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QUAD L-ite2 英国製超小型ブックシェルフスピーカーのレビュー※後編

【QUAD L-ite2 英国製超小型ブックシェルフスピーカーのレビュー】
序章前編|後編|シングルワイヤバイワイヤ疑問ジャンパー

さっそくQUAD L-ite2の音出し音出し。。。そそくさとCREEKのサブシステムCへ繋げて音出ししてみるてすと・・・もうこれは実のところ最初の3秒で大勝利確信! 何気に見事なマリアージュの予感♪ というかImage12よりもずっとお似合い。驚くなかれ、CREEKの推奨となる純正組み合わせのエポスELS-3よりも合っている気が・・・(滝汗)

emf_sequel2_creek_classiccd_quad_lite2

あ、ここで一応インプレ時の組み合わせ条件を書いておきます。セッティングについてはご覧の通り。タンスは「カプリ 105ローチェスト」で天板は無垢アルダー材。スピーカーインシュレーターにはオンキヨーのAS-258、スピーカーケーブルがSUPRA CLASSIC 2.5H、L-ite2はバイワイヤリング接続対応端子ですが、付属のジャンパープレートをそのまま使用して下側の端子にaudio-technicaのバナナプラグAT6301で接続してみました。

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QUAD L-ite2 音質レビュー♪

QUAD L-ite2は音にアナログLP的な密度がありますし、中低域方向も自宅でサブシステムとして使うには十分な量感とバランス。audioproのImage11/Image12は高域の解像度と引き換えに、はっきりと100Hz以下の低域が足りないのですけれど、LITE2はサブウーファー無しでも程々に中低域のボリューム感が保たれています。そして何より音楽性が高い。ウーファーの音色はかなり温かく、ツイーターはピアノの右手方向、2.2Kのクロスオーバーあたりから上の中高域にブライトなピークがあって明るい音色です。その更に超高域は量的にあんまり強く出てない印象。これはCREEKの影響もあるかな。総じて、現代的な解像感と残響音とで音場空間をシャープに描写するスピーカーでは無く、ウォームでクラシカルなアナログテイストを身上とした音像描写型スピーカーです。

能率は86dBですのでそこそこ低いです。今までよりSequel2のボリュームはメモリ2つ上。この辺りが昔の高能率ユニットで箱鳴りを生かした英国製スピーカーと違って、B&W等と同様に意外と現代的なエネルギーのこもった音の絞り出し方をしているなぁと感じさせる部分。f特がオーディオプロ Image12と比べると中域中心にカマボコ展開です。狭いのでALR/JORDAN EntrySなんかに近い。この辺の特性は上位の11L2や12L2の方がずっとワイドレンジでフラット感がありますね。ケブラーコーンウーファーはB&Wのケブラーほど明るくドライな抜けの良さはありませんが、やはりダンピングを要求する歯切れが良い傾向ですので、低めの能率含めて、トランジスタアンプでしたらMOS-FETでぷちドライブ力のあるタイトな音のプリメインアンプが似合いそうです。それと透明感のある真空管アンプも似合いそう。ただし低域のドライブ力が絶対的に足りない場合、ウーファー側がスカスカしてふぬけそうな予感。ミニマムサイズの小型スピーカーとは云え、あまりにチープなアンプは禁物です。

QUAD LITE2 Supra_CLASSIC 2.5H

ツイーターが担当する中域より上の音色が明るく、クロスオーバー付近はサクサクしていて芯があるというか、高域のリバーブの残響感は控えめなのと、サイズの割には音像定位が太め。よってピアニッシモの超小音量ピンポイント再生には向きません。今のところは輪郭がボンヤリしてます(エージング待ち?)。メゾピアノ~メゾフォルテくらいがこのスピーカーが闊達に鳴る美味しい音域です。PCオーディオなどのニアフィールドリスニングに向くかと問われたら、あまり向かないと言っておきます。ただし少しばかり離れて聴く事が出来るのでしたら、音楽性が非常に高く、タッチの描き分けや中域の細やかなニュアンス表現は見事の一言。ちなみに管理人は1.5~2mほどの距離で聴いています。

エージング(バーンイン)とアクセサリで解像度の底上げがポイント

店頭で気になった混濁感は、自宅できちんとした環境&吟味されたスピーカーケーブルでのシンプルな接続であれば、十分気にならないレベルに抑えられていました。元々高域が穏やかなCREEKとの相乗効果で余計に混濁しないか凄い心配でしたが、これは概ね杞憂でした。ウーファーの担当帯域に混濁傾向があるのですが、理解していればキャラクターとして受け入れられる範囲です。むしろこのレンジ感を狭めたウォームな味付けがクラシカルなブリティッシュサウンドには必要なのです。QUAD L-ite2は敢えて現代のプアマンズLS3/5Aだと言ってしまおう。お高いLS3/5A本家と比べてしまうとトーンが若いし表現もやや浅いんですけれど、そのあたりはまぁ、お値段以上のニトリ的な満足がQUAD Lシリーズでも得られますと云うことで・・・ね?

尚、初期印象は非常に良かったのですが、数日鳴らしていたら初期バーンインが進み、かなり音が柔らかくなってきたように感じます。特にウーファーがこなれて来ました。たいていの場合、これで更に歪みが取れて解像度が上がり、音が良くなるという方向なんですが、新品最初の音で感動してしまった自分には、なんかちょっと柔らかし過ぎかも・・・的な。ツイーターはまだ硬い音の反面、低域が多少丸すぎるというか、ケブラーのザクザクとポリプロピレンのヌルヌルが混ざったような音色のウーファー側、中域~低域方向への混濁感が気になりはじめました。弾むような感じで音楽性は高いんですけれども・・・・。アタックが丸いのは別に良いんですが、ノリノリで結構ダンピングが効いている割には、低域の響きの消え際がイマイチ不明瞭。なんかこう、ゴリッと輪郭を明瞭にするために導体に太めのPCOCCを使ったスピーカーケーブルを噛ましたくなる感かも。

ツイーター担当の中高域~高域については、L-ite2は中域~中高域に11Lや12L程の解像感や輪郭感は無く、よりナチュラルなテクスチャです。輪郭感よりも柔らかい音の中に芯がある感覚。今のところ「ナチュラル+プラスチッキー÷2」っぽい感じですので、ここはぐっと堪えつつエージング待ちなのかしら?むしろ11Lに敢えて近づけたく、既にスピーカーケーブルとして、NORDOST(ノードスト)のフラットラインゴールドとか入れたくなって来た~あゃゃ。

英国式スピーカーでビートルズの再生を試みる

ブリティッシュサウンドと云えばやはりビートルズ。管理人が敢えてサブシステムの1つの方向性として丸ごとブリティッシュサウンドに拘る理由が、ビートルズをらしく再現できるかどうか?だったりします(別に古いUKロックであれば別にビートルズ以外でも良いんですが)。

ビートルズ特価

オーディオ機器側では同じイギリスのCREEKNaim Audio等が、音色的に古いブリティッシュロックに特にお薦めなのですけれども、同じイギリスのQUADはどうでしょうか?、昔のQUAD 44/66/67/77系のコンポーネントは当然として、少なくとも11L/12Lでの短時間の店頭試聴の際には、これってUKロック・・・ビートルズに合う傾向だよな~とか割とテキトーに思っていたりした訳ですが、L-ite2はお店でそこまで聞き込んでなかったこともあり、まぁ当然これも同じく合うだろうくらいの軽~い認識・・・。

ちなみにLシリーズの上位、QUADのフラッグシップにあたる静電型スピーカーのESLは、上品ですのでロックよりもクラシック向き。余談ですが、アルフレッド・ブレンデルのピアノが好きな方はESLを使われるのがお薦め。彼はレコーディングモニターにQUAD ESLを使用していたそうです。本来PHILIPSのリファレンスレコーデイングモニターはB&Wの801系なんですが、ブレンデルの収録では密かにESLをスタジオに持ち込んでいたそうな。

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管理に人は未だにリマスター盤を所有していませんし、買うなら出来ればイギリスからの輸入盤BOXセットで欲しいのですけど、なんだか£換算でも妙に手が出ないくらいお高いんです・・・。尚、国内盤は例によって論外。そんなこんなを逡巡しつつ、”リマスターされていない”手持ちの旧盤をいくつか取り出してQUAD L-ite2で鳴らしてみた訳でございます。

結果

…・・ζ́◉◞౪◟◉)?

…・・(´Д`;)???


……あ、合わない・・・・(滝汗)

なんだこれ?1分聴くだけでそこにいるだれかを思わず殴りたくなるような音ですよ?…。 何が合わないってツイーターの音質です。高域、じゃなくて楽音帯域の中高域ですね。クロスオーバーから上と高音楽器の基音と低次倍音の間ですから数千Hzくらいの所です。ドラムのシンバルとかもはや・・・。そこだけ取って付けたように押しつけがましいシャープさにイライラする・・・割とまじで。今このエントリ書くために敢えて聴いてますがこれは拷問級(´Д`;)

何だろう?多分録音@80年代の初期CDリマスターが元々ハイ上がりで歪んでいるからだと思うんですが、その高域方向の歪みがルーペで拡大されたみたいな感じですっごい嫌な音がします。なぜかこれ、クラシック音源ではそれほどまで感じません。多分クラシックの場合、普通の録音ではこの帯域に問題になるような歪み要素があまり無いからでしょう。(例外として、マーラーの交響曲を少し大きめの音で鳴らしているとトゥッティで・・・ん?と感じることはありました。あと、DECCAの録音、例えばアシュケナージやラドゥ・ルプー等のピアノの右手のアタックが中域~中高域でカンカンする。これは元々録音がそんな音なのですけれども、その部分がこのスピーカーではすこぶる強調されています。。。

もしかしてこのスピーカー、ロックとか、ポップスとかで加工された音源、特にコンプを掛けてわざと歪ませていたり、特に古い録音でそもそも歪みっぽかったりすると、それを拡大しちゃうツィーターなのかも知れない。たぶん、L-iteに限らず同じツイーターを使うL2シリーズみんなそうなのかも。ていうか、前に議論になった11L/12Lのキンキン問題ってこれの事ジャマイカ?L2になってからは余り言われなくなったですし、店頭試聴時にも高域の透明度が上がったのが感じられたので安心していたのですが、改善されたとは云え根本設計自体のまだその傾向がある!?のかも…orz

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未だエージング半ばとは云えこれは不味いですので、精神安定のためにコンプかけまくりのアニソンをいくつか再生してみましたw 結論から言うと、あれ?なんでか大丈夫?中高域にピーク感があるのは否めませんが、スピーカーの持ち味そのものは基本的に円やかな丸い音ですので、そんなには気にならない感じ。メインの歪ませ帯域がビートルズよりもずっと高周波帯域に寄っているからかもしれません。それより、最新のデジタルクリアな録音が、60年代のアナログ盤みたいな乾いた音になってしまうのが味わい深すぎてなんだか。

録音には生理的に不快に感じる歪みと、意外と耳に優しい歪み感ってあるんですよね。ビートルズのは明らかに不快方向へ針が振り切ってる。録音の新しいアニソンは不思議なことにコンプ歪みが心地よかったり、なぜか聴いていて平気なCDが多い。あと、ピチカート・ファイヴ TYOもこれ駄目だ・・・他で再生する際にはぜんぜん歪みっぽくないCDなのになんでだろ~?英国サウンドっぽく加工しているから?

~まとめ~

ここで時期的な中間を取って、上のピチカート・ファイヴと同時期の89年に録音されたアリッサ ミラノ。いかにもあの時代のアイドルポップスです。うん、これは問題なし。安心した。むしろこれはアリッサ・ミラノの声質とスピーカーが合っていてノリノリで楽しい♪

とまぁこんな感じで、たまたま手が届くところにあったCDを色々取っ替え引っ替えして、ビートルズが特に酷いこと(完全に想定外!)、あとその他でも酷く合わないCDが、ちらほら存在しそうな感じなことが掴めてきました。根本的解決を目指すとすると、QUAD L-ite2のツイーターを歪み無くパーフェクトに鳴らせるようにする。これにつきそうな感じです。エージングでもある程度解決するでしょうが、とにかく、わざわざイギリスQUADのスピーカーを入れた以上、ビートルズが良い音で鳴るようになるまで絶対に諦める訳にはいきません!L-ite2の音色そのものは英国的でビートルズ向きだと思うのですが、f特の癖がソースとハードでマッチングが取れていないような印象です。

現時点で見えてきたセッティングの方向性は・・・

1)クロスオーバー~少し上辺りのツイーターの歪み感を取り去る
2)中域~中高域に芯があって押しつけがましいので、フラットにしたい。
3) ウーファーの混濁感を(レトロな持ち味を消さない範囲で)適度にクリアにする。

この3点がQUAD L-ite2を使いこなすポイントになりそうです。下をクッキリさせつつ上の歪みを取るって、上下で見事に相反する命題ですわね。その他にもよりマッチングの良いインシュレーターを見つけるとか、以前書き綴った方法論がいくつか思いつくのですが、まず最初に取り組むべき、一番効果ありそうな解決法で直ぐ思いついたのが、バイワイヤリング用のショートジャンパープレートの問題です。(QUAD L-ite2 続編 バイワイヤリングの前にシングルワイヤリングで試行錯誤してみたに続く)

そんなこんなで、まだエージングも終わってない状態でのフライングレビューをしてみました。何となく高域の解像度とかは徐々に良くなってきそうな感じが既にあります。でもここはやはりアクセサリでの微調整は必要っぽい。必要なくても箱庭ピュアオーディオブログ的に必要。。まぁこの試行錯誤泥沼的流れは大抵どんな機器を導入しても起きる事ですので、インシュレータースピーカーケーブル電源ケーブル等々、どう変化していくのか今後も気が向いたら書いてみたいと思います。

+For
明るく快活で音楽性溢れるサウンド
レスポンスが良くパンチーでリズミカル
英国老舗ブランドのアコースティックでナチュラルなソノリティ
光沢木目突き板仕上げは価格を超える美しさ

-Against
上下のレンジはかなり狭い
ケブラーコーンユニットの付帯音が少々ドライでプラスチッキー

【QUAD L-ite2 英国製超小型ブックシェルフスピーカーのレビュー】
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