薄型大画面テレビ導入計画 プラズマディスプレイ vs 液晶テレビ

【Pioneer PureVision プラズマディスプレイのお話】
機種選び|購入生産撤退電源ノイズ電源ケーブル(画質)電源ケーブル(音質)

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SONY WEGAの故障

先日ついに我が家のテレビが壊れてしまいました。SONYの98年製29型WEGAの初代フラットブラウン管テレビなのですけれど、1999年購入から8年目で流石に寿命が来たみたい。。。実は去年あたりから、視聴中に時折ふいに電源が落ち、電源ランプが点滅する(サービスモードで故障を知らせている)症状が時折発生していたのですが、修理が面倒で騙し騙し使い続けていたのです。当初はまた電源を入れ直せば済んだのですけれど、その発生間隔が徐々に短くなり、最近では数分から数十分でブラックアウト、一端強制消灯モードになると暫くはONにしても復帰しない。マンガのような話ですが、拳でガンガン天板を叩くと一時的にまた観られるという末期症状…( ³△³ ).。o。

pby-大画面テレビ

当然、本来ならばソニーサービスを呼んで修理すべきなのですが、どこの量販店を見ても時代はもう大画面薄型テレビの独壇場。もはやブラウン管テレビは店の片隅に追いやられ、8年前のWEGAよりも明らかに高画質なフラットブラウン管テレビが29型でも5万以下の値で叩き売られている状況。地上波放送が2011年で打ち切られることもあって、既に従来型のブラウン管アナログ地上波/BSテレビは、ほぼ役目を終えてしまっています。更にうちのWEGAは上記の故障だけでなく、経年劣化で色座標が狂い、画像が黄緑がかって新品当時の画質とはかけ離れていますし、レーシングゲームのやり過ぎでうっすら焼き付きが出ていたりも…。

そんなこんなで、WEGAが故障してしまったのは悲しいのですが、このサイトを観に訪れてくれるようなマニアックな人々の多くは既に大画面薄型テレビを導入されていらっしゃるでしょうし、そんな人達から見れば私の時代遅れ過ぎるピュアオーディオ観やビジュアル観は色々な意味で何を今更このガキはな訳です。マルチチャンネルサラウンドの事は知らん顔、HDMIやD端子にコンポーネントケーブルも良く知らずに、今更S端子ケーブルのインプレを書いたりしながら、このままじゃイケナイと自分自身、内心かな~り焦っていたりいなかったり。。。そんなこんなで、今回の故障は丁度テレビを強制的に、これからの主流であるハイビジョン地上波デジタル、BSデジタル対応薄型大画面へ買い換える良い機会でもありますので、それに可及的速やかに新しいテレビを買わないと実際色々不便この上ないこともあり、意を決してコジマジョーシンヤマダ電機ノジマ等々の首都圏量販店を梯子してみる事にしました。

本来の趣味であるピュアオーディオでもそうですが、自分は商品の実物を自分で実際に確かめる前には、基本的に必要最低限の情報以外は頭に入れないようにしています。先に色々な事を調べすぎると商品に対して変なバイアスがかかるからというのもあるし、自分の主観的な判断力とセンスに従った方が購入後絶対に幸せになれることを経験的に納得しているから。特にビジュアル系は今まであまり重視して来なかった事もあり、オーディオや音楽関係と違って専門誌もこれまで殆ど購読していません。ですから今回、薄型大画面テレビに関して殆ど事前情報が無く、精神的には100%白紙の状態で店頭に赴くことになりました。

液晶 VS プラズマ

量販店にずらーっと並ぶ数多くの大画面薄型テレビに最初は正直戸惑いました。てか、まず値段が激しく高い。それからぱっと見て42型未満は購入候補から外れました。設置する部屋が16畳リビングなのもありますけれど、単純に29型の4:3テレビに慣れ親しんでいたため、4:3のコンテンツを試聴する際にそれより同等若しくは小さい画面には流石に我慢できませんし、そうなると37型では29型よりほんのり大きい程度で既に全く大画面には感じられない自分がいます。数年前37型の薄型テレビを初めて見たとき、何コレでかーっ!と驚いていた筈なのに、今42型~50型が主流で、更に58型やそれ以上の展示まである店頭では、もはや40型を切るサイズというのは大画面という範疇からは外れてさえいるように思え、ほんとにもうどうしたものやら。。。

とは云え予算は30万円前後を考えていましたので、50万円を超える58型超~のサイズは候補外。リビングのサイズからもバランス的に大きすぎると思いますし。必然的に20万円台で買える42型か、30万円台の50型か?ってな感じで一通りの機種を眺めてみることに。。。

先ず薄型大画面テレビには液晶とプラズマの2種類の方式があり、この二つは見た目にもはっきり画質と性格が違います。液晶はシャープ AQUOS東芝 REGZAソニー BRAVIAその他、対してプラズマは松下 VIERA日立 WOOOそしてパイオニア PureVisionその他。店頭での展示商品数的には、7対3で液晶製品の方が多く売り場を占めている印象。特に40型以下の中小型モデルは液晶テレビが独占しています。逆に42型以上の大型モデルではプラズマテレビが健闘している模様。

さて、そんな事より肝心なのは画質です。売れている液晶テレビが良いか?プラズマテレビの方が良いか? うーん、誤解を恐れずに書いてしまうと、僕の目にはどうしても断然プラズマテレビiconの方が奇麗に映るのです。一般には液晶テレビの方が沢山売れているらしいですから、多数派の皆さんには液晶画面の方が奇麗に見えるんですよね? とはいえ、ここの管理人の頭からゆんゆん出ている電波はプラズマの放電プレイに親和性が高いっぽい。パネル内でスパークしたデムパが電磁波駄々漏れでイイ感じに脳へ作用してくれて、これはもう、敢えて言おう、プラズマ以外は○○であると!ってな感じでだからといって祭らないでね♪ もちろん良い意味で♪ ※読者の皆さんへ注意:これは管理人の観る目に問題がある可能性は否定しないでしておきます。

歴代テレビはずっとSONY製でした

実はうち、生まれてこのかた家にあるテレビといえばSONYしか使ったことがありません…。 WEGA含めて現状家にある3台も全てSONY。WEGA以前もSONYのブラックトリニトロンだったし、ダイヤル式で木箱の時代からソニー製。要するにテレビについてはソニー信者だった訳です。しかし、現在SONY BRAVIAについては、2005年にプラズマ事業から撤退して今は液晶モデルしか作ってないのね。。。ブラビアのガラス枠デザインは魅力的ですし、新型BRAVIAは他メーカーの液晶テレビよりも抜けの良い画質と発色で明るく目を惹きますが、あくまで液晶ですし…動画になると○×△◇でうーん好みじゃないかもといった所。何でプラズマWEGAの開発を辞めてしまったんだろうと複雑な気分。。。

プラズマディスプレイの画質は液晶よりも優れています

従来のブラウン管テレビからの移行としてブラウン管と比較する場合、プラズマパネルの方が液晶パネルよりも断然ブラウン管の質感に近く見えるのですが、これは偏見かしら?と云うか、誤解を激しく恐れつつ個人的真実を述べるなら、現時点では液晶テレビってブラウン管よりも画質良くないですよね?大きくなって薄くなって、画質も良くなったのでしたらそれで問題無いのですが、少なくとも現状では明らかにブラウン管に見劣りがする。(と、あくまで個人的には感じます。) 操作線数や画作りで最適化されたハイビジョンコンテンツは別にしても、未だに放送の主流である旧来の通常解像度のSDTVコンテンツでは、やはりブラウン管テレビの方が遙かに奇麗。勿論SD画質のセル/レンタルDVDやスカパー!やVHSビデオもです。どうせ高いお金を出して買い換えるのに、以前より画質が落ちるなんてのは何と言われようと耐えられない。じゃ、プラズマテレビはどうかといえば、残念ながら今のところプラズマテレビも多くのモデルはブラウン管テレビよりSDTV画質について劣ると思います。パイオニアのフラッグシップPDP-5000EXを除外すれば。ただ、50万円を切るプラズマ普及モデルであっても、最新機種ではSDコンテンツでブラウン管と比べほぼ違和感のないレベルまで質感が追いついてきていますし、最適化されたハイビジョンコンテンツで液晶とプラズマで比較した場合では尚更、僕の脳内限定では何と言われようとプラズマ>>>>>液晶に感じてしまったり。勿論これは決して社会の総意ではなく、デムパをゆんゆん飛ばしながらネットの片隅で萌えを叫ぶ、少数派ヲタクの戯言という極めて個人的但し書きが付きますけれど~゜゜(´▽`。)°゜。

Pioneer PDP-5000EX
Pioneer PDP-5000EX

とは云え、液晶は駄目かというとそんな事はありません。液晶には液晶の良さがあって、2次元静止画のなんともセル画チックな色乗りや、地上波デジタルのバラエティやニュースコンテンツのクッキリとした観易さ、原色的発色、あと実用面での取り扱いの平易さ、エコが叫ばれる今の時代に消費電力が少なめなところなどはイイ感じ。想定寿命も長いようですし、また激しく明るい店内でも更に激しく明るく派手に見せられる輝度の高さ(明るさ)もあります。画角による画質の劣化もかなり改善されてきています。それから画素数の面でフルハイビジョンスペックを手の届く価格の中型モデルで早々と実現しているところは本当に凄い。カタログスペックだけで比較した場合、プラズマテレビはモデルチェンジ一回分液晶テレビに遅れている感は否めません。それに、プラズマテレビは小型化が出来ませんので、リビングではなく小部屋サイズのモデルとなると、当然液晶から最高画質のものを選ぶことになります。その場合現時点では東芝のREGZAが画質面で筆頭に挙げられそう…。

逆にプラズマの良さはその画像の自然さと深みのある映像表現です。まず以て圧倒的に階調が豊か。液晶テレビの多くは階調表現が狭すぎて白が飛んでいたり、黒が潰れていたり、色味も人工的且つ平面的で明らかにテレビ内で作られた画像を観ている感触が拭えません。けれど、プラズマテレビiconでハイビジョンの風景コンテンツなどを観ると、テレビ枠の向こうがまるで生映像であるかのような立体感と、臨場感、色表現のナチュラルな豊かさ、暗部階調の豊富さを、映像素人目にもはっきりと感じられます。ハイビジョンカメラの撮影時のレンズの性格までも描き分けられるリアリティが其処にはある\(*^o^*)/。 カタログスペックでは画素数など十分でないモデルも多いのですけれど、実視聴時には何故かフルHD液晶以上に情報量が豊富で精彩感が高いのが不思議といえば不思議。。。

それから残像。液晶パネルの動きブレと残像の多さにはちょっと閉口します。見渡した感じメーカーによっても結構差がありますけれど、アニメで動きの激しいシーン、そしてスポーツ全般。サッカーや野球、テニス、シンクロ、フィギュアスケート、ゴルフその他、本当にこんなんで良いのかしら? 水中の珊瑚やイソギンチャク質感は潰れてしまっているし、芝生や森林など、自然の細かいテクスチャーの映像ではカメラが動いた途端に残像で映像が滲んで破綻しているのですが。。。残像まで行かなくても、人間の動き自体が全体的に何か作為的で不自然ですし。。。モデルチェンジ毎に改良されているのは目に見えて感じますけれど、未だ神経質なブラウン管ユーザーが許容できるレベルには到底達していないように思えます。もちろんプラズマパネルの方にも残像感はあります。と云うのも、残像が全くない従来のブラウン管と比べてしまうと、映像の種類によってはやっぱり微妙な遅れ感が感じられます。それでも、普通にスポーツ映像を観ていてボールが尾を引いたり人物の輪廓がとろけたり等のあからさまな残像を感じることは殆どありませんし、アニメなど動きの激しい画面でも余程のことがない限り画面が破綻したりはしません。カメラがムーブした際に画面全体がぐしゃっと潰れ、描写がガタガタする事も、現行モデルでは殆ど無くなりつつあります。

こんな感じで、今回の購入選択肢は必然的にプラズマテレビiconに限定されました。言葉で双方の美点や欠点を並べればいくらでも言えるのですけれど、百聞は一見に如かず、実際に大画面テレビの購入を考えている方は、是非店頭でじっくり全てのメーカーの全てのモデルを比較して欲しいと思います。特にプラズマと液晶はそれぞれ最低10分は前で動かずじっと見つめ続けて欲しい。ぱっと観た瞬間は確かに液晶は明るくてビビッドで奇麗です。瞬間の店頭効果、求心力はプラズマを超えています。しかし、よくよく見つめて描写の細やかさや質感、画面の奥行き、光の明部と暗部の階調、色の派手さではなく豊かさ、奥行き感、立体感を見比べて下さい。そうすれば、露出オーバーで細部が飛んでしまった写真と、適性露出で見事な階調を実現している写真の違いが其処にはあります。その部分に一端気付いてしまうと、管理人がここまで断言しちゃう理由が簡単に解ると思いますし、更にその上で実用上どちらが良いかの価値判断は、人によって違ってきますし、あなたの目で見で決めたその判断こそが一番間違いないのです。

松下vs日立vsパイオニア

そんなこんなで、うちの薄型大画面テレビ導入計画は、液晶モデルを敢えて外し、42~50型のプラズマテレビに絞られる事になりました。まぁ、プラズマパネルの優位性に疑問のある御仁は、説得力皆無な電波管理人の妄言より、オーディオビジュアル専門家である麻倉先生のインタビューを読んでみて下さいませ♪

さて、プラズマテレビ限定となると、選べるのは松下VIERA日立WOOOパイオニアPureVisionの3社が主な候補になります。ビクターEXE(エグゼ)(プラズマより液晶にめっぽう強い)や、byd:sign(バイデザイン)についてはまた別の記事に。

まず目に付くのはやはり一番売れているパナソニックのVIERAでしょう。何処の大型販売店でも、販売区画の一番良い場所を独占して最も目立つ展示がされています。恐るべし松下の営業力。50型の上級機種からはフルHDモデル。うーん、開発予算も展示コーナーもなにもかも、他のメーカーにチョットは分けてくれ~と思わず唸りたくなるようなプラズマシェア独占状態。しかも実売価格が一番安い。ていうか甚だしく値引きが利きます(@_@;)。シングルチューナーの42型下位モデルTH-42PX60でポイントその他で実質20万前後ですから、これはもう当然の如く売れるわけです。で、肝心の画質性能はどうかと云うと、うーん、うーん、うーん…(謎)。技術的な開発力の面では流石に松下、50型のTH-50PZ600以上はフルHDを実現していたり、動きの自然さや全体のクッキリ感など、他社をリードして非常に優れているように感じます。

ただ、性能は良いんですけれど、ヲタク視点で見た場合に画作りが微妙に??? 誤解をとっても恐れつつ口から電波を駄々漏らしてみると、描写の方向性が家庭用テレビそのものの画作りに感じるのです。今まで使って来たSONYベガKV-29SF1のダイナミックモードに近い表現とでも言いましょうか。。。店頭効果を意識しつつ、一般家庭で最も良く観られるであろう地上デジタルのバラエティ番組やニュース番組等のコンテンツを、極めて常識的且つ明瞭に映してくれる分かり易い画質。キャッチフレーズが地上のビエラですしね。色再現も何かこう、肌色や赤などのリアルで生々しい表現からは一歩引いたところにある、家庭用ブラウン管でも馴れ親しんだ感じの、ほんの少し化学調味料で味付けしてみました的なファミレステイストな親しみやすさ。ブラウン管からの移行を踏まえ、絶対不特定多数に最も受け入れられやすい平均的な味覚で攻めてみましたって感じ。外観デザインもシルバーのプラスチック枠で従来のテレビ的。一般的な日本の室内環境での買い換えでも浮かなそう。更に前面低反射ガラス層でパネルの反射も抑えられていて、傷にも強く、映り込みの多い家庭での実用性を非常に大切にしています。基本性能が高いたげでなくトータルでとっても親しみやすく扱いやすく庶民的。チャンネル切り替え等の動作も良好。

ただ、先にも書いたように敢えて映像部分だけを取り出し、敢えて重箱の隅をブスブス突き刺すと気になる点もあります。どうも店頭で比較されるであろう他社液晶テレビの画作りを意識して引きずられている気がするというか、マーケティングの立場から犠牲になっている部分がある様に勘ぐりたくなると云うか、松下のプラズマ技術力を最大限生かし、プラズマパネルの持つ魅力を最大限引き出しましたって感じがイマイチ伝わりにくいのです。新PEAKS(ピークス)ドライバーの効果もあるのか、かなり輪郭強調を駆けていてクッキリハッキリ見える反面、輪郭ノイズが多く奥行き感が犠牲になっている様にも感じられます。お陰で他社プラズマテレビと比較して映像描写が平面的になり、良く見ないとまるで暗い液晶みたいに見えてしまい、店頭比較時に運悪く店員の解説がない場合、液晶の明るさや美しさを逆に援護射撃してしまっているようにも見えてしままう。そんな部分が、マニア視点で見た場合のシビアな求心力を敢えて犠牲にしている風にも思われて、少々びみょ~とか言ってみる。

次は日立 Wooo(ウー)。HDDレコーダー内蔵で録画も出来るプラズマテレビ。更に松下に迫る実売価格という事で、色々な意味でかなりお買い得。レコーダー部分が故障したらどうするの?という突っ込みはこの際敢えてしないでおきます~゜゜(´▽`。)°゜。日立はプラズマPDP事業を松下と共同で開発生産していますので、松下のOEMな感じ?かと思いきや全くそんなことはなく、しっかりとした独自性を主張しています。と云うより、画作りも外観もなにもかも違いすぎて同系統のパネルには見えません。画素スペックも全く違い、最大の特徴は42型及び50型の垂直解像度が1080画素で、松下やPIONEERの同クラス機の768画素を大きく凌駕している点。但し水平解像度については一緒で(42型で1024画素/50型で1366画素)となります。要するに日立の現行機は縦方向のみフルHDスペック。その分これはもう断然、他社のプラズマモデルより精彩感が高く感じられます!と言いたいところですが、意外とそれ程でもないというか、実は店頭レベルだとマヌケな私にはあんまり違いが感じられなかったり…。 同じ50型で比較した場合、水平解像度も1920画素でフルHDを実現している松下TH-50PZ600とPIONEER PDP-5000EXの2機種については、一目で画素が細かい事を認識できますので、案外と垂直解像度より水平解像度の方が見た目に大きく違って感じる?っぽい。いずれにしてもスペック面では遅くても2~3年で全社42型以上の全機種フルHD化を実現するでしょうから、現状の過渡期モデルで目くじらを立てる程でもないと何故か自分へ言い訳しながら、たぶん、家庭内だとかなり違って見えるんだよとその辺りは持っている人に訊くがよろしぃ。

肝心の画質ですが、乱暴に云えば松下とパイオニアの中間です。プラズマの持つ特性と魅力を素直に表現した大変に好感度の高い仕上がりで、VIERAほど店頭効果に振っているわけでもなく、パイオニアほどアーティスティックな描写力に拘っている風でもなく、こう色々な意味でトータルバランスが取れています。松下と異なりこちらは前面光沢ガラスを採用しているお陰あってか、プラズマらしさの一つである透明感や空気感の魅力は十分に出ていますし、色再現性もまぁ合格。黒部分の沈み具合や、色(色温度?)が微かに黄ばんでいるなど、映像の各要素のピークをマニアックな視点で敢えて別々に分けて比較した場合、それぞれパイオニアか松下に軍配が上がってしまうのですけれど、全体的に画作りというか見た目の特性?がフラットで素直なのか、どんな映像でも万遍なく安心してみていられます。特に50型のW50P-HR10000とW50P-H10000(レコーダー非内蔵モデル)は個人的にとても気に入りました。実用性と描写力を高度に兼ね備えていて、これはなかなか大人の選択かも知れません。

最後はパイオニアのPureVision。実は一目惚れです。もうなんと云いますか、やってくれたね!PIONEERさんってな感じで明らかに他とはイデオロギーの異なる画作り。何が違うって直球ど真ん中で映像の描写力が桁違い。敢えて言わせて貰います、ピュアビジョンに限っては間違いなくピュアオーディオ/ピュアビジュアルしています(ピュアビジュアルなんて言葉は無いけど勝手に宣言してしまおう)。パイオニアは純粋なオーディオビジュアル専業メーカーだけのことはあって、他社のような白物家電としてのテレビではありません。要するに設計思想がザクとは違うんですザクとは・・・\(^o^;)/。 映像機器として家電に媚びず、映像芸術やAV機器に興味がない一般層にまで敢えて媚びず、作り手が映画・映像作品が好きなんです!と、見事なまでに主義主張しているのです。薄型大画面家電テレビではなくて、テレビ機能も兼ねたピュアビジュアルモニターという趣旨、正にピュアビジョンという名称に相応しいクオリティ。利益至上主義の今の時代にこういった企画を具現化する事自体とても難しいことなのですが、赤字覚悟でそれをやってのけてるPIONEERのエンジニアさんに脱帽です。

同社のPDP-5000EXやPDP-507HX・PDP-427HXの実物を御覧になれば、映像好きな方は直ぐに判ると思うのですが、まず映像の立体感が他とはまるで違います。なんですかこれは!?と思わずモニタの前で絶句するくらい。黒の階調が凄い~なんて言われてもあまりピンと来ませんけれど、要するに陰影の付き方、光の再現性がまるで別格。人の頭部でも静物でも、丸い物を映すと一目瞭然。平面パネルなのに枠の中が立体に見えますよ?(驚) 特に凄いのは髪の毛、一本一本の質感が極めて明瞭に描写されますから、ヘアデザイナーさんなどは特に驚かれること請け合いです。さらにフォーカスとボケの対比が自然で遠近感がハッキリと出ますので、レンズの向こう側の世界の奥行きに思わず平衡感覚を失って吸い込まれそうになるくらい。 空気感も別格。撮影する場所毎に違う空気の色、水の色、透明度、湿度感までもがリアルに伝わってきます。暗部階調の豊かさ、色再現の生々しさも特筆もの。ピュアビジョンの発色に関しては仄かに現実よりも美しいくらい。派手なのではなく純粋に色が美麗。子供の頃の記憶色が蘇るような、β-エンドルフィンが思わず耳からダダ漏れしそうな景色です…。 ついでにハイビジョンテレビに付きまとうザワザワとしたノイズはパイオニアが一番少ない。即ちと映像のS/N比が断然良いんです。この点はプラズマのみならず全ての液晶テレビを大きく凌駕している。そして液晶テレビや他社プラズマテレビのような店頭効果狙いの輪廓強調をしていませんので、テクスチャーが細かく、一つ一つの物の質感に実体感があって気持ち悪いくらいリアル。動画処理にも独特の滑らかさがあり、動きボケや輪郭ノイズが驚くほど抑えられています。そんな感じで、なんでPureVisionをみなさん買わないの?と小一時間問いつめたいくらい厳然とした違いがあります。はっきりいって他とは物が違います本当に。

Pioneer PureVision PDP-427HXを購入しました

さて、心の中ではパイオニアのPUREVISIONにほぼ決定!と言いたいところだったのですが、帰ってから冷静に考えてみると色々と気になる点も出てきました。特に価格.comなどの掲示板を一通り見たところ(当時は発売して間もなかったのでそれほど書き込みは多くありませんでしたが)パイオニアのプラズマテレビは焼き付きやすい!といったクレームがかなり多いのです。これは前機種のPDP-436HDPDP-506HDでも囁かれていたことですが、朝の時計表示や、4:3画面表示の黒帯との境目がうっすらと焼き付いて影になり、治らなくなってしまうと言うものです。

PDP-507HXPDP-427HXを実際に購入された方で焼き付きを起こしてしまい、泣く泣く返品したとか交換したなどの書き込みを見ると、高価な買い物でもありますし、やはりかなり購入を躊躇してしまいます。こういった問題はライバルの液晶テレビや従来のブラウン管では殆ど発生しないトラブルですから、現状の進化途上のプラズマテレビを購入する場合、実用面でかなりネックとなる可能性があります。更に僕の場合、F1レーシングゲームを長時間プレイする趣味があり、ブラウン管のSONY WEGAですら焼き付きを起こしたトンデモ前科がありますから、もしも僕の使い方で焼き付きを起こしたらどうしようとの心配が先に立ち、パイオニア製を買うべきかどうかこの点から真剣に悩みました。まず、プラズマシェアの7割以上を独占するPanasonic VIERAの場合、焼き付き対策が施されているのか、家庭内で普通に使用していて画面に焼き付きが出たというクレームは殆どありません。同系統のパネルを使う日立Woooも多分同じでしょう。そういう意味ではVieraやWoooの方がピュアビジョンよりも神経質にならず使い易そう。

Pioneer PDP-427HX
PDP-427HX 商品概要 | プラズマテレビ | テレビ・モニター | パイオニア株式会社 (jpn.pioneer)

逆に実用面でパイオニアのプラズマパネルが断然優れているのは消費電力の低さです。50型で343W/42型で288W。対する松下・日立パネルでは、50型が約450W/42型が約350W (内蔵チューナー数/HDD有無で機種差有り)。パナと日立の42型モデルがPIONEERの50型モデルと同水準です。加えて、ピュアビジョンだけは同サイズの液晶テレビと変わらない低消費電力ですので、家のようにブレーカー上限20Aでエアコンとシャンデリア、キッチン、PC、オーディオ全てを賄う条件では、少しでも少ないW数の方がブレーカー落ちなどのリスクが軽減されて助かる面もあります。勿論テレビとして日常的に使うものですから、ランニングコストが低い方がお財布にも優しいし、環境にも優しく一石二鳥。更にデザイン。テレビチックな銀色樹脂が基調のデザインは国内で人気がありますが、見方によっては無難過ぎて面白味に欠けます。反面、光沢のあるアクリル黒枠はインテリアとしても高級感抜群。ヨーロッパ市場ではこちらの方がウケるらしいです。更にオプションで白枠への変更が可能。管理人は自分でコーディネートした白系の英国式インテリアに合わせてオーディオラックや家具を白く塗装しているくらいですので、これらのオプションの存在も見逃せません。正にピュアビジョンはインテリア好きのための大画面テレビと云えます。

とは云え、ポイント実売価格の面では、42型50型共に松下、日立共にPIONEER比で5万円以上の値引きが可能(私が購入した量販店ではそうでした)でもあり、かたや42型のTH-50PX600が、表示価格で実質20万前半程度で買えるVIERAに、同じ42型で30万に近いPDP-427HX。この価格差を電気代の差でひっくり返すのは、何年かかるかなぁ…。とか思わず数えてしまったり。価格.comの情報などからある程度まで値引きを引き出せるとは思っていましたが、それでもハイビジョンレコーダー1台分の価格差がある事や、プラズマテレビが未だ進化途上にある事などを踏まえると、画質を妥協してでも今は安いビエラの方がお得かな~等と迷ってしまいます。。。どうせ5年後の2011年にはまたフルスペックハイビジョンの新しいモデルが欲しくなってしまいそうですし…。 ※多分、多くの方が同じような理由で逡巡されていると思います…。

しかし、今までピュアオーディオ一筋でビジュアルには凝っていなかったとは云え、ネット上で仮にもオーディオビジュアルについて情報発信するような人間が、そんな理由で妥協して良いのか?などと見栄の部分もあり・・・はたまた人生は短い、妥協した日々は戻ってこない、物は後から買えても失った時間と経験は後からお金で買い戻せないし…等と哲学的?な事まで考慮すると、やっぱり欲しいと思ったその時こそがオーディオ機器もビジュアル機器も買い時な訳です。欲しい物の購入を遅らせれば、それだけ経験できる日数は目減りする訳で、病弱で綱渡りしながら生きている身としては、そんな部分も結構身につまされる問題。。。そんな事情も全て考え合わせると、手が届くチャンスにはあまり妥協や我慢はしない方が良いのかなと。。。内心未だ高過ぎるぅ~とは思ったのですが、これでも2年前と比べたら半額。あまり低価格化が進むと今度はコストダウンで徐々に品質面が犠牲になるのも毎度お馴染みですしね。そんなんで、ここは清水の舞台からバンジージャンプする位の覚悟で意を決し、現時点の大画面薄型テレビで最も高画質且つ高級感のあるPIONEERに決めてしまいました。ちなみにサイズは42型のPDP-427HX。購入価格は専用のテーブルトップスタンドPDK-TS25と、TDKのBS/CSアンテナBCS-45DHV込みで280000円。勿論5年保証付きです。(これは昨年9月の話ですので今はもっとお安く買えたり…。更に冬モデルからは限定生産のPDP-427HXDと、60型のPDP-607HXなんてのもあります。)

Pioneer PDP-427HXD
限定モデルPDP-427HXD・下の銀色部分が黒くなり、枠のエッジが面取りされました。

店頭では最後まで50型のPDP-507HXとどちらにするか悩んだのですが、507HXは、427HXと比べて僅かに画面がぼんやりして精彩感が低く見えるのと、僅かに暗く見える点が気になり、じっくり見比べた後、結局PDP-427HXを選びました。これは、507HXの画素が427HXより垂直方向に大きいのが原因なのかしら?(注:水平方向は僅かに小さい) あと、同じ50型のフルハイビジョンモデルのPDP-5000EXと比べてしまうと、価格が3分の1なので当たり前ですが、どうしても解像度の面で見劣りがします。この3機種は基本的な画作りが似ている事もあって(同じエンジニアさんがチューンしたのかにゃ?)、何故か427HXの方がややクッキリして見える分、孤高の精彩感を誇る5000EXのニュアンスにより近いように思えたのです。勿論、それっぽいだけで、PDP-5000EXの画質には色々な意味で及ばないですので、予算のある方の場合、出来ればPDP-5000EXの方を御購入されることをお薦めします。より大画面がどうしても必要な場合は別として、PureVision PDP-5000EXは現時点で最も高画質・高品位な薄型テレビであることは疑いの余地がありません。実機をご覧になれば一目瞭然ですが、あまりの画面の美しさに思わずぽか~んとなってしまいますよ。

他にも松下ビエラの50型TH-50PZ600もフルHDモデルですが、画質のクオリティではPDP-5000EXに及ばないと思います。とはいえ、実売50万円を切る価格の50型で一番高画質なのは~となると、現行機種では間違いなくPanasonic TH-50PZ600でしょう。消費電力が598Wと大きいのでその点は注意が必要ですけれど、現時点では最も性能と価格のバランスが良いハイCPモデルです。画作りのセンスではやはりPDP-507HXが魅力的ですので、同価格クラスのTH-50PX600やTH-50PX60と比較した場合には、管理人の独断と偏見と自信を持って507HXを推薦しますけれど、PZ600と比べてしまうと、フルHDの画素数からくる情報量のアドバンテージは一目瞭然でしたから。

【Pioneer PureVision プラズマディスプレイのお話】
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コメント一覧 (2件)

  • 私はTH-22LT1という液晶TVを6年前に買って、今でも使っていますよ。
    途中、全交換1、パネル交換1ですが。
    でも追加費用は手数料の1万円だけです。
    買った当初は確かに色数が少ないような違和感がありましたが、調節しているうちに慣れてきてしまいましたね。
    出荷時の設定はちょっと派手過ぎるみたいです。
    逆に今では、インターレスのTVを見ると上下にブレるのがハッキリ見えるようになってしまいました。
    テレビは高いのを買うと、値落ちが激しくて心穏やかにいられなくなりませんか?
    こちらのブログのおかげでImage11kai-sのユーザーになりました。
    他にもいっぱい買ってしまいましたが、結構幸せです。

  • 名無しさんこんにちは(^^)
    TH-22LT1って松下のデザインがとてもモダンな液晶タウですね。応答性などかなり評価の高いモデルのようですね。
    http://prodb.matsushita.co.jp/product/info.do?pg=04&hb=TH-22LT1
    このデザインのまま液晶ビエラも作って欲しかったです…。
    この日記、すこし前に書いたもので投稿しようか迷ってたんです。プラズマテレビを買ったのは実は昨年の話です。こういう比較記事を書くと、液晶テレビのユーザーさんが不快に感じるかも知れないなと思って…ただまぁ、プラズマはシェアでかなり苦戦しているので、ちょっと語気を強めても援護射撃しておきたいと思いまして。
    私はあくまで店頭でしか液晶テレビを拝見していませんので、評価の高いモデルでマニアの皆さんが設定を追い込んだ時に、何処まで画質が高まるか?までは分かりません。そういう意味で、記事の内容には比較レベルの問題があることを断っておきます。
    >テレビは高いのを買うと、値落ちが激しくて心穏やかにいられなくなりませんか?
    おっしゃる通りです。テレビというか家電全般そうですが、私が年明け前に30万弱で買った42型プラズマ(PIONEER PDP-427HX)も、既に買った店頭では実質5万円程度下がっています。ほんと、購入はタイミングが難しいです。って今買う限り、今後数年間、薄型テレビの販売価格は下がり続けること間違いないのですけれど。
    Image11/KAIですか~(^^)。スウェーデン製なのにお手頃価格、激しく音が良い、値下がりの心配もない、という事で、みんなが幸せになれる数少ないスピーカーだと思ってます。 気に入っていただけて嬉しいです♪ あと、2度目のコメントですので、もし良かったら次からHNを決めていただけると嬉しいです♪

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