audio-technica AT6099について続きを書こうと思っていたのですが、イギリスのブックシェルフスピーカーQUAD 11Lについて、ブログ常連のUさんより、使いこなしについていくつか質問がありましたので、自分なりに足りない知識でぐるぐると悩んでみました。。。
QUAD11L_BLACKQUAD11L_MAPLEQUAD11L_ROSEWOODQUAD11L_CHERRY

QUAD 11Lについて某掲示板ではここ数日、ユーザーさん同士なかなかホットな議論に発展していて、皆様どうも高域がキンキンするという事でかなりご苦労されていらっしゃるみたいです。(・・・使いこなし議論の方向性が有意義且つ核心を突いた書き込みも多く感動しましたd(^_-) 自分はこの傾向こそが11Lが本質的に良いスピーカーである証になっていると思います。)

QUAD 11Lはお世話になっているババデンキさんに試聴を勧められて以来、ブログの立ち上げ初期から長らく10万円以下クラスのお薦めスピーカーとして掲載しております。掲示板の稼働時には複数の方がこちらを一部参考にされてQUAD 11Lを購入されたようで、今回の件についてはさすがに少しばかり責任を感じております・・・(滝汗) とはいえ、私自身は2、3回ほど店頭試聴しただけで11Lを実際に購入しておらず、人柱リスクを取っていない以上、実機の使いこなしについては偉そうにレクチャーできる立場にありません。その点を前提に、以下についてはあくまで空耳程度に読んでやってくださいましm(__)m
QUAD 11Lの持つサウンドの魅力は、英国的な少々古めかしさの漂うヨーロピアントーン、ややアナログチックなウォーム系で、悪く云えば垢抜けない雑味感を程々に残したまま、現代的なソースにも対応できるワイドレンジ&ハイスピードレスポンスと、同社のESLをほんのり彷彿とさせる繊細感の高い高域を両立していることにあると感じます。

これである程度イメージできると思いますが、音色がある意味ベタな洋モノ系であるが故、その手の舶来的な気質を好まれない方々にまで(注:聴くジャンルが異なる場合など)、万人向けのスピーカーとして軽々しく推奨できるモデルではない気がします。QUADのサウンド傾向は、日本人が考えるところの"高音質"とはかなり異なる方向性です。どこぞに例えを書かれているように、午後の紅茶ロイヤルミルクティー♪の如しであって、スッキリ爽やかな伊右衛門ではありません(謎) 洋風をわきまえた上で好きな人は好きだろ〜って感じの音色です。(でまぁ私自身はそれが好きなんですが・・・)

まず、キンキンするという点ですが、これは私が試聴した際にも感じました。高域がキンキンするというか、私の表現では中高域になるのかもですが、ボーカルのサ行が異様に目立つのと、楽音の高域(F特の中高域)がキンキンして癇に障る傾向です。私自身はこれをB&WVienna Acoustics(スキャンスピーク製トゥイーター)、DYNAUDIO(ディナウディオ)Red Rose Music等の各種リボン型トゥイータースピーカーなど、クラシック音楽に必要な繊細な解像感と空間音場再現が出来る、より本格的な数クラス上のスピーカーの持つ高域特性と、傾向的に類似したポテンシャルを秘めている素性の良さとの証として、短時間の試聴では好意的に受け止めていたのですが・・・実使用時には使いこなしや組み合わせも含め、場合によって難儀する可能性はあるとも感じました。

ただ、試聴時のそういった傾向については、組み合わせたアンプが国産のDENONMARANTZLUXMANなどのハイパワー戦車系wミドルクラスアンプだった事もあり、単純にアンプとの相性が悪く、オーバードライブ気味で破綻しているのだろうと解釈しながらも、内心ではかなりあひゃひゃひゃ!?という感じです・・・(滝汗)

QUAD11Lこの問題がアンプとの相性だけのせいなのかは流石に断言できませんが、或いは11Lの場合、クロスオーバーが2200Hzと異例の低い位置にあるため、楽音の中高域で気になるような音色の不整合、アクセントが発生しているようにも思えました。ちなみにクロスオーバーが2〜3kHzのスピーカーは、どうしてもその付近の繋がりが気になるもので、個人的には出来ればピアノやフルオーケストラの基音をほぼウーファーのみでカバーできる、4000Hz以上のクロスオーバーがベターだとは感じています。(ウィーンアコースティックT-2もクロスする2.8kHz付近にもろに問題を抱えています。)

もしかすると低価格なダイナミック型ブックシェルフスピーカーでQUAD ESLっぽく繊細な表現を実現したかった事の現れなのかもですが、楽音にかかる低い帯域までもをトゥイーターに負担させているため、結果としてこのトゥイーターを制御できない場合には簡単に高域が歪む事になるのではないでしょうか?

ここで高域がキンキンする問題を解決する為のアイデアを思いつく範囲でいくつか挙げてみます。

個体差とユニット取り付け

まず、個体差。残念なことですがこれは11Lに限らずどうにもなりません。スピーカーなどはある意味手作り工芸品に近い物ですので、同じスピーカーの違うロットを複数比較した経験がおありの方は想像以上にアタリハズレが存在するのをご存じなのではないかと思います。また、11Lの場合は外装のツキ板仕上げによっても音質が随分異なるようで、エボニー(黒檀)仕上げなどはよりシャープでタイトな音がするみたいですから、方向性として更にキツさが気になるかも知れません。良い個体であれば、むしろタイトで響きの良い黒檀仕上げが一番高音質ではないかと思いますが。

それから、製造時の電動ドライバによるユニット取り付け(多くは締め付けすぎ)歪みがある場合、一端外して手で程よいトルクで締め直すことで劇的に改善することがあります。うちのT-2の場合では、トゥイーターが歪みっぽくて購入当初とても聴いていられない音だったのですが、思い切って外して再び取り付けする事で、ウソみたいに全く歪み感が感じられなくなりました。それ以前に試したこととして、ネジをちょっと弛めたり増し締めしたりする程度では殆ど付け焼き刃程度の変化しか感じられなかったのにです。ただ、ユニット着脱はどっちに転ぶにしろ確実に音が変化(個体差レベル)してしまいます。場合によっては音色が好みの方向でなくなることもあり得ますから、一種の非可逆リスクを伴います。それについては私は一切責任を取れませんので作業はあくまで自己責任でお願いします。
注:現状に大きな不満のない人はやらないでくさだい。数分以上聴く気になれないとか、このままだと泣く泣くヤフオク送りみたいな場合には、ダメ元で試してみる価値はあると思います。

ユニット着脱用の六角レンチは100均でも手に入りますが、QUADのネジ型は英国製品に多い星形トルクスドライバー(へックスローブ)レンチです。安価では一般に入手困難ですので一応リンクを貼っておきます。(大きなホームセンターや大手カー用品店には大抵売っています)
11Lと12Lの違い

QUAD 12Lの方が一回り大きい分、余裕のあるゆったりした音がします。但し音楽性は俄然11Lの方が高いと個人的には感じます。何よりノリが良く音楽が楽しく聴けます。しかし12Lと比べてサイズが小さい分、シャープさと引き換えに音の出方にどこか窮屈な感じがあり、キンキン破綻しかかるギリギリのところでバランスを取っていると言えなくも無いかも。。。結果的に12Lの方がよりナチュラルなゆとりが感じられて鳴らし易いかもしれません。

アンプとの相性

国産の売れ筋クラスの高出力アンプでは、多くの場合オーバードライブ気味の歪みっぽく詰まった印象を受けました。非現実的な提案になってしまいますが、機器自体からの歪み感をまるで感じない、割とミニマムな出力の高精度/高品位なハイエンドアンプを使うか、英国製もしくは欧州製、もし国産機であればエントリークラスのごく低出力(8Ω50〜80W程度)のアンプで、響きとピュアネスを大切にしながら優しく鳴らしてあげる方がQUAD 11Lには相応しいと思います。QUADのスピーカー全てで云えることですが、趣向として大音量でガンガン鳴らして楽しむ類のスピーカーでは無いと思いますので。

スピーカーケーブル

6002アンプと同じですが敢えてレンジの狭い安物で高域を抑えて聴きやすく妥協するか、真に高品位な物を使うか・・・高域を持ち上げて音色のアクセントにしたり、どこかを誇張したようなウケ狙いの中途半端な売れ筋品は避けた方が良いみたい。ものすごく無責任な提案ですが、予算面からあまり高価なケーブルを買えない場合は、一例としてQUADと同じ英国メーカーのIXOS(イクソス)6002/6003"SUPER GAMMA"をバイワイヤで使ってみるのは如何でしょうか?IXOSの低価格帯ケーブルはQUADと同様、イギリス的なトーンと節度の中で音楽的なニュアンスに富む帯域を欲張らない甘めの音ですので、より英国的な雰囲気感を増しながら穏やかな耳当たりに改善されるかも知れません。⇒IXOS(イクソス)英国を代表するオーディオアクセサリーブランド

インシュレーター

オーディオテクニカのAT6099はどうでしょうか?との質問を受けましたが、こればかりは実際にやってみないと判りません(汗) 少なくともオーディオプロのImage11では切れ味鋭い高域を適度に丸める性質があって効果的です。但し11Lの場合、それなりに効果はあるけど、まだ不十分。。。になってしまう気もします。標準で既にゴム足がついていると言うことは、セッティングが甘いと歪みっぽくなり易いという弱点を最初からメーカーが認識しているんだろうと思います。一つの手としては、オーディオリプラス等、人工水晶系のインシュレーターを使用すると、高域の歪み感が取れて更にふわりとした繊細な残響感が加わり、より静電型・・・エレクトロスタティック型っぽい音色になると思います。但し石英インシュレーターを使用した場合、引き換えに密度感とか躍動感、色彩の濃さなどがトレードオフになりますので、その点には注意が必要です。

ラジオ・ウェーブ・カット(RADIO.WAVE.CUT)

こちらは前述のU氏が11Lに使われて大絶賛されていました。ゴトウ総合音響が独自に販売するRADIO.WAVE.CUTは、多くのスピーカーでトゥイーターの高域歪みを取るのに大変効果的です。11Lに限らずB&W等の耳障りな鋭い高域を手っ取り早く何とかしたい!場合には試してみる価値が大いにアリです。筆者のウィーンアコースティックT-2にも使用中。ただなんと云いますか、お値段がやや高いんですよねぇ・・・(´Д`;)

アイソクリーン・パワーヒューズ

ヒューズ交換の効果は壁コン、タップなど電源系をいじるのと同傾向の変化なのですが、機器そのものから来るザワザワした歪み感、中高域の過剰な伸張感を大きく改善できます。但し雰囲気的に真空管アンプっぽい音色になりますので、これも音色が好みに合わないと言われると・・・残念でしたって事に(汗)⇒プリメインアンプのヒューズ交換をしてみました♪

ツイーターが神経質すぎる為に結果的にコントロールが難しい。。。

一通りのエージングを経過した後、上手く鳴らせればESLを彷彿とさせる繊細でクリアな音色が得られるけれど、そこに速やかに到達できるオーナーさんは各々の所有機器の制約上限られてしまう訳です。QUAD 11Lに惚れ込んで、価格を意識せずにポテンシャルの限界に挑戦し、ハイエンドスピーカーのように取り扱うか、敢えてローファイ系のオーディオアクセサリを使い、レンジを狭めて高域を丸くして実用的に使えるように妥協するのか・・・つまるところ、見かけは手の届きやすい普及価格帯の製品であるにもかかわらず、使いこなしのアプローチ面で、ミドル〜ハイエンドクラスのスピーカーの方程式で正攻法に取り組まないと上手く鳴ってくれない、これが初心者にも手が届く普及価格帯のモデルとしての、実用上の大きな問題点なのかと思います。

とは云えクォード11Lや12Lは、裏を返せばこの価格帯では他に右に出る物のない位の本格的なサウンドが得られる優れたスピーカーな訳ですから、音楽性とオーディオの醍醐味両面から、長くつき合うに相応しい大人のテイストと懐の深さを十二分に秘めた、このクラスでは数少ない上質なスピーカーではないかと思うのでした。。。(^^)ゝ
以上、微力ながら管理人が思いついた点をまとめてみました。クォード11及び12Lオーナーの皆様に少しでもお役に立てれば幸いですm(__)m
《Update2013/08/09》

ピュアオーディオRANKING←お役に立てたらクリックして欲しいのであります!♪
mixiチェック このエントリーをはてなブックマークに追加
ブログネタ
オーディオ に参加中!