今回紹介するAT6099は、東京町田市にあるオーディオ関連製品メーカーオーディオテクニカから発売されている、オーディオ&ビジュアル機器専用のインシュレーター。汎用性が高く且つ価格的にもお手頃で、たぶん過去に日本国内で最も良く売れている定番のインシュレーターになります。箱庭ピュアオーディオ管理人のオシステムの各所ででも長年に渡り愛用していて、音楽性が蘇る魔法のインシュレーター♪としてこのブログでも度々紹介してきました。
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audio-technica AT6099に出会ったのは確か2000年頃に遡ります。当時、オーディオ初心者の友人がイギリスの小型ブックシェルフスピーカーKEF CRESTA 2とMarantzののアンプとCDプレーヤーを組み合わせた6畳ワンルームサイズのオーディオシステムを組んでいました。スピーカースタンドはホームセンターの木材で組んだ自作で、スタンドとKEF CRESTA 2の間にAT6099を3点支持。この安価なオーディオテクニカのインシュレーターを内心侮っていた僕は、未だオーディオ初心者だった友人の部屋に、手持ちのより高価でマニアックなインシュレーターを複数持ち込み、比較テストを試みたのです・・・アドバイスつもりで色々としょうもない能書きを垂れつつ、高価なインシュレーターの効果を感じて貰うつもりで・・・。



ところがです。。。実際に取っ替え引っ替えしてみると、なんとAT6099の音が予想以上に侮れません。6個入り約3000円に対し、対してセット価格が〇万円を超える幾つかのインシュレーターです。オーディオテクニカAT6099が圧倒的に不利条件の筈ですけれど、取っ替え引っ替えしたところ、KEF クレスタにはAT6099が1番相性が良いと云う、目からウロコならぬ耳からウロコの結果に(゜ワ゜)。安物への先入観から、どこにでも売っているオーディオテクニカのインシュレーターをそれまで内心小馬鹿にしていた僕には、AT6099の実力を目の当たりにして、狐につままれたような気分でした(滝汗)。
AS-258 AT6099
国産普及ブランドの安価な製品を敢えて推薦する場合、高級品志向の強いハイエンドオーディオマニア層からは大袈裟だろ〜?と訝しがる声が聞こえてきそうです。しかし、実際に比べてみると、AT6099は諭吉さん越えのハイエンドインシュレーターとの比較でも全く遜色の無いインシュレーション効果が得られることに驚かざるを得ません。価格やブランド的にオーディオ入門向けのインシュレーターと思われがちですけれども、侮るなかれ。興味はあるけれど、インシュレーターなどこの手のオーディオアクセサリ購入にいまいち躊躇されている皆様の背中を押すべく、今回はその実力を検証してみようと思います。

internalONKYOのインシュレーター Premium Sound AS-258

audio-technica AT6099の構造と良心的な価格について

まずは構造から。下からソルボセイン+ハネナイト+真鍮+ハネナイトの4層構造。ベースは直径30×高さ17mm(※但し新品時。経年で少し潰れます)の高精度な真鍮削り出しで、重量は1個あたり65g。手にしたことのない方はずっしりとした重みに驚かれると思います。仕上げは金色でなかなかの高級感もあり、コスパの怪しい超高価なーディオ機器専用インシュレーターが市場に溢れる中、国産老舗メーカーの量産効果からか、極めて良心的な価格設定がされています。
サウンドハウス
AT6099がデビューしたのは2000年頃だったと思いますが、それから22年、希望小売価格に消費税分が上乗せされた程度で、実売価格は大差ありません。通常、この手のインシュレーターは単一素材のものが多く、複合型になる場合はそれだけも諭吉を超えるような価格になりがちですけれど、その面からもAT6099の価格設定はユーザーフリンドリー且つ極めてハイコストパフォーマンスであると云えます。


AT6099の箱庭的徹底音質レビュー

肝心の音質ですが、いくつかのシステムでaudio-technica AT6099をテストした印象の総評としては「重心の安定した潤いと密度感のある滑らかな音色」そして「動的な表現の演出能力」に優れているのが特徴と云えると思います。

先ず、コアに削り出しの真鍮(黄銅)が使用されていることで、しっかりとした密度感のあるピラミッドバランスで、低い重心の音調が得られます。この結果、音密度が不足したり逆三角形の浮ついた軽い音調になりがちな海外の薄型軽量コンポーネントや、国産普及価格帯のオーディオ製品に於ける聴感上の周波数バランスを下方向に引き戻し、安定感のある低音域に支えられた、ウェルバランスでスケールの一回り大きなサウンドイメージを得る事が可能になります。
オーディオテクニカAT6099
一般的に真鍮素材のみのインシュレーターでは素材から来る音の硬さや中高域の煌びやかさが目立ちますが、上下のハネナイトが全体の暴れを取り、高域歪みの無い落ち着いた印象を与えつつ、更にベース素材に薄いソルボセインが適度に使われていることで、ハネナイトのみでは得られない適度な弾力感と躍動感をもたらしています。すなわちaudio-technicaの設計陣による絶妙なチューニングによりバランス良く4層が組み合わされた結果、AT6099は潤いのある滑らかさと、音楽に生気とチャーミングな躍動感を伴い良く歌う、明るく生き生きとした表現力を獲得している訳ですd(^_-)

internalオーディオテクニカAT6098 vs AT6099インシュレーター比較レビュー♪

ちなみにメーカーによるAT6099の製品キャッチコピーでは、「明確な定位と伸びる高域、厚みのある低域を実現。」・・・と書かれています。厚みのある低域に関しては文字通りそんな印象♪但しこのキャッチコピーだけではドンシャリ?の印象を受けなくもありません。明確な定位と伸びる高域?に関してですが、定位はしっかりしていますが、いわゆる金属系の硬質インシュレーターやスパイクのような、ソリッドでシャープなピンポイント定位が得られるタイプではなく、各楽器の位置関係は明瞭ですが、輪郭には少しふくよかな甘さのあるナチュラルな定位感です。必要以上に角を立てない音像と耳当たりの良い残響感が程よくバランスされて心地よいというイメージです。


敢えて弱点を云えば、ソルボセイン素材がもたらすスパイスとしてソフトなトーンが支配的になるため、立ち上がりが甘く高域方向が丸まり、音調がクッキリシャープと云うよりは、ややふくよかな傾向になります。それが功を奏して特にボーカルは親しみやすくチャーミング、生き生きとリアルで艶めかしい反面、裏を返せばハイエンド的なクールタッチの洗練された音調とは傾向が異なります。

AT6099とオーディオ機器との相性面について

結果的にきっちりとリジットに筐体設計されたハイエンドシステムにはあまり向かないと思いますし、ソフト素材でフローティングさせたような構造上、耐荷重5kg(1個当たり)とある様に、重量級の機器には使えません。
ROTEL RDA-06
とは云え、AT6099で手軽に音楽性を演出できるメリットは、音楽をオーディオ機器を通して楽しむ上で、音質よりも優先させるべきポイントだと思いますし、上下の弾性素材によって設置するアンダーボードのキャラクターを受けにくくなる為、オーディオラックの素材にまで拘れない一般的な設置条件では、非常に有効な音質改善手段になると思います。

internalROTEL RDA-06 コンパクトデジタルプリメインアンプをレビューしてみる。
internalaudiopro Image11 使いこなしその3 audio-technica AT6099と10円玉

それから、真鍮特有の煌びやかさが中高域にアクセントとして見え隠れはしますが、高域方向については耳当たりの良いやや穏やかな傾向ですので、高域が暴れがちなシステムの歪みっぽさを緩和しつつ調律してくれるタイプでもあります。また、中域〜低域かけてのボリューム感は豊かですので、ボーカルや管楽器等の伸びやかさは特に魅力的です。
オーディオテクニカAT6099×サブシステムA
管理人のシステムでは、英国製プリメインアンプTAG McLaren 60iでの3点支持の他に、小型ブックシェルフスピーカーaudiopro Image11/Image12の足として長年使用していますけれども、これは、オーディオプロ Image11/Image12のともするとカミソリのように鋭い切れ込みを感じさせるトゥイーター領域をAT6099で耳当たり良くし、不足気味の躍動感と伸びやかさをプラスする意図での組み合わせになります。

internalCategory:スウェーデン/audiopro(オーディオプロ)
internalCategory:イギリス/TAG McLaren&Audiolab

AT6099は経年劣化で音質が良くなります

さて、コスパに優れていて大変に使いやすいインシュレーターのオーディオテクニカAT6099ですが、スピーカーに加えてTAG McLaren 60iの足にも使っているため手持ちの数が6個では足りなくなってしまいました。そこでaudiopro Image11購入時に改めて買い足したところ、なんとこれまで使ってきたAT6099と音質が違う(@_@;)!!!ことに気が付いてしまいました。んなアフォな〜と思い、今まで5年以上もプリメインアンプの下に使ってきたAT6099と新品を入れ替えてみたところ、やっぱり音色が違います。端的に言ってソフト調。そして比較すると中域がスカスカ。なんじゃこれ???って感じ。おかしいなぁ・・・と思って新旧のaudio-technica AT6099を見比べてみると。。。。。

旧▼ 上下のゴム部分の厚みが見るからに違います(@_@;) ▼新
オーディオテクニカAT6099新旧

どうやら5年以上前に購入したAT6099は、アンプやCDプレーヤーの重みで底面のソルボセインと上部のハネナイトが自然に圧縮され、経年変化で硬化していたんですね。。。実際、新たに買った方にアンプを乗せた場合、ソルボセインの弾力で、筐体を手で揺すると僅かにフニフニ動くのですが、5年使用した物の場合はしっくり馴染んでしまい殆ど動きません。結果的に、このある程度圧縮硬化した状態の音質が、新品時よりも(管理人のシステム環境では)良い感じに聞こえるみたい・・・\(^o^;)/

もちろん組み合わせる機器によってどちらがより合うかが違って来るとは思うのですが、少なくともaudiopro Image11用には経年劣化した方が好印象。プリメインアンプの方はそれなりの重量(といっても7〜8kg)があるためか、新品でも・・・まぁ若干ソフトすぎる傾向はありますけれども、とりあえず許せる範囲・・・かな?そういや、最初はこんな甘〜いソフトテイストな音質だったな〜と今更ながら思い出した感じです(滝汗)
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軽量で筐体発熱も無いコンパクトスピーカーの下では経年劣化もなかなか進まないでしょうから、古いAT6099はスピーカー側に回し、新しく買い足した方はアンプとDVDプレーヤーの下で程よく潰れるまで気長にエージングすることになりました。※条件にもよりますが、機器の重量と熱伝導で硬くなるまで数ヶ月以上かかると思います。追記:その後更に5年も使い込むと、新旧両者の区別は付かなくなりました。エージングに拠る経年硬化は一定レベルからはあまり進まなくなるようです。

そんな感じで、もしaudio-technica AT6099を購入されて、音がソフトで甘すぎると感じられた場合は、適当な重さの機器・・・出来れば適度に発熱がインシュレーターに伝達するタイプの機器を重石にして、馴染むまで潰してあげると良いかもです。ソルボセインとハネナイトの経年劣化もといエージングが進めば、動的な表現力を維持したままで中域の密度とエネルギー感が向上してイイ感じになりますので♪

internalオーディオテクニカAT6098 vs AT6099インシュレーター比較レビュー♪
internalaudiopro Image11 使いこなしその3 audio-technica AT6099と10円玉

まとめ♪

他のやたらと高価格なインシュレーターにも負けない非常に奇麗な仕上げの割に、6個セットで実売3千円程度の価格設定で、多くの機器と相性面で馴染みやすく、親しみやすい音調が得られます。インシュレーターの効果は何よりも機材との相性が先にあり、加えて得られる効果の強さがポイントになりますけけど、その両面からみても、より高価で個性の強い他のオーディオ用インシュレーターと比べて、全く引けを取らない制震性能が得られます。特にピュアオーディオ初級〜中級者さんや、オーディオアクセサリに過剰なコストを掛けたくない皆さんにとっては、AT6099は、投資額に見合う変化を得られ易い、音質チューンの第一候補として十分検討に値する製品と云えます


価格的にオーディオ入門用と思われがちですが、オーディオ機器、特にオーディオアクセサリは必ずしも価格では無いことを教えてくれる意味でも、インシュレーターの性能的ベンチマーク、基準点と言っても過言ではありません。audio-technica AT6099は、とにかくドライで安っぽい音質やハイバランス傾向の機器を、滑らかで重心の安定したウェルバランスの音質にメタモルフォーゼさせたり、真面目すぎてつまらない音調の機器から活き活きした躍動感をもたらしたりしてくれる、手軽で効果の高いチューニングインシュレーターとして、初心者からオーディオ上級者まで、広く皆様におすすめできる良品であると思いますd(^_-)。

+For
 高品質で凝った素材&構造にもかかわらず低価格
 相性面でのストライクゾーンが広く、汎用性が高い
 耳当たりが良く、歪み感の低減効果が高い
 厚みがあり躍動感と音楽性が向上します

−Against
 価格的に不当な低評価をされやすい
 見た目が派手なので出来ればシルバーやガンメタも欲しい
 情報量、解像度、フラット感、ピンポイント定位を追求するとやや食い足りないかも

《あくまで管理人の個人的評価です》

《Published 2005/11/3, Last modified 21/12/27,18/8/16,17/10/14》

categoryCategory:その他オーディオアクセサリー
categoryCategory:audio-technica(オーディオテクニカ)

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