CDが登場してから早33年が過ぎました。CDが発売された後しばらくの間、CDの寿命は30年などとまことしやかに囁かれていたにも関わらず、結果どうなったかというと、皆さんご存じの通り80年代初期のプレスCDであってもその大半は特に何も起こらないまま・・・これが答えでした。ヤフオク!でもクラシックやジャズの80年代初期プレスが高音質盤として今でも高値が付いたりしますし、つまるところ経験則として事実上問題無いと多くの方に認識されていることが窺われます。
supraphon
CDが発売された当初、1980年代はCDの製造品質に極一部でバラツキがあり、ポリカーボネート層が浸食してしまい反射層のアルミが錆びて再生不能になるCDがあるにはありました。但しこの手の問題が発生する際には30年と言わず、製造後数年で見るからに腐食や茶変色(ブロンズ化)が始まりますから、30年経っても見た目に明らかな問題が無いCDは、そのまま保管条件が悪くなければ更に30年は余裕で持つでしょうし、結論から云えば経年劣化は極めて遅く、プレスCDというものは事実上、今後も半永久的に保存出来るものではないか?と今は思っています。
 

それより再生専用機の機械寿命の方が遥かに心配・・・。ターンテーブルのように何処かの誰かがピックアップドライブメカを作り続けさえすればどうにかなる話ではありますけれども、既存の高音質CDプレーヤーを私たちオーディオマニアは今後何年維持出来るのか?正直すっごい不安だったり(@_@;)。

工場プレスのCD-DAやDVD-ROMに於ける経年劣化は、結局の所は保存状態の善し悪しに左右されます。普通に保存していればそう簡単に傷まないはずですが、それでもCDを数十年単位で長持ちさせる方法は、

1)高温多湿の所に置かない
2)紫外線を当てない
3)薬品処理をしない
4)カビさせない


この4つではないかと考えます。密閉or風通しの良い常温×低湿度環境であれば、外周の接合面とレーベル面に傷を付けたり、元々の製造不良固体でさえ無ければ、たぶんきっと大半が100年持つだろうというのが私の見解。シュリンクに包まれたまま未開封だったりすると尚更半永久的に保存可能ではと思います。

CDの盤面に発生する白いカビ

結露するような場所に長期保管して湿度で浸食されたという話がたまにありますが、そんなことをすればどんなプラスチックでも腐食しますよね。ただ、割と一般的な保管温度でも、湿気がやや多めで風通しが悪い場合に、CDの両面にポツポツあるいはビッシリと白カビが生えることがあります。80年代の欧州プレス盤などは、ポリカーボネートに含まれる薬品の違いなのか湿気とカビに弱く、付着したカビを放置した事でピンホールが空いてしまった経験が過去に2〜3枚あったりします。面白いのは、↓の画像のようにピンホールが目視で確認出来るにもかかわらず、CDプレーヤーのエラー訂正範囲なのか音飛びまではしなかったりします。
pinhole
数千枚のCDを保管していると、殆ど聴かないCDが棚や押し入れの下の方、奥の方に追いやられてしまい、20年ぶりに開けてみると開けてびっくり白カビだらけ!になっていたり(;゜ロ゜)。というか自分、カビたままメンテナンスがめんどくさくて未だに放置してるCDが、ここだけの話100枚単位であったりするのですけれども、たま〜に恐る恐る開けてみるのですが、一見するとカビだらけでも、超音波洗浄器で洗浄してみると新品同様で、盤面の腐食は目視で見る限り全く進行していないものが殆どです。

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カビは水に中性洗剤とスポンジ、あるいは超音波洗浄器で優しく洗えば簡単に落ちますから、むしろライナーノートと背表紙がカビて茶色い染みが取れなくなる事が問題だったり。ジャケットの染みについては、カビた本をどうするのか?について図書館等での対応を調べてみると、消毒用アルコールで拭いて殺菌してしまうのが良いみたい。昔から自分もこの方法で、カビた背表紙やライナーノートに消毒用アルコールをスプレーでけっこうヌレヌレになるまで思いっ切り吹きかけてから、ティッシュペーパーで一方方向に拭き取ります。水と違って揮発が速いアルコールの場合、紙も殆どブヨブヨにはなりませんが、インクによっては落ちますので注意して下さい。

但しこの方法は紙表面のカビによるザラザラを落とすのと、殺菌によってこれ以上進行させないことが主目的で、一度カビが中に染み込んで茶色く変色してしまった紙はもう元通り白くは戻りません。そういや、CD、ライナーノート、プラケースのカビ落としを始めると、アトピー持ちの私の場合は結構アレルギーっぽくなってきますので、アレルギー体質の人が作業をされる際には、風通しの良い環境でマスクを着用して作業をされる方が良いと思います。

ポリカーボネートの加水分解による白濁

今回このエントリを作るにあたり、湿気を吸うことに拠ってポリカーボネートが白濁すると言われる件について、長年管理人宅の中で最も保存環境の悪いと思われる場所に押し込めていたCDをランダムチェックしてみたのですけれど、記録面がCDの読み取りには全く問題の無い程度に、製造年代問わずなんとな〜く白っぽくなってる気がするCDが時々ある反面、30年も前の製造なのに見た目が新品同様だったり、古くてカビていてもカビ以外の目視の反射率はピカピカで、洗うと元通り新品同様だったりするのもあり、不思議なことに白濁について製造時期との相関性は余り感じられませんでした。

※どうも何らかのアルカリ性薬剤を塗布、若しくは製造段階で混入しない限り、空気中の水分だけではそうそう白濁しないもののようです。

この吸湿?で微妙に白濁化したとされる現象については、どうも輸入盤より国内盤に多い気がするのですが、製造元の素材の品質に拠るかも知れないのと、個人的な印象としてはなんとなく過去に使ったCDクリーナーやコーティング剤等による影響が出ている気がしなくも無かったり。どうも再生回数が多く、過去にしつこく繰り返し聴いたり、あちこち持ち歩いたCD=汚れ落とし回数が多いものほど白濁傾向になってる気がしますので、たぶん十中八九これが正解ではないかと思います。


なにせ筋金入りのオカルトオーディオマニアで御座いますので、学生時代からありとあらゆる高音質になるとか、キズが埋まるという触れ込みのリキッドクリーナーを次から次に試してみては自爆してきましたから・・・(苦笑) この白濁、うすらまだらっぽいときもあって、そんな場合には消毒用メタノールをスプレーして+メガネクロスで拭き取るとあっさり取れたりします。

今ではなにより汚れさせないことが第一で、埃だけならはエアブロー、どうしても取れない指紋汚れやカビが付いてしまった場合のみ、エタノールを吹きかけてメガネクロスで拭うか、目立つ汚れがある場合には、ぬるま湯+中性洗剤+超音波洗浄器+化粧ティッシュを軽くパタパタして振っても落ちない水滴を吸わせるのみですけれど、この中性洗剤ってのも台所用洗剤のエコベールやシンプルグリーンで本当に大丈夫なのか悩みどころだったりします。

エタノールの安全性については以前にも書いた気がしますけれども、一応、ポリカーボネートへの耐性は高価なイソプロピルアルコールの方が安全。エタノールの場合は高音で長期間暴露すると僅かに腐食性がありますが、化学薬品耐性表の中では安全の範疇。CDクリーニングで使用する際には数十秒で残留せずに揮発しますので事実上問題無いのでは無いかと思っています。

面白いのは、ポリスチレン素材のプラケースについても白濁しているのは見たことがありません。ただ、こちらは暗所保管で無い場合に紫外線で徐々に黄色く変色していてるものが多く、古くなると開閉部のヒンジが簡単に折れてしまったり、白色のプラスチック製中敷きが盛大に黄ばんでいたり、大気汚染による謎のスス汚れが蓄積したりします。でも中のプレスCD盤はケースよりもずっと丈夫で、ケースのように朽ちたり経年劣化で黄色く変色しているものを未だ見たことがありません。ケースの汚れについてはこちらも消毒用アルコール&ティッシュで磨くと簡単にピカピカになりますが、黄変やプラスチックの劣化はどうにもできませんので、わたしの場合、劣化が気になったら適宜新品プラケースに交換するようにしています。


これとは別に、信号面が読み取れないほど白化したりするケースが90年前後の一部国内盤に見られるのと、やはり80年代のHyperionなどのUK輸入盤でブロンズ化と呼ばれる茶変色して再生不能になるケースがありますが、こられはどちらも製造不良に起因するもののようです。

前述のようにポリカーボネートは意外と薬品に弱く、私のようにCDの音質を向上させるために安易に使用したクリーナーやコーティング剤が原因で、超長期スパンでの経年劣化を早めてるなんてことは十分あり得ると思っています。また、手あぶらや何かの拍子に指に残った塗り薬や化粧品などが付着し、そこから侵食が始まるなんてのは、古いヨーロッパプレスのCDで外周部から部分腐食しはじめるケースが少なくない点を鑑みるとかなり注意が必要だと思います。
cd腐食
ただこの腐食、洗浄した上で保管方法をしっかりしてやるとそれ以上は進行しなくなるのも経験しています。自分は90年代の時点で、80年代ドイツプレスのクラシックCDに於ける手脂が原因と思われる外周部の腐食を何枚か経験しましたので、それ以降、指が明らかに乾いている時を除いて素手でCDを直接触ることを止めました。ちなみに製造品質の良い国内盤のほうはここまで気を遣わなくても大丈夫なのですけれども、日本プレスはそれ以前に音質が・・・ごにょごにょ(^^;

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CD、DVD、Blu-rayなどの光学ディスクを触る際には、上記の理由から基本的に綿手袋を嵌めてから出し入れとプレーヤーへのセッティングをしています。管理人は一種の潔癖性だったりしますので、オーディオ機器を弄る際にも一々手袋をする派だったり。(各部屋のオーディオシステムの横には常に綿手袋が置いてあります。)

エタノール、イソプロピルアルコールを使った拭き取りや水と中性洗剤を使った短時間の超音波洗浄についても、プレス製造時に残った機械油?のミクロン単位のベールが洗浄で落ちてしまうのは感触として感じられますので、長期保存を考慮するともしかすると好ましくないのかも!? そのうち、保護膜でポリカーボネートの耐久性を上げるための劣化防止コーティング剤なんてのが市販されるようになるかも知れませんね(笑)

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