定感のある低音域に支えられたしっかりとしたバランスの一回り大きな音場を得る事が出来るようになります。

但し真鍮素材のみでは素材から来る音の硬さや中高域の煌びやかさが目立ちますが、そこで、ハネナイトが全体の暴れを取り、高域歪みのない落ち着いた印象を与えますし、更にベース素材に薄いソルボセインが適度に使われていることで、ハネナイト一種類のみでは得られない、適度な弾力感をもたらし、それらの4層構造が絶妙にバランスすることで、潤いのある滑らかさと、音楽に生気とチャーミングな躍動感をもたらす、動的で良く歌う、明るく生き生きとした表現力を獲得しています。

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敢えて弱点を言えば、ソルボセイン系素材がもたらすスパイスとしてソフトなトーンが支配的なため、立ち上がりが甘く高域方向が丸まり、それが功を奏して親しみやすいチャーミングな音調でボーカル等が生き生きとリアルで艶めかしい反面、裏を返せばハイエンド的なクールタッチの洗練された音調とは異なる訳で、きっちり筐体設計された精度の高い上級システムには向かないと思いますしソフト素材でフローティングさせたような構造上、耐荷重5キロ(1ヶ当たり)とある様に、重量級の機器には使えない点です。とはいえ、この音楽性を演出できるという美点は、音楽を近しく楽しむ上で音質よりも優先させなければいけないポイントだと私は考えていますし、機器を置くボードのキャラクターを受けにくくなる為、ラックの素材に問題のある様な一般的な設置条件では、非常に有効な音質改善手段になるでしょう。

ちなみに商品のメーカーキャッチコピーでは、

明確な定位と伸びる高域
厚みのある低域を実現。


とあります。厚みのある低域に関しては文字通りそんな感じ♪
ただ、このキャッチコピーではドンシャリ?の印象を受けなくもありません。明確な定位と伸びる高域?に関してですが、定位はしっかりしていますが、いわゆる金属系の硬質インシュレーターやティップトゥのような、ソリッドでシャープなピンポイント定位という訳ではなく、各楽器の位置関係は明瞭ですが、輪郭は少しふくよかな甘さのあるナチュラル定位です。定位感と残響感が程よくバランスされて心地よいというイメージです。それから、真鍮特有の煌びやかさが中高域にアクセントとして見え隠れはしますが、高域方向自体は耳当たりの良い穏やかな方向性で、高域が暴れている機器等を、穏やかに調律してくれるタイプです。中域中心に音の伸びは豊かですので、ボーカル、管楽器等の伸びやかさは魅力的です。筆者宅では、英国製プリメインアンプ タグマクラーレン60i(3点支持)の他に、小型スピーカー オーディオプロ Image11の足として使っていますが、これは、Image11のともするとカミソリのように鋭い切れ込みを見せる高域をAT6099で耳当たりよくマイルドにし、不足気味の躍動感と伸びやかさをプラスする意図です。

とにかく、ドライで安っぽい音質や、ハイバランス傾向の機器を、滑らかで重心の安定した立派な骨格の音質に変身させたり、真面目すぎてつまらない音調から躍動感をもたらしたりしてくれるAT6099は、手軽で効果の高いチューニンググッズとして広くおすすめできる良品だと思いますd(^_-)

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audio-technica AT6099 レポートその2
オーディオテクニカ AT6099 VS AT6098

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