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【激安iPodと超高級マークレビンソンの音質対決】
聴き分け|前編|後編

ううぅ、やっと読み終わりました。すっごい長文記事でした(゜ワ゜)

2000万円の超高級オーディオにiPodが挑戦 “iPod VS JBL&Mark Levinson”
(日経トレンディネット2005年11月:リンク切れですのでwaybackを貼ります。)

先日書いたオーディオマニアは機器のブランドや価格に影響されずに、音の違いを聞き分けられるだろうか? のエントリーへのコメントに、上記の日経トレンディネットの記事紹介がありました。返信を書こうと思ったのですが、例によってやたら長文化してしまいましたので一つの記事としてこちらに掲載したいと思います(滝汗) 以下、あくまで私の個人的な私見であり、それ以上でも以下でもありません。ちなみに私は今のところiPodを所有していません。とはいえなるべく音質の良いDAP・・・もとい携帯音楽プレーヤーが1台欲しいと思っています。注:その後 Apple iPhone4/iPhone5を使うことになりました。

ipod

あと、同時に既存のiPodにピュアオーディオ的な可能性が見いだせればいいと思い、短時間で出来る範囲で色々と調べてみましたが、オーディオ的なこだわりのある携帯音楽プレーヤーのユーザー達からは、現状はまだまだ音質面の課題が多く発展途上?というような認識が主流であるように思います。むしろ使っている人々の方がiPodの音質クオリティに冷静だなぁと。そんな中でのモデルによる音質差の考察やインナーイヤホンへの飽くなき探求心をみるにiPodユーザーの皆さんの更なる音質を追求する姿勢は、ピュアオーディオユーザーと本質的なアプローチは変わらないように感じました。

さて、現代は再生音楽を楽しむ上で各々が色々な選択肢を選ぶことが出来る時代です。(以下、不等記号で各オーディオ分野がマーケットに占める優先傾向について、個人的に感じている印象を表してみます。)

・等身大のハイエンドピュアオーディオ
(音質/音楽性>>>>>価格/住空間と利便性)
人によっては更に・・・(所有ステイタス>>>>>音質/音楽性>住空間/利便性)

・コンパクトな箱庭ピュアオーディオ
(音質/音楽性+美意識/住空間>>>>>価格/合理性)

・ミニコンポやラジカセ
(価格/スペースファクター>>>>>音質/品質)

・携帯音楽プレーヤー
(携帯性/利便性/行動的ライフスタイル>>>>>音質)

PCオーディオ
(合理性/PC連携/省スペース>>>>>音質/情緒的側面)

・ハイレゾ系ネットワークオーディオ
(音質/合理性/省スペース>>>>>物質所有/アナログ情緒的側面)

注:異論反論はあるかと思いますが、再生音楽に於ける音質/音楽性にプライオリティを置くか、非可逆圧縮音源への妥協などで、音質以外の要素を優先するかの違いを表してみました。他に自作趣味や「理論や技術的興味>音楽」というオーディオへのアプローチもありますが、このサイトの趣旨ではないので割愛します。

既存の価値観でこれらの上下関係を論じる容易ですが、リスナー各々のライフスタイルに於ける音楽への関わり合い方によって、再生装置に何が向いているかの最適解は違ってきます。要はそれぞれの要素にとって、大切な部分の優先順位が異なるということです。私はどう音楽と付き合うかの選択肢は色々あって良いし、また「音質」を追求することは大切ですが、多くの人が音楽とどう関われるか?のほうも同様に大事なことだとも思います。多人数にとって個々の音楽に触れる機会がある事の価値は、質を追求する以前の大前提だと言うことです。

その上で、趣味の世界ですからこれらのいずれかにフォーカスして音楽を追究するのも良いですし、複数のスタイルを同時に享受するのもリスナーの自由。私はピュアオーディオと携帯音楽プレーヤー並びにお手軽なバジェットオーディオが決して対立する存在とは考えていません。それを十分踏まえた上で記事に書かれている「対決」の部分を正しく要約するとどうなるでしょうか?

【単品CDプレーヤー同士でのでの音質対決】
・MARANTZ SA-11S1 (CDレイヤー) < Mark Levinson No.390SL (CDレイヤー)
・MARANTZ SA-11S1 (SACDレイヤー) < Mark Levinson No.390SL (CDレイヤー)

注:マランツの中級SACDプレーヤーがMark LevinsonのハイエンドCDプレーヤーに負け、ハード再生能力の前にフォーマットの差が逆転した。但しその差は僅差。

【携帯音楽プレーヤー同士の比較】
・第4世代iPod (4G) >iPod shuffle >iPod nano (WAVで比較)
・第4世代iPod (4G) >SONY NW-HD5 (MP3の320kbpsで比較)

注:マランツの中級SACDプレーヤーがMark LevinsonのハイエンドCDプレーヤーに負け、ハード再生能力の前にフォーマットの差が逆転した。但しその差は僅差。

【iPodとマークレビンソンの対決】
・iPod Shuffle < 第4世代iPod < Mark Levinson No390SL

注:何故かiPodとマランツSA-11S1の比較はされていません。記事上ではiPodの健闘に焦点を当てて、主観的に善戦・僅差と表現されています。

【24bit/96kHzのPC音源(デジタル)とMark Levinsonの対決
・24bit/96kHz音楽データ ⇒ Panasonic Let’s note ONKYO SE-U55GX (TOS/光デジタル出力) ⇒
Mark Levinson No.40SL/DAC部 >Mark Levinson No.390SL (CD部)

Mark Levinson No.390SL
Mark Levinson No.390SL
Mark Levinson NO.40L メディアコンソール

今回は無敵を誇ったCDプレーヤー、マークレビンソンNo.390SLがついに負けてしまう。これがもうあからさまに、どうしようもなく、完膚なきまでに、はっきり白黒付いてしまうのだ。ここまで負けると何か清々しく、気分も晴れ晴れ。やあ、今日はビールがウマイなご同輩! というくらいに差が付いた。

大差で…とありますが、これはミスリードを狙った言葉のトリックと云いますか、どうみても中身はマークレビンソン同士の対決になっているのですが?。単体DAコンバーターとしてNo.390SL(約140万円)より上位クラスのNo.40L(約600万円)に、PCから24bit/96kHz入力をしたのですから歴然たる差が出て当然です。16bit/44.1kHz入力対決でも大きな差が出るでしょうし、どっちか片方が24bit/96kHzなら尚更です。(ちなみに記事中にNO.40SLという言葉が頻繁に出てきますが、これは同社の最高級メディアコンソールNo.40Lの間違いでしょう。)

【24bit/96kHzのPC音源(アナログ)とMark Levinsonの対決】
・24bit/96kHz音楽データ ⇒ Panasonic Let’s noteONKYO SE-U55GX (アナログRCA出力) ⇒
Mark Levinson No.40SL > Mark Levinson No.390SL (CD)

全く勝負にならなかった。このフォーマットの違いがもたらす音質の差は、再生装置の価格差を超えてしまうらしい


お・・・・・\(^o^;)/。これはフォーマット云々以前に、高音質で知られるオンキヨーのPC用USBデジタルオーディオプロセッサーONKYO SE-U55GX(後継機はSE-U55SX2)のD/Aコンバーター(24bit/96kHz)及びアナログ段の音質 VS Mark Levinsonの一体型CDプレーヤーN0390SLのDAC(16bit/44.1kHz)のアナログ段対決ですね。

SE-U55EXここで判るのは僅か2万円程度のSE-U55GXのDACとアナログ出力が、マーク・レビンソンのCDプレーヤーの音質を上回る程よくできている(らしい)と云う事です。フォーマットの違いはありますが、これはDACとアナログ段の性能無しには語れない比較です。本来ならば試聴CDからリッピングした16bitデータをSE-U55GXで再生し、No.390SLの音質と比較して参考データにすべき所でしょうが。

実際にe-onkyo musicの24bit/96kHzクラシック音源をDL購入し、Let’s noteに入れた音源を同じオンキヨーのUWL-1から再生したりするのですが、Windowsメディアプレーヤー経由の音質的な制約もあるのか大した音はしません。(元がCD等WAVの場合はWaveSpectraを使ってます)一応非圧縮での2.4GHzデジタル伝送なのですが、無線転送の弊害で転送中に大幅劣化してるのかもですが・・・。

僅か2万円程度のUSBサウンドデバイスであるSE-U55SXとe-onkyo musicで購入したオクタヴィア・レコードの24bit/96kHz音源が、所有する同音源のSACDハイブリッド盤を上回るとしたら? 否、No.390SLを大きく凌駕する(らしい)のですから、同社のC-1VLCEC TL-51ZARCAM CD72T、或いは上でNo.390SLにやや劣るが僅差とされたマランツの40万クラス以下のSACDプレーヤーを上回らないはずがありません♪

・・・と、ちょっとここで冷静になって考えてみる。24bit/96kHzといえば、DSDのSACDと規格争いをして破れ、既に過去の物になってしまったDVD-Audioで主に使われていたフォーマットです。DVDオーディオは音質的にSACDに比べて劣ると言われ、同一音源比較に於いて専門家から事ある毎に不利であると散々指摘されていたように思うのですが・・・。

また、DVDオーディオソフトを実際に持っているかどうかに関わらず、DVD-audioの再生に対応したユニバーサルプレーヤーやDVDプレーヤーをお持ちの方も多いと思うのですが、24bit/96kHzの音源が、再生装置のクラスをひっくり返すほど凄いという話は聞いたことが無く、むしろ、SACDと同じで廉価なDVDプレーヤーではその音質のメリットが発揮しにくいというのが定説だったような???

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正直なところ、この最後の比較部分を読んだときに、私の中でのiPodへの期待感や、記事に煽られちゃうぞ~♪ってな部分が一気に瓦解したと云うか、読者の結論を誘導しようと試みる別のバイアスがあるのかな?という不信感に変わってしまいました。比較対象に使ったソフトはglobeのglobe2 pop/rock一枚のみのようなので、該当CDの音質にそもそも違いがある・・・良くあることですが24bit/96kHz音源とはマスタリング音質が元々違うとかそんな事だったりしないのかしら?との疑問も。

深読みしすぎかもですが、トリッキーな記述をしたり、高級機種対決でのSACDフォーマットの音質優位を敢えて否定しながら、24bit/96kHzのUSBサウンドデバイスの音では手の平を返し、上位フォーマットはハードを超えると絶賛したり、本来PC系の人達が嫌うはずの主観的で大袈裟な比喩を多用してバイアスをかけ、結論ありきのPCオーディオ優位論に誘導しつつ、結果を判りづらくしているように感じてしまうのです。或いは記事本題と殆ど関係ないSONYのライバル機種を持ち出してまで、ここまでiPodを持ち上げるのには、何か他に理由があるのかしらと。。。

まぁ、僕とは違って徹底的に検証しているであろうプロの方の書いた記事ですし、本心が何処にあるのか判らない大袈裟でうさんくさい比喩表現には身に覚えがありすぎて、おまえもな~と言われそうなので、あんまり余所様のことはとやかく言えませんけれど~♪…。 つーことで、結論としてはまともな音質のUSBデジタルオーディオプロセッサーが一台欲しいです。(注:とは云えオンボードタイプより外付けの方が高音質なんですよね。)、実際にこんな安価なDACでハイエンドCDプレーヤーを超えられるのでしたら、オンキヨー製品大好きですのでSE-U55SX2買ってしまうかも?(後編に続く)

【激安iPodと超高級マークレビンソンの音質対決】
聴き分け|前編|後編

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コメント一覧 (7件)

  • http://decnonet.livedoor.biz/archives/50671397.html
    ↑実際に、24/96のDLした楽曲を、16bitの圧縮無し.wavと比較してみました。
    やはり、24/96が一番良かったです。
    ただ、WMAとQuicktimeの音の傾向ががらりと変わることに驚きました。
    Quicktimeでは、WMAが再生できないので、24/96どうしの比較は出来ませんでした。
    PCでオーディオを楽しんでいる人たちは、CDプレーヤーさえ持っていないと言う方が多いです。
    自分自身、現在所有していませんし、、、、。
    http://audio-heritage.jp/TECHNICS/player/sl-p1000.html
    ↑以前使っていたCDデッキはこれですけど、音飛びが出るようになって、修理に出したら「修理不能」との宣告。
    それ以来、小遣い程度であの音を超える物に巡り会えず、現在に至っています。

  • そうですよね。同じ再生環境でしたらやっぱりビットーレート次第で音質に差が出ると思います~。
    >ただ、WMAとQuicktimeの音の傾向ががらりと変わることに驚きました。
    どちらも音がこもっているというか、高域が出てなかったり、変な遅延とかイコライジングによるキャラクターが感じられますので、ドライバにASIOを使い、Lilithとか音の良い再生ソフトを使うと良いと思います。(私は単純に昔からの習慣&PC音源をあまり使わないのでWaveSpectra使ってます。)
    http://www5f.biglobe.ne.jp/~blitzen/page078.html
    >Technics SL-P1000
    そうですねぇ、、、同価格帯(実売8万~)以上のモデルでしたら、音色の好みは別としても、現行のCDプレーヤーやSACDプレーヤーは当時のモデルと比べて音質的に大きく進歩していると思いますので、機会があったら聴いてみられることをお薦めしますd(^_-)。

  • http://decnonet.livedoor.biz/archives/50568724.html
    ↑この記事で、PCサウンドがほぼ?互角に戦える機種のレビューを載せていますw
    そうそう、この程度なんですよ?w
    http://decnonet.livedoor.biz/archives/50568275.html
    ↑内蔵音源だと、こんな感じですね^^;
    http://store.shopping.yahoo.co.jp/bsn-shop/bsam1103.html
    ↑実際には、最低でもこのくらいの物をデジタルでダイレクトに繋いでやった方がいいかな?と考えていますけど。
    次は、こいうつかな??
    Technics SL-P1000は最後の16bitDAC搭載機で、左右独立した16bitDACが搭載されていました。
    その当時の1bitDACの廉価な機種は、ブツ切れの音に聞こえました。
    現在では、CDの持つデータ以上にピュアに聴かせるための様々な工夫がされているんでしょうねぇ、、、、。

  • リンク先拝見しました。実際にPCオーディオをされている人々がピュアオーディオとどのくらい乖離しているのかイマイチ良く知らないのですけれど、個人的にはピュアに劣らない箱庭PCデスクトップオーディオってコンセプトでも一組みシステムを構築してみたいです♪
    FireStoneの小型DACは私も欲しいのですけれど、USB接続のモデルと比べると少しお高いかなぁ。
    http://store.shopping.yahoo.co.jp/bsn-shop/bsam1102.html
    こっちでしたら半額…なんでだろ?
    私がPCオーディオを組む場合はFirestone Fubar II USBDACは一番に挙げる候補です。

  • 053955・・・様。
    せっかくのご紹介にもかかわらず誠に申し訳ありませんが、コメントリンクを削除させていただきました。当方、平和的にサイトを運営したく思っており、該当リンク先を掲載することは現状は適切でないと考えております。何卒ご理解下さいませm(__)m

  •  はじめまして…NO.40はアナログ入力を内部でAD>DA変換をしているので音がいいんですよね。普通こんな事すると接点が増えて音質的に不利なんですが、さすがレビンソンです。いくらオンキョーさんでも質量がものを言うアナログで勝てる訳がなく、皆さんNO.40の内部処理を知らないだけなんではないんでしょうか?

  • レビンソン至上主義さんはじめまして。
    アナログ入力をAD-DAしていた事を私も知りませんでした。メディアコンソールですから考えてみればそうなんですね。記事中では詳しく触れられていませんが、SE-U55Xのアナログ出力をプリアンプのつもりでNO.40Lに入力していたとしたら、、、結局比較テストに全くなっていなかったという落ちになります。
    どっちにしろ、アナログ段の作りがプアなPCオーディオが、ピュアのハイエンドオーディオの音質を超えるとかそういう話は、個人的には?というのが正直なところです。

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