N802"B&Wを知らずしてピュアオーディオを語る事なかれ」と言い切ってしまえるくらい、世界中のメジャーレーベルがこぞって録音スタジオ用モニタースピーカーとして標準採用しているのがBowers&Wilkinsです。高音質録音で知られるマイナーレーベルのスタジオでも多くはB&WのNautilus 800シリーズか旧MATRIXシリーズのモニタースピーカーを使用しています。演奏家のあの人も指揮者のこの人も仕事用に自宅用にB&Wスピーカーを導入していますし、(注:一部アルフレッド・ブレンデルの様に静電型スピーカーのQUAD ESLにこだわりを持ち、レコーディング時に密かにB&Wと入れ替えさせるピアニスト等も中にはいますけれど・・・) 大多数に於いてメジャーレーベルの正しい録音の音を知りたかったらまずはB&Wを導入せよ!と言い切れるくらい、現在のピュアオーディオ再生に於けるデファクトスタンダード的な存在になっているのがB&Wブランドのモニタースピーカーだと云えるでしょう。
ヘンデル:水上の音楽
イギリス・バロック管弦楽団 ヘンデル ガーディナー(ジョン・エリオット)

おすすめ平均
☆☆☆決定盤☆☆☆
最上の音楽
夏の湯上り、夕涼みに聴きたい1枚

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指揮者のサー・ジョン・エリオット・ガーディナー。以前に英国のB&Wのコマーシャルに出てまして、なんでもMATRIX802S3を使われているとか!?現在はNautilusなのかしら?同じく指揮者の故ヘルベルト・フォン・カラヤンが自宅やグラモフォンでのレコーディングモニターにB&Wの初代Matrix801以降を使用していたことは有名ですが、ロシアの指揮者ワレリー・ゲルギエフのインタビュー番組を以前に観たときも、マリインスキー劇場のオフィスか何かだと思いますが後ろにノーチラスが置いてありました。

805V私がB&Wのスピーカーに最初に出会ったのはナカミチが代理店をしていた頃のマトリックス805V。安っぽい外観仕上げとは裏腹に、当時の小型SPとしては非常にアキュレート且つ情報量の多いスピーカーで、ただ単に高音質というのみならず音楽表現力の面でも動的でキレの良い快活な表現力を備え、同時期の他社スピーカーを圧倒する大変魅力的なモデルでした。


M805Hちなみに同じB&W MATRIX805でも、スタジオユースでの横置き用にトゥイーターの取り付け位置を変更された805Hの場合、音色は一緒なのですが不思議と805Vの持つ動的な快活さが抑えられていて、同一の部品と構造にもかかわらず音楽から伝わる楽しさが全然違ってしまうのに不思議な驚きを覚えたものです。

旧マトリックスシリーズは現行のノーチラスシリーズと比べると全域に軽快なナチュラルさと穏やかさがあり、トゥイーターが歪んで五月蝿いと感じさせるようなことはあまり無かったのですが、Nautilusへモデルチェンジされ一気に現代的な高い解像度とスピード感を獲得した結果、厳格なモニタースピーカーとして接続される機器や録音の誤魔化しが一切許されない厳しさも同時に兼ね備えてしまった印象があります。そんなB&W 800シリーズのアキュレートなシビアさを目の前にすると、私などは身の丈に合わないと感じてどうしても尻込みしてしまうのですけれども、やはり普段クラシック音楽を中心に聴いているオーディオファイルとして、B&Wの上級モニタースピーカーをリスニングルームに持ち込む事へ常にある種の憧れを感じずにはいられません。

管理人の場合、ここ数年店頭試聴時には805SB&W 703/704基準にしてオーディオ機器の比較視聴をするようにしています。中〜低価格帯のモデルで他に個人的に好みの音がするスピーカーはいくつかあるのですが、客観的にノーチラスより音質面で優れたスピーカーは殆ど存在しないと考えています。
B&W 805S

B&Wのサウンドは、正にモニタースピーカーの名に相応しい歪みのないアキュレートな広い音場とそこに浮かぶ正確でシャープな音像、強烈な解像感を伴うセンシティブでクールな高域とフラットな周波数特性など、他メーカーのスピーカーとは次元の異なる圧倒的な情報量が特徴です。反面これだけの情報量と引き換えに使いこなしの難しさも第一級。ノーチラス・ツイーターの応答性の良さが災いし、生半可なクオリティのアンプやケーブルを繋げて音出しをした場合には、高域方向の神経質さが耳につきとても長時間聴いていられない類のキツく耳に痛い音になってしまう状況にしばしば出会います。かといって分解能の低く高域方向が丸まった甘い音色のオーディオ機器との組み合わせではノーチラスが持つ本来の高解像度を基調とした高性能な持ち味を十分発揮することは出来ません。ノーチラスをそれらしく鳴らすためには、全帯域に於いてハイスピードで情報量が多く色付けを廃しながらも一切の歪み感を感じさせない質の高いアンプSACDプレーヤースピーカーケーブルクリーンな電源システムなど、ブランドに惑わされないトータルでの優れたリスニング環境を揃えることが必須になります。

B&W800シリーズは、ハイエンドオーディオの世界でも、再生芸術・・・生より艶っぽい個性的な音色を備えた危うい魅力のスピーカーにカスタムメイドの真空管アンプを繋げて、怪しいブランドのビンテージ?ケーブルを繋げ、出てくる音は非現実的だけれども夢のような魅惑の音空間〜♪的な方向性とは思考回路が全く正反対にある、モニタースピーカーとしてあるべき現実を直視することを大前提としたスピーカーだと云えると思います。
【最高峰】B&W Nautilus 800D

モニタースピーカとしてのB&W製品は文句なしに素晴らしいです。現在の選択肢の中ではほぼ間違いなく究極と云えます。ポリグラム系列など多くのレコーディングスタジオでリファレンスモニターとして使用され、オーディオメーカーの開発用スピーカーとしても現在最も標準的であろう存在。生演奏を知る音楽ファンで、オーディオマニアックな魑魅魍魎の世界には興味が無く、最もハイクオリティで正確な音質、そして家具としても優れた質感を備えた一級品をお金に糸目を付けずに一流のシステムをしっかりと組まれる。或いは音楽モニターとして業界人が仕事用に最善のシステムを組みたい。こういったニーズの場合にはB&W Nautilus 800シリーズ以外の選択肢は敢えて考え無い方が正解かも知れません。
Nautilus 804S

しかし、これが予算に限りがある皆様となると話は別になりそうです。先にも書いたように、B&W 800シリーズは再生面での一切の誤魔化しが効きません。Nautilusに比べてより親しみやすいアコーステッィクなプレゼンスを感じさせる下位モデル、B&W703/704/705等であっても、他社同クラススピーカーと比べた場合、十二分にモニタースピーカーと呼べる品位を備えています。ですから、スピーカーまでは何とかなるけれどアンプやプレーヤー・オーディオケーブルや電源環境の整備にまでは十分に予算が回らないといった状況で一点豪華主義的に迂闊にノーチラスに手を出したりすると・・・そのセッティングの神経質さを持て余してコントロール不能に陥り、望んでいたような音質が得られず、結果さじを投げ出したくなるかも知れません。B&Wの上位機種を中途半端なシステムと組み合わせてしまった場合、高域が金属的に耳につく、リラックスできない神経質な音に終始してしまう可能性が大いにあるからです。それをも覚悟で敢えてB&Wにジャンプするか、予算との折衷で他に程々のバランスを目指すのか・・・ここまで来たら後は皆さんの考え方次第でしょうか♪

とはいえ、2005年よりダイヤモンドトゥイーター搭載などノーチラスシリーズの内容がマイナーチェンジでほぼ一新されました。このモデルチェンジをきっかけに従来の高域方向の神経質さが解消されていればこれ以上の選択肢は他に無いだろうと思います。新型のNautilus 804S805Sについては残念ながらダイヤモンド・トゥイーター搭載機ではありませんが、803以上の末尾に"D"が付くモデルは、巷の情報ではトータルバランスが大幅に改善しているとのことですのでとにかく試聴してみたいです。

DM600予算はあまり無いけれどB&Wブランドにあこがれはある。そこでB&Wで箱庭的バジェットHi-Fiが可能かどうか考えた場合、候補としてB&W CMシリーズ600シリーズなどの比較的低価格なスピーカーがあります。これらの下位シリーズモデルの場合、モニタースピーカーとしてのノーチラスのグレードダウンというよりは※ケブラーコーン特有の少々しゃくれたようなドライな質感と箱鳴りを生かした音作りで、上級機の持つ解像度の高いモニター的な音質指向とはかなり趣が異なりますが、少ないコストの中で、エンクロージャーのサイズを比較的大きく取り、低価格ながらも、音楽を屈託無く明るく楽しく聴かせてくれる親しみやすいキャラクターが魅力になると思います。注:※以降はあくまで2005年当時の旧600シリーズについての記述です。

B&Wの製造面での拘りについてjazzaudiofanさんのブログに耳寄り情報があります。私も英国よりDVDを取り寄せてしまいました。

※2007年追記:B&Wでは2005年末より中間価格帯ラインナップとしてCM1/CM5/CM7/CM9等のCMシリーズが順次リリースされています。価格帯を大きく超えるクオリティが魅力で、既に同クラスのリファレンス、デファクトスタンダード呼べる存在です。使用環境によってはノーチラスを超える魅力もある非常に素晴らしい製品ですので、ぜひご試聴をお薦めします。→CM1のレビュー

※2009年追記:B&W CMシリーズにCM5及びCM9、CMシリーズ全機種にピアノフィニッシュんが追加されました。 《2009/05リンク本文修正》

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