今朝は早起きをしてリビングにあるメインシステムの大掃除をしました。最近色々と試していてアンプやCDプレーヤーが複数出たり入ったりしていましたから・・・。先ずはプリメインアンプCDプレーヤーを取り外し、エスカルゴでトランスポートの中を奇麗にし、ラックの中、機器、スピーカー、各種ケーブル類を水拭き掃除。使っている端子もスピーカーからCDP、電源まで全てソルベントでクリーニングしました。こういった定期メンテナンスも、敢えてコンパクトで軽量なオーディオ機器を使っているからこそ思い立ったときに気軽に出来る訳です(^^)。これがパワーアンプだけで20kgの巨体・・・な〜んて重厚長大システムでは、そうおいそれと動かして大掃除という訳にはいかないですよね。
ISOCLEAN POWER FUSE
今回大掃除をしたのは、先日予告したとおり、香港のオーディオ向け電源アクセサリーメーカーRC Developmentが販売する「アイソクリーンパワーヒューズ」の性能を確かめる為だったりします。日本での取扱はカインラボラトリージャパン。メインシステム回りに機器を並べて散らかしていたので、整った環境でヒューズの音質をきちんと比較したかったからです。※ヒューズの音質差が小さく、雑に比較したら違いが判らないのではとの配慮からでしたが、やってみたら聴感上の差は事前の想像よりも大きくて、これについては杞憂でした。



数日前Joshinwebより届いたISOCLEAN POWER FUSE。見た目はごく普通のヒューズですけれど、両側の金具には金メッキが施されていて尚且つ方向性の指示があります。あと、何やらペーパークロスが付属しています。取り付け前に汚れを落とせ拭けって事でしょうか?ヒューズはどう云う訳か新品から汚れていることが多いので、箱庭ピュアオーディオ管理人の場合は乾拭きでは無く工業用綿棒(模型用綿棒)と(パンドー29D)などの脱脂効果のある電子接点クリーナーで磨いてから使っています。

internal定期的な接点クリーニングは良い音の基本です♪
internalキトサン抗菌?オーディオ機器のメンテナンスに使う綿棒って・・・

ISOCLEAN POWER FUSEのラインナップ

ISOCLEAN POWER FUSEは普通の中空構造で、セラミックヒューズのように中に何かが詰められているとか、ヒューズ線が特に特殊な素材とかでも無さそう。クライオ処理等についての記述も無し。それと中文と英語の説明書が付属していますが、日本語の説明書は付属せず。英文の内容を要約すると、

高品位な電源がオーディオ機器のパフォーマンスを上げる事は良く知られているにもかかわらず、従来ヒューズの重要性は無視されてきました。ヒューズは高電流を流すことにより金属疲労を引き起こし、伝導率を低下させ劣化していきます。その為、一般的な条件下では半年から長くても一年以内にヒューズを交換すべきでしょう。※取り付け時にはヒューズの接触面をクリーニングし、矢印表記を確認して方向性を守ってください。

※ISOCLEAN POWER FUSEのラインナップについては以下の種類があります。
6×31.8mm : 1A,1.6A,2A,2.5A,3A,4A,5A,6A,7A,8A,10A,12A,15A
5×20mm : 1A,1.6A,2A,2.5A,3A,4A,5A,6.3A,8A,10A

とまぁこんな感じでございます。半年〜1年ってヒューズってそんなに頻繁に交換しないといけないのでしょうか・・・(謎)。それはともかくして、ISOCLEAN POWER FUSEの巷のウワサでは、場合によってアンプが別物になるくらい激変するとかなんとか・・・!?


ホントかよ〜と思いながらもお取り寄せしたアイソクリーンパワーヒューズをTAG McLaren 60iに最初から入っていた純正ヒューズと入れ替えてみます。規格は5×20mmのミゼットT4A (SB)。TAG McLaren 60iに元々入っていたのはS4A (FB)即ちファストブロウタイプですが、ISOCLEAN POWER FUSEは全てスローブロータイプとのこと。ま、いいか(爆) 自己責任、事故責任っと。真似して回路が焼けても当方は一切関知しません。60iの場合はリアパネルのIECインレット部よりワンタッチでヒューズ交換ができますので作業は1分かかりません。

そう云えば以前Musical Fidelity A1 Juniorのヒューズが飛んハインツ&カンパニーさんへ点検修理に出したとき、戻ってきたら切れたファストブローヒューズがスローブロータイプにリプレイスされていた事があり、しかも何故か音質がクリアになっていました。まぁ60iにはヒューズ以外にも安全装置として少しでも何か起きると直ぐに作動する敏感なリレーが入っていますので、良いことにしておこう・・・(爆)。ヒューズの方向性とやらは回路図を見なければ(見ても)判りませんので、音出しをして聴感上良さそうな方(より変化のキャラクターが明確な方)に決定。

ISOCLEAN POWER FUSEの音質レビュー

まず、出てきた音がいきなり大人しい!?。これまでよりも音量が僅かながら下がったように感じます。勿論ボリューム位置その他は全く弄っていません。ただヒューズのみを純正からISOCLEAN POWER FUSEに入れ替えただけです。更に良く聴き込むと、ノイズフロアが一段と静かになり音場が整って深くなったように視覚的に見えます。相対的に響きが豊かになる傾向で残響の滞空時間が長くなったような印象。響きに潤いがありとにかく陰影が豊かです。加えて音色の色彩感がより多彩になりました。

背景はやや明度を落とした落ち着いた感触で、直接音そのものは仄かに明るくきらめいています。ソリストにスポットライトが当たるコンサートホールの照明に近いです。これは云ってみれば金メッキによる影響かも知れません。ピアニッシモ方向への解像度が向上し、デリケートなニュアンスが豊かに際立つ印象で、線は細いのですけれど音の細やかな動きが良く見える、ハイエンド的な上品さをまとった美音系とも云えます。穏やかな音色がするタイプの真空管アンプにイメージとニュアンスがやや似ているかも。ただ、TAG McLaren 60iとの組み合わせでは大人しすぎて迫力が後退しました。少々釈然としないけれどデリカシー豊かで美しい音色って感じです。

元のTAG McLaren 60iに付属にしていたヒューズに敢えて戻してみます。こちらは元気が良く快活、音像も前に出てくる感じでISOCLEAN POWER FUSEと比べてクリアでカッチリとした明るい音色です。ただ、元に戻してみて気がついたのは、純正品は明らかに高域方向への僅かな歪みを感じる点。アイソクリーンパワーヒューズと比較し、何故かしばらく聴いていると疲れると云いますか飽きる感じです。標準のヒューズでは音に深みが出ないのですね。これはこれで変な色付け感が感じられず、流石に相性面での良さを感じるのですけれども。
ヒューズソケットIEC
再びISOCLEAN POWER FUSEを入れてみます。やはり大人しいのですが歪み感が皆無。大人しさと歪みの少なさが相まって逆にボリュームを上げたくなります。要するに歪まないから結果的に大人しいのか。また、実際にボリュームをこれまでよりかなり上げても全くうるさくありません。BGM含め長時間音楽を聴くのでしたら絶対にアイソクリーンヒューズの方が良いです。この点では明らかに良い方向に向いていると思いますが、店頭効果的な意味では純正ヒューズの方が押し出しと明るさがあって目立つ音がします。音圧感よりもデリケートな音質の違いを聞き分けられる耳の良い人向きのヒューズだと思います。

また、クライオ処理された製品のように、高域が伸張することで全体のバランスが崩れるような印象はISOCLEAN POWER FUSEを使う限り全く感じられません。帯域バランスが良く上下の拡張感は程々でナチュラルです。どちらかと云えばクラシック音楽向きかな。管理人は100V仕様のTAG McLaren60iの音が微妙に大人し過ぎるため、より元気な音にしてくれる電源関連アクセサリーを探していたのですけれど、その意味では若干反対方向になってしまいました(-_-;)。しかし、全体の品位の向上具合を考えると格段にISOCLEAN POWER FUSEに軍配が上がります。この音質のまま更に元気な音となると、禁断の容量アップと云う禁じ手があったりしますけれど、大惨事のリスクがあるので自分はやりません。

それから金メッキによる影響だろうと思いますが、音に独特の上品で陰のある色彩感が付帯しますので、これが好みかどうかでしょうね。個人的には金メッキだけではなくて、ロジウムメッキバージョンがあったら面白いのにと思いました。とは云え、音質面で全体のクオリティは確実に向上します。この歪み感の少なさと端正な音場を聴いてしまうと、もう音質対策が施されていない一般的な工業用ヒューズには戻れないかも知れません。

out6moon Iso Crean AUDIO GRADE FUSES レビュー(英文)

まとめ♪

正直、アイソクリーンパワーヒューズでアンプがまるで別物になるほど変わるか?と問われると、TAG McLaren 60iに限ってはそこまでの激変はしませんでした。他のアクセサリの効果と同じように効果の大小は機種や環境にも依るだろうと思います。今回のヒューズ交換交による聴感上の支配力は相対的にRCAピンケーブル電源プラグを替えたくらいの効果でした。そう考えるとわりと安価で効果的な対策だとは云えますけれども。更にISOCLEAN POWER FUSEがいつの間にかROTELの一部機種で純正採用されている事なども個人的にはなかなか好感度高いポイント。どうせなら全製品に採用して欲しいかも(爆)

internalROTEL RDA-06 コンパクトデジタルプリメインアンプをレビューしてみる。
internalCREEK CLASSIC CD:ヒューズ交換による音質向上に挑戦

そう云えば冒頭の「半年から1年で交換が望ましい〜」の話ですけれど、結局この最初に購入したT4Aアイソクリーンパワーヒューズや当時ONKYO A-1VLにインストールした分も含めて実は15年間切れることも無く未だに使い続けています。けれど音質的に特に問題が出ているようには感じません。TAG McLarenのアンプが故障してしまったので、今では同じミゼットT4A指定のAUDIOLAB 8300A側に移動しつつ現役。その辺りの話はSynergistic Researchの更なる高級ヒューズを購入して比較した話も含めて後日書いてみようかなと。

outSynergistic Research BLUE Quantum Fuse (アメリカ)

オーディオ機器に使われている過電流防止用のヒューズですが、電源供給の観点から見ればデメリットに成りかねない必要悪的な存在であって、電源回路にヒューズを挟むことでの音響的なメリットは何もありません。実はISOCLEAN POWER FUSEが発売される2005年以前から、工業用グレードの一般的なヒューズ部品をクライオ処理などでチューンする等、いくつかのハンドメイド商品がガレージショップ等から出てはいました。聴感上それなりの効果はあるにしても、論理的説明に欠けている点や、大手販売元や専門誌からのリリースでないこともあり、一般的なオーディオファイルの間で高音質ヒューズが普及するには至っていなかったように感じます。そこに風穴を開けたのがISOCLEAN POWER FUSE。販売から15年が経過し、現在では累計販売数が4万本を超えるロングランヒット製品になっています。


最後に、今回は色々といけない事も書きましたけれど、繰り返しますが真似をして何かあっても当方一切責任は取りませんので悪しからず。電気工事資格の必要な部分ではありませんが、細かな作業が元々苦手な方、リスクが論理的に理解出来ずリスクヘッジの概念に疎い人、電気回路の知識が皆無で、オーディオ機器の蓋を開けると中身がちんぷんかんぷんの人は決して触らないで下さい。ヒューズはあくまで機材の過電流による故障と発火を防ぐための部品と云う事をお忘れ無く

+For
 自然な音質向上と嫌みの無い上品な音色
 非セラミック系ならではの音質と響きが得られる
 いくつか試した中で個人的には一番良いヒューズだと思います

−Against
 沢山購入するとお財布に辛い
 1A未満及びファストブロウの設定が無い

《あくまで管理人の個人的評価です》

adSOUNDHOUSE ヒューズの種類と解説編
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《Published 2005/5/24, Last modified 2021/06/28》

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