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ハイビジョン特集 「輝く女 矢野顕子」

私はジャズに疎いので(かなりコンプレックス)、自分のブログでジャズについて語ることはあまりないのですが、昨晩観たNHKハイビジョンで、ニューヨーク在住のシンガーソングライター兼ピアニストである矢野顕子さんの日常生活について110分の特集番組が組まれていて、思わず最後まで見入ってしまいました。(注:2004年春に放送された番組の再放送です。)

内容はジャズミュージシャン(どちらかと云うとポップス寄り?)矢野顕子さんの普段の生活をありのままに切り取ったドキュメンタリーで、特に何かのテーマがあるわけではないのですが、ちょっと変わった彼女の日常の中のこだわりの時間と空間を垣間見させてくれる、ミュージシャン矢野顕子の等身大のライフスタイルとリズムに触れることの出来る大変興味深い内容でした。


普段のコーヒーショップやグローサリーでのお買い物、キッチンに飾る切り花選び、女性らしいアートなこだわりがいっぱいの手紙の書き方など、彼女の音楽の持つチャーミングな魅力は、こんな日常の側面からも垣間見ることが出来ます。ピアノの調律を待つ間、猫と一緒にMacBookに向かったり、娘さんの坂本美雨(父:坂本龍一)と一緒の自宅のシーンでは、人前で風変わりでチャーミングな女性を装っている矢野顕子の目つきが変わり、普通のお母さんオーラになっているのが何気にシュール…。

そして、自宅以外にお金を貯めて手に入れた郊外のあばら屋。子供の頃からの夢で、すきま風が入ったり虫が入ってくるようなあばら屋が欲しかったそうです。 農機具置き場のようなボロボロのバラックの内装を、ウッディな作曲スタジオに改装、真ん中には、さり気なく倉庫よりも高価であろうスタインウェイのグランドピアノが置かれているところがなかなか素敵♪ そんなお気に入りのプライベートスタジオで彼女がスイートな声でハミングしながらピアノに向かう作曲スタイルは、見ていて大変興味深いものでした。

実はオーディオマニアとして特に面白かったのが、番組内で彼女の新しいオーディオシステム選びをドキュメントした事です。10年来自宅で使っていたブックシェルフタイプのKRKスタジオモニタースピーカーの音が気に入らず、ついついヘッドホンでばかり音楽を聴いていた彼女。昔作っていた音楽にはこれで良かったけれど、マッシブすぎて今の自分には合わないと愚痴ってました。型番不詳、フォーカルの黄色い逆ハードドームトゥイーターのモデル。この時外していたスピーカーケーブルは多分モンスターケーブルXPHPかNMC。

彼女が訪れたニューヨークのオーディオショップでは、B&Wオンリーの試聴室で自分のCDを再生します。サイドラックにはARCAM(アーカム)SONY、あとMarkLevinsonらしきもの?が置いてありました。b&wn805その試聴室でトールボーイタイプのB&W CM4と(たぶん)とNautilus 805の音を聞き比べていたのですが、その時の矢野顕子さんの表情に注目。ノーチラス805を聴いているときは凄いしかめっ面です…。。感想としては、こっちは新しい音、良い音なんだけど別の次元みたいな事を言われてました。それで、結局彼女が購入したのは遥かに廉価なB&W CM4。N805からセレクターをCM4に戻すと思わずにっこり♪ スタジオでの自分の音は覚えているけれど、こちらはその音が出てる。スタジオと全く同じ音である必要はないけれど、録音時の音のニュアンスがちゃんと出ているのはこっちとの事です。←皆さんこの点に注目。 私も事ある毎に書いていますが、オーディオは上位モデルで高価であれば必ずしも良いというものでも無く、用途によって、好みによっても選択肢は自ずと変わってくるものです。

B&W CM4あくまで私の想像ですが、番組画面越しの音質の違いからして、Nautilus805は高解像度でクリアだけれど悪く云えば空気感が冷たいきつい音。それに対してCM4にはより豊かな低域と箱鳴りの甘さも合わさり、アコースティックなライブ感が感じられたのではないでしょうか。残念ながらCM4は既に販売が終了したモデルで、現在は中古等で手に入れるしかありませんが、現在最もニュアンスが近い後継モデルとなるとB&W CM7になると思われます。先日発売されたばかりのCM7は、既に各方面で評価の高いB&W CM1のトールボーイタイプであり、世界的ヒットに品薄入荷未定状態。特に拘りがなければCM7の方がトータルでCM4を凌駕する質感とクオリティだろうと思いますが、ただ、出来れば矢野顕子ファンの方は、是が非でも、海外在庫か中古を見つけ出してでも、B&W CM4のオーナーになられては如何でしょうか?私なら絶対にそうします。 ご本人が自宅で聴いているサウンドを共有できる悦楽、これこそプライスレスです♪

B&W CM1 “英国発 新世代ピュアホームモニター”
B&W CM1、CMシリーズが割と突然に国内販売終了・・・(@_@;)

B&W CM7他にも、オールMacintoshの豪華な試聴室でハイエンドなマッキンサウンドを体験されていましたが、彼女曰くこれはきっとオーディオマニアの方が好まれる別世界の音で、自分はシュークリームの皮と中身を作る方なので、そこにストロベリーをトッピングしたりソースをかけるのはまた別の趣味。これはお皿からして違う。学校から帰ってきたばかりの子供には聴かせられない音。等々の爆弾発言をされていました(^^;)、いや、実際もっともな話ではありますが、オーディオにずぶずふ嵌っている管理人としましては、色々な意味で耳が痛いところでございます・・・(苦笑)

その後自宅に届いたCM4をNHKのスタッフと女性2人でやっとこ開梱し、重さに苦しみながらもなんとかセッティング(どうやらフローリングベタ置き)。その間もスピーカーの空箱で愛猫ぷうちゃんと遊ぼうとしたり…なかなかお茶目な方。 猫ちゃんは猫ちゃんでスピーカーに興味津々の眼差し♪これ、絶対削ってやろうという顔でしたが、矢野さんが粗相をしないよう言い聞かせているところがまた頬笑ましくって◎。同じく新調したスピーカーケーブルは、色と太さを見た感じMonsterCableのZ1(超推測)をシングルワイヤリングっぽい。

他に矢野顕子さんがご自宅で使われているコンポーネントはKRKの時と同じものを流用。古い(90年前後くらい前のモデル?)SONYのプリメインアンプにCDプレーヤーがCDP-222ESD。SACDプレーヤーがSONY SCD-XB9でした。彼女はSony Musicの専属アーティストですが、案外リーズナブルなオーディオ機器を使われてますね。やたらとハイエンド機器を使われている皆さんは反省しましょう(滝汗)

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そして、新しいCM4が奏でる音に矢野さんニヤニヤしながら一言「家の中でこんな良い音が聴けるなんてまるでお店やさんみたい♪」

うーん、この番組、録画してなかったのでまた再放送してくれないかしら?お願いNHK。BS2の「矢野顕子LIVE~30年間 ずうっと気持ちいいわたしです」も一緒に。矢野顕子ファンのみんなリクエストしてくれ~♪ (注:番組を録画せず、見終わった後の記憶に頼った記述ですので、言葉の意訳及び細部に間違いがある可能性をお断りしておきます。)

《Last modified 2017/10/17》

矢野顕子オフィシャルホームページ
矢野顕子SONYホームページ
坂本美雨ブログ ニクキュウ ブロローグ

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コメント一覧 (10件)

  • こんにちは。おもしろかったです。
    某オーディオ店のお話では「好きなように料理して聴いて良い」ということですね。
    今はコーリアン味で聴いていますが、天然大理石を試してみようかと考え中です。
    完全にマニアですね。

  • こんにちは、お久しぶりです。ブログ再開されていたんですね。。この記事面白かったです。見てみたい見てみたい。実は今日コンパクトスピーカーが届きまして(DENON SC-M53)、低能率ながら真空管で鳴らしています。コンパクトはこれで十分ではないかと思える音質ですよ。

  • 大理石は良いです♪ (以下訂正:御影石の書き間違いです)
    人工コーリアンボードよりも安いですし、音質も遥かに良いと思います。良い意味で響きが豊かになります。余程のハイエンドモデルでもなければ、スピーカーボードやコンポの下は大理石でとりあえず十分では無いでしょうか。うちのVienna Acoustics T-2の下は大理石ですが、某店の白色コーリアンから交換したときは激的に良くなりましました。ちなみに大理石はオーディオ店より石材屋さんに行くと安く買えますよ♪

  • bydさんこちらこそお久しぶりです♪
    再開して、過去記事をコツコツ修正中です。デノンSC-M53、私も気になってたんですよ~。ラピシアのミニコンセットでしか置いてないので実力の程を窺い知れないのですが、「ヨーロッパのサウンドエンジニアとコラボレートして仕上げたヨーロピアンサウンド・チューニング・スピーカー」との事ですので、レビューしてみたいですねぇ。見た感じエラックに酷似しているのですが、関係あるのかしら?

  • こちらもコメントありがとうございます。またオーディオの情報いろいろ載せてください。デノンSC-M53ですが、どうも英mission社のエンジニア設計との噂ですよ。暖かい雰囲気で高解像度なのは英国ならではですね。

  • そうですか。大理石をお使いですか。私はハンズでコーリアン大板をカットしてもらって、CD・AMP・SPに敷いています。CDとAMPは良いと思うのですが、SPにはちょっとクセが強い感じですね。セラミックのタイルや十円玉を重ねたりしていますが、ちょっと甘い味が残っています。タイル.jpというサイトの大理石タイルを考えているのですが、いろんな色があって迷ってます。やっぱり音も違いそうですよね。ちなみにpastel_pianoさんは何色のをお使いですか。

  • pastel_pianoさん、早速コメント&トラックバックありがとうございます。
    画像つきで取り上げられていた矢野顕子のディスク2枚とも持ってたので思わずトラックバックしてしまいました。
    番組見てみたかったです。「録音時の音のニュアンス」をそのまま再生するのがオーディオの役目なのでしょうが難しそうですね。私などどうしてもすべての音を再生したいという方向に走りがちです。
    カメラならレタッチとかで目に焼きついている光景に近づけることが出来そうですが、音のニュアンスは現場に居ないとわからなそうですものね。それでも自分なりの原音を求めて行くのでしょう。

  • >bydさん
    ELACじゃなくてミッションでしたか~(恥)確かにミッションのユニットもツィーターが下の倒立型でしたね。ミッション、素晴らしい音質のメーカーですが日本にはもう大分以前から入ってこなくなってます。時々中古で出物がありますけれど。。。同社のアンプブランドのサイラスもハーフサイズコンポでしたが、音楽性が高く定評がありました。DENONは15年くらい前にもLapisiaのスピーカーを英ワーフェデールのユニット(当時のWharfedale Diamondシリーズと同じ物)で製造し、和洋折衷サウンドで定評がありました。御手数で無ければbydさんもブログにSC-M53と真空管アンプの記事を書いてくれると嬉しいです♪

  • >nanasiさん
    すみませんm(__)m上の私の回答は大理石ではなく御影石の誤りでしたm(__)m(恥) 全て御影石に置き換えて読んで下さいまし。御影石は花崗岩で、大理石は石灰岩ですから、花崗岩の方が音質的には良いのではないかと思います(推測)。ちなみに私が使っているのは”ごましお”模様です。音質で選んだのではなく、たまたま知り合いの建材屋さんが無料でくれたのがコレでした。 黒御影の方がツルッとしてて音質も滑らかそうですが、比べたこと無いので特徴は詳しく判りません。これは好みやケースバイケースかもです。

  • >kuniさん
    オーディオマニアさんやオーディオ機器を作る側の人々もですが、どうしても音楽をやっている側との温度感の差があって、立脚点の違いから原音や音質の意味が変わってしまう事が、求める装置やお互いの認識のズレに繋がっていることが多くあります。
    演奏家にとっては生楽器の音とホールやスタジオの響きが当然の原音であり基準ですが、立場が違うとそれは主観の世界であり、電気信号のピックアップ=揺るぎない原音だと言い切る人もいます。中間に録音を生業としてる人々もいて、そこでも色々なバイアスが可能になり、更にややこしいことに。
    どちらの趣味もあって良いと思いますが、私はオーディオマニアである以前に音楽ファンであり、楽器は弾けても電気知識はあまりないですし、あくまで主役は音楽、音楽の為のオーディオ機器だと考えていますので、このブログに於ける原音の定義は=演奏家が込めた表現や精神、温度感、そして生楽器とコンサートホールの響きって感じでしょうか。

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