AT6099は日本のオーディオ関連製品メーカーオーディオテクニカから発売されている低価格で汎用性の高いオーディオ機器用のインシュレーター。箱ピュア管理人のシステムの各所で大活躍している事もあり、音楽性が蘇る魔法の足♪としてブログのサイドカラムでも長年紹介してきました。

AT6099に出会ったのは今から5年ほど前。当時、英国の小型ブックシェルフスピーカーKEFのCRESTAを中心にした箱庭システムを使っていた友人に薦められたのがきっかけ。彼は自作の木製スピーカースタンドとの間に3点支持で使っていたのですが、正直、当時テクニカの安物インシュレーターを馬鹿にしていた(失礼)私には、AT6099の実演効果を目の当たりにして(旧クレスタには本当に合います)、これが目からウロコ(@_@;)、いや耳からウロコの経験でした。色々アドヴァイスのつもりで能書きを垂れつつ、高価なインシュレーターを比較テストにいくつも持ち込んだ私は狐につままれたような感じでした(^◇^;)
 
国産普及ブランドのこういった安価な製品を敢えて推薦する場合、高級品志向の強いハイエンドオーディオマニア層からは大袈裟だろ〜と訝しがる声も聞こえてきそうなのですが、他のやたらと高価格なインシュレーターにも負けない非常に奇麗な仕上げの割に、6個セットで市価3千円程度(※2005年当時)の価格設定で、多くの機器と相性面で馴染みやすく万人受けする親しみやすい音調が得られます。ピュアオーディオ初級〜中級者さんや、オーディオアクセサリ関係に過剰なコストを掛けたくない実利主義の皆様にとっては、投資額に見合う結果を得られ易い音質チューンの第一候補として十分検討に値する製品ではと思います。一応興味はあるけれど、この手のオーディオアクセサリ購入にいまいち躊躇されている皆様の背中を押すべく、今回は今更ですがその実力を検証してみたいと思います。

AS-258 AT6099

まずは構造から。下からソルボセイン+ハネナイト+真鍮+ハネナイト4層構造。ベースは直径30×高さ17mm(※但し新品時、経年で少し潰れます)の高精度な真鍮削り出しで重量は1個あたり65g。手にしたことのない方はずっしりとした重みに驚かれると思います。仕上げは金色でなかなかの高級感もあり、超高価格なオーディオ機器専用インシュレーターが市場に溢れる中、老舗メーカーの量産効果からか、非常に良心的なプライス設定がされているように感じます。


肝心の音質ですが、いくつかのシステムでaudio-technica AT6099をテストした印象の総評としては"重心の安定した潤いと密度感のある滑らかな音色"、そして"動的な表現の演出能力"に優れているのが特徴だと思います。

まず、コアに削り出しの真鍮(黄銅)が使用されていることで、しっかりとした密度感のあるピラミッドバランスで低い重心の音調が得られます。この結果、音密度が不足したり逆三角形の浮ついた軽い音調になりがちな海外の薄型軽量コンポーネントや、国産普及価格帯のオーディオ製品に於ける聴感上の周波数バランスを下方向に引き戻し、安定感のある低音域に支えられた、ウェルバランスでスケールの一回り大きなサウンドイメージを得る事が可能になります。

一般的に真鍮素材のみのインシュレーターでは素材から来る音の硬さや中高域の煌びやかさが目立ちますが、上下のハネナイトが全体の暴れを取り、高域歪みの無い落ち着いた印象を与えつつ、更にベース素材に薄いソルボセインが適度に使われていることで、ハネナイトのみでは得られない適度な弾力感と躍動感をもたらしています。要するにaudio-technicaの絶妙なチューニングによりバランス良く4層が組み合わされた結果、AT6099は潤いのある滑らかさと、音楽に生気とチャーミングな躍動感を伴い良く歌う、明るく生き生きとした表現力を獲得している訳ですd(^_-)

敢えて弱点を云えば、ソルボセイン系素材がもたらすスパイスとしてソフトなトーンが支配的になるため、立ち上がりが甘く高域方向が丸まり、音調がクッキリシャープというよりは、ややふくよかな傾向になります。それが功を奏して特にボーカルは親しみやすいチャーミングな音調で生き生きとリアルで艶めかしい反面、裏を返せばハイエンド的なクールタッチの洗練された音調とは異なります。結果的にきっちりとリジットに筐体設計された高級システムにはあまり向かないと思いますし、ソフト素材でフローティングさせたような構造上、耐荷重5kg(1個当たり)とある様に、重量級の機器には使えません。

とは云え、AT6099で手軽に音楽性を演出できるというメリットは、音楽をオーディオ機器を通して楽しむ上で音質よりも優先させるべきポイントだと思いますし、ソフト素材によって設置するアンダーボードのキャラクターを受けにくくなる為、オーディオラックの素材にまで拘れない一般的な設置条件では非常に有効な音質改善手段になると思います。

ちなみにAT6099のメーカーによるキャッチコピーでは、

明確な定位と伸びる高域
厚みのある低域を実現。

・・・と書いてあります。厚みのある低域に関しては文字通りそんな感じ♪但しこのキャッチコピーだけではドンシャリ?の印象を受けなくもありません。明確な定位と伸びる高域?に関してですが、定位はしっかりしていますが、いわゆる金属系の硬質インシュレーターやスパイクのような、ソリッドでシャープなピンポイント定位が得られるタイプではなく、各楽器の位置関係は明瞭ですが、輪郭には少しふくよかな甘さのあるナチュラルな定位感です。必要以上に角を立てない音像と耳当たりの良い残響感が程よくバランスされて心地よいというイメージです。

それから、真鍮特有の煌びやかさが中高域にアクセントとして見え隠れはしますが、高域方向トータルでは耳当たりの良い穏やかな傾向ですので、高域が暴れがちなシステムの歪みっぽさを緩和しつつ調律してくれるタイプです。中域中心に音のボリューム感は豊かですので、ボーカルや管楽器等の伸びやかさは魅力的です。管理人のシステムでは、英国製プリメインアンプTAG McLaren 60iでの3点支持の他に、小型ブックシェルフスピーカー オーディオプロ Image11/Image12の足として使用していますけれども、これは、Image11/Image12のともするとカミソリのように鋭い切れ込みを感じさせるトゥイーター領域をAT6099で耳当たり良くし、不足気味の躍動感と伸びやかさをプラスする意図での組み合わせになります。

まとめ♪
AT6099は、とにかくドライで安っぽい音質やハイバランス傾向の機器を、滑らかで重心の安定したウェルバランスの音質にメタモルフォーゼさせたり、真面目すぎてつまらない音調の機器から活き活きした躍動感をもたらしたりしてくれる、手軽で効果の高いチューニングインシュレーターとして広く皆様におすすめできる良品であると思いますd(^_-)
《Last modified 2017/10/14》


audio-technica AT6099 レビューその2
オーディオテクニカ AT6099 vs AT6098比較レビュー


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